保育料の無償化はいつから始まるのか?その時期と内容について解説

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以前からしばしば話題になっていた保育料の無償化ですが、実際に始まるのはいつからなのか、皆さんは把握していますか?いつから始まるのか、また保育料の無償化はどこまでが適用の範囲なのかなどの内容を解説していきます。保育料にお悩みの方は是非参考にしてみてください。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

保育料の無償化って何?いつから始まるの?

小さな子どもをもつほとんどのお父さん・お母さんは「保育料の無償化」という言葉を聞いたことがあると思います。


子どもは可愛く、希望にあふれた存在ですが、1人を育てるのには保育料をはじめとする教育費として、最低でも1000万円といわれるほどお金がかかります。


そんな中発表されたこの「保育料の無償化」は、なんともありがたい話ではないでしょうか。


しかし、若干言葉がひとり歩きして「実際の制度がいつから始まるのか・どのような内容か」についてイマイチよく分からない…と感じている方がいらっしゃることも事実のようです。


この記事では

  • 保育料・幼稚園料の無償化はいつからか
  • 無償化の対象となるのはどのような世帯か
  • 国の制度とは別に各市が行う独自の制度
について詳しく解説します。

この記事を読めば、無償化がいつからでどのような内容であるかについて理解でき、保育園・幼稚園にかかるお金を把握するのに役立ちます。

ぜひ最後までお読みください。

保育料の無償化は2019年10月から始まっている

保育料の無償化、無償化というけれど、実際にいつから保育料が無償になるの?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。


いつからについて、実は、既にスタートしています。


正確な名称は「幼保無償化(幼児教育・保育の無償化)」といい、2017年12月に政府によって「新しい経済政策パッケージ」の1つとして提言されたのが発端です。


その後、2018年12月に国と地自体の費用負担割合が決定、2019年2月に幼保無償化が閣議決定という経緯をたどり、2019年10月からスタートしました。


いつからという点について、当初は2020年4月から段階的に施行の予定でしたが、消費税の増税にあわせ前倒しにする形となっています。


幼保無償化の目的は

  1. 人格形成の基礎となる幼児期において、誰もが質の高い保育・幼児教育を受けられるようにすること
  2. 家庭における子育ての経済的な負担を減らし、少子化対策につなげること
とされています。

簡単に言うと、保育料を下げることで、この国の未来を担う子どもを増やすための施策ということですね。

幼稚園料の無償化はいつから?

「保育料の無償化」と呼ばれることが多いため、幼稚園料についてはいつからなのかと、戸惑われる方もいらっしゃるようです。


しかし正式名称が示す通り、幼稚園もこの施策の対象になっていますので、保育園、幼稚園、また認定こども園なども含めた「保育料」の無償化は「それぞれにいつから」ではなく一斉に始まっています。


なおこの「幼稚園料の無償化はいつからか」に関しては別の側面もあります。


後ほど詳しくご説明しますが、幼保無償化は0~2歳の子どもは条件付き、3歳以上であれば原則的に全世帯が対象です。


しかし、幼稚園と保育園では、この「3歳」の扱われ方が異なっているのです。


これは「3歳の壁」といわれる問題で、いつから無償化を受けられるかについて

  • 幼稚園:満3歳(3歳の誕生日)から
  • 保育園:3歳児クラスに通う子(4月1日時点で3歳になっている子ども)
と定められています。

このため、同じ学年であっても幼稚園に通う子どもの方が保育園に通う子どもよりも早く保育料の無償化を受けることになり、格差が生まれてしまいます。

特に、幼稚園・保育園両方の機能をあわせ持つ認定こども園では、いつからに対する不公平感が顕著となるため、保育園機能から幼稚園機能へ子どもを移す保護者も出てきているようです。

この問題の是正のため、いつから無償化を受けられるかについては、今後ルールが変更になる可能性があります。

保育料無償化の対象は?

幼保無償化は、先ほど少し触れましたが、0~2歳の子どもは条件付き、3歳以上であれば原則的に全世帯が対象となっています。

とはいえ、対象となる施設は
  • 幼稚園/幼稚園の預かり保育
  • 保育所
  • 認定こども園
  • 認可外保育施設
  • 障害児の発達支援
などと多岐にわたり、それぞれについて保育料無償化の範囲が定められています。

これから詳しく解説しますので、ご自身のご家庭に当てはまる項目をご確認ください。


また、上記以外の施設の場合や「保育料のほかのスクールバス代給食費延長保育費はどうなるの?」「公立の園と私立の園で違いはあるの?」「保育料引き落としの場合に手続きは必要?いつから適用されるの?」など、疑問点はたくさんあるのではないでしょうか。


これらについても利用施設や世帯年収などの条件により細かく定められています。


内閣府の特設ページに詳しく書かれていますので、参考にしてみてください。

0歳児から2歳児までの子どもの場合

0歳から2歳までの子どもの場合、保育料の無償化が受けられるのは住民税非課税世帯となります。


その上で、利用する施設によって下図のように定められています。

施設無償化の範囲
保育所、認定こども園無償
認可外保育施設月額4.2万円まで無償

なお認可外保育施設(地方自治体独自の認証保育施設やベビーシッター、一時預かり事業など含む)の場合は、保育所や認定こども園などを利用できていない方が対象です。

3歳児から5歳児までの子供の場合

3歳から5歳まで(幼稚園でいえば年少~年長)の子どもでは「保育の必要性の認定事由」に該当するか否かで異なってきます。


保育の必要性の認定を受けた家庭

保護者が共働きや、シングルで働いている家庭などが当てはまります。

その中で、利用する施設によって

施設無償化の範囲
保育所、認定こども園無償
幼稚園子育て支援新制度対象の幼稚園は無償
それ以外は月額2.57万円まで無償
幼稚園の預かり保育幼稚園の利用に加え、
月額1.13万円まで無償
認可外保育施設、一時預かり事業月額3.7万円まで無償
就学前障害児の発達支援無償
(幼稚園、保育所、認定こども園等と併用の場合は両方無償)

となっています。

保育の必要性の認定に当てはまらない家庭

上記以外の、専業主婦(夫)家庭などの場合は、下図のとおりです。

施設無償化の範囲
保育所、認定こども園無償
幼稚園子育て支援新制度対象の幼稚園は無償
それ以外は月額2.57万円まで無償
就学前障害児の発達支援 無償
(幼稚園、保育所、認定こども園等と併用の場合は両方無償)

対象区分のうち、どれに当てはまるかは各家庭によって異なりますが、少なくともどれかには当てはまるようになっているため、「3歳以上であれば原則全世帯が保育料無償化の対象」とされています。

国の制度とは別に、市が独自に行なっている保育料の支援制度

幼保無償化がいつから始まり、どのような内容であるかを見てきましたが、ここまではあくまでもとしての施策です。


共同通信が県庁所在地など103の自治体を対象に行った調査では、国の施策で無償化が受けられない世帯に対し、独自になんらかの支援を実施・検討している自治体が約6割に上りました。


自民党・安倍政権の打ち出した制度では「3歳~5歳のすべての子どもに対して保育料を無償化」がアピールされましたが、実際には完全無償になる世帯とそうでない世帯があるなど、不平等感が目立ちます。


そもそも待機児童問題や保育士の待遇についてなど、保育に関する問題は山積みです。


この状況下で、スタートしたばかりとはいえ不完全な部分の多い制度を放っておくわけにはいかないのでしょう。


保育所などを管轄する各自治体は、実質的に「穴埋め」に奔走している状態と言えるかもしれません。

大阪市独自の制度

具体的に各市において、保育料や、幼児教育環境に対するどのような施策を行っているかについて紹介していきます。


もちろんここに解説するものがすべてではありませんし、下記の中でも条件などによって完全にこの通りではない可能性もあります。


お住まいの自治体に当てはまる場合には、詳細のご確認をおすすめします。


また、現在実施されていない自治体でも今後予定・検討されているケースも多々あります。


いつから、どのような施策が検討されているか、当事者として自治体の動きはしっかりとチェックしておきたいですね。


大阪市

大阪市では、幼保無償化が施行される前の平成28年度から、独自に保育料の無償化が進められてきました。

幼保無償化を受け、認可外保育施設の無償化が追加される形で実施されています。

対象国制度大阪市制度
保育の必要性がある3歳~5歳児月額37,000円を上限に無償
保育の必要性がない3歳~5歳児(対象外)年額308,000円を上限に
保育料の半額を補助
保育の必要性がある0歳~2歳児
(住民税非課税世帯のみ)
月額42,000円を上限に無償

東大阪市

東大阪市では条例により、保育料を国基準の72.5%を上限として設定されています。

その上で無償化が行われるため、上限額がある場合でも国基準に比べて家庭の負担が少なくなることが期待できます。

堺市

給食費のうちの副食費は基本的に保護者の負担ですが「年収360万円未満の世帯」「小学校就学前の子供から数えて第3子以降」などの条件に該当する場合には、副食費の徴収が免除されます。

免除の対象となる方には、免除通知書によるお知らせがあります。

横浜市

横浜市は2013年に「保育所待機児童ゼロ」を達成し、全国的に有名になりました。

そのために行われた取り組みの中で、特に積極的に推進されたのが下記のようなものです。
  • 認可保育所の増設
  • 0~2歳児を対象に、横浜市が独自の保育料・保育環境などを定めた「横浜保育室」の増設
  • 区役所に「保育コンシェルジュ」(保育サービスに関する相談員)を配置

川崎市

川崎市では「川崎認定保育園等保育料補助金」として、川崎市内の家庭に保育料の補助が実施されています。

また、横浜市との連携協定を持ち、川崎市内在住で横浜保育室に通う子どもについても、保育料補助の対象としています。

保育料の無償化がいつから始まっているかについてのまとめ

幼保無償化がいつから始まりどのような内容かについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 幼保無償化はいつから?→2019年10月からスタート済み
  • 子どもが保育園に通っているか幼稚園に通っているかで、同じ学年でもいつから無償化が受けられるかが異なる「3歳の壁」問題がある
  • 無償化は、子どもが0~2歳では条件つき、3~5歳(幼稚園なら年少~年長)では原則全世帯が対象となる
  • 国の制度とは別に各市が行う独自の制度がある

でした。


無償化の制度がいつから始まるのかについては、当初の予定でもあった2020年4月からと思っていた方も多いのではないでしょうか。


それが前倒しになったため「いつからかと思っていたらいつの間にか始まっている!」「何も手続きをしていないけどどうなるの?」ということもあるかもしれません。


その場合の手続きについてや、いつから無償化を受けられるかは、お住まいの自治体の窓口などで相談をしてみることがおすすめです。


実際のところ、始まったばかりの制度なので、利用する側も対応する側も手探りの部分が少なからずあるはずです。


受け身の姿勢でなく、ぜひ、制度を作る当事者として参加してみてください。


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