私立高校の学費は公立高校の2.3倍!学費内訳や無償化についても解説

私立高校の学費は公立高校の学費と大きな差があります。この記事では、私立高校の学費や公立高校との比較・学費が高い私立高校ランキング等を紹介します。2020年から始まる私立高校の学費無償化等の補助制度も解説しますので、学費が払えない方は是非参考にしてください。

私立高校の平均学費はいくら?公立高校との差は?


2020年から私立高校の学費が実質無償化されるので、私立高校への入学を検討される方も多いと思います。


しかし、「私立高校の学費はどれくらい高いの?」「学費が払えないのでは?」と気になるのではないでしょうか。


一般的に中学・高校~大学の10年間は「教育費のピーク」とよばれ、教育費の負担が長期間に渡って続くタイミングなので、私立高校へ通うとなると家計へのインパクトは大きいでしょう。


実際に、私立高校の学費は公立高校の学費に比べて、平均して倍以上になります。


この記事では、

  • 私立高校の学費平均額・公立高校の学費との差
  • 私立高校で学費以外にかかる費用の説明
  • 2020年4月から始まる私立高校授業料無償化の適用条件
  • 私立高校の学費ランキング

について、詳しく紹介します。


この記事を読んでいただければ、私立高校の学費にいくら必要なのかが分かるので、私立高校への進学を検討する手助けになるかと思います。ぜひ最後までご覧ください。

私立高校3年間の平均学費は公立高校の2.3倍

文部科学省が平成28年に行った「子供の学習費調査」によると、私立高校(全日制)の学費の年間平均額は1,040,168円でした。


これに対して、公立高校(全日制)の学費は450,862円であり、2.3倍の開きがあります。


次項から、私立高校の学費の内訳ごとに何にいくらかかるのかを解説します。 

私立高校の学費①受験料や入学金などの入学費用

入学にかかる費用は、大きく以下の3つに区分されます。

  • 受験にかかる費用
  • 入学にかかる費用
  • 物品の購入費用

まず、受験にかかる費用です。


東京都が行った「平成31年度都内私立高等学校(全日制)の学費の状況」という調査結果によると、入学金は平均251,048円です。


受験料は1校あたり平均22,626円ですが、1校だけで単願というのは稀で、複数校を併願したり、一次・二次募集と複数回にわたって受験をしたりするのが一般的なので、10万円程度必要と想定されます。


また、高校受験対策として5~7割程度の中学生が学習塾に通うといわれています。仮に大手の有名集団指導塾に3年間通うとすると、年間30~50万円程度、トータルで約100万~150万円の授業料がかかります。


次に入学にかかる費用です。東京都の調査結果によると、東京都内の私立高校の初年度納付金(授業料、入学金、施設費及びその他毎年度納付する金額)は、平均926,290円です。


このうち、入学金は滑り止め校にも支払うことが多いので、入学金の平均額である251,048円が余分にかかることになります。


また、私立高校には寄付金の制度があるところもあります。


最後に物品の購入費です。具体的には制服、通勤カバン、通勤靴などです。学校によって、指定の制服、カバンがないところもありますが、トータルで15~20万円程度かかることが多いようです。


また、特進・外国語・科学専攻など特殊コースへの進学を希望する場合は、より高度・専門的な知識習得のため、特別な参考書・資料集・用具などの購入が必要になる場合もあります。

私立高校の学費②授業料や学校納付金など教育費関連の費用

文部科学省の調査結果によると、私立高校の年間学校教育費の平均額は755,101円です。公立高校の平均額は275,991円なので約2.7倍となります。


【高等学校(全日制)の学校教育費の支出構成】

公立高校(全日制)私立高校(全日制)
授業料
23,368円271,835円
修学旅行・遠足・見学費34,892円54,096円
学校納付金等49,762円228,864円
図書・学用品・実習材料費等40,662円41,636円
教科外活動費44,276円44,764円
通学関係費79,157円109,048円
その他3,874円4,858円
学校教育費 合計275,991円755,101円

2010年に導入された高等学校等就学支援金制度により、世帯年収が910万円未満の世帯は公立・私立を問わず月額9,900円が支給されています。


この制度のおかげで、私立高校の授業料は抑えられてはいますが、授業料だけを見ると公立高校の11倍となります。


また、その他の費用項目も公立高校の平均支出額と比較すると、全体的に支出額は高めであることが分かります。

私立高校の学費③家庭教師や学習塾費用など補助学習費

文部科学省の調査結果によると、私立高校の年間補助学習費の平均額は230,103円です。公立高校の平均額は142,702円なので約1.6倍となります。


【学年別補助学習費の内訳(学習塾費のみ抜粋)】

公立高校私立高校
1年生79,887円119,421円
2年生112,975円177,665円
3年生127,908円219,791円
全学年平均106,767円171,462円

補助学習費のうち、最も支出額が大きいのは学習塾費です。


公立高校、私立高校ともに、大学受験対策として学習塾を利用することになるので、学年が上がるほど平均支出額も大きくなります。


大学受験を目指すのであれば 、特に中学3年生は学習塾費に加えて夏季講習や冬期講習などの特別講習を受講したり、模試を受験したりと、追加の支出が多く発生します。


また、受験費用や入学金の準備など、大きな支出が重なることになるので、事前にしっかりと備えておく必要があります。


なお、上記調査結果は学習塾に通っていない生徒も含みます。


私立高校の場合、約半数の生徒が学習塾に通うといわれていますが、学習塾を利用している生徒のみに調査対象を絞ると、年間平均授業料は約39万円となります。

私立高校の学費④習い事などの学校外活動費

また、文部科学省の調査結果によると私立高校の学校外活動費の年間平均額は54,964円です。


公立高校の平均額32,169円と比較すると、その差は約1.7倍となります。


【男女別・学年別学校外活動費】

公立高校私立高校
全学年平均額32,169円54,964円
男子23,519円45,255円
女子40,729円65,166円
1年生33,945円66,637円
2年生37,441円57,667円
3年生25,070円39,965円


学年が上がるごとに習い事への支出額は減少する傾向がありますが、毎年4~6万円程度の出費があると想定されます。


また、世帯年収に応じて習い事にかける費用は多くなる傾向があり、世帯年収が800万円以上の場合、年間の平均支出額は約7万円です。

【学費を払えない方へ】私立高校の授業料無償化や奨学給付金

子供を私立高校に入れたいけれど、収入が十分でないため学費が払えないという悩みを持つ方は多いと思います。


しかし、だからと言って私立高校へ入学させることを諦めることはありません。

学費が高くて払えない方のために、補助制度があります


補助制度を利用すれば、私立高校への入学が叶うかもしれません。


それでは、どのような補助が受けられるのか、

  • 高等学校等就学支援金制度とは?
  • 高校生等奨学給付金制度とは?
  • 補助制度により学費はどうなる?

これらについて解説します。

2020年4月から私立高校の授業料が実質無償化へ

2020年4月から始まる高等学校等就学支援金制度とは、所得条件などを満たす家庭に対して授業料の補填となる就学支援金を支給する文部科学省の制度です。

(参考:文部科学省「私立高等学校授業料の実質無償化」について(2020年4月から)


2020年4月の制度改正では、世帯年収が約590万円未満の家庭を対象に、支援金の支給上限額を私立高校の平均授業料(約40万円)まで一律引上げることとなります。


つまり授業料が平均以下の学校に入学する場合、実質授業料が無料になる制度改正です。


590万円という基準は保護者の課税所得により算定されたものです。

したがって、扶養家族の人数や税控除などの条件により、支援を受けられる年収額が変わることもあります。


また、世帯年収が約590万円以上の家庭でも、支給上限額はもらえませんが、就学支援金支給の対象になります。


ただし、高等学校等就学支援金制度には所得制限があり、世帯年収が約910万円以上の家庭は支援金は受け取れません。


さらに、定時制や通信制を除き、在学期間が36か月を超えている場合も支援は受けられません。


就学支援金制度を利用するためには申請が必要になるので、支給条件を満たす場合は忘れずに申請をするようにしましょう。

授業料以外の学費負担も?高校生等奨学給付金の制度について

高等学校等就学支援金制度は、学校の授業料に充てる資金が支援金として支給される制度です。


このほかに、授業料以外の学費負担に対しても支援してくれる制度があります。


高校生等奨学給付金制度は、公立・私立を問わず高等学校等に通う高校生に、保護者が安心して教育を受けさせるための制度です。


この制度では、授業料以外の教育費の負担を軽くするため、一定の条件を満たす家庭に給付金が支給されます。


高校生等奨学給付金を受け取ることができるのは、生活保護を受給しているか、住民税が非課税となっている世帯です。

貸付ではなく給付なので、もちろん返済の必要はありません。

給付を受けるためには、居住する都道府県に申し込みます。
高等学校等就学支援金制度とは別の制度なので、申請も別々に行う必要があります。

それでは、具体的にどれくらいの金額の給付金がもらえるのか、例を見てみましょう。
条件は以下のとおりとします。
  • 東京都在住
  • 都内の私立高校(全日制)に通う
  • 2人姉妹の長女
  • 住民税非課税の世帯
この場合は、給付金の目安として98,500円が支給されます。

第2子以降であれば、支給額がさらに高くなります。
また、生活保護を受給する世帯の場合は支給額が安くなります。

なお、世帯の細かい状況や通っている学校によっても給付額が異なるので、不明点は都道府県の窓口に問い合わせてみましょう。

無償化や補助金で私立高校の学費はどうなる?具体例で紹介

ここで解説した2つの制度により、実際にどれだけの支援が受けられるのでしょうか。

具体例として、2つのケースをご紹介します。


1つ目は以下のような条件です。

  • 神奈川県在住
  • 神奈川県内の私立高校(全日制)に通う
  • 世帯年収:550万円

このケースでは、就学支援金として授業料の平均(396,000円)が支給され、奨学給付金はもらえません。

また、世帯年収が約590万円の家庭には神奈川県からの助成金48,000円が支給されます。


したがって、年間で444,000円がもらえることになります。


2つ目は以下のような条件です。

  • 大阪府在住
  • 大阪府内の私立高校(全日制)に通う
  • 年間授業料:40万円
  • 生活保護を受給

この場合は、就学支援金として授業料の全額40万円が支給され、奨学給付金として52,600円が支給されます。


したがって、年間で452,600円がもらえる計算です。

私立高校の学費が高いランキング一覧

ここまで私立高校の学費の平均額をご紹介しました。


では、具体的な私立高校の学費はいくらなのでしょうか?


学費の中でも差が大きくでてくる私立高校の年間授業料を調べ、学費ランキング一覧を作成しました。 


 各自治体ごとにまとめましたので紹介します。  

年間授業料でみる主要都府県の私立高校の学費ランキング

【私立高校の学費ランキング(東京都)】

学校名年間授業料
1位 玉川学園高等部1,258,000円
2位
 成城学園高等学校1,016,000円
3位 青稜高等学校950,400円
4位東京都市大学等々力高等学校885,480円
5位中央大学附属高等学校877,000円
6位青山学院高等部877,000円
7位八雲学園高等学校851,000円
8位成蹊高等学校850,000円
9位駒場学園高等学校840,800円
10位国際基督教大学高等学校840,600円


【私立高校の学費ランキング(神奈川県)】

学校名年間授業料
1位中央大学附属横浜高等学校918,200円
2位法政大学国際高等学校
913,000円
3位 慶應義塾湘南藤沢高等部885,000円
4位法政大学第二高等学校831,210円


【私立高校の学費ランキング(愛知県)】

学校名年間授業料
1位星城高校462,000円
2位愛知高校
444,000円
2位椙山女学園高校444,000円
4位修文女子高校435,600円


【私立高校の学費ランキング(大阪府)】

学校名年間授業料
1位 関西学院千里国際高等部1,252,000円
2位関西大学高等部998,000円
3位大阪体育大学浪商高等学校974,000円
4位開明高等学校878,200円


【私立高校の学費ランキング(福岡県)】

学校名年間授業料
1位福岡海星女子高校426,000円
2位 久留米大学附設高校
420,000円
3位中村学園女子高校 
342,000円
4位筑紫学園高校336,000円


私立高校の学費は、学校ごと、コースごとに大きく異なります。


単純に学費の安い学校であれば、公立高校と同等の授業料で通うことが出来る学校もあるようです。入学を検討している高校があれば、ぜひ調べてみてください。

年間授業料でみる私立高校の学費が安いランキング一覧

私立高校の学費が高い順にみてきましたが、いかがでしたでしょうか。

「やっぱり高すぎる!」と思う方は、次の学費が安い私立高校ランキングも参考にしてみてください。


【私立高校の学費が安いランキング(東京都)】

学校名年間授業料
1位鶴川高等学校282,000円
2位千代田女学園高等学校
312,000円
3位日本工業大学駒場高等学校
317,000円
4位村田女子高等学校324,000円
5位
東洋女子高等学校
330,000円
6位
神田女学園高等学校
336,000円
6位
日本体育大学荏原高等学校
336,000円
8位安部学院高等学校342,000円
9位
立川女子高等学校
348,000円
9位
蒲田女子高等学校348,000円
9位
貞静学園高等学校348,000円
9位錦城学園高等学校348,000円


【私立高校の学費が安いランキング(神奈川県)】

学校名年間授業料
1位鵠沼高等学校387,600円
2位平塚学園高等学校413,400円
3位藤嶺学園藤沢高等学校442,000円
4位旭丘高等学校445,200円


【私立高校の学費が安いランキング(愛知県)】

学校名年間授業料
1位菊華高等学校384,000円
2位啓明学館高等学校396,000円
3位享栄高等学校417,600円


【私立高校の学費が安いランキング(大阪府)】

学校名年間授業料
1位関西創価高等学校476,000円
2位城星学園高等学校540,000円
3位香ヶ丘リベルテ高等学校565,600円
3位堺リベラル高等学校565,600円


【私立高校の学費が安いランキング(福岡県)】

学校名年間授業料
1位折尾愛真高等学校264,000円
2位飯塚高等学校290,400円
3位大牟田高等学校303,600円
4位沖学園高等学校312,000円

私立高校の学費は公立高校の2.3倍だが2020年より無償化もある

いかがでしたでしょうか?私立高校の学費について紹介しました。


今回の記事のポイントは、

  • 私立高校の学費の年間平均額は1,040,168円
  • 学費以外にも、学習塾や習い事で年間補助学習費の平均額は約25~30万円必要
  • 高等学校等就学支援金制度により私立高校の授業料が実質無料になる場合もある

私立高校の学費は公立高校と比較すると高いのが実態です。


しかし、国や地方自治体の制度を上手く利用すれば、公立高校と変わらないくらいの金額で私立高校に通うことが出来ます


母子家庭などの片親世帯や世帯年収が低い場合も、私立高校への進学を過度に心配する必要はありません。


公立高校よりも、独自の教育方針で手厚い教育を受けられたり、設備が充実していたりと私立高校のメリットは数多くあります。


子供の行きたい学校に家計の心配をすることなく通わせてあげられるように、この記事を参考に私立高校への進学も検討してみてください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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