パートでも育児休業給付金・育児手当はもらえる?扶養内の場合や受給資格・条件・計算方法

育休中の手当である育児休業給付金。正社員でない扶養内のパートでももらえるのか気になりますよね。実は受給資格に扶養かどうかは関係なく、雇用保険に加入しているか、パートで復帰する予定があるか、などが重要となります。この記事では育児休業給付金の条件と金額の計算方法、下限はいくらか、申請の手続きを解説します。

パートでも育児休業給付金・育児手当をもらえる?受給条件は?

旦那の扶養内でパートをしている場合、育児休業給付金をもらうのは無理だと思っていることでしょう。


正社員だからこそ得られるものだという考えが浸透しているため、子供ができたらパートをやめてしまう場合が非常に多いです。


しかし、条件さえ合えばパートの場合でも育児休業給付金をもらうことが可能です。


そこでこの記事では、

「パートで育児休業給付金をもらえるのか」について

  • パートの育児休業給付金の条件
  • 実際にいくらもらうことが可能なのか
  • 育児休業給付金申請時に注意すること
  • 育児休業給付金の申請方法
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、パートで育児休業給付金をもらうための方法や条件を理解できます。
ぜひ、最後までご覧ください。

パートの育児休業給付金の受給資格・条件



育児休業給付金とは、雇用継続支援策の一つです。

女性が社会に出て働くことが増えてきたため、出産後も働きやすい社会にするために開始しました。


この制度は扶養内でのパートの場合も、条件さえ合えば育児休業給付金をもらうことが可能です。

パートの育児休暇給付金の受給資格は4つあります。

  1. 雇用保険に加入していること
  2. 休業前の2年間で11日以上出勤した月が12ヵ月以上あること
  3. 育休後も仕事復帰すること
  4. 育児休業中に、休業前の8割以上の賃金が支払われていないこと

以上の条件が必要となります。


つまり、雇用保険に加入していて1年以上働いており、産休後も働く意思があれば誰でももらうことが可能ということです。

さらに詳しく解説してきますので、参考にしてください。


また、支給日については育児休業給付金はいつからもらえるか解説した以下の記事を参考にしてください!

受給条件1:扶養内かどうかは関係なく、雇用保険に加入していること

出産時の給付金は主に3つあります。

  • 出産一時金
  • 出産手当金
  • 育児休暇給付金
出産一時金は健康保険に加入している方、またはその扶養に入っている場合は必ずもらうことができます。主に出産にかかる費用を負担できます。

出産手当金は、残念ながら扶養内のパートだと受給できません。対象者が社会保険に入っていることが条件となります。


育児休業給付金は、雇用保険から支給されるものなので、対象者が雇用保険に加入していることが絶対条件となります。

雇用保険は、雇用保険加入の条件である週20時間以上、31日以上の雇用に該当していれば誰でも加入可能です。


雇用保険は遡って加入することもできますので、万が一該当しているにも関わらず雇用保険に加入していない場合は上司の方に相談してみるといいでしょう。


また、育児休業給付金を受給する条件として休業前の2年間で11日以上出勤した月が12か月以上あることがあげられます。


連続していなくても、12ヵ月以上働いて入れば問題ありません。

受給条件2:今後のパートの勤務状況に関する条件

育児休業給付金を受給するためには、今後のパート勤務状況にも条件があります。


育児休業給付金をもらうためには、子供が1歳6か月に達するまでに労働契約の期間が終わらないことが条件としてあげられます。


育児休業給付金は、職場復帰を前提として支払われるものです。

そのため、育児休業給付金をもらった場合は、同じ職場の正社員またはパートで復帰しなくてはいけないのです。


育児休業給付金の受給が終了する日までに、契約終了が明確な場合は審査に通りません。

更新が明らかであることが証明できる書類などがあれば、条件を満たしているといえるでしょう。


万が一、契約上の都合で仕事に定期的に通う必要がある場合は、休業前の給与の8割以下であれば働くことが可能です。


それ以上働くと、育児休業給付金をもらえなかったり、減額される可能性があります。

育休中の就業日数は、1か月に10日以内です。

雇用主と話し合い、うまく折り合いをつけておきましょう。

パートの方の育児休業給付金の申請方法・手続き


育児休暇給付金の申請は、勤務先に育児休業給付金の受給をしたいことを伝えます。

その後、パートの場合は会社から受給資格の確認通知書を受け取ります。


会社から申請に必要な書類を受け取り、記入していきます。

医師の診断書や母子手帳のコピー、子供の住民票などが必要になるので書類をよく読み、準備していきましょう。


育児休暇給付金の申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 育児休業給付受給資格確認票
  • 育児休業給付金支給申請書
申請は、出産予定日から逆算して58日目から4ヵ月となる月の月末までに行わなければもらえません。
基本的には勤務先に任せておけば問題ないでしょう。

 初回手続きは、会社側がハローワークに必要書類を提出してくれますが、その後は2か月おきに自分で育児休業給付金支給申請書をハローワークに提出する必要があります。

2回目以降の申請に必要なものは以下の通りです。
  • 育児休業給付支給申請書
  • 賃金台帳、出勤簿、またはタイムカードなど
これらの書類は、ハローワークから勤務先経由で対象者に届きます。

その後、自分でハローワークに提出する場合もありますし、勤務先が提出してくれる場合もあります。
あらかじめ勤務先に確認しておくといいでしょう。


育児休業給付金の終了予定前に仕事復帰して受給を終了した場合は、パート復帰後に終了届を提出する必要があります。
復帰後の終了届についても、会社側が行ってくれます。

育児休業給付金はいくらもらえるのか、金額と計算方法


育児休業給付金は大体いくらもらうことが可能なのか気になります。

育児休業給付金の計算方法は、

「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業から6ヶ月後は50%)」です。


具体的な数字で例をあげると、月給50,000円のパート主婦が1か月分の育児休業給付金を計算するとします。


月給の50,000円を1か月(30日)で割って日給に変えると1,666円となりました。

この数字を計算式に当てはめると、1,666×30×0.67=33,486円となります。

この方の育児休業給付金は、33,486円ということがわかります。


育児休業給付金の振り込みは、2か月に1度になります。

この方の場合、2か月ごとに33,486円×2=66,972円が振り込まれることになります。


初回は2~3か月後の振り込みとなりますので注意しておきましょう。

上限と下限があり、パートの時給よりも高くなる場合もある

育児休業給付金には上限と下限があります。

そのため、休業前の給与が高い人のほうが高額な育児休業給付金を受給できるというわけではありません。


下限は毎年8月1日に変更されるので注意が必要ですが、

2020年1月時点では

  • 上限:449,700円
  • 下限:74,400円
となっています。

休業前の賃金がどれだけ高額だったとしても449,700円以上にはなりませんし、給与が少なかったとしても74,400円以下にはなりません。

最低賃金の時給パートの場合は計算すると、給与より育児休業給付金のほうが高くなる場合もあります。

自動計算ツールで確認

育児休業給付金は自動計算ツールを使って簡単に計算できます。

自分で計算するとなると割り切れなかった場合もあり、すこしめんどくささを感じます。


自動計算ツールを活用することで、必要事項に記入するだけなので非常に楽です。

主に入力する情報は、出産予定日、都道府県、月額給与などです。


すると、対象者の休業期間や社会保険免除額、出産一時金、出産手当、育児休業給付金などがチェックできます。


育児休業給付金の自動計算ツールは下記のリンクから確認できます。

https://www.office-r1.jp/childcare/


家計簿をつけている方やどれだけのお金が入ってくるのかを事前に確認しておきたい場合は、ぜひこのようなツールを活用してみてください。

パートの方が育児休業給付金を受け取れない条件


パートの場合でも以下に当てはまる場合は、育児休業給付金を受け取れません。

  1. 雇用保険に加入していない
  2. 1年以上働いているけど、雇用形態が日雇い
  3. 育児休暇開始時点で離職が決まってる
  4. 雇用保険に入っているが、妊娠中に退職する
この4つに当てはまる場合は、育児休業給付金を受け取ることは不可能です。
しかし、これら以外にも育児休業給付金をもらえないケースがあるのです。

育児休業給付金をもらえないケースとは、いったいどんなものがあるのかくわしく解説していきます。



育休をとる前に退職意思があった場合はもらえない

育児休業給付金を受け取るためには、受給後退職しないという意思が必要です。


子供を育てるために、もう仕事をやめようと考えている場合は残念ながら育児休業給付金をもらうことができません。


しかし、育児休業給付金を受給している最中に退職を決意した場合は、退職する前日の支給単価期間(30日)までの給付金を受給できます。


退職する日までの育児休業給付金の返金を求められることはありません。


原則として30日間ごとに計算されるようになっているため、退職日によって受給金額が変わります。


可能であれば、育児休業給付金の支給単価期間を確認し、うまく調節しながら退職日を決めるといいでしょう。

入社・転職から一年未満でも、もらえないと諦めないこと

入社・転職から一年未満の場合、育児休業給付金をもらえないと諦めていると思います。

確かに条件を確認すると、一見育児休業給付金を受給するのは難しいように感じます。


ですが、育児休暇中の社会保険料や雇用保険料免除などの支援制度はしっかり設けていますので安心してください。


さらに、育児休業給付金を受け取る条件の中に「1年以上雇用されていること」というものがありますが、これは産前産後も含まれます。


例えば、産休に入ってからも働きに出ることで1年を満たした場合は育児休業給付金の申請が行えます。


入社や転職から一年未満だったとしてもまずは、事業者に相談してみるといいでしょう。

パートの方が育児休業給付金を受け取る際の注意点



ここではパートの方が育児休業給付金を受け取る際の注意点や確認しておきたいことを解説します。

  • 受給中に復帰する場合
  • 2人目以降の申請の注意点
  • 受給期間
などについて解説しますので、是非ご確認ください。

育児休業給付金受給中にパートに復帰する際の注意点

育児休業給付金受給中でも就労日数が10日未満であればパート復帰が可能です。


ただし、一定の金額を稼いでしまうと育児休業給付金は止められてしまうので注意が必要です。


育児休業給付金を受給する際の条件の一つに、「育休中に受け取っている給与は通常の8割以下であること」というものがあります。


8割以上の給与をもらってしまった場合は、育児休業給付金の支給はされません。


育児休業給付金はもともとの給与の67%(7か月目からは50%)となるので、育児休業給付金をもらいながら働く場合はパートの給与は13%、7か月目以降は30%を上回らないように注意しておきましょう。


もし13%、7か月目以降に30%を上回ってしまった場合は、上回った分だけ育児休業給付金が減額されてしまいます。

働き損になることもあるので注意しておきましょう。

パートの2人目以降の育児休業給付金申請時の注意点

2人目以降の育児休業給付金の申請は少し注意が必要です。


1人目の育児休暇中に2人目を出産した場合、1人目の育児休暇は2人目の出産日で終了となります。


2人目の場合、育休が始まる4年前まで遡って審査するため、1人目と同じ金額をもらえることが多いです。


ただ、1人目妊娠中に切迫早産などで仕事を休んだことがある場合は、貰えなくなる可能性があるため注意しておきましょう。


また、1人目出産後にパート復帰している場合は、給与も変わっていると思うので育児休業給付金が多少変動すると思います。

以前のように働けない場合がほとんどだと思うので、1人目のより少なくなるケースが多いです。


3人目の申請を連続で行う場合、4年前までさかのぼっても条件に合わない場合が非常に多いです。

3人目の申請は残念ながら行えなかった、という方も多いようです。

育児休業給付金が最大2歳まで延長を認められるケースがある


育児休業給付金は最大2歳の誕生日の前日まで延長が行えます。

以前までは1歳6か月までの延長が可能でしたが、平成29年10月1日より2歳の誕生日の前日までの延長が可能となりました。


延長が認められるケースは以下の通りです。

  • 死亡した場合
  • 病気・障害などを負った場合
  • 離婚した場合
  • 6週間以内に出産する、または産後8か月を経過しない場合
  • 保育園に入れなかった場合
育児休暇後子供の養育を行う予定であった方があてはまった場合に認められます。

また、保育園に入れなかった場合は1歳6か月の誕生日を迎える前日までに申請を行い、不承認通知がある場合のみ適応されます。

正社員からパートで復帰する際の注意点

これまで正社員として働いており、育休後はパートで復帰を考えている場合もあるかと思います。


育児休業給付金を受け取る条件には、育休終了後は同じ職場に復帰することがというものがあります。


つまり、雇用形態においては特に指定がないので正社員からパートで復帰も問題なく行えるのです。


正社員からパートに雇用形態を変更する場合、一度退職しなくてはいけないと事業者に言われた場合でも雇用契約自体の年数で判断されるため、この場合の退職については問題ないでしょう。


もし、「退職扱いになるので育児休業給付金申請はできない」といわれてしまった場合は、労働基準監督署などに相談するといいでしょう。

参考:産休・育休で、配偶者控除を受けられる条件


出産時に受給できるものは、「出産一時金」「出産手当金」「育児休業給付金」があります。


これらの給付金をすべて受給した場合、一定の収入があるため配偶者控除を受けられないと考える方が多いですが、実は受けられます。


「出産一時金」や「出産手当金」「育児休業給付金」については、税金の計算がされません。



配偶者控除を受けられる条件は、夫の年収が1,220万円以下の場合、妻の年収が150万円をこえなければ配偶者控除が、201万円以下であれば配偶者特別控除が受けられます。


産休や育休の間、様々な手当金を受け取ったとしても、給与が201万円以下であれば配偶者控除を受けられるということになります。

パートの育児休業給付金のまとめ

パートでも育児休業給付金を受給できるのか、その方法や条件について解説してきましたがいかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  1. パートでも雇用保険に加入しており、今後も同じ職場で働く意思があれば育児休業給付金を受給できる
  2. 育児休業給付金の申請は勤務先での手続きが多いので、まず勤務先に相談する
  3. 育児休業給付金には上限と下限があるので、休業前の時給より高くなる場合がある
  4. 育児休業給付金は子供が最大2歳になるまで延長可能
  5. 2人目の出産によって連続で育児休業給付金を受給する際、1人目より金額が少なくなる場合がある
でした。

夫の扶養内であってもパート勤務だったとしても、育児休業給付金を受け取れる可能性があります。

これらの給付金を賢く利用することで、安心して子育てを行える環境を整えられるでしょう。

育児休業給付金を受給したい場合、まずは勤務先に相談してみてくださいね。

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