契約の内容によって変わる!?学資保険の受け取り方と税金のしくみ

学資保険には、一括して満期金の受け取りができるものと、満期金以外にお祝い金として受け取れるものがあります。受け取り方の違いをよく検討して加入が必要です。また、学資保険満期金には受取人により税金がかかる場合がありますので、受け取り時のことを考えて加入しましょう。

学資保険の受け取り時期はいつ?

学資保険は、一般的に大学への進学時に満期となるように設定されています。保険会社や学資保険の種類によって、定められている受け取り時期は異なっていますが、近年では、高校3年生の秋に満期受け取り時期として設定されている傾向にあります。


OAやセンター模試、学校によっては、高校3年生の秋に入学金を申し込まなければならない傾向が見られるようになった為、保険会社も教育資金の準備として、時代のニーズに合わせて進化しているのです。


また、大学進学前に一時金として満期金を受け取るのだけではなく、小学校、中学校、高校の進学時にお祝い金を受け取ることが可能となるステップ型の学資保険も、教育資金として頼りになることから、加入する人も増加傾向にあります。



さらに、学資保険によっては、大学進学時にお祝い金、卒業後に満期金を受け取ることができる、大学在学中の為の学資保険も存在します。

満期金時期に受け取りを行う一括給付型

大学に進学する上で必要となる金額は、前もって準備しておかなければ家計に大ダメージを負ってしまうことになります。

こうしたことから、学資保険で準備する教育資金を、一括して満期金を受け取り、大学進学資金へ充てるといった『一括給付型』があります。


このタイプは、大学入学寸前ではなく、高校在学中から大学進学に対する費用が発生するであろうと考えられることから、秋頃に満期を迎えるようになっています。


このように、教育費用が抑えられる義務教育期間や、高校生の間は自己資金を充て、大学入学時に一括で受け取れることがメリットとなっています。


ただし、気をつけておきたいのが、学資保険の種類によっては、『子どもの年齢が18歳なった後に、最初の契約応答日に支払われる』ケースがあります。契約した月日や子どもの誕生日によっては、大学進学時に間に合わない可能性がありますので、注意が必要です。

進学タイミングで「お祝い金」をもらえるステップ型

大学へ進学する時に受け取る満期金以外にも、小学校や中学校、高校への進学時に、お祝い金をもらうことができる学資保険です。

進学の都度、お祝い金を受け取ることができるので、進学時のみならず、お祝い金を残しておき、入学後の教育資金に充てることができます。

義務教育期間中であれば、教育資金に困ることはないかもしれませんが、高校に進学すれば、入学時以外にも教育費は大きくかかります。

私立高校となれば、その教育維持に対する負担は大きくなります。


こういったことから、大学進学時に受け取る満期金以外に、それぞれ進学するタイミングで、お祝い金を受け取ることができます。

タイミングは、保険会社や学資保険の種類によって異なり、

  • 幼稚園(保育園)・小学校・中学校・高校への進学時
  • 高校への進学時

このように、必要なタイミングを選んで、必要にあった学資保険を選ぶことができます。

給付金の据え置きや前倒しで時期を遅らせての受け取りも可能

学資保険に加入する際に、お祝い金を選んで加入していても、実際の進学時に必ず受け取りをしなければならないということはありません。

進学の都度、お祝い金を受け取れるステップ型を選らんでいる人の多くは、教育資金を確保しておくという考えからです。


しかし、実際に進学した際には、お祝い金を受け取らなくても教育費を賄うことができる場合もあります。

このような場合には、お祝い金の受け取りをせず、『据え置き』として保険会社に預けておくことも可能です。銀行と同じように利息がつくので、必要がなければ、お祝い金を満期まで預けておくことも可能です。


また、据え置きしておけば、満期を待たずに必要な時に、据え置き金を引き出すことも可能です。


このように考えると、最初から大学進学のみに備える一括給付型で良いのではとなるかもしれませんが、学資保険加入時には、各進学時にお金がどれくらい必要になるかは分からない為、ステップ型の学資保険の方が、もしもの教育資金に備えることができると言えます。

学資保険の給付金の請求・受け取り方法

給付金の請求よ受け取り方法について以下から手順を解説いたします。



保険会社から満期の通知が届く

学資保険に加入していると、満期が近づくと保険会社から満期の通知が、契約者のもとに届きます。

学資保険の加入する保険会社や保険種類によって相違しますが、満期の受け取りについては2通りの受け取り方があります。


  • 窓口で満期金を受け取る
  • 保険会社に請求して、満期金を受け取る

ここで注意しておきたいのが、どちらの受け取り方でも、受け取る側が『受け取る意志』を示さなければ支払われないということです。


つまり、放っておいても勝手に口座に振り込まれるだろうと思っていたら、いつまで経っても学資保険の満期金を受け取ることができません。


保険会社から満期の通知がきたら、受け取る旨の意思表示が必要となりますので、放置しないようにして下さい。

保険会社に請求の依頼を行う

窓口で受け取る以外は、書面によって満期金の受け取りをする手続きが必要となります。

まず、学資保険の満期の通知が来たら、加入する保険会社に連絡し、満期受け取りの請求書の依頼をしましょう。


その際に、手続きに必要になる書類を確認しておいた方が、より手続きはスムーズになります。保険会社によって、必要書類は相違しますので、複数の保険会社で学資保険に加入している場合には、同じ必要書類とは限りませんので、注意が必要です。


なお、請求できるのは、加入している学資保険で指定されている満期受取人となりますので、契約者と異なる場合には、前もって学資保険が満期となる旨を、指定している受取人に伝えておく必要があります。

保険会社から必要書類が届く

保険会社に連絡すると数日で、満期金の受け取る為に必要な書類が届きます。

もちろん満期保険金請求書に、署名や押印をするのですが、郵送されてきた必要書類の中には、請求時に提出が必要となる書類の案内があります。

  • 保険証券や届出の印鑑
  • 身分証明証
  • 振込先の口座
上記3点が必要となります。

また、保険会社によってはマイナンバーや被保険者(子ども)の健康保険者証を提出しなければならないこともありますので、必ず確認するようにして下さい。

必要書類を返送する

必要書類が手元に揃ったら、保険会社から指定されている書類と共に、保険会社へ返送します。

しかし、大手国内生保は、生保セールスレディと呼ばれる営業マンが、契約先の担当窓口になっていることが多く、場合によっては書類を引き取りに来てくれるケースもあります。


また、郵送の際にも返信先が、担当窓口となっていることから、担当によっては早く手続きをすませてくれたり、書類を引き取りに来ると言ったきり、なかなか訪問がなかったりと、担当者によって手続きに要する日数が変わる場合があるので、早く満期金を受け取りたい場合には、その旨を伝えるようにしましょう。

学資保険は受け取り人によって税金が変わる

本来は、加入時に気をつけておきたい満期金に関わる税金ですが、満期金を受け取る際には、どのように税金がかかるのでしょうか。

満期金は『所得税』か『贈与税』かのどちらかに該当します。

この税金の違いは、契約者と受取人が大きく関係しています。


  • 契約者
  • 受取人が契約者本人
このバターンだと、自分で支払って積み立てた保険料を受け取ることになるので、税制面では『所得税』として課税されます。


  • 契約者
  • 受取人が契約者と別人
もし、契約者と受取人が別の場合は、『贈与税』の対象となります。契約者が支払って積み立てた保険料を、受取人に贈与するということになりますので、受取人が満期金を受け取る際には、贈与税が課税されることになります。

所得税と贈与税の税額を比較してみる

所得税と贈与税は、受け取る金額によって課税金額が大きく異なります。同じ金額を受け取った場合、どれくらい相違するのか見てみたいと思います。

保険料の支払い総額が250万円で、満期金300万円を受け取った場合


契約者と受取人が同一となる所得税は、受け取った満期金額から支払った保険料を差し引き、さらに特別控除として50万円が差し引かれた金額に対する半分が、所得税の課税対象となります。


{(300万円-250万円)-50万円÷2=0万円


一方、契約者と受取人が異なる場合の贈与税には、特別控除がなく一律110万円の基礎控除のみとなります。

さらに、基礎控除後の金額によって税率や速算控除額が決められており、算出された額が贈与税額となります。


300万円-110万円=190万円

(200万円以下の税率は10%、速算控除額0万円)

190万円×10%-0万円=19万円



上記の例では

  • 受け取りが所得税の場合は、0万円
  • 受け取りが贈与税の場合は、19万円
このように、税金の違いが大きく出ることになります。

まとめ

学資保険は、加入時に決められたパターンによって、お祝い金や満期金の受け取り時期が変わりますので、必要に応じた種類に加入することが大切です。

また、お祝い金が出るステップ型では、据え置きとして、後に引き出すことは可能ですが、お金が必要になったからと言っても、前倒しにしたりすることはできません。


また、大学進学時に積み立てたいと思って加入したのに、高校進学時に資金が必要になり解約などした場合には、加入年月によって解約返戻金の受け取り率は変わりますので、注意が必要です。

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