15歳満期の学資保険はある?17歳・18歳・22歳満期との違いを比較

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学資保険の満期時期ですが、15歳満期はあるのでしょうか。今回、15歳満期型があるおすすめ学資保険を紹介し、その他学資保険の満期年齢(17歳・18歳・22歳など)との違いを比較します。その他、学資保険の満期金額はいくらか、満期受取の際の手続きも解説します。

15歳満期の学資保険とは?17歳・18歳満期の学資保険と比較


学資保険とは、子どもの教育資金を準備することを目的とした保険です。


毎月決まった保険料を支払うことで、加入時に設定した時期に祝い金や満期金を受け取ることができます。


貯蓄機能だけでなく、契約者に万が一のことがあった場合、保険料の払い込みがなくても学資金を受け取ることができるという保険料の払込免除特約を付加することもできるため、人気の高い保険です。

教育資金の準備と契約者に万が一のことがあったときの保障のため、子どもの誕生に合わせて学資保険へ加入する方も多いでしょう。


しかしひとことで学資保険といっても、満期時期や受け取り方法などに違いがあることをご存知でしょうか?


この記事では、学資保険について、

  • 15歳満期と17歳・18歳・22歳満期の学資保険の比較
  • 18歳・22歳満期と比較して15歳満期の学資保険が選ばれづらい理由
  • 定期的に祝い金が受け取れる学資保険

以上のことを中心に説明します。


とくに学資保険のプランとしては珍しい、15歳満期型についても詳しく説明しますので、比較検討にお役立て下さい。

15歳満期型の学資保険を17歳・18歳・22歳満期型と比較



学資保険は加入時に満期年齢を設定します。

満期年齢は、基本的に「中学・高校・大学」の中から子供の進学時期に合わせるかたちで
決めることになります。

具体的には、
  • 15歳
  • 17歳
  • 18歳
  • 22歳
この4つを満期の年齢として設定できます。


また、学資年金の受け取りが始まる前に、小学校・中学校・高校入学というちょうど良い時期に、まとまった祝い金を受け取れるプランもあります。


満期時期をどうするか、また祝い金の有無をどうするかという点については、幼稚園や小・中学受験をする予定かかどうかなど、それぞれの家庭によって選択肢が異なるため、家庭の状況や子供に期待している進路によって決めることが重要です。


では学資保険の満期時期は、それぞれの保険によってどのような違いがあるのでしょうか。


15歳(中学校卒業)満期型と17歳満期型、18歳満期型および15歳満期型と22歳満期型それぞれの保険を比較してみます。

15歳満期型と17歳満期型の比較シミュレーション

最初は、15歳満期型と17歳満期型の学資保険を比較していきます。


【条件】

  • 加入商品:JAのこども共済 
  • 契約者:男性 
  • 年齢:30歳 
  • 子どもの年齢:0歳 
  • 共済金額(満期金額):300万円 
  • 共済金(保険料)払い込み終了年齢:15歳満期型が12歳、17歳満期型が11歳 
  • 払込免除:あり
【結果】

15歳満期17歳満期
月払い保険料22,494円24,492円
保険料払込総額3,239,136円3,232,944
返戻率92.6%92.7%

※返戻率=受取総額(300万円)÷保険料払込総額

17歳満期型の学資保険を選ぶメリットは、3月が誕生日であるなど「早生まれ」の子供が
確実に満期金を受け取ることができる、という点です。

もし子供が早生まれであり18歳満期の学資保険を選択すると、文字通り18歳の誕生日を迎えないと満期金を受け取ることができないため、大学入学に間に合わなくなるかもしれません。

そういった理由のために、早生まれの子供がいる場合は17歳満期型の学資保険を選択することができるでしょう。

15歳満期型と18歳満期型の比較シミュレーション

次は15歳満期型と18歳満期型の学資保険に関して、契約例をご紹介します。


【条件】

  • 加入商品:JAのこども共済
  • 契約者:男性
  • 年齢:30歳
  • 子どもの年齢:0歳
  • 共済金額(満期金額):300万円
  • 共済金(保険料)払い込み終了年齢:12歳
  • 払込免除:あり
【結果】
15歳満期18歳満期
月払い保険料22,494円22,650円
保険料払込総額3,239,136円3,261,600円
返戻率92.6%
91.9%

※返戻率=受取総額(300万円)÷保険料払込総額

子供が早生まれでない場合は、18歳満期の学資保険を選択することができるでしょう。

18歳満期型を選択することにより、教育費の中で最も高額になる、大学入学に伴う様々な費用を学資保険で賄うことができます。

子供が高校を卒業し、大学へ進学するというまさに「お金が必要な」タイミングで満期金を受け取ることができます。

15歳満期型と22歳満期型の比較シミュレーション

では、15歳満期型および22歳満期型の学資保険を比較するとどうなるでしょうか。

【条件】

  • 加入商品:JAのこども共済 
  • 契約者:男性 
  • 年齢:30歳
  • 子どもの年齢:0歳 
  • 共済金額(満期金額):300万円 
  • 共済金(保険料)払い込み終了年齢:12歳 
  • 払込免除:あり
【結果】

15歳満期22歳満期
月払い保険料22,494円20,559円
保険料払込総額3,239,136円2,960,496円
返戻率92.6%101.3%

※返戻率=受取金額(300万円)÷保険料払込総額

こちらが、最も満期金の受取時期が遅いタイプの学資保険です。

受取時期が22歳となっているため、主に大学を卒業し就職する際の資金として利用することができます。

大学を卒業してから独立して一人暮らしを始める場合にも、家を探したり車を購入するなど多くのお金が必要となりますので、独立のための資金としても対応できます。

22歳満期型は満期が他のタイプよりも返戻率が高い、という点もメリットとなります。

ちなみに大学在学中の費用賄うことを目的とした保険もあり、その場合一括で受け取るのではなく、大学在学中に分割で受け取ることになります。

18歳・22歳満期と比較して15歳満期が選ばれづらい理由

15歳満型の学資保険は、満期が他の年齢である場合と比べると、どちらかというとメリットが少ないと言えます。


その理由は、返戻率の低さです。


さきほど挙げた表を見てもわかるとおり、15歳満型は18歳・22歳満期型に比べて、総じて返戻率が低くなってしまいます。


返戻率が100%を下回るということは、受け取る学資金よりも払い込んだ保険料の方が多いといういわば「赤字」状態にになってしまうため、単純に保険を貯蓄目的で利用したい場合は、損になってしまいます。


また15歳満期型の学資保険は、満期が他の年齢に設定されているものと比較すると、そもそも取り扱っている保険会社がが少ない、という点も特徴の一つです。


では、なぜ15歳満期の学資保険の取り扱い数は少ないのでしょうか?

大学進学に備えて学資保険に加入する人が多いため

15歳満期の学資保険が少ない理由は、やはり他の年齢と比べて「ニーズが少ない」という点が挙げられます。

多くの場合、子どもを育てる期間のうち最も多額の教育資金が必要となるのは大学進学時です。

そのため、子供の大学進学に合わせるとなると多くの方が22歳満期型のプランを選択し、逆に15歳満期型は契約者が少ないのです。

参考に、子どもの教育にかかる金額の概算である下記の表をご覧ください。


公立私立
中学校133,640円997,435円
高校275,991円755,101円
大学2,452,200円3,764,401円

参考1:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」

参考2:文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」


この表から、中学・高校と比べると大学にかかる費用が圧倒的に高いことが分かります。


そしてこの金額には、習い事や塾の月謝や仕送り費用などは含まれていませんので、それらを加えるとより多くの費用が必要です。


15歳満期型の学資保険と比べて22歳満期型(17歳または18歳に学資金として受け取れるプラン)の学資保険の方が選ばれやすいのは、一つにこういった理由があるからです。

実際、15歳満期を取り扱っている学資保険はほとんどない

ニーズや返戻率の低さなどが理由で取り扱いの少ない15歳満期型の学資保険ですが、JA共済には15歳(14歳)満期のプランがあります。

もちろん18歳(17歳)や22歳満期も選ぶことが可能です。

実際の保険料などについては、最初に説明した表をご覧ください。


ちなみにJA共済には、入学祝い金がない「学資応援隊」、入学祝い金を受け取ることのできる「にじ」や、入学祝い金があり子どもの万が一の保障を手厚くした「えがお」など豊富なプランが存在します。


この学資保険であれば、将来のビジョンに合わせたプランを選択することができるので、融通が利きますね。

例えば、かんぽ生命の学資保険の満期は17歳か18歳

学資保険の加入を検討するとき、候補の1つとしてあがるのは「かんぽ生命」ではないでしょうか。

こちらも15歳満期型については取り扱いがなく、18歳(17歳)満期または21歳満期のプランのみ契約できます。


満期金の受け取り方法は、

  • 大学入学時に一時金として満期金を受け取る
  • 大学入学時の一時金に加えて、小学校・中学校・高校入学前に祝い金を受け取る
  • 大学入学時から毎年、年金形式で学資金を受け取る
これら3種類のプランから選択できます。  

ここで、加入例をひとつご紹介します。


JAの学資保険「こども共済」との比較ができるよう、条件を同じにしてあります。

【条件】

  • 加入商品:学資保険「はじめのかんぽ」 
  • 契約者:男性 
  • 年齢:30歳 
  • 子どもの年齢:0歳 
  • 満期金額:300万円 
  • 保険料払い込み終了年齢:12歳 
  • 払込免除:あり

この条件で加入した場合、

  • 月払い保険料:21,480円
  • 保険料払込総額:3,093,120円
  • 返戻率:96.9%

シミュレーション結果はこのようになります。

15歳で満期金ではなく「祝い金」がもらえるおすすめ学資保険

学資保険では15歳満期タイプが少ないというのはすでに紹介した通りですが、どうしても子供が15歳になった段階でまとまったお金が欲しい、という方もおられるかもしれません。


そこで選択肢に入れられるのが、学資保険の中でも「祝い金」が決まった時期に受け取れるタイプの学資保険です。


「祝い金あり型」の学資保険を選ぶと、満期金ではないときにもある程度まとまったお金を受け取ることができます。


次から、この「祝い金あり型」の学資保険をいくつか紹介していきます。

日本生命「ニッセイ学資保険(こども祝金あり型)」

最初に紹介するのは、日本生命の「ニッセイ学資保険(こども祝い金あり型)」です。

日本生命が販売している学資保険のうち、満期までに3回「祝い金」を受け取れるタイプの学資保険です。

基本的に学資保険における「祝い金」が占める割合は大きくなく、この学資保険で受け取ることができる祝い金も保険金額のうち20%となっています。

次の条件で契約した場合のシミュレーションをして、「祝い金なし型」で契約した場合との比較をしてみましょう。

【条件】
  • 加入商品:ニッセイ学資保険(こども祝い金あり型)
  • 契約者:男性
  • 年齢:30歳
  • 子供の年齢:0歳
  • 満期金額:300万円
  • 保険料払込期間:学資年金開始時まで
  • 学資年金開始年齢:18歳
【結果】

祝い金あり型祝い金なし型
月払保険料16,300円13,350円
月払い
返礼率
102.2%104.0%
年払保険料194,820円159,560円
年払い
返礼率
102.6%104.4%

返戻率は高い水準となっています。

ただしこのように、「祝い金あり型」は支給される回数が増える分、保険料が高くなり、返礼率も下がります。

祝い金があるタイプは、そのようなデメリットを理解した上で加入する必要があります。

フコク生命「みらいのつばさ(ステップ型)」

次に紹介するのはフコク生命の「みらいのつばさ(ステップ型)」です。


この学資保険もフコク生命が販売しているもののうち、契約期間中祝い金を数回に渡って受け取れるタイプの学資保険です。


たとえば、受取総額210万円(保険料払込時期は11歳まで)のコースの場合、

  • 幼稚園入園時:5万円
  • 小学校入学時:5万円
  • 中学校入学時:10万円
  • 高校入学時:10万円
  • 大学入学時:70万円
  • 成人時:10万円
このような形で祝い金を都度受け取ることができます。


この学資保険は、祝い金を受け取らずに保留してあとでまとめて受け取ったり、2人目の子供が加入する場合は割引が受けられる等の特徴があります。


ではこちらも、祝い金がないタイプの「みらいのつばさ(ジャンプ型)」と比較してみましょう。


【条件】

  • 加入商品:みらいのつばさ(S型) 
  • 契約者:男性 
  • 年齢:30歳 
  • 子供の年齢:0歳 
  • 満期金額:100万円 
  • 保険料払込期間:17歳まで 
  • 学資年金開始年齢:18歳

【結果】

S型
祝い金あり型
J型
祝い金なし型
月払い保険料10,170円9,614円
払込保険料総額2,074,680円1,961,256円
返戻率101.2%101.9%

この保険においては、祝い金がある場合とない場合を比較しても、保険料や返戻率にさほど差はなく、どちらも元本割れしていません。


ですから、単純にそれぞれのニーズに合わせて加入することができるでしょう。

住友生命「スミセイのこどもすくすく保険」

最後に紹介するのは住友生命の「スミセイのこどもすくすく保険」です。


この学資保険は中学・高校・大学入学時に祝い金を受け取れるタイプの学資保険です。


保険料払込期間を12歳までに設定した場合、

  • 中学校入学時:10万円
  • 高校入学時:10万円
  • 大学入学時:100万円
このような形で、合計120万円を受け取ることができます。

さらにこの学資保険では、
  • こども総合医療特約:入院や手術をした際に補償を受けられる
  • こども入院保障充実特約:入院時に一時金を受け取れる
  • 保険契約者代理特約・非保険者代理特約:代理人が契約者に代わって給付金の請求等を行うことができる
このような特約を付帯することができます。

この保険は「祝い金なし型」がありませんが、かかる費用等は以下のようになります。

【条件】
  • 加入商品:スミセイのこどもすくすく保険(5年ごと利差配当付)
  • 契約者:男性 
  • 年齢:30歳 
  • 子供の年齢:0歳 
  • 満期祝い金:100万円(保険金受取総額:120万円) 
  • 保険料払込期間:12歳まで 
  • 学資年金開始年齢:18歳
【結果】

祝い金あり型祝い金なし型
月払い保険料8,192円
払込保険料総額1,170,000円
返戻率101.7%
返戻率は101.7%と、学資保険全体で比較すると普通ではありますが、入院や死亡保障が付いているなど、付加価値が高い学資保険だと言えます。


ちなみに、これらの学資保険では契約者が何らかの原因で死亡したり高度障害状態になった場合は、それ以降の保険料が不要になります。

まとめ:15歳満期の学資保険はあるが、18歳や22歳満期が一般的

学資保険の受取時期による保険料や返戻率の違いについて解説しましたがいかがでしたでしょうか?

この記事のポイントは、
  • 15歳満期型は18歳(17歳)満期型や22歳満期型に比べて、メリットが少ない
  • 15歳満期型を取り扱っている保険会社は少ないが、かんぽ生命が取り扱っている
  • かんぽ生命の15歳満期型は早く受け取れるが元本割れする点には注意
  • 15歳満期型がないかんぽ生命などの学資保険も選択肢に入れるべき

以上の点です。


15歳満期型の学資保険は、返戻率の低さなどを理由にニーズが少なく、取り扱っている保険会社もほとんどありません。


しかし、たとえば中学受験を検討しているなどの理由によっては15歳満期型も良い選択の一つとなるため、デメリットを理解したうえで、結局は子どもの将来のプランに合わせて選択することが最も大切です。


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