誕生日前に学資保険の契約をする場合は「満期日」の落とし穴に注意!

「子どもが誕生日を1歳すぎると保険料が上がってしまう…」と急いで誕生日前に学資保険の契約をしようと考えている方、「満期日」に要注意です。保険料の安さ以上に、受け取りの満期日に注目です。なぜ誕生日前に契約する場合、学資保険の満期日が重要なのか知っておきましょう!

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

誕生日前に子どもの学資保険を契約する場合の落とし穴とは?


学資保険を検討している方の中には、加入時の子どもの年齢が上がるほど保険料が上がることをご存知の方もいらっしゃるでしょう。

そのため、子どもの誕生日が近づいてくると「誕生日前に契約してしまわないと…!」と焦ってしまうかもしれませんね。

しかし学資保険は、主に子どもの大学進学のための費用に備える貯蓄です。

そのことを考える時、誕生日前に契約することで保険料を抑えること以上に、学資保険の「契約応答日」「満期日」は注目すべきポイントとなります。

この記事では

  • 学費保険の契約日・契約応答日と満期日について
  • 子どもの誕生日前(直前)に契約日がくる場合の注意点について

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、学資保険の加入タイミングを考えるときに役立つかと思います。


是非最後までご覧ください。

学資保険で契約日・契約応答日と満期日に注意すべき理由


まずは、保険契約における契約日・契約応当日と満期日の定義について確認しましょう。

契約日」保険期間の起算日のことで、保険料の払込や満期日の基準となる日のことです。これは、申込書の受領・告知書の受領・診査の実施・第1回保険料の受取の中で最も遅い日付とされます。

契約応答日」毎年の、契約した日付にあたる日を指します。

満期日」保険契約が満了する日のことです。

学費保険の契約日と満期日とは?

学資保険における契約日は、それによって保険料や満期日が決定する、重要な日付です。


契約日とは大抵、保険会社が学資保険の加入申し込みを引き受けた日の翌月1日となります。


誕生日前日に申し込みをして滑り込みセーフ…とはならないということです。


そして、子どもの誕生日より後に契約日が来てしてしまうと、年齢が1歳上がってしまい、保険料が高くなってしまうのは確かです。


ただこの場合の救済策として、誕生日直後に契約をする際には、契約日を誕生日前にすることができる制度(契約日特例)もありますので保険会社に確認してみましょう。


満期日は、学資保険の種類にもよりますが、多くは満年齢を迎えた後の契約応答日です。

学資保険の契約日と満期日の関係は?

例えば、9月1日生まれの子の学資保険について考えてみます。


この時の満期保険金受け取り日は、17歳満期を選んでいれば「17歳の10月」、18歳満期を選んでいれば「18歳の10月」となります。


「18歳満期」など年齢が書かれていますが、子どもの誕生日は関係なく、その年齢になった後に迎える最初の契約応当日以降が、満期保険金を受け取れる日となるわけです。


つまり、18歳満期を選んだとすると、
契約日が10月1日であれば18歳になった翌月に満期保険金を受け取れますが、契約日が誕生日前の8月1日であれば19歳の1ヶ月前までお預けという形になります。


このように契約日が誕生日前か後かで、満期金の受け取り時期に最大ほぼ1年の差が出ます。

大学や専門学校の入学資金・教育資金のあてにするなら

17歳満期や18歳満期の学資保険は、一般的に大学や専門学校の進学費用として想定されています。


実際、そのように使うために積み立てているのであれば、入学金等の支払いがある時期までに満期日を迎えなければなりません。


早い段階で入学が決定するのは推薦入試やAO入試の場合で、秋ごろには合格が決定し入学に向けた費用が必要になってきます。


このタイミングまでに満期保険金を受け取るために、先ほどの契約日と誕生日の関係が重要になってきます。

落とし穴に注意!誕生日によって最適な満期は異なる


では、高校3年生の秋までに満期保険金を受け取るには、何歳を満期としていつ契約したら良いでしょうか。

「18歳満期にしたいから、誕生日より後に契約すれば良い?」 

「間違いなく秋に間に合うには早めに受け取っておけば良いのだから、誕生日前後に関わらず17歳満期にするべき?」 

どちらも、これだけれは不十分です。

確実に入学に間に合うように、かつお得に満期金を受け取るためには「子どもが何月生まれであるか」を考慮に入れる必要があります。

子どもが早生まれ(1月〜3月生まれ)の場合の落とし穴


早生まれの子どもは、高校3年生の冬にはまだ17歳です。

ということは、18歳満期を選んだ場合、1月から3月に契約をしたとしても秋に満期金を受け取ることはできません。

そのため、早生まれの子どもの場合は17歳満期にして、高校2年の終わりに満期保険金を受け取っておくほうが安全です。

このことは早生まれに限らず、秋以降(10月から12月頃)に誕生日を迎える子どもにも当てはまります。

このあたりが誕生日の場合は微妙なラインではありますが、お金が正確にいつ必要になるかは学資保険加入の時点では分からないので、安全策ということを考慮しましょう。

契約日が誕生日より後にできる場合に、17歳満期にする落とし穴

このように、子どもの誕生日が秋以降であれば、17歳満期を選ぶことにメリットがあると言えます。


しかし秋より前の誕生日で、かつ契約日を誕生日より後にできるのであれば、18歳満期にしておく方が月々の保険料が安くなります。


そもそもを言えば、学資保険への加入は子どもが生まれてすぐが理想的です。


そうすれば、もちろん契約日が誕生日前になることもありませんし、0歳のうちに加入できるので、加入年齢という意味でももっとも安い保険料になります。


妊娠中に余裕があれば、生まれた後にやることとして、いつまでに学資保険の加入手続きをするか計画を立てておくと良いでしょう。


とはいえ「何があるか分からないからお金は早めに受け取っておきたい」という考え方もあるかもしれません。


先々の家計や子どもの進路を予測するのは難しいものですので、迷ったときにはファイナンシャルプランナーなどのプロに相談することもおすすめです。

誕生日前後での学資保険の加入について補足


最後に、覚えておくと役に立つかもしれない知識を3点まとめておきます。

  • 17歳満期でも18歳満期でも、保険金の返戻率は変わらない
  • 満期金の他に「お祝い金」の出る学資保険もある
  • 満期日の設定で学資金が間に合わない場合は、解約返戻金が活用できる

17歳満期でも18歳満期でも、保険金の返戻率はあまり変わらない

「学費保険の契約日と満期日とは?」のところで 「子どもの誕生日より後の契約日の場合、年齢が1歳上がるため、保険料が高くなってしまう」と説明しました。


しかし一方で、契約日が子どもの誕生日後になる場合は、17歳満期にしておかないと入試に間に合わないとも書きました。


17歳満期は、18歳満期よりも払込期間が短いため、月々の保険料が高くなります。


しかしここで覚えておいていただきたいのは、17歳満期は18歳満期に比べあくまでも「月々の支払い額」が高くなるのであって「支払い総額」はほとんど変わらないということです。


これは言い換えれば返戻率にほとんど差はないということを意味します。


一般的に考えて、月々の保険料が安いに越したことはないのですが、見方を変えれば1年分短い期間で払い込みを終えられるとも言えます。

満期金の他に「お祝い金」の出る学資保険もある

学資保険には、保険金を満期一括の他、「お祝い金」などの名前で高校入学などのタイミングに合わせ、数回に分けて受け取ることのできるプランもあります。

生存保険金付学資保険」と呼ばれることもある、このプランを利用するのも1つの方法です。

例えばかんぽ生命の「はじめのかんぽ」では、18歳満期で満期金に加え
  1. 小学校入学前の12月
  2. 中学校入学前の12月
  3. 高校入学前の12月
の3回、学資祝金(お祝い金)の受取タイミングがあります。

このお祝い金を、高校3年生の秋頃に必要になる資金の一部に充てることで一旦の出費を乗り切れるのなら、契約時期が誕生日前か後かに関わらず18歳満期を選ぶこともできます

満期で学資金が間に合わない場合は、解約返戻金が活用できる

学資保険の契約日や満期日は、変更できないのが原則です。


契約日が誕生日前になってしまい失敗したと思っても、基本的には後から変えることはできません。


ただ、どうしてもお金が必要になってしまった場合、解約返戻金を活用することは可能です。


基本的に、学資保険の途中解約は元本割れする可能性が高いため、おすすめできません。


しかし「背に腹は代えられない」という場合もあることでしょう。


また返戻率は契約年数に応じて徐々に上がるようになっています。


例えば18歳満期を1年前倒し程度で解約であれば、既にほとんどの契約期間を終えていますので、大幅な損は避けることができます。


とはいえ実際に戻ってくる金額は個々の契約で異なりますので、必ず事前に確認するようにしてください。 

まとめ:学資保険の契約日が子どもの誕生日前なら満期日に注意!


子どもの誕生日と学資保険加入のタイミングについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 学資保険の満期日は満年齢を迎えた後の契約応当日
  • 契約が誕生日後にできる場合は18歳満期が基本。誕生日前になってしまう場合と、早生まれの子どもの場合は17歳満期を選ぶのがおすすめ
  • 契約日が誕生日前でも「お祝い金」付きのプランで乗り切るという方法もある
  • 契約日が誕生日前になって満期金が間に合わないと思ったら、時期をみて解約返戻金を検討

でした。


子どもの誕生日前に、急いで学資保険に加入する方も見受けられます。


加入年齢を低くするという意味で間違った行動ではないのですが、実際には逆に、誕生日前に保険の満期日が来ないようにするのが学資保険加入のコツなのです。


どうしても満期日が誕生日前になる場合や、早生まれの子どもの場合は、17歳満期にしておきましょう。


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