私立中学校の学費の平均はいくら?学費の内訳と学費の高いランキングの一覧を紹介

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私立中学校は公立中学校よりも平均学費が高いイメージですが、実際どのくらい違いがあるのか、また学費の内訳と費用を紹介します。実際にお子さんを私立中学校に通わせている親の年収事情、無償化などの学費免除制度、学費の高いランキングについても紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

私立中学校の学費はいくら?

私立中学校の進学率は約4割といわれていることもあり、周りに合わせて私立中学校への進学を検討されることと思います。ただ、漠然と学費が高い印象があり、平均でいくらくらいかかるのか?払えないのでは?と気になるのではないでしょうか。


私立中学校の学費は、公立中学校の約3倍と言われていますが、実は学費以外にも入学金や習い事の月謝などトータルで考えると、家計への負担は大きくなります。


この記事では、

  • 私立中学校の学費平均額
  • 授業料以外にかかる費用の説明
  • 私立中学校に通う家庭の年収
  • 私立中学校向けの学費免除制度の適用可否
  • 私立中学校の学費ランキング

について、詳しく紹介します。 


この記事を読んでいただければ、私立中学校の学費にいくら必要なのかが分かるので、私立中学校入学を検討する手助けになるかと思います。ぜひ最後までご覧ください。 


私立中学校の3年間にかかる平均費用は公立中学校の3倍

私立中学校の3年間にかかる学費の平均額は1,326,933円であり、公立中学校の約3倍といわれています。

この記事では、文部科学省が平成28年に調査した、子供の学習費調査をもとに、詳しく解説していきます。

入学時に必要な費用

私立中学校の入学に際して必要な費用を、大きく3つ紹介します。


  • 受験にかかる費用
  • 入学にかかる費用
  • 物品にかかる費用


まずは受験にかかる費用です。私立中学校の入学試験を受験料は、2〜3万円といわれています。ただし一校だけの単願とすることは稀で、複数校受験したり、一次募集・二次募集と複数回同じ学校を受験することも考えられるので、入学金は10万円程度必要と想定されます。


また、中学受験対策として多くの小学生が学習塾に通います。大手中学受験塾の授業料は年間60〜70万円で、夏期講習などの特別講習が、それぞれ5〜6万円ずつかかります。小学4年生から受験対策コースがスタートするところが多いので、小学校の3年間塾に通うとすると、200〜250万円程度必要といわれています。 


次に、入学にかかる費用です。私立中学校の入学金は、東京都から発表されている「平成31年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、東京都の年間平均額は256,979円です。
第一志望校だけでなく、滑り止め校にも入学金を支払うことが多いので、50〜60万円程度と想定されます。また、入学金以外にも寄付金を募る学校もあります。


最後に、物品購入費です。具体的には、制服・鞄・靴などの購入費が挙げられます。15万円前後といわれていますが、学校によっては制服がなく、鞄や靴も自由という学校もあるので一概にはいえません。


さらに、男の子の場合は中学生の3年間で成長期を迎えるため、途中で制服を買い換えることも想定しておく必要があります。

学校教育費関連の費用:授業料や学校納付金など

文部科学省が行った子供の学習費調査によると、授業料や、学校納付金などの学校教育費関連の平均費用は、年間997,435円です。公立中学校は義務教育で授業料がかからないので、平均額が133,640円であり7倍以上の開きがあります。


【中学校の学校教育費の支出構成】

公立中学校私立中学校
授業料-425,251円
修学旅行・遠足・見学費25,038円74,169円
学校納付金等13,994円261,545円
図書・学用品・実習材料費等23,839円37,689円
教科外活動費31,319円57,008円
通学関係費35,914円135,961円
その他3,536円5,812円
学習教育費 総額133,640円997,435円

その他特徴的なのは、通学関係費です。学区内の中学校へ徒歩通学が多い公立中学校に比べると、私立中学校の場合は、電車やバスに乗って通学することも多いので、交通費の支出が発生します。


また、全国的にみても少ないですが全寮制の学校もあります。家庭での生活費はかからないですが、寮がない学校に比べると学費が高くなるのと、別途仕送り費も発生するので、トータルで見ると、少し割高になるのが一般的なようです。

補助学習費:家庭教師や学習塾費用など

補助学習費と呼ばれる家庭教師や学習塾費について解説します。文部科学省が行った子供の学習費調査によると、私立中学校の年間平均額は204,112円です。 公立中学校の平均額は239,564円であり、私立中学校の方が年間支出額は小さくなっています。


【男女別・学年別学校外活動費(補助学習費のみ抜粋)】

公立中学校私立中学校
全学年平均額239,564円204,112円
男子245,147円 222,251円
女子233,653円187,534円
1年生148,870円177,270円
2年生195,165円201,246円
3年生369,515円233,976円

私立中学校の場合は中高一貫校が多く、1学年上の授業内容を先取りして勉強することが一般的です。そのため、公立中学校の生徒を含む集団学習塾では、私立中学校の勉強ペースに合わず、途中で辞めてしまうことがあるようです。


そのため、授業の補足として苦手な教科だけ塾を利用したり、家庭での通信学習やタブレット学習、家庭教師や個別指導塾など、通っている中学校の授業の進み具合に柔軟に対応できる学習スタイルが人気のようです。


また、公立中学校の場合は高校受験対策として塾に通い始めるケースが多く、中学3年生では平均額が369,515円と全学年で最も高い金額となります。対して、中高一貫の私立中学校で内部進学する場合は、受験対策で塾に通う必要がないので、その分支出は押さえられます。

その他の学校外活動費:習い事など

習い事の月謝などにかかる学校外活動費について解説します。文部科学省が行った子供の学習費調査によると、私立中学校の年間平均額は116,820円でで、公立中学校の61,620円と比較すると約1.8倍の開きがあります。さらに、私立中学校の場合は学年が上がるごとに支出額が大きくなるのも特徴的です。
 


【男女別・学年別学校外活動費(学校外活動費のみ抜粋)】

公立中学校私立中学校
全学年平均額61,620円
116,820円
男子60,312円101,051円
女子63,003円131,228円
1年生
76,267円101,322円
2年生62,969円106,725円
3年生46,306円142,515円

習い事の種類を見ると、公立中学校では野球やサッカーなどのスポーツ・レクリエーション活動の割合が高いのに対して、私立中学校の場合は、芸術文化活動の支出額が最も大きくなります。音楽や美術に関する習い事は、月謝が高いのはもちろんですが、楽器や画材用具の購入費も大きな出費となります。 


また、世帯年収に比例して学校外活動費が大きくなる傾向もあります。世帯年収が1,000万円以上の場合は年間の平均支出額は約12万円、1,200万円を超える世帯年収の場合は年間の支出平均額は約15万円となります。

実際にお子さんを通わせている親の年収はどのくらい

文部科学省による調査結果によると、世帯年収が1000万円を超える世帯が約半数を占めることがわかります。


【私立中学校の平均世帯年収構成】

世帯年収額割合
400万円未満4.2%
400〜599万円9.2%
600〜799万円16.3%
800〜999万円18.4%
1,000〜1,199万円17.3%
1,200万円34.6%

文部科学省の上記調査では、全国の私立中学校を対象にしています。有名私立中学校に調査対象を絞ると、平均世帯年収が1,300万円であると発表されたこともあり、学校によって、幅があるようです。 

学費を払えない方に:私立中学校向けの学費免除制度を紹介

文部科学省が私立小中学校に通う家庭の実態調査を目的に、学費免除、補助金・助成金制度があります。調査協力が必要ですが、対象者に選ばれると最大年額10万円の補助が受けられます。学費が無償化となるわけではないですが、調査対象となった場合は家計の助けになるでしょう。

ただし調査対象者は年収約400万円未満の世帯とされています。私立中学校に通う世帯で条件を満たす世帯は4.2%なので、この制度が利用できる世帯は極めて少ないでしょう。

私立中学校の学費の高いランキング一覧

全国の私立中学校について、学費のランキングを調査しましたので紹介します。年間授業料で比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。


【2020年度年間授業料ランキング一覧(全国)】

学校名年間授業料
1位海陽中等教育学校約280万円(寮費を含む)
2位
秀明中学校約180万円(寮費を含む)
3位関西学院千里国際中等部約140万円
4位慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)約135万円
5位玉川学園中学部約135万円
6位慶應義塾中等部約130万円
7位慶應義塾普通部約130万円
8位須磨学園中学校約130万円
9位学習院中等科約130万円
10位関西大学中等部約130万円

上位2校は全寮制の学校であり、寮費を含む学費でランキングにしています。

東京/神奈川/埼玉/大阪/静岡/福岡の私立中学校の学費のランキング

地域ごとに年間授業料のランキングを調査しましたので紹介します。


【2020年度年間授業料ランキング一覧(東京都)】

学校名年間授業料
1位玉川学園中学部約135万円
2位慶應義塾中等部約130万円
3位学習院中等科約130万円
4位成立学園中学校約130万円
5位東京都市大学等々力中学校約125万円
6位早稲田大学高等学院中学部約120万円
7位東京都市大学付属中学校約115万円
8位法政大学中学校約115万円
9位川村中学校約115万円
10位佼成学園女子中学校約115万円


【2020年度年間授業料ランキング一覧(神奈川県)】

学校名年間授業料
1位慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)約135万円
2位
慶應義塾普通部約130万円
3位桐蔭学園中等教育学校約130万円
4位公文国際学園中等部約120万円
5位自修館中等教育学校約120万円


【2020年度年間授業料ランキング一覧(埼玉県)】

学校名年間授業料
1位秀明中学校約180万円
2位西武学園文理中学校約123万円
3位武南中学校約110万円


【2020年度年間授業料ランキング一覧(大阪府)】

学校名年間授業料
1位関西学院千里国際中等部
約140万円
2位関西大学中等部約130万円
3位同志社香里中学校・高等学校約105万円
4位初芝富田林中学校約105万円
5位開明中学校約100万円


【2020年度年間授業料ランキング一覧(静岡県)】

学校名年間授業料
1位静岡サレジオ中学校約78万円
2位静岡雙葉中学校約75万円
3位加藤学園暁秀中学校約74万円


【2020年度年間授業料ランキング一覧(福岡県)】

学校名年間授業料
1位福岡大学附属大濠中学校約85万円
2位筑紫女学園中学校約81万円
3位中村学園女子中学校約75万円
4位福岡女学院中学校約72万円
5位久留米大学附設中学校約70万円


地域による金額差はもちろんですが、学校ごとに年間授業料は大きく異なります。単純に学費が安い学校を探すと、年間授業料が40万円弱となる学校もあるようなので、入学を検討している学校があれば、ぜひチェックしてみてください。

私立中学校の学費のまとめ

私立中学校の学費について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?


今回の記事のポイントは、

  • 私立中学校の学費の平均額は約130万円
  • 入学時に必要な費用は約85万円
  • 学費以外にも、学習塾費・習い事費で年間32万円程度の支出が発生

相場としては、私立中学校は公立中学校よりも3倍ほどの学費がかかります。


私立と公立関係ありませんが、中学生のお子さんは体の成長期であったり、部活動が始まる時期でありますので、小学校の頃と違い、思わぬ出費がある時期です。(服や靴がどんどん大きくなるのは嬉しい出費かもしれませんが)


また、どの私立中学校に通うかによって、学費も教育方針も大きく異なります。各家庭の価値観も踏まえて、ぜひこの記事を参考に進学先を検討してみてください。

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