更新日:2024/03/07
大学院の学費はいくら?京都大学院の学費は高い?お金が一番安い大学院は?
大学院の学費の内訳、また国立の大学院、私立の大学院、公立の大学院、専門の大学院、通信の大学院の学費の平均を一覧で紹介。さらに理系と文系での学費の違いや比較なども紹介します。そして、なかには学費を自分で稼ごうと思っている方もいると思いますので、学費免除や補助制度についても解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
大学院の学費はいくら?
いまや、高校生の半分以上が大学進学をする中で、大学卒業後に更に深い知識や高度な技術を身に付けるために大学院へ進む人も増えています。特に、法学部や理系の学部では大学院への進学率が非常に高くなっています。
しかし、大学院へ進学すると、当然ながら引き続き2年から5年に渡り学費がかかることになります。そのため、大学院の学費は実際にはいくら必要なのか気になっている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、大学院の学費について
- 大学院の学費の内訳
- 国立・私立・公立・専門・通信制の大学院の学費の平均
- 理系と文系での大学院の学費比較
- 大学院の学費免除や補助制度について
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただけたら、大学院に進んだ場合に実際どれくらい学費がかかるのか把握し、今後の資金計画や進路についても検討するうえでも参考になるかと思いますので是非最後までご覧下さい。
大学院の学費の内訳
大学院の学費の内訳は、大きく3つに分けることが出来ます。
- 検定料
- 入学費
- 授業料
国立大学、私立大学、公立大学、専門職、通信制の大学院の学費の一覧
一言に大学院といっても、「国立大学」「私立大学」「専門職」「通信制」のうちのどの大学院に進むかによって学費は大きく異なります。
専門職というのは、法科大学院をはじめとして助産師や経営士など特定の職業のための大学院で「専門職大学院」と呼ばれるものです。
また、大学院には修士課程と博士課程があります。修士課程は最短で2年、博士課程は最短で3年で修了することが出来ます。そのため、博士課程まで修了する人は最短でも5年間かかるということになります。
ここでは、大学院の種類ごとの学費を具体例を含めながら説明していきます。
国立の大学院の学費:大学と同じ程度
国立の大学院は、大学同様に一律となっています。また、入学金と授業料の金額は大学とほぼ同様なのでイメージしやすいかと思います。
ここでは「東大」「東北大学」「京都大学」の3つの大学院の学費を紹介します。(法科大学院など専門職の学部は含めていません。)
東大大学院の学費
項目 | 金額 |
---|---|
検定料 | 30,000円 |
入学金 | 282,000円 |
授業料/年 | 535,8000円 |
学費総額 | 1,383,600円 |
項目 | 金額 |
---|---|
検定料 | 30,000円 |
入学金 | 282,000円 |
授業料/年 | 535,800円 |
学費総額 | 1,383,600円 |
項目 | 金額 |
---|---|
検定料 | 30,000円 |
入学金 | 282,000円 |
授業料/年 | 535,800円 |
学費総額 | 1,383,600円 |
私立の大学院の学費:国立と比較して割高
大学同様に私立大学の大学院の学費は国立より高い傾向があります。また、国立と違って学部によっても差が大きいことが特徴です。
ここでは「同志社大学」「立命館大学」「早稲田大学」の3つの大学院の学費を紹介します。(法科大学院などの専門職の大学院の学費は含めていません。)
同志社大学大学院
- 検定料は35,000円
- 入学金は200,000円
項目 | 文系 | 理系 |
---|---|---|
授業料/年 | 598,000~638,000円 | 638,000~815,000円 |
学費総額 | 1,634,000~1,815,000円 | 1,670,000~2,096,000円 |
理系学部では、学部で約40万円の差が開きます。例えば、スポーツ健康科学研究科の初年度の授業料は638,000円ですが生命医学研究科は815,000円です。
立命館大学大学院
- 検定料35,000円
- 入学金300,000円(2020年4月から200,000円)
項目 | 文系 | 理系 |
---|---|---|
授業料/年 | 750,000~900,000円 | 850,000~1,204,800円 |
学費総額 | 1,500,000~1,800,000円 | 1,700,000~2,409,600円 |
- 検定料35,000円
- 入学金200,000円
項目 | 文系 | 理系 |
---|---|---|
授業料/年 | 624,000~1,998,000円 | 901,000~1,491,000円 |
学費総額 | 1,660,500~3,386,500円 | 2,295,000~2,709,500円 |
公立の大学院の学費:出身によっては割安になる制度あり
公立大学院の学費は、国立の大学院とあまり大きな差はありませんが、入学金に差が出る場合があります。これは、大学の場合同様に、大学院のある地域の出身であれば入学費が安くなるという制度があるからです。
ここでは、山梨県立大学の大学院の学費を紹介していきます。山梨県立大学の大学院は看護研究科のみのなりますが、学費については以下の通りです。
- 検定料30,000円
- 入学金470,000円
ただし、「入学の日1年前から引き続き山梨県に住所を有する者」は学費が282,000円になります。他県から入学する人と比べると20万円近く入学金が安くなります。
項目 | 金額 |
---|---|
授業料/年 | 535,800円 |
学費総額 | 1,071,600円 |
年間授業料については、国立と同じ金額になります。また、入学金も上記の条件を満たしている場合には国立大学と同額です。このことから、公立大学大学院の学費は国立と同じと考えて良いでしょう。
法科大学院など専門職の大学院の学費:他の大学院よりも割高
今まで紹介してきた大学院にも、法科大学院が設置されているところがいくつかありましたが、学費は他の学部に比べると高くなっています。この理由としては、より実務的な内容を学ぶために少人数での教育を行うために教員数を増やしていることや、実際に弁護士の方を講師として授業を行っているためです。
例えば、一番初めに紹介した東京大学の大学院では、基本的にどの学部も年間授業料は535,800円でしたが法科大学院の場合には804,000円となります。(検定料と入学金は同じです)
次に早稲田大学の法科大学院では、年間授業料が1,160,000円になります。また、その他にも実習費が100,000円かかります。
このように、金額はやはり国立大学の法科大学院の方が圧倒的に安くなるものの他学部にくらべると学費は高くなります。
専門職の大学院は法科大学の他にも助産師や教師など様々あります。今回は、その中で経営学に関する専門職の大学院のグロービス経営大学大学院を紹介します。
項目 | 金額 |
---|---|
検定料 | 不明 |
入学金 | 80,000円 |
授業料/年 | 1,499,000円 |
学費総額 | 2,998,000円 |
参考:グロービス経営大学大学院「学費(費用)・奨学金・教育ローン」
入学金は安いものの学費は300万円近くになります。グロービス経営大学大学院では全てを英語で学ぶカリキュラムを選択するとさらに上がり400万円近くなります。
このように、専門職の大学院は場合によっては私立理系の大学院よりも高い場合もあります。
通信制の大学院の学費:平均的には安い
大学院には通学生だけではなく通信制の大学院もあります。大学でも通信制の学費は通学生に比べると安くなっていますが、大学院においてもその傾向は同じです。ただし、通信制の場合には、大学内でも学部が限られていることがほとんどです。学費は安いですが、学びたい学部があるかどうかという問題もあります。
ここでは、「武蔵野大学」と「名古屋学院大学」の通信制大学院の学費を紹介します。
- 入学金40,000円
- 研究指導料80,000円
- 授業料220,000円
- スクーリング受講料1科目あたり7,500円
- 学費(2年間)540,000円~
名古屋学院大学大学院・英語学研究科
- 入学金200,000円
- 授業料540,000円
- 学費(2年間)1,280,000円~
国立文系・理系、私立文系・理系の大学院の学費の比較
では、国立文系・国立理系・私立文系・私立理系の大学院の学費を比較して高い順に並べると一般的には以下のようになランキングになります。
- 私立理系
- 私立文系
- 国立文系・理系
つづいて、各大学院の相場を次の通り表にまとめました。
項目 | 国立文系・理系 | 私立文系 | 私立理系 |
---|---|---|---|
検定料 | 30,000円 | 35,000円前後 | 35,000円前後 |
入学金 | 282,000円 | 20万~30万円 | 20万~30万円 |
授業料/年 | 535,800円 | 60万~90万円 | 80万~150万円 |
学費総額 | 1,383,600円 | 150万~200万円 | 170万~250万円 |
国立の場合は最初に説明した通り「標準額」が定められていることから文系も理系も学費は変わりません。しかし、私立になると、学部にもよりますが理系学部の方が研究や実習費がかかることから学費が高くなる傾向があります。
国立と私立を比べると、以外にも入学金はあまり変わらないものの授業料が圧倒的に変わってきます。ただ、私立の場合には、学部間の差もあることや、同じ学ぶ分野であっても学校間による差も大きいため、この数字はあくまで目安と言えます。
大学院にも学費免除・補助制度がある
ここまで、大学院の学費についてみてきましたが、やはりかなり大きい金額が必要になることが分かります。大学進学だけでも、かなりの学費がかかりますが、大学院へ進学するとなると引き続き金銭的に大きな負担がかかることになります。
そのため、大学院へ進学をしたくても自分で学費を稼がないといけないなど経済的に難しいという人もいると思います。そのような場合に、大学院にも学費免除や補助制度がありますので紹介します。
まず、国立の大学院には授業料免除制度があります。この制度は、簡単に言うと「授業料を支払うことが難しい家計で成績優秀者」が授業料を無料または減額してもらうことの出来る制度です。基準は以下の通りです。
なお、収入基準については世帯人数ことに基準が決まっており、今回は4人家族世帯の場合の基準を記載しています。詳細は、文部科学省のホームページに掲載されていますの確認してみて下さい。
<全額免除>世帯人数4人の場合
- 世帯収入1,920,000円以下
- 世帯収入3,640,000円以下
- 各大学が定める標準単位数を修得し、成績状況が一定の評価される水準以上であること
成績に関しては、各大学によって基準があります。北海道大学の大学院修士課程場合の基準は次のように定められています。
- 研究科(学院)等で定められている標準修得単位数以上を修得したもので、免状申請時までの修得科目の学業成績が2.0以上のもの
成績については、単位の修得だけではなく一定の評価以上が必要ということになります。家計が厳しくても、学ぶ意欲のある優秀な生徒が利用することの出来る制度と言えます。
大学院の学費のまとめ
大学院の学費について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
大学院の学費についてまとめると
- 国立の大学院は学費は一律で1,383,606円
- 私立の大学院は、学校や学部による差が大きいが、文系150万~200万円、理系170万~250万円のところが多い
- 法科大学院をはじめとして専門職の大学院は高額になる傾向
- 公立の大学院は、授業料は国立と変わらないが入学金は住んでいる場所で安くなる
- 通信制の大学院は学部は限られるものの安い
- 学費は、国立文系・理系<私立文系<私立理系
- 基準を満たせば、授業料が無料になる制度もある
今後の進路を考える中で大学院への進学を検討する場合には、是非この記事を参考に資金計画も一緒に考えてみて下さいね。