子どものための学資保険は離婚時に備えて名義変更を考えておこう!

学資保険は子どもの教育資金を確保しておくことが一義的に捉えられていますがその契約の履行はあくまで名義人と保険会社との決め事です。万が一離婚をしたときに名義人となっていなければ学資保険の保険金は手に入りません。今回はその予防策をご紹介します。

学資保険の名義(契約者)とは

学資保険の名義(契約者)とは保険上の契約者であり親権者とは限りません。契約者は学資保険に関する保険金の受領や内容の変更に関しての権利を持ちます。また、契約者と加入者である子どもの間柄が親子あるいは保護者であることを加入時に確認しますが、それ以降の確認はしません。

そのため名義変更の申し出がない限り、学資保険の契約者はそのままになります。そのため、離婚などの理由によって契約者の変更が必要な場合は速やかに契約者本人が変更手続きを行わなければなりません。

契約者すなわち名義に関する学資保険のトラブルというものは多く、基本的な手続きだけで解決する場合が多いです。弁護士などに相談してトラブルなく円満に解決するというのも一つの手ですが、基本的にはご家庭内で解決できるケースが多いです。

学資保険の名義(契約者)はどちらにすべきか

さて、学資保険の名義というものは基本的にその子どもの教育資金を用意するために親権を持つ者が登録されます。このとき、名義はどちらにしておくとよいのか、あるいはどちらにしておく方がメリットのをより享受できるのでしょうか。

というのも学資保険というのは単なる教育資金の預金ではありません。預金には金利がかかり将来への資金確保につながることと同様に、契約者と被保険者の万が一に備える保障内容が含まれているからです。こうした場合では学資保険の使い方というのは単純ではなくなります。そのため学資保険の名義人をどちらにしておくべきかは重要な問題と言えるでしょう。

基本的には男性と女性、性差のある保険ではありませんが名義人の登録に関しては次のようなことに注意されるとよいでしょう。



一般的には男性

多くの家庭では男性が一家の大黒柱となり収入面で家族をさせている場合が多いです。その場合では男性を名義人にしておくケースが多いです。

これは一般的な考えですが、学資保険の名義人は収入が高い方を登録するのが望ましいです。収入が高いということは基本的に移動が多かったりストレスが溜まりやすい状態にあることが考えられます。そうした場合では三大疾病や不幸な事故に巻き込まれるリスクも高まります。

保険会社とすれば収入が高い方を登録していただいた方が払込に関するリスクが抑えられて比較的安心して保険料の運用ができます。また、そうしたケースでは「保険料払込免除」の特約もつけやすく、万が一の時のサポートと合わせて本来の学資保険のサポートを充実させることができます。

経済力によっては女性名義にする方が良い事も

しかし、必ずしも男性が名義人になる必要はありません。現在日本ではシングルマザーで活躍されている方が数多くいらっしゃいます。そうした方々のサポートができるのも学資保険の魅力と言えるでしょう。

両親と子どもが揃っている状態でも女性の方が経済的に有利な場合はあります。そのため、学資保険には妻の名義で登録されている場合もあり、何ら問題はありません。基本的には収入が多い方が加入すればよいのです。また、万が一の時のサポートに関しても同様なことが言えます。

女性の場合では婚姻関係にある男性つまり夫の健康状態により生命保険の加入が渋られてしまうケースがあります。その多くは収入の不安定性に由来するところが多いですが、健康状態が妻にまで影響することは少なくありません。そうした場合では学資保険の名義を妻にしておくことで万が一の時の備えにすることができます

名義(契約者)は離婚時に重要になる

学資保険における名義は非常に大切なものです。満期金や祝い金を受け取る権利はもちろん生命保険としての働きを付与するには名義人か被保険者にするしかありません。そのため学資保険の名義は慎重に考える必要があるのです。

また、不幸にも離婚をするに至ったご家庭に置いてはこの学資保険というものが非常に話題に上ります。何しろ、この学資保険もまた保険ですので解約返戻金というものが存在します。財産分与の観点から見て加入中の保険というものはあまり争点にされませんが、解約されて現金としての能力が高まることで争点に上りやすくなってしまいます。保険とは割引や一時金という名目はあるものの現金として期待できる分だけ争点になりやすいものだということは気に留めておいてください。

また、それ以外にも学資保険では離婚時に重要になる理由があります。

学資保険の解約、変更も名義人(契約者)しかできない

学資保険の解約や変更は名義人の権利です。そのため解約返戻金の受け取りや保険内容の変更は名義人である契約者にしか行うことができません。名義人ではない方によって解約や変更が行われると確保しなければならない子どもの教育資金が悪用されたり確保することが難しくなるためです。

離婚時にはそのような手続きに関しても注意を払わなければなりません。養育費だけでは子どもの教育資金まで届かないこともあるだけに重要な問題です。

名義(契約者)と受取人が異なると贈与税が発生する

通常、名義人と受取人は同一人物になっていますが必ずしも一致させる必要はありません。学資保険の場合は何年かかけて保険料を支払い、満期の時に保険金を受け取ります。もし受取人と名義人が同一人物であれば所得税として保険金と保険料の差額が500万円以上であるときに課税対象としてみなされます。

同様に、名義人と受取人が異なる場合、今回は保険料がすべて支払い終わったことを前提に考えると贈与税の課税対象となることが考えられます。この課税は資産の贈与に関してかかるものなので保険金に関しては一括して課税対象となります。

しかし、贈与税の課税対象はその年に110万円以上である場合だけです。よって受取額を毎年110万円以内に抑えておくことで贈与税の課税対象からは離れます。また教育目的での受け取りの場合は教育資金贈与として1500万円までが非課税として処理されることになります。

離婚時には名義(契約者)の変更を

離婚時には学資保険の名義を変更しておくことが重要です。それは保険金の受け取りと生命保険のような万が一に備えた保障を受ける権利を確保しておくことに他なりません。

保険ではこの名義人や契約者といった書面上の契約や約束事が優先されます。保険会社はこのルールの下、資金を運用しておりそれ以外での出来事に関しては管轄外となってしまうのです。

離婚の場合でも契約者本人による申告がない限りは保険会社はその事実を把握することができません。子どもの大切な教育資金や万が一の時の保障を確保するためにも離婚時の名義変更は忘れないでください。

お互いに信頼があるなら変更しなくてもいい

また、やむを得なく離婚に至った家庭もないことはありません。そう言ったケースでは夫婦間のある種の信頼関係はあり離婚時にした取り決めに法的拘束力がなくとも履行されることが多いでしょう。そのため無理に名義変更をせずとも学資保険の保険金受取という面は守られます。

しかし、法的拘束力がない場合はそのときの現状を鑑みた裁量的な判断に委ねられトラブルのもとになります。そのため余計なトラブルを回避したい場合は名義変更をしておくことをお勧めします。

まとめ

学資保険に加入中のかた、あるいは加入を検討される方には離婚というワードはタブーでしょう。そのため離婚に関する制約というものはあいまいに伝えられる場合があります。

しかし、離婚という出来事が保険の名義や契約に関して大きな力を持つことには違いがありません。そのために万が一に対する情報は大切にしておきましょう。

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