徹底解説!今人気の学資保険の仕組みを解説!どんな商品なの?

子どもができたら、将来の教育の資金に、と考えている人も多い学資保険。どんな仕組みで保険会社は儲けを得て、またわたしたち消費者にはどんなメリットがあるのでしょうか?返戻率や入るべき人、デメリットも含め学資保険の仕組みすべてを徹底的に解説します!

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

目次を使って気になるところから読みましょう!

意外と知られていない、学資保険の仕組みについて解説

待望の子どもを授かり新しい家族が増えたとき、その子には幸せに、健やかに育ってほしいと願いますよね。そんな大切な子どもの将来の事を考えたとき、かかるであろう教育費は大学まですべて国公立に通ったとしても一人にあたり約1000万円かかると言われています。

しかし、景気が良いとは言い難い現在、将来大きな資金を一度に準備するのはなかなか大変なことと思われます。


そんな子どもの将来必要になる教育資金を効率的に積み立てていく手法のひとつに『学資保険』があります。


しかし、現在、様々な保険会社が色々な学資保険を出しており、多数ある商品の中から私たちは適切な商品を選ばなければなりません。その際、自身に合った学資保険をきちんと選択できるようこの記事では学資保険の基本的な仕組みと選択するときに抑えておくべきポイントなどを解説していきます。

学資保険はこどもの教育資金を確保するための生命保険

まず、上記でも書きましたが『学資保険』とは、子どものため将来必要になるであろう資金を貯めるために利用する貯蓄性の高い生命保険のひとつです。

銀行預金などと大きく違うところは、保険商品なので一定の保障性があるということ、そして契約時にあらかじめ決めた子どもの年齢に合わせまとまった資金が給付金として受け取れるというところです。


もちろん必ず加入しなければならないものではなく、あくまでも教育資金を貯める一つの手段ですが、保険として強制的に貯めていけるので安定的に貯蓄するには有効な手段と言えます。

学資保険の特徴について詳しく解説していきます。

学資保険の特徴について


学資保険大きな特徴として以下の3つが上げられます。

  • 契約時に決めた時期に合わせ祝い金や満期額資金を給付金として分割して受け取れる
  • 契約者(親)がなくなった場合残りの保険料払込が免除になる
  • 普通の生命保険や銀行預金に比べ貯蓄性に優れている

祝い金や満期学資金を給付金として受け取れる

学資保険の多くは、満期のときにこれまで積み立ててきた保険料を給付金として受け取ることができます。100万円や200万円が多いです。それに加え、幼稚園や小学校、中学校、高等学校、大学に入学するタイミングでも一定額の給付金を受け取ることができるプランもあります。その場合は5万円〜10万円程度。制服の新調などでお金がかかるタイミングでの給付はとてもたすかります。もちろん、受け取らない、という選択もできます。その場合は、据え置きとして満期時にもらえる金額に上乗せでき、利子もつくのです。



基本的に契約者が亡くなると保険料が免除になる

学資保険は、教育資金のための保険ですが、生命保険としても機能もある保険です。それは、もしも契約者である保護者に万が一のことがあれば、それ以後の保険料の支払いはしなくてもよいからです。支払わなくても、給付金は満額受け取ることができるので、入っておくことで教育資金を一定は確保できるという大きなメリットがあるのです。

貯蓄性に優れている

学資保険は、設けたり、もしものときに備える、という他の保険と比べて大きく違うポイントがあります。それは、「貯蓄性」にすぐれているということ。コツコツ、長期間にわたって貯金をする手助けをしてくれる大きな味方なのです。

だからこそ、この保険に入って損をすることは基本的にありません。掛け捨ての保険のように、大きなリスクに備えて毎月お金を払う、とか、入院や通院のときの負担を軽くするために安心を買う、というような他の保険のような支払いはいっさいありません。

保険会社はどうやって利益を出している?学資保険の仕組みについて

では、私たち消費者が損をしない保険という商品を売って、保険会社はどのように利益を得ているのでしょうか?そこが分からなければ、学資保険にはメリットしかないようで少しこわいですよね。どのような仕組みで保険会社はサービスを提供しているのでしょうか?

保険会社は受け取った保険料を「運用」している

学資保険は、15年〜22年にかけて契約をかわす商品です。ひとつ注意しなければならないことは、途中で保険の解約をすることで、契約者が大きな損をしてしまう、ということです。

つまり、学資保険も消費者にとってメリットしかない商品ではなく、「長く、大きな金額を保険会社に安い利息で預ける」ということなのです。もちろん、一気に大きな金額を預ける必要はないですが、預けている間、保険会社はその分の金額を運用し、利益を得ているというわけです。

学資保険は実は保険会社にとっては「おいしい」金融商品ではない

上記の通り、保険会社は、学資保険で大きな利益を得ることはできず、契約の数が増えるごとに増える保険料をもとに、ほかの事業で利益を得ているのです。そんなにおいしい、儲かる商品ではないのですね。

消費者にとっては、低リスク、低リターンなものであるといえるでしょう。

学資保険は入り口に過ぎない?本当に売りたいのは他の生命保険

保険会社にとって、あまり利益のない学資保険。それでも地道に学資保険という商品を売り込むのは、一緒に他の医療保険や生命保険を売りたいから。一緒に契約することで、他の商品も同じ保険会社で契約したいという人は多いでしょうし、結果として保険会社に利益になります。

学資保険選びの際に最重要となる返戻率について

学資保険を選ぶ段階でたくさん目にするのが、「返戻率」という文字です。返戻率は、学資保険の仕組みを理解する上で最も、といっていいほど大切なポイントです。

返戻率のことを確実に理解して、どの学資保険を契約するかが最重要になります。

返戻率の仕組みを説明

返戻率の仕組みは、簡単に言えば「どのくらいの率で、積み立てたお金が給付されるか」ということです。学資保険によっては、払う金額も、最終的に受け取れる金額もバラバラなのです。

返戻率は、パンフレットを見れば必ず載っていますが、自分でもきちんと計算できるようになると、たくさんの学資保険でどれにするかの選択もスムーズです。

返戻率の計算方法について

返戻率の計算方法は、至って簡単です。払った金額と受け取れる金額の率を計算するだけなので、「受け取る金額÷払った金額」です。

例えば、毎月の支払いが10000円、払込期間が11年の場合、10000×12(一年)×11となり、総支払い金額は1320000円となります。

そして、小学校入学時に7万円、中学校入学時に10万円、高校入学時に15

万円、大学入学時に100万円受け取れる場合、受け取り総額は1320000円。

計算式にあわせると132000÷1320000=1で、返戻率は100%です。


これでは本当にただの貯蓄なので、多くの場合、受け取り金額の方が高くなります。


小学校入学時に10万円、中学校入学時10万円、高校入学時に20万円、大学入学時に120万円、22歳の卒業時に10万円、合計1700000円となります。

この場合、1700000÷1320000=1.287…


ここまで高い返戻率はあまりありませんが、返戻率を数字にすると128%となります。

こんな人におすすめ?学資保険に入るべき人

学資保険には、向いている人と向いていない人(入る必要のない人)がいます。子どもが生まれれば、すべての人が学資保険に入る保護者の方ばかりではありません。また、学資保険の加入に関しては、賛否両論があるのもまた事実。

ここでは、学資保険の仕組みと合わせて、学資保険に入るべき人の特徴を紹介します。

子供が多いなど、教育資金の負担が大きい人

まずは、お子さんの人数が多い人です。お子さんの人数が多いと、年齢差に合わせてお金がかかる時期が重なってしまい、家計が苦しくなってしまうことも。どんなに家計をやりくりしても、一人っ子の家庭と同じようにお金を使うことはできません。だからこそ、毎月の負担はあっても、きちんと保険に加入しておくことで、もしもの事があっても安心です。制服を作ったり、思いがけず私立に入ることがあっても多少の足しになれば助かるものです。

また、契約者に万が一の事があったら・・・子どもがたくさんいたら、希望の進学が叶うかというとなかなか難しいもの。我慢するという選択肢を選ぶ子どもが大半です。


そんなときのためにも、入っておくと大きな安心ですよ。

貯金が苦手な人・計画的な資金運用が苦手な人

もうひとつは、貯金が苦手な人。手元にお金があるとつい使ってしまう人。将来のことを見据えてお金の管理をすることが苦手な人。自覚がある人は是非加入しましょう。子どものためです。もし、満足な教育費をきちんと準備できていなかったら、一番悲しいのは、お子さんです。

逆に、お金の管理に自信がある人は、加入しなくて大丈夫。手元に、いつでも自由に使えるお金がある、というのも大切なことです。

無駄遣いをして後悔はしないように!

学資保険選びの際に重要なポイント

学資保険は、現在、様々な商品と様々なプランがあります。学資保険に加入するか、というところも大きなポイントなのですが、入る!と決心してからは、「どの学資保険に加入するか」というのがもうひとつの大きなポイントになってきます。

きちんと考えずに適当に選んでしまうと、結局後悔してしまったり、大切な教育資金の貯金がきちんとできない、など無駄な事もでてきてしまいます。

では、どんなポイントを加入する際に考えると良いのでしょうか?

返戻率と保障内容の確認が最優先

まず、学資保険の加入で迷ったときに比較しなければならない仕組みが、「返戻率」です。そして、もうひとつは、「保障内容」です。

返戻率とは、いくら払い込んで、いくら戻ってくるのか。これは、もちろん、数字が高い方が帰ってくる金額が多いということですので良いです。100%といことは、払う金額と受け取る金額が同じだということです。平均的には103%程度が多いでしょう。


そして、保障ないようです。学資保険とあわせて、医療保険や死亡保険等、他の保険の機能を付随させているプランもあります。もちろん、学資保険と医療保険等を別々で契約するよりも支払額は少なくお得な仕組みとなっていますが、その分、返戻率は100%を下回ることになります。

祝い金の有無を確認

学資保険の給付金の受け取り方は、学資保険の仕組みを理解する上で大切です。

満期時(20歳や22歳が多いです)に全額受け取るプランと、それぞれの節目に少しずつ受け取れるものがあります。ご家庭の経済状況を考えてふさわしい方を選択してください。


ただ、教育費を確保する、というための保険ですので、少しずつ受け取れる方が人気なようです。もちろん、一括で受け取る方が返戻率は高くなります。

基本的には不要?特約は必要な人だけつける

特約には、いろいろなものがあります。見ていると、いろいろ付けたくなるのが親心。でも、忘れないで下さい。学資保険は、教育費のための「貯金」です。


いまは、国の制度も整っていて、医療費や児童手当もあり、特約はさして必要ではない、という意見が多々あります。あれもこれも、となってしまうのは当たり前のことですが、目的を忘れず、特約は必要最低限にしましょう。

学資保険の払い込み方法と期間の仕組みについて

学資保険の支払いと、期間についても、プランによって様々です。これらの仕組みも理解して、一番無理のない方法で、一番返戻率の高い保険を選びましょう。

払い込み方法は月払い、年払い、一括など複数選択肢がある

保険料は、基本的には一ヶ月ごとに指定の銀行口座からの引き落としとなります。保険によっては、一年に一回、まれに一括での支払い方法があります。

年に一度だと支払額は15万円前後となるので、家計に余裕のある人は年払いを選択すると、毎月の負担は軽くなり、また返戻率も多少あがるでしょう。全額一括という支払い方法はとても珍しいのですが・・・正直、一括で支払えるならば学資帆園は必要ないでしょう。定期預金等を利用するほうが返戻率は高くなるでしょう。

払い込み期間はこどもが何歳の時に保険料を払い終えるかを設定する

払い込む期間は、11年、14年、18年など様々です。加入するときのお子さんの年齢を考えて、払い込む期間がいつで終了になるのかを考えましょう。

0歳であれば、14歳頃まではそんなに教育費がかからないので無理がないな、など考えて支払い期間を決定しましょう。

契約者が死亡すると保険料を支払わなくてよい?保険料払込免除特約

保険料払込免除特約は、先ほども説明した、「契約者である保護者が亡くなったときに以後の保険料の支払いを免除される」という学資保険の仕組みです。一家の大黒柱になにかあっても、教育をあきらめなくてもいい、という大きなポイントです。

学資保険の返戻率をあげるための方法

学資保険には、選択肢がたくさんあり、それぞれに返戻率がからんでくるということを分かっていただけたと思います。返戻率は高ければ高い方がよいもの。では、返戻率を最大にするにはどんな選択がいいのかを考えてみましょう。

払い込み方法は年払いや一括のほうが返戻率は上がる

まずは、「払い込み方法」についてです。

払い込み方法は、1回の金額が高い年払い、一括の方が最終的な返戻率は高くなっています。月ごとの支払いでは、手数料がついている、というイメージです。

払い込み期間も早く支払い終える方がお得

次は「払い込み期間」についてです。

払込期間も、短い方が1回の支払額は高くなるので返戻率は高くなります。しかし、あまり短いと、1回の支払額が高くなるのであまり現実的ではありませんので注意してくださいね。

元本割れを防ぐために特約は必要最低限に

「元本割れ」とは、学資保険のなかでも、長期間支払ってきた保険料に対して、最終的に受け取る金額が「下回る」という減少です。中には、もともと元本割れをしている学資保険もあります。それは、医療保険などの特約がはじめからついているプランだとそうなることがあります。

しかし、前述の通り、子どもたちの医療制度は今国を挙げて充実させているポイント。あまり必要ありませんし、元本割れをしてしまってはもともとの目的である教育費の貯金を達成できません。


特約は最小限にすることが、元本割れをふせぎ、また学資保険の仕組みを最大限に活かすことができる選び方と言えます。

まとめ

いかがでしたか?

学資保険の仕組みを理解することは、子どもの将来についてもういちど考え直すタイミングになると思います。保険のことは複雑で、なかなか理解するのは難しいですが、少し落ち着いて学資保険の仕組みを理解し、小さいうちに満足できる保険に加入することで、安心して子どもの将来を一緒に歩んでいけると思います。


でも、教育費のためにあるのは学資保険だけではないのも事実。


それぞれのご家庭にベストな選択ができるよう、応援しています!

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