学資保険の罠を回避せよ!気が付きにくい大きな3つの罠をご紹介

学資保険(教育保険)は人気が高い保険ですが、見落としがちなリスク、言い換えれば罠も存在します。ここでは、学資保険とはどういう仕組みかという解説の後、返戻率などに関する3つの罠について説明します。また、学資保険とよく比較される教育資金の貯め方も紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険の罠にはまらないために学資保険を理解しよう

子どもの教育資金のため、学資保険(教育保険)を検討している方は多いと思います。


その中には「学資保険って効率よくお金を増やせて人気だけど、おいしい話には何か罠があるのでは…」と心配されている方もいらっしゃるかもしれません。


実際のところ、知らないままだと陥りがちなリスク(=罠)は存在します。


しかし、罠というのはその成り立ちをよく理解していれば回避することもできますし、場合によっては逆手にとってメリットとすることすら可能です。


この記事では

  • 学資保険の仕組みとは
  • 学資保険の罠「返戻率」「インフレリスク」「祝い金」
  • 学資保険以外で教育資金を貯める方法

について詳しく解説します。


この記事を読めば、学資保険の罠を理解することができ、自分に合った教育資金の貯め方が分かります。


ぜひ最後までご覧ください。

<概要>そもそも学資保険とは

学資保険とは、主に子どもの教育資金を貯めるために活用される保険です。


月々(もしくは年ごとなど)保険料を支払い、その積み立てたお金が「満期金」や「祝い金」という形で返ってきます。


多くの場合、満期は子どもの大学進学前後をターゲットとして設定されています。


入学準備資金は、早ければAO入試や推薦の始まる高校3年生の秋頃から必要になりますので、そのタイミングでまとまったお金を受け取れるよう、17歳満期や18歳満期となっていることが一般的です。


一方で祝い金のある学資保険の場合、子どもの中学や高校入学の時点にも分散してお金を受け取ることができます。


どの時点でお金が必要で、どの時点では不要か、各ご家庭によって最適な学資保険はさまざまです。


また学資保険単体でなく、家族のライフプランも含めるとより立体的な将来設計ができます。


夫婦だけで難しい場合には、ファイナンシャルプランナー(FP)などに相談してみるのも良いでしょう。


ネット申し込みができたり、グループでの相談が可能など、対応の間口が広いので気軽な相談に対応できます。

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学資保険の仕組みは養老保険と同じ

養老保険という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

生命保険の一種で、契約者が保険料の支払期間中に死亡してしまった場合は死亡保険金、生存して満期を迎えれば満期金を受け取ることができるというものです。

学資保険の仕組みは、この養老保険によく似ています。

保険料支払い期間中には「払込免除特約」(契約者に万が一のことがあった場合に、その後の保険料支払いは免除されながら保険金は通常通り受け取ることのできる制度)などの保障があり、もしもの時にも備えることができます。

この点が、単にお金を積み立てる銀行預金などと大きく違う点です。

では、この学資保険の「罠」とは一体どのようなものでしょうか。

罠1:返戻率が高いというだけで選んでいませんか?


学資保険を検討する際、重要な要素となるのが「返戻率」ですが、これが1つ目の罠となります。

基本的に返戻率は高いほどお得と考えることができますが、この返戻率は「上げる方法」が存在します。

すなわち、資料に書かれた返戻率の数字だけを見て高いものに飛びついてしまうと、保障内容など総合的に考えた時、自分にピッタリではなかった…ということが起こり得るのです。

学資保険の返戻率の計算方法

返戻率(戻り率・受取率・給付率などとも呼ばれます)は次のように計算します

返戻率=受け取るお金の総額÷支払う保険料の総額×100(%)

例えば、総額100万円を払い込んで110万円受け取ったとすれば、返戻率は110%です。

返戻率が100%を超えていればお金が増えたということを意味し、数字が高いほど貯蓄性が高いということになります。

一般的に、学資保険の返戻率は90~110%程度と言われています。 

保険料の支払い期間を短くすると返戻率を高くできる

ただし、この返戻率というのは意図的に上げることができます。

その方法の1つが、支払い期間を短くすることです。

よく勘違いされますが、支払期間を終える=満期金の受け取りではありません。

この2つは同時である必要ないのです。

では、支払い期間の差による例を見てみましょう。
満期満期金支払い期間返戻率
18歳200万円10年108%
18歳200万円17年102%

同じ18歳満期、満期金200万円でありながら、10年払込17年払込かによって、返戻率には大きな差がついています。


この理由は、保険会社が支払われた保険料を運用していることにあります。


早くお金が払い込まれればそれだけ長期の運用が可能になり、高い運用益が期待できます。


それが契約者に還元されるため、支払い期間が短いほど高い返戻率(=支払う保険料が安い)が実現されるのです。

学資保険の受け取り時期を後にすると返戻率を高くできる

返戻率を上げる方法をもう1つご紹介します。


それが保険金の受け取り時期を遅くするというものです。


次の例を見てみましょう。

満期金受け取り時期返戻率
300万円17歳で一括103%
300万円18歳から50万円ずつ4年間107%


この例で、違いは給付期間が長期なのかそれとも一括なのかという点です。


結果、18歳から4年間に分けて受け取る方が、返戻率が高くなりました。


これも運用期間の長短によるものです。


保険金は、もらう期間が後になればなるほど返戻率が高くなります。

罠2:インフレリスクがあることを知っていますか?


学資保険の2つ目の罠はインフレリスクというものです。

インフレリスクというのは簡単に言うと物価が上がってしまって相対的に損をしてしまう可能性のことです。

学資保険は基本的に固定金利で運用されますが、世の中の物価が上昇したときに、そのときの金利が優れているという保証はどこにもありません。

そのため、学資保険はインフレリスクという罠にも注意を払わなくてはいけません。

罠3:祝い金は払ったお金が戻ってきているだけ


満期金の他に祝い金が給付される学資保険もありますが、これも気をつけて頂きたい罠です。

というのは、祝い金と言われると「保険金にプラスアルファして貰えるお金」と錯覚してしまいがちだからです。

しかし実際のところ、祝い金というのは返戻率の考え方のところで紹介した「受け取れるお金の総額」に含まれています。

つまり、仮に受取金の総額が200万円だとしたら
  • 満期金のみの場合:満期に200万円
  • 中学入学祝い金として20万円受け取った場合:満期に180万円
というもらい方になるということです。

「オマケで貰えるならお得だと思ったけど、満期金が目減りするのなら祝い金はいらない」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような言葉のトリック(罠)にも、十分注意しましょう。

学資保険の代替案と、学資保険がおすすめな人とは

ここまで読んで「こんなに罠がいっぱいなら、教育資金を学資保険で貯める意味ないのでは?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。


子どもの教育資金を貯める方法は何も学資保険だけではありません。


ここでは学資保険の代わりとして

  • 低解約返戻金型終身型保険  
  • ドル建て保険

を紹介します。


また一方で、リスクはあってもやはり学資保険にはメリットも多いものです。


どのような方に学資保険が向いているのかについても、あわせて解説します。

学資保険の代替案

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険は名前のとおり終身保険の一種ですが、長期の契約を前提として、払込期間中は返戻率が低く、払込を終えるとグンと上がるという特徴があります。


さらにこの返戻率は、受け取り時期を据え置く(先延ばしにする)ことで、より上がっていきます。


また払い込みを終えていれば、受け取り時期と、その時にいくら受け取るかも自由ですので、ご自身のさじ加減で利用しやすい保険といえます。


返戻率の罠や言葉のトリックなどで混乱してしまいそうな方に向いています。


ドル建て保険 

教育資金を貯める方法として、学資保険とよく比較されるものにドル建て保険もあります。


ドル建て保険とは、日本円の代わりにドルを用いて保険料の積み立てと保険金の受け取りを行う保険です。


ドル建て保険の最大の魅力は利率の高さにあり、返戻率ランキング上位のものでは150%を超えることもあります。


そのため、貯蓄性を求めるのであれば、返戻率の高い学資保険を模索して罠にかかってしまうより、平均的に利回りの良いドル建て保険はおすすめです。


ただしもちろんドル建て保険にもデメリットはあり、特に注意するべきなのが為替変動のリスクです。


大きく得をする可能性がある代わりに元本保証のない、ハイリスク・ハイリターンな方法であることはよく覚えておいてください。

学資保険が向いている人とは

学資保険の罠を解説しましたが、それでもやはり学資保険がおすすめな場合もあります。


学資保険は、強制的な貯蓄ができるという点が大きな魅力です。


毎月コツコツお金を貯めようと思っていてもなかなか難しいという方も多いでしょう。


そういう時に保険料の支払いという強制的な手段は役に立つものです。


もちろん、どうしても支払いが困難になった時には途中解約するという手段もありますが、多くの場合、解約返戻金は元本割れしますので、「学資保険の解約は最後の最後にしよう」という心理も働くかと思います。


考え方によっては、住宅ローンなどと同じく、保険料分のお金は最初から「ないもの」として家計を管理することもできますね。

まとめ:学資保険の罠を理解して、賢く教育資金を貯めよう


学資保険の罠について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは
  • 学資保険は積みたてたお金が増えて返ってくる、貯蓄型の保険
  • 学資保険には「返戻率」「インフレリスク」「祝い金」という大きな3つの罠がある
  • 学資保険以外で教育資金を貯める方法も検討するべし
でした。

今回ご紹介した学資保険の罠は意外と知られていない場合が多いのですが、逆に知っていれば上手に保険を選ぶポイントにもなる部分です。

また、学資保険以外で教育資金を貯めるには、今回紹介した他にも個人年金投資信託など複数の方法があります。


どの方法にも当然メリットとデメリットはありますので、何より「自分に合った方法かどうか」をよく検討してくださいね。


保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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