返戻率が高い学資保険の選び方は?返戻率の数字カラクリについて

10歳未満の子どもをもつ約6割の家庭が、必要を感じ、学資保険に加入しています。将来の貯蓄と思えば、一番気になるのは「返戻率」。少しでも支払ったお金より多く戻ってほしいと誰もが願いますが、返戻率が変わる仕組みや、返戻率だけでは決められない検討材料をご紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険を選ぶ基準として返戻率の高いものを選ぶのは正しいのか

学資保険を選ぶなら、少しでも返戻率の高い商品を!と思って探していませんか。

預貯金の金利を考えると、子供の教育資金を準備するのに、学資保険の返戻率はとても魅力的に感じます。

しかし、返戻率だけを見て選んでしまうと、自分たちの将来設計や家計に悪影響を与えることになりかねません。

そこで、この記事では「返戻率が高い学資保険の選び方と受取のタイミング」について、

  • 返戻率の計算と学資保険返戻率の平均
  • 返戻率の高い学資保険の例
  • 学資保険の返戻率を高くする方法
  • 学資保険を受け取るタイミング
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、学資保険を選ぶときに正しい判断ができるようになります。

ぜひご覧ください。

返戻率の計算方法

保険でいう返戻率とは、受け取る保険金額が、支払った保険料に対して何%あるのかを示すものです。


その計算は単純で、学資保険の場合、

返戻率
=受け取るお金(満期保険金+祝い金)の総額÷支払うお金(保険料)の総額×100

となります。


学資保険の返戻率の平均は105%前後

大手の生命保険会社など、学資保険を取り扱っているところは多いですが、現在95.2%~108%と、その平均は105%前後となっています。

中には100%を下回っているものもありますが、これは、学資保険が親に万一のことがあった場合の「保険」であるということを考えれば、納得がいきます。

保険料には「予定死亡率(年齢・性別による死亡率)」、「予定利率(保険料運用による利益率)」、「予定事業費率(保険会社経費率)」が関わるため、保険会社によって差が出てしまうのは当然です。

とはいっても、学資保険は加入時の予定利率で満期まで運用されますので、やはり返戻率が高い商品を選んでおきたいという方は多いと思います。

学資保険の返戻率を高くする方法

同じ保険会社の同じ学資保険でも、返戻率を高くする方法はいくつかあります。
 
年齢が若ければ若い方が、また性別についても、男性よりも女性の方が保険料が安くなるため、その分、返戻率が高くなります。

しかし、年齢も性別も、加入時に変更できるものではありません。

その2つの条件以外で高い返戻率を実現する方法は4つありますので、以下解説します。




1.出産前に加入するか、子どもが生まれた直後に契約する

まずは、保険を契約するときに、被保険者(子ども)の年齢が0歳のうちに契約するということです。

学資保険は満期までの期間が決まっていますので、子どもの年齢が若ければ若いほど、運用期間が長くなり、保険料を抑えると同時に、その分高い返戻率を実現することが可能です。

学資保険の中には、「出生前加入特約」をつけて、出産前に加入できるものがあります。

出産前に加入するメリットは、
  • 出産後の忙しい時期を避け、保険についてじっくり考えられる
  • 出産前に親に万が一のことがあっても、保険料免除で保険金が受け取れる
  • 契約者の年齢が1歳若い時に加入できる可能性がある
です。

保険の予定利率を引き下げている学資保険が大半ですので、いずれにしても、早いうちに契約しておく方が、高い返戻率にすることができそうです。

2.特約をつけない

学資保険には、次のような特約が自動付帯されているものや、オプションで選べるものがあります。

  • 保険料払込免除特約
  • 育英年金特約
  • 医療保険特約

親に万一のことがあった場合に保険料を払わなくて済んだり、子供が病気をした場合に保険が適用されたりと、学資保険の保険要素は強くなります。

同時に、特に医療に関しては、その分保険料が高くなってしまいますので、学資保険を貯蓄目的で加入したい人にとっては、不要なものになるかもしれません。

医療に関しては,国や自治体の医療費助成を調べたり、他の保険と比較したりすることもできますので、少しでも高い返戻率の学資保険にこだわる場合は、特約はつけない方が賢明です。

3.一括払い(全期前納払いや一時払い)など保険料の支払期間を短くする

保険料の支払いを短くすることで、高い返戻率を実現することも可能です。

保険料の支払いが短い分、保険料の割引率は大きくなります。

それは、まとまった保険料を早い時期に支払うことで、保険会社がその保険料を資金に、長期の運用をすることができるからです。

そこで最短の支払い期間として一括払いがありますが、一括払いには次の2種類があり、特徴も違いますので、内容を押さえておきましょう。

前期前納払い

  • 保険料は一時払いより高い
  • 保険料は保険会社に一時的に預ける形となり、毎年支払いが行われる
  • 形式的には毎年支払いのため、生命保険料控除が毎年適用される
  • 契約者の死亡時は、契約時の保険金額と未経過分の保険料が戻る
  • 解約時は、払込分の解約返戻金と未経過分の保険料が戻る

一時払い

  • 保険料は前期前納払いより安い
  • 保険料の支払いが一時で終わるため、保険料払込免除の適用がない
  • 生命保険料控除は初年度のみ適用となる
  • 契約者の死亡時は、契約時の保険金額のみ戻る
  • 解約時は、払込分の解約返戻金が戻る

学資保険は生命保険控除の対象になりますが、すでにその他の保険契約で控除枠を使用している人もいるでしょう。

また契約者(親)の死亡リスクが全体的に低いことを考慮すると、一時払いにして返戻率が少しでも高い方がよいとする人もいると思います。

4.学資保険の受け取り時期を後にする

学資保険の返戻率を高くする最後の方法は、保険金の受取時期を後にするということです。

受け取る時期が遅くなればなるほど、保険会社が保有する保険料期間が長くなり、長期運用が可能になります。

学資保険の受取プランには、いろいろなものがありますが、多くの頻度で受け取りを設定すると、その分返戻率は下がってしまいます。

逆に、最後に満期保険金を一括で受け取ったり、満期を過ぎて、さらに据え置いてから受け取ったりすると、その分利息がついて、返戻率を高くすることができます。

学資保険を返戻率が高いというだけで選ぶと危険かも

学資保険の返戻率を高くする方法はいろいろあることがわかりましたが、大切なのは、学資保険をどのように利用したいのかです。

学資保険とは本来、子どもの将来に必要な教育資金に充てるための、貯蓄機能を備えた保険です。

中学や高校入学から教育費として使いたい家庭では、そのタイミングでお祝い金を受け取りたいという人もいるでしょうし、一番お金のかかる時期に使いたいという家庭でも、大学入学時に一括して受け取りたいのか、毎年受け取りたいのかなど、各家庭事情はそれぞれ違います。

また、返戻率が高いからといって、22歳に受け取るのでは、教育資金として使うにはどうかとも思いますが、もしかすると大学院や留学費用、中には教育費としてではなく、子どもの結婚費用を貯めてあげるという家庭もあるかもしれません。

学資保険を、ただ単に「返戻率が高いから0歳で入って10年の払い込みで22歳で受け取る」など最初から決めるのではなく、各家庭に合った商品やプランを選ぶことが大切です。

22歳満期受取契約をして、18歳で解約することになるなど、本末転倒です。

まとめ:返戻率が高い学資保険の選び方と受取のタイミング

返戻率が高い学資保険の選び方と受取のタイミングについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回のこの記事のポイントは、
  • 学資保険の返戻率は、契約や受取のタイミング、支払い方、特約の選択などで変更できる
  • 学資保険を高い返戻率にするには、特約を付けず、保険料の支払いを早く済ませ、受取期間を長くする
  • 学資保険の受取タイミングが家計に合っているか考える
です。

返戻率の高い学資保険は、誰もが興味をもつ魅力的な保険商品です。

しかし、高い返戻率を考えることも資金運用の大切なポイントですが、その前に、商品の良さや受取タイミングなどを考慮し、無理のない教育資金計画を立てることが最も大切です。

計画的に、そして少しでもお得に教育資金を貯められたらいいですね。

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