更新日:2019/12/13
学資保険は詐欺?きちんと理解して納得のいく契約をするためには
学資保険の検討中、営業担当者の説明を聞いて「詐欺では」と感じたという人もいます。このことは、学資保険の複雑な仕組みと、保険会社の利益優先で終身保険など、他の保険を勧められる営業方法に問題があるようです。契約内容をしっかりと理解して、納得のいく加入をしましょう
目次を使って気になるところから読みましょう!
学資保険の説明を聞いて「もしかして詐欺?」と感じる人もいる
子どもの教育資金を貯めるため、学資保険を検討している方は多くいらっしゃいます。
パンフレットやネットを見ていてもよく分からない部分は、窓口で営業担当者に相談してみるというのも良い方法ですね。
しかし中には、担当者のアドバイスに違和感を覚えたり、提案される内容に対して「これって詐欺では…?」などと感じるケースもあるようです。
この記事では
- 学資保険の説明で「詐欺かも」と感じる理由
- 身につけるべき、学資保険の基礎知識
- 「騙された」と思わないための学資保険のチェックポイント
について詳しく解説します。
この記事を読めば、学資保険の基本的な部分が理解でき、契約した後に「詐欺だったかも」と思うことを避けるのに役立ちます。
学資保険が詐欺のように感じられる理由とは
学資保険とは、主に子どもの教育資金を貯めるために活用される、貯蓄型の保険です。
毎月、一定の金額を支払っていき、子どもの成長に合わせてお祝い金や満期金という形で保険金を受け取ることができます。
言うまでもないことですが、学資保険そのものには何らの違法性も詐欺の要素もありません。
しかし学資保険は「契約はしたものの、いまいち腑に落ちない気がする(=詐欺っぽい)」と感じられる方がいることも事実です。
そこには、下記2つの問題が考えられます。
- 学資保険は契約のプランが多岐にわたり、内容が複雑
- 学資保険を検討している時に、他の保険を勧められることがある
詐欺かも?と感じられる理由①:学資保険の内容の複雑さ
学資保険は内容が複雑で、説明を聞いてもすべてを理解するのはなかなか難しいものです。
そしてしっかりと理解できないまま加入してしまうとモヤモヤが残り、「詐欺だったのでは」と感じてしまうのかもしれませんね。
学資保険の基本的なポイントを以下に解説しますので、まずはこの部分をしっかりと押さえておきましょう。
学資保険を理解するポイント①:払込期間と満期
学資保険には保険料の払込期間と、積み立てた保険金を受け取る満期が設定されています。
誤解されやすいのですが、支払い完了=満期ではありません。
学資保険は満期まで継続する長期の契約を前提としていて、満期前に解約すると支払った保険料より受け取る保険金の額が下回る、元本割れを起こすことがあります。
多くの場合、学資保険は子どもの大学時期を満期としていますが、中学校や高校入学に合わせた商品も存在します。
また、満期以外でも「お祝い金」という形で、節目ごとに保険金の一部を受け取ることのできるプランもありますので、各家庭ごとの将来設計に適した商品を選ぶことが大切です。
学資保険を理解するポイント②:返戻率
学資保険を検討する上で、重要なポイントになるのが返戻率です。
返戻率とは、支払った保険料の総額に対して受け取れる保険金の総額を示すもので、計算の仕方は次のようになります。
返戻率(%)=受け取り総額÷払込保険料総額×100
この返戻率が100%を超えていれば受け取った額は支払った額より多かったことになりますが、逆に下回っていれば、積み立てた額よりも目減りしたということです。
中途解約した場合などに加え、満期まで継続したとしても返戻率が100%に届かないことがあります。
これは学資保険が生命保険としての機能を備えているためで、満期返戻率が100%よりも低い学資保険は、その分保障が充実していることが多いようです。
学資保険を理解するポイント③:払込免除特約
学資保険に付帯する保障の中でもっとも基本的なものが「払込免除特約」です。これは、契約者(親)に万が一のことがあった時、その後の保険料支払いは免除されながら、保険金は通常通り受け取ることができるという制度です。
詐欺かも?と感じられる理由②:別の保険も勧められることがある
学資保険加入の相談をしていたのに、営業担当者からはいつの間にか別の保険を勧められていたということが実際にあるようです。
学資保険を希望していた立場からすれば、話をすり替えられたようで「これって詐欺…?」と感じることもあるのではないでしょうか。
実は、学資保険は保険会社にとって利益率の低い”うまみの少ない”商品です。
そのため、営業担当者は利益の高い終身保険など別の保険を勧めてくることがあります。
もちろん、終身保険や医療保険など、学資保険以外の保険にもそれぞれ魅力があり、比較して検討することは加入者にとっても良いことです。
しかし、内容を十分に説明しないまま他の保険に変えさせようとすることがあれば、やはりそれは問題ですね。
保険担当者にも色々な人がいて、誠意から他の保険を紹介してくれる人もいれば、残念ながら自分の利益優先という人もいます。
見極めはなかなか難しいですが、説明を十分にしてくれることと、こちらの疑問にとことん答えてくれることは、最低限のポイントです。
詐欺に騙されたと思わないためにとるべき対処法
このように、学資保険自体に詐欺の要素はまったくないのですが、複雑な内容と、保険会社の利益優先の営業が存在するため、検討者の目には「詐欺みたい」と映ることがあるようです。
少しでも「詐欺かな?」と感じてしまうのであれば、内容に納得できていない証拠ですので、そのまま契約することはおすすめできません。
では学資保険の検討はどのようなことに気を付けたら良いでしょうか。
以下の2つの方法が役に立ちます。
- 返戻率と保障についてしっかりと確認する
- ファイナンシャルプランナーなどの第3者に相談
詐欺?と感じた時の対処法①:返戻率と保障について確認
学資保険を理解する上で「返戻率」と「保障(払込免除特約)」が重要になることについては既にご説明しました。
つまり、この2点をしっかりとチェックしておけば、その学資保険がご自身の中でかなりクリアになると考えられます。
まず返戻率については、同じ契約であっても、受け取り時期や払込方法、契約者の年齢などで変化し、場合によっては元本割れをするということをしっかりと認識しましょう。
資料に返戻率として大きく書かれている数字は、ある条件のもとの例でしかありません。
この数字をそのまま期待していると、契約内容が決定したときに「広告と違う…(詐欺?)」と感じてしまう可能性があります。
次に保障について、払込免除特約は多くの学資保険に標準付加されていますが、その他の保障は学資保険ごとにさまざまです。
ご自身が学資保険に求める保障と、その商品に付加することのできる保障を照らし合わせることで、営業担当者から他の保険を勧められた時に、本当にそれが必要か判断できます。
一般的にオプションとして保障を付加すると返戻率が下がってしまうため、学資保険に貯蓄性を求めるのならば保障の優先は高くないかもしれません。
そういった場合に、他の保険を用いて保障を補うべきなのか、それともそもそも保障は求めていなかったのかをよく考えると良いでしょう。
詐欺?と感じた時の対処法②:FPへの相談
保険会社の営業担当者は自社の保険商品について熟知したプロです。
学資保険について納得できるまでとことん説明してもらおうと思っても、知識の差から、対等な話し合いはやはり難しいものですね。
しかしこのことが「営業の口車に乗せられた…(詐欺?)」と感じる原因にもなります。
そこでおすすめするのが、ファイナンシャルプランナーなど、中立な立場の第3者に相談することです。
ファイナンシャルプランナーは暮らしとお金のプロであり、保険だけでなく家族の将来について総合的に相談に乗ってくれます。
特定の保険に偏った勧誘などをされることもありませんので、気軽に利用してみてはいかがでしょうか。
補足:実際の詐欺事例
ここまで、学資保険の詐欺の”ような”説明について見てきましたが、本物の詐欺に学資保険が利用されているケースというものも存在します。
具体的には、保険会社の社員を名乗る人物や、服装を似せた人物が「学資保険の紹介をする」という名目で自宅へ来て、通帳などを騙し取るという事例があるようです。
これは子どもを持つ親だけでなく、孫のために教育資金を援助したいと考えている祖父母もターゲットになっています。
馴染みのあるワードを並べられるとつい信用してしまいそうになりますが、直接自宅へ来て保険の勧誘をするということがまずあり得ません。
小さい子どもや孫のいる家庭を狙った卑劣な手口があるということを認識し、充分注意してください。
まとめ:しっかりと知識をつけておくことで詐欺と感じない契約を
学資保険と詐欺の関係について見てきましたが、いかがでしょうか。
今回の記事のポイントは
- 学資保険は、内容の複雑さと営業トークの問題から「詐欺っぽい」と感じられることもある
- 学資保険をしっかり理解するためのチェックポイントは「返戻率」と「保障」
- FPなど中立な立場の第3者に相談することで、納得するまで説明を受けることができる