銀行の保険勧誘トラブルに注意!意図しない契約を勧められる?

銀行の窓口では日々、保険の勧誘が行われていることをご存知でしたか?非常に身近な存在である銀行に意図しない外貨建て保険を勧誘され、加入してしまいトラブルになるケースが多発しているよです。被害を回避するためにも、外貨建て(ドル建て)保険のリスクを理解しましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

銀行に保険を勧誘されたら注意?高齢者の退職金が狙われる?

将来に向けてお金を貯めてるというかたの中には、貯蓄性の保険を使ってる方もいらっしゃいます。


現在の銀行金利で考えますと、保険で積み立てをしていくほうが銀行で貯金するより増えていきます。


そういった中で保険の需要が増えていおり、銀行も保険の勧誘も行っています。


しかし、保険勧誘でクレームが増加していることをご存知ですか?


しかし、それは本当に必要な保険なのでしょうか?

説明をしっかり理解された上で加入されているのでしょうか?


実際に銀行窓口で勧誘を受けたときには、あまり理解できていなくても銀行員を信用し加入するケースがあります。


例えば、これから団塊の世代の方たちが退職されていきます。


今まで長い期間働かれて労いとして、会社から退職金が支払われます。


「夫婦でこれまでの苦労をねぎらい、旅行に行きたい」「これからのことを考えて貯金したい」など様々だと思います。


この退職金を銀行の営業マンが目を光らせてみています。


この記事では、

  • 銀行の保険営業トラブルの概要
  • 保険の不適正募集の対処法、クーリングオフについて
  • 被害が多発している外貨建て(ドル建て)保険のリスク
について徹底解説いたします。


あの手この手と使って勧誘が来ると思いますが、鵜呑みにせずに、しっかり話を聞き、自分でも調べて判断することが重要です。


銀行の不適正募集問題について!保険勧誘は儲かる?

銀行ではお金を預けているので、銀行を信用している方が多いと思います。


その信用を使い、銀行が行っているのが保険勧誘なのです。


銀行はもともと多くの顧客からお金を預かっているという強みがあり、加入してもらいやすい環境にあります。


その保険の中で、一時払い終身保険やドル建ての養老保険という保険をお客様に勧めて加入してもらうことが多くなってきています。


それは、団塊世代の退職やこれからの老後に向けて不安に思う方が多くなってきたからです。


しかし近年、銀行の窓口販売、いわゆる窓販でこうした保険の勧誘を受けて契約したことによって、国民生活センターに多くの相談が寄せられています。


その事例を簡単に紹介していきたいと思います。

銀行窓販での保険営業トラブルの事例

銀行で保険営業でトラブルになっている例をいくつか紹介してきます。

  • 「一時払い終身保険」

事実とは異なる元本保証という説明(「元本保証されてるので絶対に損しません」)を受け、加入してもらっているケースがあります。


実際には、完全な元本保証ではなく、為替差損の可能性があります


また、早期解約をしてしまうと損する可能性がとても高いです。

  • 「ドル建て養老保険」

「お金を積み立てていきましょう」という言い回しを使い、預金と思わせる言い方を使っている場合もあります。

  • 説明不足

まず、保険ということを言わずに加入してもらってることや、「注意喚起情報」で説明しなければならない、もし気が変わって解約するには「クーリングオフ」がありますなどの説明を怠っている場合があります。

銀行が積極的に保険を勧誘する背景とは?

それではなぜ銀行は保険を積極的に勧誘しているのでしょうか?


それは保険に加入してもらえれば、現在借入利率が下がっていることにより悪化している収益の改善を行うためです。


そのため、銀行は保険に力を入れています。


具体的にどれぐらいの手数料が保険会社から銀行に入るのでしょう?


それは、お客様に保険に加入してもらうことにより、約5%ほどの手数料が入ってきます。


元々の顧客のため、労力を使わず、収入を得ることができるのです。


1,000万円を超える契約を多く取ることができれば、収益はかなり多くなります。


そのため、銀行は積極的に保険を勧誘して、加入してもらうことで、収益改善を行おうとしています。

しつこい勧誘の断り方とは?きっぱりと意思表示しよう

しつこく勧誘されて加入してしまった方も多くいると思います。


それでは、どのようにすれば断ればよかったかお伝えします。


「保険のことは知り合いに任せているので…」とやんわりお断りすることができます。


もしも勧誘されて契約してしまった場合は、「クーリングオフ」を使いましょう。


保険会社により多少異なってはきますが、一般的には8日以内に解約する旨を書面で保険会社に郵送します。


「クーリングオフ」を使えない場合もあるため、「注意喚起情報」は確認しておきましょう。

外貨建て(ドル建て)保険のリスクについて解説

外貨建て(ドル建て)保険は加入しないほうがいいのか?

そういうことではありません。

実際に、外貨を分散ということでも使うことができますし、円建て保険に比べて外貨建て保険の利率が高いです。

利率が高いというのは、それだけお金が増えやすいということです。

そのため、円建て保険に比べて安い保険料で高い保障を受けることができるのです。

ただし、当然いいことばかりではありません。

それは、為替相場が影響するということです。

保険料支払いも為替相場によって変わってきます。

例えば、100ドルの保険料のとき、5月は1ドル=100円で10,000円の保険料を支払っていたとします。

6月では1ドル=95円で9,500円の保険料を支払うことになります。

月々によって、このように「円高」になれば支払う保険料は低くなりますし、反対に「円安」になったときは保険料は高くなります。

当然保険金を受取るときも変わってきます。

保険料を支払う時は「円高」で、保険金を受取るときは「円安」が理想的ではありますが、必ずしもそう上手くはいきません。

為替変動によって元本割れの可能性がある

日々為替は変動します。外貨建てということは、為替から受ける影響はとても大きいです。


満期のときに、外貨ベースでは、元本より増えていますが、円に換えるときに、為替相場が「円高」になっていると元々支払った保険料より減ってしまうことは当然あります。


外貨建て保険に限らず、為替変動により影響されるものは、元本割れのリスクがあることを理解しなければいけません。


一時払いタイプの保険は資産が長期間固定される

一時払いタイプの保険に加入した場合、すぐに解約することはできません。


できないというとウソになってしまいますが、解約はできても必ず損をします。


それは、保険会社は預かった保険料を元手に運用していきます。


そのため長期的になってしまいます。


お金を増やすにはどうしても時間がかかってしまい、短期では運用があまりできずに増えないということと、手数料がかかってしまいます。


そのため、一時払いタイプの保険に加入する際には、すぐに解約ができないというリスクを踏まえたうえで加入しましょう。

外貨建て保険の出口戦略について!FPさんに相談しませんか?

「外貨建て保険に加入しているがいつ解約しよう」「解約時に円安になっていたらどうしよう」など出口をどうするか悩まれる方は多くいらっしゃいます。

また、「外貨建て保険の勧誘を受けているがどうしよう」と現在悩まれてる方もいらっしゃると思います。

インターネットで調べて情報収集するのもよし、知人に相談するのもよし。

それでも、わからないことは必ずあると思います。

その際には、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみてはいかがですか?

FPはお金のプロです。わからないことをわかりやすく、わかるまで説明してくれます。

また、しつこい勧誘はおこないませんので、安心して相談することができると思います。

難しいことは専門は専門家に聞き、アドバイスを受けたうえで自分で判断していきましょう。

まとめ:銀行の保険勧誘は知識を備えて対策をしよう

この記事のポイントは

  • 銀行窓販のトラブル事例や背景
  • 一定期間内ならクーリングオフが可能なこと
  • 苦情が多発している外貨建て保険商品のリスク説明

保険と一言で言っても、お客様に合った保険というのは人それぞれです。


自分に合った保険をどこで出会うか、銀行やショップ型保険代理店、FPなど様々なところがあります。


その中でも、多くの方が使われる銀行で保険勧誘を受けた時は、その場ですぐ応えるのではなく、少し時間を置き、自分でもしっかり調べて知識を備えましょう。


またどんな勧誘をされても対応できるように、今の内から知識を蓄えておくこともいいかもしれませんね。


そして自分に本当に必要なものであれば、話を進めてみてはいかがでしょうか?

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