銀行窓販での財形保険・生命保険の勧めには要注意!注意点を解説!

銀行の窓口でも財形保険や生命保険などの保険を扱っています。銀行が扱う生命保険は、保険の営業担当者や保険ショップが扱う生命保険と何がどのように違うのでしょうか。あまり良く知られていない銀行によって販売されている生命保険について、まとめました。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

銀行窓販で財形保険・生命保険などの保険をお勧めしてくるパターンには要注意!

近年、銀行の窓口で「保険の相談承ります!」といった幕を掲げ、保険の相談を行なっていることをご存知でしょうか?

中には、すでに相談したことあるという方も少なかもしれません。


しかし、銀行は安心できるからといって素直に話を受け入れてその生命保険に加入したり、加入を検討したりしていませんか?


実は、銀行窓販では信頼できると思う一方で、保険の代理店と同じように手数料を受け取っていたり、保険・財形貯蓄のプロではない人が相談を行なっていたりと、事前に知っておかなければならない注意点・知識がたくさんあります。


この記事では、銀行窓販での保険相談の仕組みや歴史を解説するとともに、保険の相談をしにいく上での注意点を徹底解説します。

役割は保険代理店と同じ、手数料が収入となる

銀行が生命保険を販売すると聞いた時に、各銀行がオリジナルの生命保険商品を開発し販売することをイメージした人も多いと思います。

例えば、みずほ銀行なら「みずほ銀行の終身保険」といったイメージですね。


しかし、実際には、銀行は生命保険の募集代理店に過ぎず、生命保険契約の当事者は、保険会社と契約者ということになります。


銀行窓販と保険ショップの比較

銀行窓販と保険ショップの比較

一般商品の流通で言えば、生命保険会社がメーカーで銀行は販売店ということです。

銀行が生命保険を販売することで得られる収益は、生命保険契約そのものから発生する利益ではなく、生命保険を販売することによって保険会社から銀行に支払われる販売手数料ということになります。 


銀行としては、貸出残高が減少し新たな収益源を探していた矢先だったため、生命保険の販売はまさに「渡りに船」でした。


銀行フロア内に保険専用ブースを設置するなどして、生命保険の販売を強化し、手数料の増加を図っています。


契約方法は通常の保険ショップと同様であり、払込となる口座番号とその銀行印が必要になります。(生命保険の固有カードを発行する時に暗証番号を発行する必要性があるところもあります。)

銀行が生命保険を取り扱うようになった歴史(2007年から)

生命保険会社が自動車保険を扱い、損害保険会社が終身保険を扱うようになった生損保相互参入に続いて、ついに2007年には、保険業界と銀行業界との間の垣根が下がり、銀行が生命保険を取り扱うようになりました。


投資のリスク・利率の低い預貯金への不満に対する折衷案が生命保険

従来から銀行が扱っているものの代表格は預金ですが、低金利時代が長く続き、利率に対しての不満が大きくなっていました。

その不満の解消策として期待されたのが、銀行の投資信託販売の解禁でした。

しかし、投資信託は元本保証ではなく、預貯金に代わる貯蓄手段としては若干役不足が否めませんでした。


消費者は、預金よりは利率が高く、しかも安全に運用できる金融商品を求めていたからです。


そのニーズに応えるべく登場したのが、銀行での生命保険窓口販売解禁というわけです。


生命保険は基本的に、契約後一定期間が過ぎれば元本保証ですからリスクはなく、また、定期預金等に比べれば運用利回りが高いため、銀行が投資信託や預金に満足できない顧客層に対する提案商品・貯蓄手段としてピッタリだったわけです。

大きな金額の受け皿となる一時払終身型の生命保険を勧めてくる

銀行が生命保険を扱い始めたとはいっても、生命保険の一般的なイメージである毎月保険料を払うタイプの生命保険は、あまり販売されておらず、そのかわりに一時払い終身保険を積極的に販売しています。


それでは、銀行が積極的に販売する一時払い終身保険とはどのような保険なのか、金融商品としての側面から見て行きます。

一時払い終身生命保険とは?解約時返戻金って本当にお得なのか

一時払い終身保険はその名の通り、全保険期間分の保険料を契約時に一括で支払うタイプの終身保険です。

月払や年払などと違って、解約時返戻金の増え方が早いのが特徴です。

一時払い終身保険解約時返戻金の増え方

一時払い終身保険の解約時返戻金は、契約してから5~10年の間は一時払いで支払った保険料を下回ります。すなわち元本割れするということです。その期間が過ぎた後は、複利で増えていきます。


一時払い終身保険が、金融商品として本当にお得なのかどうかについては、預金と比較してみる必要があります。

銀行が一時払い終身保険を勧める理由とは?

それには理由が2つあります。

一つは、顧客の現状をヒアリングし、必要保障額を算出し、それに見合った保険を設計するという、保険の主目的である保障を正しく提案するスキルを持った担当者が少ないことです。


保険に精通したファイナンシャルプランナーや、保険ショップ、外資系生保の営業社員であれば、当たり前のように持っている保険の設計能力を、銀行の窓口担当者は残念ながらあまり持っていません。


二つ目は、そもそも銀行が生命保険を扱うことになったきっかけが、顧客に保障を提供することではなく、安全に運用できてそこそこ利回りの良い金融商品、投資信託や預貯金に代わる第3の選択肢を提供することだったということです。

銀行窓販で財形貯蓄の生命保険に加入するときの注意点

前述の通り、実は銀行窓販の相談員は保険のプロではありません。

このように銀行窓販で財形貯蓄の生命保険に加入する際には注意点があります。

主に注意した方が良い点は以下の通りです。


  1. 銀行窓販の相談員は保険のプロでない可能性がある
  2. 自分の預金を行なっている銀行で相談を行わない方が良い
  3. 貯蓄運用などの手数料は聞かなければ教えてくれない

銀行窓販の相談員はお金・保険のプロフェッショナルではない

先ほどから繰り返し述べていますが、銀行マンは保険のプロフェッショナルではありません。

一時払い型の終身保険やドル建て保険をオススメされた際には、元本が保障されているのかどうか、長期的なリスクなどを事前に知識をつけておきましょう。


とある銀行窓販では、ドル建ての保険について運用率しか説明せず、円ドルのレートの見通しについて常識的な金融知識を持ち合わせていないというケースもあったようです。

口座開設をしている銀行では保険の相談を行なわない方が良い

口座開設を行なっている銀行では、自分の口座情報、特にいくらの貯蓄をしているかが丸わかりです。

普通であればやや現金を残しておきたいという気持ちのある方にとっては、高めの生命保険を提案されて不満足という結果になりかねません。


また、複数の銀行の窓販で相談できるのがもっとも良いです。

貯蓄型の生命保険の場合、手数料は伏せられている

貯蓄型の生命保険の送客手数料は保険ショップ同様、公開されていません。

少し興味のある方は聞いてみると答えてくれるかと思います。

ただ、普通に保険会社で直接加入しても保険料が安くなるわけではありませんので、相談できる上では銀行員や保険ショップに無料相談した方が相対的にお得な感じはあります。

銀行にお金を預けるか、生命保険に入るか、どちらがお得?

まとまったお金があってリスクなく運用したい場合、銀行の定期預金と一時払い終身保険のどちらが得なのでしょうか?

貯蓄の利率の違いには大差なし

銀行の10年定期預金の利率は年利0.01%~0.11%です。三井住友銀行などの大手銀行では0.01%、ネット銀行のジャパンネット銀行で0.03%、楽天銀行で0.04%といったところです。

一方、一時払い終身保険の利率はどうでしょうか?フコクしんらい生命の「しんきんらいふ終身FS」に40歳男性が加入した場合を例にとってみます。


一時払い保険料は100万円、10年後の解約時返戻金は1,003,939円ですから、利率を計算すると年利で0.0393%となります。


利率で比較した場合、銀行預金も一時払い終身保険も大差はないことが分かります。

銀行預金だと元金が減る心配はない

ただし、銀行預金は元本割れのリスクがゼロであるのに対し、一時払い終身保険は、加入してから10年程度経過する前に解約すると元本割れしてしまうことが、大きな違いとして挙げられます。

課税対象額に意外な差が出る



銀行預金と一時払い終身保険のどちらが有利かを比較する場合、税金も考慮する必要があります。


銀行預金の受取利息には、利子所得所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税の2.1%)、住民税5%の合計20.315%が課税されます。


一方、一時払い終身保険を解約することで得た利益は、一時所得として課税されます。一時所得は以下の計算式で求められます。

一時所得=解約金-支払保険料総額-50万円(特別控除額)


50万円の特別控除額があるというのは、利益が50万円以上にならなければ課税されないことを意味します。一時払い終身保険を解約して50万円の利益を出すには、一時払い保険料が1億円以上必要になりますから、実際には税金はかかることはほとんどありません。

日銀のマイナス金利政策以降高まる外貨建て保険(ドル建て保険)のニーズ

未曾有の低金利時代が続き、日本国内の金融商品ではまともな運用益を出せるものがない中で、魅力的な利回りが期待できるということで、外貨建て保険のニーズが高まっています。

財形貯蓄で注目されている、外貨建て保険(ドル建て保険)とは?

外貨建て保険とはその名の通り、アメリカの米ドルやユーロ、豪ドルといった外貨で運用される保険です。支払う保険料も外貨ですし、受け取る保険金や解約返戻金もすべて外貨です。

外貨建て保険(ドル建て保険)のメリット

メリットは、何といっても運用利回りが、一般の一時払い終身保険とは比較にならないほど高いことです。一般の一時払い終身保険の予定利率(保険会社が顧客に約束する運用利回り)が0.25%程度なのに対し、外貨建てでは3%超もめずらしくありません。


外貨建て保険(ドル建て保険)のデメリット

デメリットは、元本保証ではないことです。一般の一時払い終身保険であれば、加入後10年程度経過すれば元本割れすることはありませんが、外貨建て保険の場合は、為替の影響を直接的に受けるため、外貨建てでの計算では元本割れしていなくても、円換算すると元本割れすることもあります。


もちろん円安になれば、為替による利益を受け取れるためメリットにもなりますが、いずれにせよ為替の動向には注意が必要だということです。

まとめ:銀行窓販での保険相談には事前知識をもってのぞもう!

銀行窓販が扱う生命保険は、死亡保障というよりは貯蓄手段であり、かなり金融商品としての色合いが濃いものです。

扱いの中心となっているのは、一時払い終身保険と外貨建て保険です。これまでお話ししてきた通り、預金等と比較した場合のメリットとデメリットを十分把握して、保険をの事前知識をつけておきましょう。


そして、銀行窓販で相談した時に、相談相手が本当にプロの信頼できる人であるかどうか判断できるレベルには最低限達していましょう。

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