なぜ生命保険がラストラブレター?その呼び名の由来3つを解説!

イギリスでは生命保険のことをラストラブレターと呼ぶことがあります。ラストラブレターは亡くなった方が最愛の家族へ送る最後のプレゼントであり、様々なメリットがあります。この記事では、なぜ生命保険がラストラブレターと呼ばれるのかを解説していきます。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

イギリスでは生命保険をラストラブレターとよぶ

ラストラブレター」という言葉をご存知でしょうか?

実は、保険が生まれた国イギリスでは生命保険のことをラストラブレターと呼ぶことがあるそうです。

亡くなった方が、最愛の家族へ送る最後のプレゼントというわけですが、自分が亡くなった後の世界、残された家族のことを考えて加入するなんて、まさに愛が込められていることを実感できると思います。

そこで、この記事で「ラストラブレター」について、
  • 生命保険がラストラブレターと呼ばれる3つの理由とは?
  • ライフステージごとに必要なラストラブレターは異なる?
  • ラストラブレターだけでなく、貯蓄との2本立てで将来に備える!
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、生命保険についての考え方が変わると思いますので、是非最後までご覧ください。


生命保険がラストラブレターと呼ばれる3つの理由

生命保険がラストラブレターと呼ばれるのには以下の3つの理由があります。

  1. 故人の遺志で保険金を振り分けられる
  2. 遺産分割協議なしにすぐ現金化できる
  3. 相続税の非課税枠が使える

それぞれの理由をくわしく見ていきましょう。

故人の遺志で保険金を振り分けられる

人が亡くなったら、その人の財産・負債が残り、その財産・負債は残された相続人に引き継がれます。

しかし、相続人は1人とは限らず、複数いることも多いです。

相続人が複数いる場合は、誰がどの遺産をもらうのかについての話し合い(遺産分割協議)をして決める必要があります。

また、それぞれの相続人については相続が保障される割合(遺留分)が決められているため、故人の遺志とは異なった引き継ぎ方がされる可能性があります。

しかし、生命保険の死亡保険金は原則、遺留分の計算対象外になるため、あらかじめ故人(契約者)が決めた死亡保険金受取人に渡すことができます。

ただし、遺産総額の割合のほとんどが死亡保険金の場合など、著しく不公平であるときは生命保険金も遺留分の対象となる可能性があるので注意が必要です。

遺産分割協議なしにすぐ現金化できる

意外と知られていないかもしれませんが、人が亡くなって相続するにあたって、相続人はお金が必要となる場合があります。

相続税をはじめとして、葬式費用や不動産名義変更の費用など、様々なお金がかかります。

しかし、被相続人の財産が不動産などの場合はすぐに現金化するのが難しいですし、預金口座などは凍結されてしまうため、すぐに現金を手に入れることが難しくなります。

ただし、生命保険は前述の通り、遺産分割協議はなく、原則として死亡保険金受取人の財産になるため、保険会社に連絡して手続きをすればすぐに現金として受け取ることができます。

財産のほとんどが不動産で現金があまりないという方は、生命保険に加入して、相続税の納税資金準備もしておけば残された遺族の方も安心でしょう。

※相続税は相続開始を知った日から10か月以内に納付しなければならない期限がある

相続税の非課税枠が使える

生命保険金は、被保険者の死亡により保険会社から保険金受取人に対して支払われるものなので、相続財産には含まれません。

ただし、生命保険金は相続に伴って発生するため、相続税法上、被相続人が保険料を負担していた保険は「みなし相続財産」として相続税の課税対象とされます。

このような場合は、生命保険はその後の遺族の生活なども考慮して相続人の数×500万円」を非課税財産として控除することが認められています。

例えば、妻と子ども2人がいる場合は1,500万円までは相続税がかかりません。

預金をたくさん残すくらいであえば、ラストラブレターの非課税枠を上手く活用して、残された家族がより幸せになれるように考えておきましょう。

ライフステージごとのラストラブレターとの付き合い方

ラストラブレター(生命保険)はライフステージによって必要な保障が変わってきます。

独身時代、結婚してから子育てをする期間、仕事を退職して老後の生活を過ごす期間など、それぞれのライフステージでどのようなラストラブレターが必要になるのかを見ていきましょう。

年齢が若く独身のうちは医療保険の方が重要

年齢が若く独身のうちは、養っている家族はいないので、自分が亡くなったとしても金銭面で困る人は少ないと思います。

そのため、遺族のための保障ではなく、自分のための保障で考えると良いと思います。

医療保険やがん保険は自分が病気やけがをしたときの保険なので、独身のうちはこれらのジャンルの保険を検討しましょう。

子育て期間中は死亡保障を手厚く

結婚して、子どもが生まれたら子どもが独立するまではお金が必要になります。

もし、独立するまでに一家の大黒柱が亡くなってしまった場合は、本来であれば得られる予定だった収入がなくなってしまいます。

そのため、子供に満足のいく教育を受けさせられないなんてことが発生してしまうかもしれません。

そんなことにならないように、収入保障保険や定期保険といった期間が定められている死亡保険に加入しておくと安心だと思います。

子供が自立したら老後の医療や介護の対策もしよう

現在は人生100歳時代と言われており、長生きすることによって貯蓄が底をついてしまうという長生きリスクが問題視されています。

子どもが独立したら、死亡保障は配偶者の分だけで十分ですので、死亡保障の額を減らして、代わりに医療保険や介護保険等に加入して、病気やけがのリスクに備えましょう。

保険もどんどん新しくなり、

保険と貯蓄との両建てで将来に備えよう

ラストラブレターのメリットをお伝えしてきましたが、終身保険などは長い期間加入する必要があります。

しかし、途中でお金が必要になり、解約したりすると払った保険料より、戻ってくる解約返戻金の方が少なくなってしまうこともあります。

生命保険は長期間運用するものと割り切って、その他に自由に動かせる預貯金も用意しておけば、将来予測できない出費が発生しても安心です。

是非保険と貯蓄、2本だてで将来の備えを用意しましょう。

まとめ:渡すのはただ1回、でもラブレターの見直しを忘れずに

ラストラブレターについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

今回のこの記事のポイントは、
  • イギリスでは生命保険のことをラストラブレターと呼ばれている
  • ラストラブレターを相続で活用すれば3つのメリットが得られる
  • ライフステージごとにラストラブレターの種類を変える必要がある
です。

ラストラブレターの内容は、家族構成やライフステージなどにより、一人ひとり内容を変える必要があります。

また、加入時には最適だったとしても、時間の経過とともに最適ではなくなる可能性があるので、ラストラブレターを用意しただけで満足せずに、定期的に見直しをするようにしましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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