更新日:2020/04/13
終身保険に満期は存在しない!保険の満期と満了の違いとは?
終身保険は、加入すれば保障が一生涯継続する生命保険のことです。終身保険のように保険期間が定められていない場合、満期は存在しないことになります。つまり、終身保険には満期保険金がありません。終身保険では、死亡保険金の他に解約返戻金を受け取ることができます。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 終身保険に満期はない!
- 終身保険における満期と満了の違いとは?
- 終身保険には満期がなく、満期があるのは定期保険
- 終身保険の期間満了は、満期のことではなく保険料の払込期間の満了のこと
- 10年払いや60歳満了にすることで、長生きリスクがなくなる
- 短期払いのほうが返戻率が高くなり貯蓄性があがる
- 「終身保険で貯蓄をする」とは、満期保険金ではなく解約返戻金のこと
- 返戻率が100%を超えてから途中解約をすれば、お得になるという仕組み
- 生命保険料控除の対象となるので、税金が控除され、さらに利回りはよくなる
- 解約返戻金に税金がかかることも知っておこう
- 「終身保険を満期後に解約」はできず、終身保険を解約するときは必ず途中解約になる
- 終身保険は満期がない分、定期保険よりも見直す時期が難しい
- まとめ:終身保険は満期がなく一生涯保障が継続する保険
目次
終身保険に満期はない!
この保険は解約するか、加入契約者(被保険者)が亡くなるまで続くので、生命保険会社が取り扱うどの終身保険にも、満期保険金(満期金)が設定されているのは考えにくいことです。
今回はまず、「満期」の意味を説明し、ついで終身保険の特徴を取り上げていきます。この記事を読めば、終身保険の基本的な知識と受け取れるお金についての疑問が解決できることでしょう。
終身保険における満期と満了の違いとは?
終身保険には満期がなく、満期があるのは定期保険
この定期保険では満期になったら(保険期間が終了する期日に到達したら)、満期保険金がもらえる場合があります。
ただし、定期保険は、生命保険・医療保険・がん保険いずれの場合でも、掛け捨て型(保険期間が終了して1円も戻ってこないタイプ)であることが多いです。
終身保険の期間満了は、満期のことではなく保険料の払込期間の満了のこと
しかし、終身保険の満了は保険料の払込期間が終わることを指します。例えば、60歳で払込期間が満了、70歳で払込期間が満了と言うように、ある年齢に達すれば保険料の支払は終わりますが、保障は一生涯続くことになります。終身保険には、この様な保険料を払い込む方法があります。
10年払いや60歳満了にすることで、長生きリスクがなくなる
亡くなるまで払い続けるため、毎月の保険料は安いですが、長生きすればするほど保険料を支払う必要があります。そうなると、年金収入しかない場合には貯金が減少し、保険料が安くとも予想外の負担になる可能性があります。
一方、10年払いや60歳満了という払込期間が定められている支払方法では、毎月の保険料は高くなりますが、長生きすればするほど保険料を支払わなければいけないリスクを回避することができます。
短期払いのほうが返戻率が高くなり貯蓄性があがる
受け取るお金(解約返戻金)が年払い・月払いで同額の場合には、年払いの方が得をすることになります。
また、かなりまとまった貯蓄があって、支払う保険料をもっと抑えたい場合には次のような方法があります。
一時払い:生命保険の全保険期間分の保険料を1回で支払う方法です。
[特徴]
- 払込保険料総額が安くなります。そのため、保険金・解約返戻金が支払った保険料を上回るのが早くなります。
- 一時払いした保険料は、保険料として支払うことになるため、保険期間中に被保険者が亡くなった場合には遺族が死亡保険金を受け取れます。
- 税金の優遇措置である「生命保険料控除」が受けられるのは、保険料を支払った最初の年だけです。
全期前納払い:全保険期間分の保険料を、保険会社に「預ける」形をとり1回で支払う方法です。毎回支払期日がくると、預けたお金から保険料が支払われる仕組みとなっています。
[特徴]
- 預けるという形になるため年払いよりも保険料は安く済みますが、既に全額支払っている一時払いと比較すると保険料は割高となります。
- 被保険者が亡くなった場合や解約する場合には、未経過分の保険料は生命保険会社から返還されます。
- 預けたお金から保険料が支払われる仕組みなので、生命保険料控除は保険料払込み期間中であれば毎年受けられます。
「終身保険で貯蓄をする」とは、満期保険金ではなく解約返戻金のこと
終身保険を、死亡保険金のために加入したというより、貯蓄を増やすために加入した方は、解約返戻金で大きな利益を上げることを目的としています。こちらでは、この解約返戻金について説明します。
返戻率が100%を超えてから途中解約をすれば、お得になるという仕組み
加入して年数があまり経っていない場合には、「返戻率」は低いままであり、早期解約すると損をすることになります。しかし、返戻率が高くなったタイミングを見計らって解約すれば、その際に受け取れる解約返戻金で大きな利益を上げることが可能です。
返戻率とは、今まで支払ってきた保険料の総額と、解約して受け取るお金の総額との割合のことを言います。
この返戻率は、解約時に100%であるなら、今まで支払ってきた保険料全額が戻ることになります。そして、解約時に100%を超えているなら、その分だけ支払ってきた保険料総額よりもお金が受け取れることになります。
例えば、返戻率が115%で、今まで支払ってきた保険料総額が100万円であるなら、受け取る解約返戻金は115万円となります。つまり、解約して15万円分お得に受け取れたことになります。
生命保険料控除の対象となるので、税金が控除され、さらに利回りはよくなる
解約返戻金に税金がかかることも知っておこう
〇所得税(一時所得)
こちらは、加入契約者と受取人が同一のときに課税される場合があります。解約返戻金の総額が特別控除額(50万円)を超えたときに課税対象となります。
計算式:{解約返戻金総額-払込保険料総額-特別控除額(50万円)}×1/2=課税対象の金額
〇贈与税
加入契約者と受取人が異なるときに課税される場合があります。解約返戻金を含めた年間の贈与総額が基礎控除額(110万円)を超えたときに課税対象となります。
「終身保険を満期後に解約」はできず、終身保険を解約するときは必ず途中解約になる
解約返戻金を受け取る際に注意すべき点は、早期に解約してしまうと大きく損をするおそれがあるということです。
まだ保険に加入して間もない時期であるなら解約しても最小限の損失で抑えられますが、数年経ってから解約をしたい場合、それなりに支払った保険料は多くなっています。
貯蓄目的で契約し、その後に解約して高額な返戻金を期待するには、返戻金が支払った保険料を上回るまで解約を控えるべきでしょう。
解約返戻率については、契約の際に生命保険会社から取得した「保険のしおり」等でその一覧が明記されています。解約返戻率の一覧表を確認しながら解約するベストのタイミングを判断することができます。
終身保険は満期がない分、定期保険よりも見直す時期が難しい
そのため、終身保険の支払保険料が重い負担となり、とても継続して保険料を払えないというケースがあることでしょう。
そこで、支払保険料が終身保険よりもかなり安い定期保険へ変更することも、保険を見直しする方法としては有効です。
ただし、終身保険は解約返戻金があっても、前述したように解約すれば必ず支払った保険料全額が戻るわけではありません。
解約の時期によってはわずかな返戻金しか受け取れず、大きく損をしてしまうリスクがあります。そのため、解約のタイミングに戸惑ってしまい、契約見直しが難しい点はデメリットといえます。
どうしても見直しをしたい場合には、加入後にできるだけ早く見直しをして、保険料をそんなに支払っていない段階で解約をするか、解約返戻率がご自分が解約しても支障が無い返戻率になるまで待つことも一つの方法です。
まとめ:終身保険は満期がなく一生涯保障が継続する保険
ただし、支払う保険料は高額な場合が多く、見直しも困難で、一生涯保障のため満期に下りる満期金もありません。
終身保険のデメリットについての詳細は以下の記事をご参照ください
このようにメリットもあればデメリットもある終身保険ですが、その特徴をしっかりと把握することでリスクを抑え、利点を活用していくことが可能になります。