生命保険会社にペイオフはない!ペイオフ以外の救済措置がある!

生命保険会社が倒産するリスクは当然ありますが、ペイオフはありません。もちろん倒産しないのがベストですが、ペイオフに代わる救済措置も存在します。その後の運営に関しては、救済保険会社が現れるかどうかで変わってきますが、生命保険契約者保護機構が補償を設けています。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生命保険会社にペイオフはあるのか



生命保険会社にペイオフはありません。ペイオフは金融機関のための制度なので、預金に対して適用される制度なのです。


生命保険会社が破綻した際にどのような措置が取られるかは決まっていますが、それは後述していきます。

ペイオフとは

そもそもペイオフとは何かというと、銀行などの金融機関が倒産した際に、一定金額まで補償するというものです。具体的には1,000万円までは補償されます。


そのため、資産家は1,000万円ごとに口座をわけて管理していたりもします。生命保険に関してはこのペイオフ制度はまったく関係ありません。


ペイオフは金融機関に対して定められた制度ですが、ペイオフは生命保険会社には適応されません。


それは、生命保険会社は厳密には金融機関ではないからです。

生命保険会社にペイオフは存在しない

上述の通り生命保険会社にペイオフは存在しないので、そのことは切り離して考える必要があります。

ペイオフがない以上、生命保険会社は破綻したら別の措置を取ることになります。

まず大枠として、


  • 救済保険会社が現れた場合
  • 救済保険会社が現れない場合
で運用が変わってきます。

もし生命保険会社が倒産したら

まずすべての生命保険会社は、生命保険契約者保護機構という機関に登録しています。この機関は生命保険会社が倒産した際に、援助する機関です。

もちろん生命保険契約者保護機構があるから生命保険会社が倒産しても安心というわけではありませんが、一定の補償を得ることができます。


その補償に関して説明していきますが、救済会社が現れても表れなくてもデメリットはあります。破綻すること自体顧客にとってなんのメリットもないので、破綻しない保険会社を選択することが最良です。当然と言えば当然ですが。


また生命保険会社は倒産する可能性があるとういうことを頭に入れておき、生命保険に依存しない資産運用にしていく必要があります。

生命保険契約者保護機関から90%は補償される

責任準備金といって、生命保険会社が将来の有事の際に備えている準備金があるのですが、これが90%を限度として補償されます。生命保険会社によっては100%補償された事例もありますが、何%かは責任準備金が減額されるケースが多いです。

ペイオフとどっちがいいかは状況によりますが、生命保険の場合は、保険料に関わらず補償が得られます。金融機関のペイオフの場合は、多額の資金を預け入れていた資産家が損をします。

契約を他の保険会社が引き継ぐ

生命保険契約者保護機構の紹介で、他の生命保険会社が引き継いでくれる場合があります。再度生命保険に加入するとなると、契約時よりも条件が不利になる可能性があります。

そのため、契約を引き継げる仕組みになっています。もちろん生命保険会社が破綻するメリットはまったくありませんが、手厚い補償制度はついています。

早期解約控除で20%減額される

生命保険会社が破綻すれば、契約控除したいと思う人も多いでしょう。しかし、引き継ぎ先の生命保険会社は一定数顧客を確保する必要があります。

そのため、破綻後早期に解約した顧客に対して、解約返戻金を控除する場合があります。20%が上限となっていますが、だいたい数%~10数%の減額措置が取られます。


銀行のペイオフはお金が帰ってきて終わりですが、返戻金控除の制度はペイオフよりも注意が必要な制度と言えるでしょう。


ただ顧客が離れてしまうと救済保険会社が現れなくなってしまうので、現状必要な措置と言えます。

保険会社は簡単に乗り換えられない

終身保険は乗り換えると将来の財産価値が減ってしまうケースがほとんどです。しかも銀行のペイオフと違って、既存の顧客を離さない方向に動きます。

上述の早期解約控除で20%減額されるという話の通り、生命保険会社は破綻しても顧客の離散を食い止めようとします。銀行のペイオフのように、一定額の補償だけして、あとは自由というわけにはいきません。

完全に依存するのでは無く貯金も

当たり前ですが、生命保険は余裕資金で加入するもので、また生命保険だけに依存するのは危険です。依存したくて依存しているわけではない人がほとんどなのですが、他の形での資産運用も検討する必要があります。

貯金は基本ですが、余裕資金は投資に回して資金回収している人も最近は多いです。自分の資産は自分で守るしかありません。

まとめ

生命保険にペイオフはないが、ペイオフ以外の補償はついているということでした。ペイオフ以外の補償があるとは言っても、生命保険会社が破綻するデメリットは大きいです。

誰もわざわざ破綻しそうな生命保険会社を選びませんが、加入の段階で気を付ける必要があります。特に終身保険などは簡単に乗り換えられません。仮に現在加入している保険が傾いてきても簡単に乗り換えられないデメリットがあるので、加入の段階でそこまで計算する必要があります。

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