更新日:2017/05/11
残高証明書は生命保険会社に請求しなければ発行してもらえません
生命保険会社の発行する証明書には生命保険料控除証明書などがありますが、残高証明書は帳簿上必要なだけの書類のため請求しなければ発行してもらえません。資産計上を正しく把握するためには残高証明書は大切な書類なので、発行手続きなどを心得ておく必要があります。
目次を使って気になるところから読みましょう!
生命保険の残高証明書
残高証明書は企業や個人経営者しか請求しない書類のため、世間一般には認知度の低い証明書です。
どのようなときに生命保険の残高証明書は必要なのか
企業や個人経営者の決算期末における資産計上額の証拠資料に使用するための残高証明書なので、発行の請求をしない限り生命保険会社からは発行されません。
生命保険の経理処理
残高証明書は保険会社側からは照会しなければ送付してもらえないため、必要な場合は請求します。
相続税申告
現金だけではなく保険や株式も財産とみなされるからで、相続税申告の期限は10ヶ月以内のため早めに生命保険会社に残高証明書発行の請求をしなければなりません。
残高証明書の他に生命保険関連で必要な書類は保険金通知書や保険設計書及び目論見書、生命保険契約権利に関わる証書や約款、解約返戻計算書などです。
相続税申告については土地や建物など不動産の名義変更、銀行口座の凍結と解除など様々な手続きが必要なため残高証明書発行も合わせて司法書士はじめ専門家に依頼したほうが請求がスムーズに進みます。
生命保険の残高証明書の発行方法
生命保険会社によっては、インターネットから残高証明書の発行依頼書をダウンロードできます。
身分証明書を用意して保険会社に電話する
パスポートや宅地建物取引士証、電気工事士免状なら写真が付いているため身分証明書として使えます。
写真付き身分証明書が無い場合は、健康保険被保険者証や年金手帳、共済組合員証や母子健康手帳などのうちから2種類以上の身分証明書を揃えなければなりません。
保険会社が出せる証明書
残高証明書や解約返戻金証明書は生命保険会社に発行依頼をして初めて出してもらえる書類のため、依頼書の作成など手間と時間がかかります。
決算期末に合わせたい場合は早めに請求しておかなければなりません。
解約返戻金証明書は債務整理など特別な理由で請求するケースが多く、請求理由が稀な場合は司法書士など専門家に依頼すると手間がはぶけます。
払込保険料総額
1年分の生命保険料の払込見込額と配当金、配当方法や保険期間が記載されています。
介護医療を契約している人は介護保険料も記載されており、生命保険料控除証明書は確定申告時に社会保険料控除として所得から差し引くために申告書に添付しなければならない大切な書類です。
払込保険料総額証明書及び生命保険料控除証明書を紛失した場合は、生命保険会社に連絡すれば再発行してもらえます。
解約返戻金証明書
しかし生命保険会社にとって解約返戻金証明書は残高証明書同様に頻繁に発行していない証明書のため、手続きのノウハウが蓄積されていなかったり発行を断られるケースもあります。
ノウハウがあっても保険契約の内容が掛け捨て型の生命保険の場合は解約返戻金が発生しないため、解約返戻金証明書は発行してもらえません。
自己破産や民事再生を申請する裁判所に、掛け捨ての保険のため解約返戻金証明書は発行してもらえない旨を説明すれば理解してもらえます。
資産計上額
この帳簿上の損益を合わすための証明書として生命保険会社に残高証明書の発行を請求します。
まとめ
残高証明書は生命保険会社にとっては発行ノウハウの低い証明書なため手続きに時間がかかる可能性が高く、早めの請求が大事です。