更新日:2024/08/07
外資系保険会社を紹介!国内の生命保険会社との違いやメリット・デメリット
生命保険会社といっても、日本生命や第一生命といった大手生保以外にも外資系保険も増えいます。実際、日本国内には40以上の生命保険会社がありますが、値段が安いというだけで、外資系保険会社を選ぶ訳にはいきません。今回は外資系の生保の良し悪しを考えていきましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
外資系保険会社とは
生命保険会社には、国内の保険会社とアメリカやフランスなどの外資系の保険会社があります。
アフラックやプルデンシャル、マニュライフあたり聞いたことがあるかもしれません。
外資系保険会社には、国内の保険会社にはないメリットがある一方で、デメリットもあります。
そこで今回この記事では、外資系保険会社について、
- 外資系保険会社の、国内保険会社と比較したメリット・デメリット
- 最近の外資系保険会社の動向
- 外資系保険会社の一覧
以上のことを中心に解説します。
この記事を読んでいただければ、外資系の保険商品を検討する際に役立つかと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
外資系の生命保険に入るメリット
外資系の生命保険に入るメリットは、一般的に以下の3点があげられますが、最近では、外資系の専売特許とはいえず、特段大きなメリットとは言えなくなっているのが現状です。
- 保険料が安い場合が多い
- 契約内容を自分専用にカスタマイズできる
- 営業マンによる勧誘が少ない(国内生保よりは)
保険料が安い場合が多い
保険料が安いというのを売りにしている保険会社もありますが、外資系でも従業員を多く抱える大手は、規模の小さい会社と比較すると同じ保障でも保険料は高めに設定されています。
一概に、外資系=保険料が安いとも言い切れないので、注意する必要があります。
そして、保険料を安く抑えるためには、事業費を低く抑えているため、大手と比較して弱い部分もでてきます。
例えば、保険金・給付金を受けるという生命保険に加入する本来の目的に対するサービス力や商品ラインナップ、営業員のレベルなど、資金力は様々な部分に現れます。
生命保険は加入して、実際にサービスを受けるまで比較的長期間を有します。
最も大切なのは、安い保険料よりも、いざというときにスムーズに使えるかという点はしっかりと念頭に入れておく必要があります。
契約内容を自分専用にカスタマイズできる
外資系の生命保険会社は商品を単品化しているケースが多く、ムダのない保障を組み合わせやすいといえます。
ただ、最近では国内生保も単品化していますし、究極型としてネット生保も参入しているので、商品のカスタマイズがメリットであり続けるかは疑問な部分です。
営業マンによる勧誘が少ない
国内の生保会社と比較して、外資系の営業マンの勧誘は少ないのが一般的です。
国内大手では、生保レディと呼ばれるような女性の営業員も多くいますが、外資系の営業は男性が多いように思われます。
ただ、どんな営業マンであっても、飯の種は提案先です。
人が営業している限り、様々なアプローチはあります。
例えば、執拗なまでの紹介依頼もあるかもしれません。
営業マンによる執拗な勧誘は、自分自身できっぱりと伝えることが最も大切です。
ただ、営業マンも一人の人間です。
人として、しっかりと自分の考えを伝えることが大切ですし、営業マンも仕事ですし、お客様のお役に立ちたいと考えていることには変わりありません。
お客様も自分が何をしてほしいか、営業マンに伝えると、より良い関係を築けるのではないかなと思います。
資産形成機能が高い
現在日本はマイナス金利の影響により、利率が低いため、貯蓄型生命保険は昔ほど資産形成機能に優れていないのが現状です。
米ドルなどは、日本円よりも金利が高いため、貯蓄性に優れているケースが多いです。
ただし、為替リスクがあることや、為替手数料がかかることなどにも注意しましょう。
外資系の生命保険に入るデメリット
一方、外資系の生命保険に入るデメリットは、残念ながら存在します。
メリットと裏腹な部分もあるので、すべてがデメリットではないですが、以下のような点は注意して会社選びをしてください。
- 自分で契約内容を考えるので、保険の知識が必須
- 手厚いサポートは期待できない
- 日本の事業から手を引く可能性もゼロではない【特に大事】
自分で契約内容を考えるので、保険の知識が必須
メリットでも挙げたカスタマイズできるのは、裏を返すと自分で必要な保障を割り出し、自分で組み立てるので、相当な金融知識が求められます。
たとえ、大手企業で働くエリート層と呼ばれる人々も、生命保険については、正しい知識や認識を兼ね備えている方は決して多くはありません。
正しいお金の知識、現在のリスク、必要な保険を1人で考えるのは実際は容易ではないと思います。
手厚いサポートは期待できない
サポート面も国内保険会社よりも劣るケースも多いです。
しかし、営業マンは同じ1人の人間です。実際に、保険加入後のサポートには手が回らなくなります。
また営業マンの退社は、外資系でもありますが、担当者退社後のサポートは手薄になりがちな現状があるようです。
優れた営業マンを担当にすることが最も大切ですが、見るべきポイントは、
- 勤続年数
- 契約するまでの活動(マメな方が信頼できる)
- 人としての魅力(お客様も見抜く力)
だと思います。
そして、気が合う方を担当者にすると、営業マンもお客様もきっと満足できると思うので、営業マンだと思って邪険にするのではなく、雑談でも楽しめば、きっと馬の合う営業マンに出会えるでしょう。
日本の事業から手を引く可能性もゼロではない
外資系保険会社の最大の懸念点は、果たして日本に窓口はあり続けるのかという点だと思います。
リーマンショックの時、アリコ、ING、マニュライフなど、様々な外資系生保が販売停止や事業撤退を行ったことは記憶に新しいです。
中には、会社名を変えて再参入してきている会社もありますが、国民感情としては、正直節操ないと思う会社もあるのが現状です。
再び世界の経済恐慌が起こった際は、遠い東の島国である私たちの国でも影響はでてきます。
生命保険は実際に加入してから何十年と関わってくるものなので、10年・20年先も安心して任せられる会社かということは常に頭に入れておく必要があると思います。
最近では、外資系と国内企業の生命保険の差はなくなってきた
一昔前(10年ほど前)は、外資系の生命保険会社は、男性営業マンを投入したり、商品を単品化したり、更新型の国内生保商品対策を行うことで、相当な差別化を行い、日本市場を席巻してきました。
ただ、近年では、国内生保の商品改定(やっとマーケティングを行い、売りたい商品から売れる商品作りを行うようになってきた)や体力の回復で、外資系だから、国内生保だからという差は少なくなっています。
生命保険は10年・20年その先を見据えて考えるものです。
しっかりとその商品が自分たち家族に合っているのか、担当者が信頼できるのかという観点で選ぶことが最も大切です。
会社で選ぶよりも、自分にあった保険・保障内容で選ぼう
保険会社の知名度もある程度は大切(聞いたことのないような保険会社、共済に加入するのは細心の注意をしてほしいです)ですが、最も大切なのは、自分にあった保険や保障内容を選ぶことです。
保険会社が提供できるサービスは、以下の4つです。
- 万一(死亡)の保障
- 働けない時の休業保障
- ケガ・入院といった軽めの医療保障
- 老後の備え(長生きへの保障)
この中で、自分たちの家族が経済的に破たんしないための備えをすることを認識して、生命保険を選ぶときっと納得した内容に加入できるでしょう。
生命保険に完璧な答えはありませんが、上記4つの中で、どういったときに自分たちが困るかという観点で話を聞くと良いと思います。
保険会社の信頼度を調べるときに役立つ指標をチェック
保険会社の信頼度を見る上では、ランキング一覧などよりも、格付け会社の格付け情報やソルベンシーマージン比率を見るのが一般的です。
ソルベンシーマージン比率とは、想定される請求保険金額に対してどのくらいお金をもっているかの指標です。
これが200%を超えていないと、破綻リスクが高いとされ、金融庁から通知がいくようになっています。
一般的にはソルベンシーマージン比率が600%を超えていると、安心と言われています。
しかし、格付けのない会社もあったり、ソルベンシーマージン比率については現状はわかっても、将来の見通しではない点など、一般消費者の関心ごとである「この会社大丈夫?」という問いにはあまり役に立たないといえます。
もし、私が知名度の少ない会社の生保に加入するなら、その会社のホームページで財務情報をチェックして、売り上げ(新契約年換算保険料)と利益の推移を見ます。
むしろ、投資家の観点で会社を見ると思いますが、そこまでして、加入する生命保険にリスクを負いたいとは思えません。
1円でも安く加入したいという場合はともかく、個人的には知らない会社のものには手を出さないほうが無難だと思います。
外資系の生命保険会社一覧
外資系の保険会社といっても、様々な会社があります。
きっと一般の方は、耳にしたことのない会社もあると思います。
中には、自動車保険を扱っている場合などもあるので、聞いたことのあるケースもあるでしょう。
また代理店や銀行に保険商品を卸している会社もあるので、「ほけんの窓口」などで耳にした会社もあるかもしれません。
気になった会社名はぜひ、ウェブサイトをご覧ください。
気になる商品を提案されたときは、ウェブサイトの情報から考えることが重要です。
一般的に、日本市場に進出している外資系生保は世界的な大手が多いので、倒産リスクは然して高くないかもしれませんが、彼らから見ると日本市場は一支店感覚にすぎないので、撤退リスクを考え、本国の格付け等も見てくとなお安心できると思います。
会社名 | 母体国 | 特徴 | ソルベンシー・マージン比率 |
---|---|---|---|
アクサ生命保険株式会社 | フランス | フランスのAXAグループの日本法人として設立された生命保険会社。”一生保障”で世界で1億人を超える顧客を持つ | 745.5% |
アクサダイレクト生命保険株式会社 | フランス | 親会社はアクサ生命保険株式会社として連結しており、ネットや電話で対応する生命保険を専門に扱っている 日本で最初のネット生保としている | 2,065.7% |
エヌエヌ生命保険株式会社 | オランダ | 日本では初となるヨーロッパで誕生した保険会社である。主に中小企業や経営者の財務や財産を安定させるべく、法人向けの事業保険を提供している | 892.2% |
FWD富士 | 香港 | 富士火災海上保険株式会社が親会社である。生命保険から医療保険、従業員のための福利厚生保険を主に提供しており、シンプルで分かりやすいサービスを提供することもビジョンの一つ | 823.5% |
クレディ・アグリコル生命保険株式会社 | フランス | 本国フランスのクレディ・アグリコル・グループの日本法人。生命保険事業が主であり、銀行など金融機関での窓口販売チャネルを中心とした変額年金保険がメイン | 1611.8% |
ジブラルタ生命保険株式会社 | アメリカ | 世界最大の金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルグループの傘下であり、教職員団体や商工会等など団体と提携関係にあり、団体が行う共済制度等を引き受けている。 | 937.1% |
ソニーライフ・エイゴン | オランダ | 生命保険や年金保険、アセットマネジメントを事業の中心としており世界20ヶ国で事業を展開している | 676.3% |
プルデンシャル生命保険株式会社 | アメリカ | 主に提供するのは生命保険、投資信託、年金、退職関連業務、資産運用などを手がけ、世界40カ国以上にわたり法人や個人を顧客に、サービスを展開している | 810.5% |
マスミューチュアル生命保険株式会社 | アメリカ | 平成19年に創業100年を迎えた生命保険会社。 個人向けと法人向けの多岐にわたり商品とサービスを展開する | 809.9% |
マニュライフ生命保険株式会社 | カナダ | カナダの大手金融サービスグループであり、創業130年以上にわたりサービスを展開しており、特に収入保障保険や個人年金保険について非常に高く評価されている | 838.6% |
メットライフ生命保険株式会社 | アメリカ | メットライフ生命保険株式会社は外資系生命保険会社で最も長い歴史があり、販売チャネルは4つあり、世界中の50ヶ国にわたり、顧客は1億人を超える | 891.5% |
アフラック(アメリカンファミリー生命保険株式会社) | アメリカ | ”生きるためのがん保険”で広く知られている理由の一つとして世界で最初にがん保険を販売した会社であり、がん保険の保有契約数NO1 | 956.1% |
カーディフ生命保険株式会社 | フランス | カーディフ生命は、世界有数の金融グループBNPパリバの一員であり”がん団信”を日本で初めて開発し、団体信用生命保険を主力商品としている。個人から、グローバル企業、機関投資家まで、あらゆるニーズの金融サービスを提供している | 649.5% |
チューリッヒ | スイス | 設立から140年以上を誇る外資系生命保険会社。210以上の国や地域でサービスを展開している。生命保険をはじめ、各種医療保険、がん保険、就業不能保険を販売している。保険事業の他に金融事業も展開している | 1,315.9% |
まとめ
生命保険は10年・20年その先を見据えて考えるものです。
きわめて長期にわたる金融商品ですし、ライフスタイルの変化にあわせて一緒に変わっていかなければいけないものです。
コスト、サービス、商品内容をしっかりと考えて加入することはもちろんですが、加入会社が長
期にわたって信頼できるかという観点で生命保険は考えていくことが大切です。
外資系だから良い・悪いではないですが、外資系でよくわからない会社の場合には、自己責任で確実に調査して、納得して加入することが特に重要です。
家族や大切な方に経済的な負担をかけない。これが生命保険の目的です。ぜひ、ライフスタイルに変化があったときには、生命保険の見直しを考えてみてはいかがでしょうか?