80歳からの生命保険は必要なの?現状と対策を考えてみよう!

生命保険や医療保険はとても大事だけれど80歳から加入できるものはあるの?80歳だから利用できる健康保険制度や年金についての確認をしてみたいと思います。この時期は生命保険に加入するよりも貯蓄を始めたほうがいい時期かもしれません。

80歳からでも生命保険は必要なのか?

あなたは、80歳から加入できる生命保険があるか疑問に思い調べていると思います。

生命保険というと、若い人が加入するイメージがあるので、高齢者には必要なのか考えてしまいますよね。

厚生労働省発表のデータhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-04.pdfによると、平成29年の日本では女性の平均寿命が87歳、男性の平均寿命が81歳となっています。

今後も平均寿命は長くなることが予想されるので、長生きする高齢者の増加が考えられます。

自分自身の祖父母や私たちが住んでいる地域にも、長寿の方がたくさんおり、運動や趣味をはつらつと楽しんでおられるの目にしたことがあるでしょう。


しかし、年齢を重ねるにしたがって、怪我や病気で入院をするリスクが高まることも事実です。


高齢者にとって、今までは元気でもある日突然通院が必要になるケースも珍しくはありません。


そんな時に、生命保険は治療費の手助けになってくれるのでしょうか。


実は、80歳以上の人にとって生命保険はいざという時にとても役に立つのです。


そこで、この記事では「80歳からの生命保険は必要か」について

  • 80歳から加入できる生命保険
  • 80歳から医療保障に入る必要があまりない理由
  • 80歳から生命保険に加入する際の注意点
  • 貯蓄の必要性
  • 相続対策として終身保険に加入する必要性
の5点を解説させていただきます。


記事を読んでいただければ、80歳以上の人にとっての生命保険の必要性をご理解いただけると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。


共済以外に80歳からでも加入できる生命保険はあるのか?

それでは、80歳からの生命保険について考えていきましょう。

都民共済や県民共済などの共済は、年齢が高くても比較的安い値段で加入できることから高齢者には人気の保障商品です。


しかし、ある共済では69歳までは加入できて、保障も85歳まで続きますが、80歳からの加入というものはできないものが多くなっています。


それでも民間の生命保険(終身保険)を探してみると、いくつか加入できるものがあったので以下でご紹介していきます。




80歳以上でも加入できる生命保険を具体例をあげて紹介!

ここでは、80歳以上でも加入できる生命保険を紹介していきます。


・A社の場合

  • がん(指定あり)・急性心筋梗塞・脳卒中の三大疾病に備えられる終身保険
  • 死亡時保険金額100万円
  • 加入年齢85歳まで
  • 80歳男性の月額保険料1万3,060円
  • 80歳女性の月額保険料9,454円

・B社の場合

  • 健康状態に関わらず加入できる終身保険
  • 死亡時保険金額100万円(加入2年後から)
  • 加入年齢80歳まで
  • 80歳男性の保険料1万4,811円
  • 80歳女性の保険料1万368円

・C社の場合

  • 引受基準緩和型(告知条件が緩和)の終身保険
  • 死亡時保険金額100万円(加入1年未満は50万円)
  • 加入年齢85歳まで
  • 80歳男性の保険料1万4,858円
  • 80歳女性の保険料1万239円

・D社の場合

  • 低解約返戻金型の終身保険
  • 保険金額200万円
  • 加入年齢85歳まで
  • 80歳男性の保険料2万1,068円
  • 80歳女性の保険料1万6,500円

など加入することのできる生命保険商品があります。

80歳以上の方に死亡保障は必要無い!

生命保険のメインの使い方として、万が一自分が亡くなった時に残された家族の生活などの保障のために加入する方が多いと思います。


しかし、80歳以上の方に死亡保障は必要ないため、葬儀費用は最低限の貯蓄がおすすめです。


なぜなら、80歳で家族の大黒柱として働いている人は少なく、残された配偶者は引き続き年金を受けることができるからです。


つまり、亡くなった本人の死亡保障を必要とせずとも、配偶者は生活ができることになります。


また、80歳ともなると気になってくるのが終活かと思いますが、生命保険に加入しているよりも貯蓄の方が「すぐに使えるお金」として価値が高いです。

そのため、葬儀費用は死亡保障に頼らず、貯蓄をすることをおすすめします。

保険料がすぐに死亡保障を上回る

80歳以上が加入できる生命保険は、保険料がすぐに死亡保障を上回ります。

ここでは、先ほどのB社のプランについて3年以降の計算をして行きたいと思います。

  • 83歳 払い込み保険料総額53万3,196円
  • 84歳 保険料総額71万928円
  • 85歳 保険料総額88万8,660円
  • 86歳 保険料総額106万6,392円

このように、86歳を超えると保険料の総額が保険金額を超えてしまうため、もっと長生きした場合は保険料を払うよりも月々の貯蓄をした方がメリットがありそうです。


今回はすんなり保険に加入できたケースでご紹介いたしましたが、保険金額が少ない商品だとしても、健康の告知はあります。


最近では30代でも健康診査に問題があるという人も増えてきているので、80歳で保険加入できるのは元気な証拠でもあると言えますね。

80歳から医療保障に入る必要があまり無い3つの理由

それでは80歳から医療保障に入る必要はあるのでしょうか。


先ほどは亡くなった時の保障や保険料などを具体的にご紹介しましたが、まずは現在の日本における医療費制度の仕組みから考えていきましょう。

理由1.高齢者の医療費を割り引く後期高齢者医療制度

第一に、後期高齢者医療制度によって高齢者の医療費が割り引かれます。

現在病院にかかった時は保険証を見せると、自己負担が3割で治療をうけられますよね。

6歳以上の負担割合は以下のようになります
年齢負担割合
6歳~70歳
3割
70歳~75歳2割(現役並み所得者は3割)
75歳以上1割(現役並み所得者は3割)


80歳はというと、75歳以上ですから多くの人は1割の負担で済むというわけです。


また、高額療養費制度によって限度額を超えた場合の医療費が戻ってきます。


このように、新たに医療保険に加入しなくても、後期高齢者医療制度によって医療費の自己負担を軽減することが可能です。

理由2.受給している年金で医療費を賄える可能性が高い

第二に、受給している年金で医療費を賄える可能性が高いことです。

平成26年度末に厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12509000-Nenkinkyoku-Chousashitsu/H26gaikyou.pdfが発表した、年齢別老齢年金受給権者の数および月額を見てみましょう。


80歳では厚生年金の月額支給額が16万3,115円、そして国民年金が5万5,427円となっています。


80歳のみで考えると140万人以上の人が年金を受給しているようで、その年齢が上がるにつれ少しずつ上がっているのです。



理由3.払う保険料が医療保障額をすぐに超えてしまう

第三に、払う保険料が医療保障額をすぐに超えてしまうことです。

75歳以上の医療費の1割負担や高額療養費などの払い戻しを考えると、月々高い金額で医療保険に新たに加入することは必要なくなってしまうかもしれませんね。

安い保険料でやってる少額短期の医療保険や、県民共済では有事の給付金が少なく設定されいるので、加入してもあまり手助けにならなかったということになるかもしれません。

80歳から生命保険に加入するときの注意点

もし、どうしても80歳からの保険に加入したいということであれば、加入の際に持病の告知条件や保険金の支払い事由(免責事項)には注意しておきましょう。


80歳から生命保険に加入するときの注意点として下の3つが挙げられます。
  1. 80歳など高齢からの加入は健康状態の告知に注意
  2. 引受基準緩和型や無告知型などの生命保険は加入しやすいが、保険料が割高
  3. 保険金・給付金の支払い条件に注意

それぞれ詳しく見ていきましょう。

80歳以上など高齢からの加入は健康状態の告知に注意しましょう

生命保険では、加入時に健康状態の告知が必要な場合が多いです。

たとえば、過去3年以内に入院したことがあることなどを告知しなければなりません。


もし健康診断などの結果が悪く、健康状態の告知で嘘をついたりすると、告知義務違反というペナルティの対象となり、保障を受けられないことになりますので、注意しましょう。

引受基準緩和型や無告知型などは加入しやすいが保険料が割高

健康状態が悪くても、告知内容が比較的ゆるい引受基準緩和型や、告知の不要な無告知型であれば、加入できる場合が多いです。

しかし、ただでさえ高齢者の生命保険は保険料が高いにも関わらず、さらに保険料が高くなるので、その点には注意が必要です。


また通常の生命保険に、告知結果の悪い部分のみを保障しない形にする特定部位不担保という制度もあることも知っておきましょう。

死亡保険金、医療費給付金の特定条件について注意しましょう

A社からD社まで4社の死亡保険があることを前述しましたが、支払い条件(免責事項)には注意しましょう。

例えば、1年間は保険金が半分になるであったり、特定のがんしか保障しません、上皮がんは保障しませんであったり、と条件があるはずです。


保険の仕組みとして、保険料が安いものは、支払い・給付条件が厳しいか、保険金・給付金額が小さいかのどちらかです。

生命保険に入るより「今すぐ使えるお金」の貯蓄をしましょう

自分が死んだあと、お葬式やお墓にかかるお金が必ず必要になってくるから、そのお金だけでも家族に残しておきたい、と思う方も多いと思います。


そのような場合は、貯蓄をしましょう。


貯蓄がゼロといった人は、まずは現在もらっている年金から日常にかかる生活費を引いてその中から少しずつ貯蓄をすることをおすすめします。





相続対策としての生命保険(終身保険)を考えましょう

今まで、死亡保険や終身保険、医療保険は80歳からあまり必要ではないという話をしてきましたが、資産が多くある方にとっては相続税対策という意味で、生命保険に加入する意義が実はあります。

相続税は1000万円以下の相続であれば10%ですが、1億円を越えると40%、3億円を越えると50%もの相続税を納税しなければなりません。


土地や購入住宅も相続になるので、対策をしていないと売却することも考える必要があります。


しかし、実際には、相続税を収めているのは5%なので、脱税ということではなく、生命保険を活用した節税をしているのです。


それでは生命保険と相続対策を詳しくみていきましょう。

資産と相続税率はどのくらいかを知りましょう

国税庁によれば、相続額と税率は以下のようになっています。
法定相続分税率控除額
1,000万円以下 10%0円
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下  20%200万円
1億円以下  30% 700万円
2億円以下  40% 1,700万円
3億円以下  45% 2,700万円
6億円以下 50%4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

控除額とは、法定相続分の税率分から差し引く金額のことです。


法定相続分は、法定相続人で割ったのちのそれぞれの取り分のことです。


生命保険では、この法定相続分を減らし、保険受け取りの所得税として算入させるのがポイントとなります。

生命保険で行う相続対策の例と参考情報

生命保険を活用した例をあげます。

妻と子供が2人の家庭で、夫が亡くなった場合を想定して、預貯金7,000万円と生命保険金7,000万円で比較します。

預貯金生命保険金
基礎控除額4,800万円4,800万円
非課税限度額0円1,500万円
課税遺産総額2,200万円700万円
妻の課税遺産額1,100万円
350万円
妻の相続税額
115万円
35万円
子1人の課税遺産額
550万円
175万円
子1人の相続税額55万円17.5万円
合計の相続額225万円
70万円

*1(課税遺産総額)=7,000万円-(基礎控除額)-(非課税限度額)


*2(妻の相続税額)=(課税遺産総額)×1/2×(相続税率)-(控除額)


*3(子1人の相続税額)=(課税遺産総額)×1/4×(相続税率)-(控除額)


生命保険は、死亡保障の特性上、残された家族の生活費を補填するという意味合いがあり、非課税控除が割り当てられています。


非課税限度額は500万円×人数分(今回は3人)なので、1500万円もの額を控除することが可能になるわけです。


合計の相続額でみても155万円も差がつくということで、そういった方は相続対策としての生命保険として、大きな額で加入するのが良いです。


相続対策の相談を無料で行なっているFP(ファイナンシャルプランナー)というお金のプロがいますので、是非相談してみてください。

まとめ:80歳からの生命保険の必要性はいかに

この記事では、「80歳からの生命保険は必要か」について解説させていただきましたが、いかがだったでしょうか。

記事の要点は
  • 80歳から加入できる生命保険はあるが、死亡保障は必要なく、葬儀費用は最低限の貯蓄をすると良い。
  • 80歳以上は医療保障を持つメリットが少ない。理由は、公的医療保険で医療費の自己負担分が定められていることや、公的年金で医療費負担を賄えることが挙げられる。
  • 生命保険に加入する場合は、正しい告知をすることを心掛ける。
  • 万が一生命保険に加入を考える場合は、相続対策としての終身保険に入るとメリットが大きい。

以上4点です。

生命保険に新たに加入すると考えた場合、年齢によっては月々の貯蓄を始めたほうが良い考え方があることを覚えておきたいですね。


保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。



この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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