生命保険の支払い方は一括払いが人気!一括払いの仕組みとは?

最近よく見かけるのは生命保険の一括払いについてです。保険料を一括払いで済ませるとそのあとの支払は気にしなくともよくなりますが多額の出費となります。生命保険会社がどうして一括払いを勧めるのか、また保険料の一括払いとはどういう仕組みなのかについてご紹介します。

生命保険の保険料一括払いは2種類

生命保険の支払い方は一つではなくさまざまな支払い方があります。途中から保険料が高くなっていく支払い方もあれば、逆に下がっていく保険料の支払い方もあります。また、外貨(主にドル)で支払うような保険料というのは為替の変動によって保険料の価値が変わってきます。

このように保険料の支払い方というのは三者三様の支払い方を認めており、そこにはおのずとお得になる支払い方というものが存在します。中でも保険料を一括で支払うか否かというのは大きな違いが出てきます。


ただし、生命保険料を一括で支払うということには2つの種類に分けられます。一括払いは一つの手段ですが2つの種類があることはしっかりと覚えていただければ幸いです。

一時払いと全期前納払い

生命保険料の一括払いは一時払いと全期前納払いの2つに分けられます。生命保険料の一括払いを申請するとどちらかを選ぶように言われるよりも一時払いを勧めてくる保険会社の方が多いでしょう。

生命保険料の一括払いはどちらにしても保険会社に多額の資金を預けることになります。ゆえに一括払いと聞けば生命保険会社は喜ぶものです。これは多額の資金(生命保険料)を長期間にわたって使用できる可能性が高まるからです。


生命保険会社は集めた生命保険料を株式や債券の運用あるいは契約者への貸し出しによって利息を稼ぎます。このとき元本が高ければ高いほど利息として儲かる額は増えるため生命保険会社としては一括払いは歓迎すべきものだということが分かります。

一時払いと全期前納払いの違い

では、一括払いの内、一時払いと全期前納払いの違いというのはどのようなものなのでしょうか。全く同一のものであれば名称を分ける必要はありません。

基本的には一時払いと全期前納払いの違いは1つです。しかし、たった一つの違いが多くの差を生み出します。


一括払いだからどっちでもいい、ではなく違いがあることを認めてどちらが自分にとってお得な生命保険料の支払い方なのかについて考えてみましょう。



保険料の違い

まず、一時払いでは全期前納払いに比べて保険料が安くなります。どのくらいの割引率が発生するかで差は変わりますが、一時払いよりも割引率が高くなることはありません。

そもそも一括払いで生命保険料を納付することで一括払いの投資が可能になります。原則として定期的に資金を投入するよりも一括払いされた投資の方が効率が良いとされています。

保険はこの投資によって利益を上げているため保険料もその分安く設定できます。

保険料を払っているか、預けているかの違い

一括払いでも一時払いと全期前納払いが違う理由は保険料をすでに支払っているか、それとも単に預けているだけなのかの違いです。

一時払いというのは必要とされる生命保険料を一括払いするということです。支払われた生命保険料が返還されることはありません。その意味では生命保険会社にとって一時払いというのは文字通り投資に使える多額の資金が一度に手に入れられるシステムとなっています。


一方、一括払いの仲間とはいえ全期前納払いは保険会社に生命保険料の前期分を預けているにすぎません。一応は保険会社に預けておいて定期的に徴収していく形になります。

もし途中解約をされた場合は支払期間となっていない未納分の保険料は返還され、解約返戻金は支払期間を過ぎた保険料で算出されます。


一括払いの内、一時払いは返されない、全期前納払いは預けれているだけと思っておきましょう

生命保険料控除を受けることができる期間の違い

生命保険料控除とは支払保険料に対して所得税や住民税の控除を受けられる制度です。この控除額は決して安いものではないためしっかりと申告しておかなければ損をしてしまいます。

また、生命保険料控除が受けられる対象期間は各年度の支払保険料のみです。問題はこの支払期間にあり、一時払いと全期前納払いの仕組みから一括払いの中での違いが出てきます。


一時払いはすでに支払ってしまっていますが、全期前納払いは預けているだけです。ここから一時払いは支払った時の年だけ、全期前納払いは支払期間の全期間が対象となります。

一時払い終身保険とは

生命保険には終身保険があります。終身保険というのは保険料を支払い続けるか、支払を終えることで保障が一生涯続く保険です。一時払い終身保険というのは高額にはなりますが終身保険の保険料を一括で支払い保障を受け取ることができる保険です。

ただし、一生涯の保障がすぐに手に入る以外にも一時払い終身保険には魅力があります。

節税や遺産相続に活用

一時払いの終身保険の場合、真っ先にメリットとして思いつくのが節税および遺産相続についてでしょう。一気に保険料を支払うことでなぜ節税や遺産相続に有利に働くのかとお思いになる方は多いでしょう。しかし、これは現行の日本に法律から考えると至極まっとうなことです。

まず節税に関してですが、生命保険の一番大きな保障は死亡保障です。この死亡保障に関しては非課税となる限度額が設けられています。その非課税金額は

  • 相続人数×500万円

となっています。


例えば相続者、この場合では死亡保険金を受け取る方というよりも法定相続人と言って法律で決められている基準に則り遺産の分配が有効である方の人数となります。基本的には配偶者とその子供ということになります。この相続者が3人いたとすれば1500万円までが相続税の非課税区分に当たることになります。


単純に現金として1500万円を持っていれば1500万円すべてが課税対象になってしまうため生命保険に1500万円を投資しておき死亡保険金として1500万円回収できればそれだけで節税効果が望めることになります。


さらに、遺産相続に関しては分配が定まっていないがために一族が争うというケースが絶えません。しかし、生命保険に関しては受取人を選定することが可能です。受取人が決まっている以上、生命保険の死亡保険金は受取人の固有財産になるため争いから回避させることができます。

元本割れする可能性も

一括払いをしているからと言って必ず元本以上の死亡保険金が受け取れるとは限りません。一時払いで損をするケースというのは多額の出費に耐えられるだけの財政状態を持っていない方が多いです。

いくら節税効果や遺産相続の対策になるからと言っても当面の生活というのは残しておかなければなりません。一時払いで生活が困窮してしまい中途解約をしてしまうと元本割れをした解約返戻金しか手に入りませんのでご注意ください。

一時払い個人年金保険という保険もある

一時払いの中には個人年金保険に関するものもあります。通常の年金というものは長期間にわたる支払保険料に見合った年金を一定期間支払い続けるものですが、一時払い個人年金保険は保険料を一括で支払い、一定期間を経て年金の支払いをスタートさせるものです。

通常の個人年金よりもはるかに短期間で年金の受給が開始できる特徴を持っています。

生命保険の保険料一括払い、本当にお得なのか

生命保険の保険料の一括払いには2種類ありました。この2種類にはそれぞれ特徴がありましたが、結局のところ一括払いはお得と言えるのかが問題です。

最後に一括払いのメリットとデメリットをまとめておきましょう。

保険料の一括払いのメリット

保険料を一括払いにすることで一番大きなメリットは保険料が安くなるっことです。これは保険会社の投資や運用に関する実情が大きく関与するところですが毎月コツコツと保険料を支払い続けよりはお得です。

また、一括払いにすることで保険料とその他の貯蓄を分けて捉えることができ、保険以外に使える資産の明確化が可能となります。他にも住宅ローンや車のローンなどを管理しなければなりませんので、支払を早めに済ませて浮いたお金を他返済に充てることも可能です。


また一時払いであれば大きな節税効果や遺産相続問題の解決につなげることも可能です。

保険料の一括払いのデメリット

保険料を一括で納めるということは、支払った保険料に関しては保険会社の使いたいように使えることを指します。そのためどのくらいの期間にどの程度の保険料が妥当であるかが不鮮明になってしまい未納金や解約返戻金の算出に対して透明性が欠如する部分が出てきてしまいます。

また、一度支払っている保険料の価値はその時の経済情勢によっても変動してしまうため常に経済情勢に見合った保険料となっているかを注視しておく必要があります。

まとめ

生命保険料の支払には一括払いが人気になってきていますが決して保険料の安さだけで選ばないように注意してください。

保険は単体で考えるのではなく、自身のライフスタイルの一部です。一部のところに偏りが大きくなってしまうと他のモノまで一気に崩れてしまう恐れがあります。


自分にあった保険とその保険料の支払い方はライフスタイルに無理をさせない形で作っておきましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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