生命保険の保険料は年払いでまとめて払うほどお得に!注意点も

生命保険の保険料は年払いでまとめて払い込むことで割安になります。もしも途中で解約することになっても損しないのか、年払いの特徴やメリット・デメリット、月払いから年払いへの変更方法など、生命保険の保険料の年払いについて説明していきます。

この記事の監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生命保険の保険料は年払いでまとめて払うほどお得に!

毎月支払っている生命保険の保険料を「できればもう少し安くできないか」と思っていませんか? 


しかし「なんとなくめんどくさい」、「保険の内容がよくわからない」といった理由でついつい後回しにしてしまいがちです。そして気づけばそのままの状態になっているなんてことも。 


しかし、保険の内容は変わらず、簡単に手続きできて保険料を安くする方法があります。 


毎月払い込んでいる保険料を「年払い」に変更するだけです。 


この記事では「生命保険料の年払い」について、

  • 生命保険料の年払いはどれくらいお得なのか?
  • 生命保険料を年払いにするメリット・デメリット
  • 生命保険料を年払いに変更する方法

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、生命保険料の年払いに関しての基礎知識を得ることに役立つかと思います。ぜひ最後までご覧ください。

年払いは1年分の保険料をまとめて払う支払い方


生命保険の保険料を支払う方法としては、毎月払う「月払い」、半年分をまとめて払う「半年払い」、1年分をまとめて払う「年払い」があります 。


生命保険に加入している人の半数以上は「月払い」で保険料を払い込んでいます。


なぜなら、顧客に「保険料が高いなぁ」と思われないために、保険内容を説明してくれる営業担当者は「月払い」の案内しかしないことが多いからです。


学資保険の場合は、年払いにすることで保険料が安くなるうえに返戻率が上がるので年払いを勧めやすいのですが、死亡保険や医療保険の場合は年払いだと保険料の高さが目につくので勧めにくいのです。 


しかし「年払い」は「月払い」に比べて1~3%ほど保険料が安くなります


「たったのそれだけ?」と思われるかもしれませんが、金額にしてみると差額がよくわかります。


例として月2万円の保険料で計算してみると、月払いの場合年間の支払総額は24万円。


割引率2%だと仮定すると、年払いの場合保険料は月あたり19,600円で年間の支払総額は235,200円。


1年で4,800円、10年で4万8千円の差額になります。


支払方法を変更するだけの簡単な手続きで、これだけの保険料を支払わずに済むのです。 


これから新規で保険に加入する場合だけでなく、すでに「月払い」で支払っている生命保険も「年払い」に変更することが可能ですので、検討してみてください。 


ただし、具体的な割引率は保険会社や保険の種類によって異なります。年払いにできない保険もありますので、保険会社に確認しましょう。 

年払いでは途中で解約すると損をする?

生命保険料の年払いで気になるのは、「年払いで支払ったあと、年の途中で死亡したり解約したりすると、残りの期間分の保険料は戻ってくるの?」という点だと思います。


結論から言うと、2010年4月1日以降に契約した保険であれば中途解約しても残りの期間分の保険料は戻ってきます


しかし、2010年3月31日以前に契約した保険だと残りの期間分の保険料は戻ってきませんので、注意が必要です。 


なぜ2010年4月が境目になっているのでしょうか?


それは2010年4月に保険法が改正されたためです。次でくわしく見ていきましょう。

2010年4月以降に契約した生命保険では解約しても損をしない

2010年4月の保険法改正では、保険契約者保護の観点からそれまでの内容が大幅に見直されました。


従来は、保険料を年払いで払い込んでいても使わなかった保険料(未経過保険料)は戻ってこなかったのですが、保険法の改正により未経過保険料が返金されるようになったのです。


そのため、2010年4月1日以降に契約した生命保険であれば、保険料を年払いで払い込んでいても使わなかった保険料(未経過保険料)は戻ってきます。



例えば契約日が2020年4月1日で、2021年4月25日に保険料を年払いで支払ったけれど2021年7月10日に解約した場合、8月から翌年3月までの8か月分の保険料相当額は返金されます。


そのため2010年4月1日以降に契約した生命保険は、年払いにして中途解約しても損をすることはありません。 


ただし例外があって、医療保険を年払いしてその年に被保険者が死亡した場合は、月払いよりも保険料が高くなる可能性があります。


具体的にいうと、契約日が2020年4月1日で、2021年4月25日に保険料を年払いで支払ったけれど2021年7月10日に被保険者が亡くなった場合、8月から翌年3月までの8か月分の保険料は戻ってきません。

 

医療保険の年払いを検討する際はご注意ください。 

2010年4月までにした契約ではもったいないので注意!

生命保険料を年払いに変更するとき気をつけなければならないのは、2010年4月以前に契約した生命保険です。


2010年3月31日までに契約した生命保険の場合、使わなかった残りの期間分の保険料は戻ってきません


例えば、契約日が2005年4月1日で、2021年4月25日に保険料を年払いで支払ったけれど2021年7月10日に解約した場合、8月から翌年3月までの8か月分の保険料は返金されません。

 

これは非常にもったいないので、年払いを検討する際には契約日をしっかり確認しましょう。契約日は保険証券に記載されています。 


不安な場合は、お金のプロであるファイナンシャルプランナーに無料でアドバイスをもらうこともできますので、相談してみるのもいいでしょう。

生命保険の保険料年払いの特徴[メリット・デメリット]


生命保険料を年払いにすると保険料が割安になるというメリットをここまで見てきました。

しかし一方で、まとまったお金を用意する必要があるので家計への負担が大きいというデメリットもあります。 

このデメリットについて次でくわしく見ていきましょう。

年払いでは一時出費が多くなるので家計と相談

年払いは1年分の保険料を一度に支払う必要があるため、まとまった金額を用意しなければなりません。


支払い月に向けて計画的にお金を貯めておく必要があるので、家計の状況によって年払いがおすすめできる人とできない人に分けられます。


下記のような方は年払いのメリットを十分活かすことができるのでおすすめです。 


年払いをおすすめできる人

  • 生活資金に余裕がある
  • 毎月コツコツ貯金して支払いに備えられる 

夫婦共働きや世帯主の収入が多いなど生活資金に余裕がある人は年払いがおすすめです。


計画的に貯金ができる人も年払いに向いています。


反対に、下記のような方にはおすすめできません。


年払いをおすすめできない人

  • 2010年4月以前に契約した生命保険に加入している
  • 教育費などの負担があり生活資金に余裕がない
  • 貯金が苦手でお金の管理ができない 

2010年4月以前に契約した生命保険に加入している場合は未経過保険料が戻ってこないケースがあるため、年払いを慎重に検討しましょう。


生活資金に余裕がなくまとまったお金を準備するのが難しい人は、月払いにしておいた方がいいでしょう 。


それでも年払いにして保険料を抑えたいという場合は、ボーナス支給月の後に支払い月を設定するといった工夫をするといいかもしれません。


年払いで契約した生命保険を月払いに変更することも可能です。


年払いをすることで家計への負担が大きくなってしまうときは、保険会社に連絡して支払方法を変更しましょう。 

生命保険料は月払<半年払<年払の順でまとめて払うほどお得になる

ここまで見てきたように生命保険の保険料の支払い方法には「月払い」、「半年払い」、「年払い 」があり、まとめて支払うほど保険料は安くなります。 


そのほかに、契約時に全保険期間の保険料をまとめて支払う「一括払い」もあります。「一括払い」は年払いよりもさらに保険料が安くなります。


「一括払い」には「一時払い」と「全期前納払い」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。

支払い方法説明
月払い毎月支払う
半年払い年に2回支払う
年払い年に1回支払う
一時払い契約時に全保険期間分を1回で支払う
全期前納払い全保険期間分を保険会社に一括で預け、
払込期日のつど保険料に充当されていく

「一時払い」は契約期間中に死亡または解約した場合、契約時に払い込んだ保険料は戻ってきません。


また、「全期前納払い」は年末調整や確定申告で生命保険料控除を毎年受けられますが、「一時払い」は払い込んだ年しか受けられないという違いがあります。 


「月払い」、「半年払い」、「年払い 」についてですが、こちらは毎年生命保険料控除を受けることができます。 


毎年10月から11月頃に契約している保険会社から「生命保険料控除証明書」が送られてくるので、こちらを提出しましょう。


契約日が10月から12月の生命保険で保険料を年払いする場合、「申告予定額のお知らせ」を使用することで年末調整を受けることができます。


「申告予定額のお知らせ」を使用した申告が可能か勤務先に確認しておきましょう


後日、「生命保険料控除証明書」が届いてから「申告予定額のお知らせ」と差し替えて申告します。 


 「一括払い」については、ここでは説明しきれなかったこともありますので、さらにくわしく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。 

家計にあった支払い方を保険のプロが提案します!

保険料の支払方法を年払いに変更するべきか迷ってしまうときは、保険相談サービスを利用しましょう。保険のプロから質の高いアドバイスをもらえます。


マネーキャリアでは、家計にあった保険料の支払方法のことはもちろん、下記のようなことも相談できます。 

  • 将来どのくらい資金が必要になるの? 
  • 現在の支出で節約できることはあるの? 
  • どうやってお金を貯めたらいいの? 

お金のプロであるファイナンシャルプランナーと一緒にライフプランを考えたり、家計の収支を見直したりすることで、お金に関する悩みを解決できます。 


オンライン上で時間や場所を選ばず気軽に相談が可能です。


ベテランのファイナンシャルプランナーが何度でも無料でわかりやすく説明してくれるので、ぜひ活用してみてください。

生命保険料を年払いにしたいときの変更方法は?

生命保険料を月払いから年払いに変更したいときはどのような手続きをすればいいのでしょうか。


例としてA生命の変更方法を調べてみました。


A生命の場合、
生命保険の保険料を年払いに変更する手続きは以下のようになります。

  1. 契約者本人が保険会社のコールセンターへ電話する
  2. 保険会社から送られてきた書類に記入し、返送する
コールセンターでは加入している保険の証券番号を尋ねられるので、「保険証券」や「現在のご契約内容のお知らせ」などを手元に用意して答えられるようにしておきましょう。 

手続き方法は保険会社によって異なりますが、上記と同じ流れになることが多いです。

また、すでに契約中の保険を年の途中で「年払い」に変更する場合、次の契約応当日に変更されます。 

例えば契約日が4月1日で、その年の7月に月払いから年払いに変更したとすると、翌年の4月1日に年払いに変更されます。 

手続きしてもすぐに変更されるわけではないことをご留意ください。  

まとめ

生命保険の保険料の年払いについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 生命保険料を年払いにすると保険料が月払いに比べて1~3%ほど安くなる
  • 年払いした生命保険を中途解約して損をする可能性があるのは、2010年4月以前に契約した生命保険
  • 年払いに変更するには、保険会社のコールセンターへ電話して書類を返送する

でした。


少しでも保険料を安くしたい方は、2010年4月以降に加入した保険については支払方法を月払いから年払いにすることを検討してみましょう。簡単な手続きで変更できます


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