掛け金が支払えない…?確定拠出年金解約について知っておきたいこと

老後の資産を形成するための一つの方法に個人型・企業型の確定拠出年金があります。確定拠出年金は適切な運用によって利益を生み出せますが、貯蓄や、積み立て型の保険のようなものと同様に解約ができると認識してしまうなら、解約への認識を改める必要があるかもしれません。

確定拠出年金の解約条件と方法、掛け金を払えない場合の対象について解説!

老後の生活の為にiDeCoに加入したは良いものの掛け金の支払いが厳しくなってきた、会社で企業型確定拠出年金に加入したけど退職・転職する場合はどうしたらいい?確定拠出年金を解約して今まで積み立てた資産を受け取りたい。


この記事ではこういった場合に必要な手続きや疑問に対して

  • 個人・企業型の確定拠出年金の解約条件と方法
  • 積み立てた資産を一時金解約金として受け取る方法
  • 会社を退職した際の企業型DCについて
  • 確定拠出年金の解約・掛け金の支払いができない場合の裏技
これらの点について解説していきます。

確定拠出年金(401k)は解約したくてもできないのか

老後への不安を抱えておられる方が少なくない中、保険や『確定拠出年金』を用いて、老後のための資産形成を行おうと考えておられる方、すでにそれを実行されている方は少なくありません。確定拠出年金を利用するメリットはたくさんあります。

  • 運用によっては多くの利益を出せる 
  • 発生した利益分が課税されない
  • 退職金よりも、保全率が高い

このようなメリットを考えたとき、個人型、また企業型の確定拠出年金によって資産形成を行うことは良い選択肢となります。


ただし、よく言われるデメリットの一つとして、『解約(したくても)できない』ということが挙げられます。基本的に確定拠出年金は、何らかの理由によって途中で解約するということが前提とされていません


なので、60歳なら60歳という年齢を確実に見据えて加入するものとなります。

解約するのに必要な手続きとは


いわゆる貯蓄型の『保険』では、途中で解約することが可能です。また、解約時に返戻金として一定額を受け取ることも可能です。しかし、前述してあるとおり確定拠出年金は基本的に途中解約を前提としていません。


たとえば、いわゆる老後に受け取ることができる「年金」は、いくら老後に受け取る資格があるからと言って、40歳ぐらいにそれを引き出すことはできません。同様に、基本的に個人の確定拠出年金は解約して積み立て分を受け取ることはできません

ただし、利用者としての「資格を喪失」し、今までの資産をそのままに『運用指図者』になることは可能です。また、条件をクリアすれば『脱退一時金』を受け取ることもできます。

企業型の確定拠出年金の解約、資金を引き出したいとき

この場合、「解約する」のではなく、自動的に「解約される」と捉えたほうが分かりやすいでしょう。企業型の確定拠出年金は企業に属するものですから、所属していた企業を辞めた時には、自動的に企業型の確定拠出年金は事実上解約となります。


所属している間に、個人の判断で解約することはできません。積み立てていた分の資金を、生活に困ったなどの理由で引き出すこともできません。

基本的には企業型の確定拠出年金を継続できなくなった場合、個人拠出年金への移行をして、資産を継続させることができます。ただしこの場合、その期間中に口座運用料など、様々な諸費用が発生する点には注意が必要です。

個人型の確定拠出年金(iDeCo)の解約、資金を引き出したい

個人型の確定拠出年金において、掛け金が支払えなくなってしまったなどの理由で解約し、資産を引き出したいというときには、資産そのものを引き出すことはできませんが『脱退一時金』が受け取れる可能性があります。

この脱退一時金を受け取るには、いくつかの条件をすべてクリアする必要があります。

解約の条件と確定拠出年金(401k)の脱退一時金とは

脱退一時金を受け取るには、以下の条件をすべてクリアしている必要があります

iDeCoの受け取り条件
  • 障害認定を受け給付金を受給していない 
  • 企業型確定拠出年金において脱退一時金を受け取っていない 
  • 国民年金保険料の支払いに関して免除を受けている 
  • 資格を喪失した日から2年以内である 
  • 資産総額が25万円以下である 

企業型DCの受け取り条件
  • 企業型DCの加入者・運用指図者またはiDeCoイデコの加入者・運用指図者でないこと 
  • 個人別管理資産額が1万5,000円以下であること 
  • 企業型DCの資格喪失日の属する月の翌月から起算して6ヵ月を経過していないこと

ですから、企業型拠出年金に加入していたときの会社を辞め、何年も手続きを放置してしまった場合はそれだけで資格を喪失してしまっている可能性があります。


もし資産額が1万5千円以下であるなど、資産が本当に少額である場合に関しては脱退の条件が緩くなりますが、以上のように資産額をオーバーしていないことも条件に含まれていることを考えると、脱退一時金を受け取る条件は予想以上に厳しいものであることが分かります。

企業型の確定拠出年金と脱退一時金とその請求方法


確定拠出年金における脱退一時金に関しては、加入している各機関で所定の手続きを行う必要があります。条件をクリアしていることが前提ですが、その際は脱退一時金を請求するための請求書等が必要になります。

資産が自動的に移行されてしまう前に手続きを完了させる必要がある点にも注意が必要です。

個人型の確定拠出年金と脱退一時金とその請求方法

上記と同様の点ですが、個人型(iDeCo)であっても企業型であっても、脱退一時金の請求を行うには、やはり条件すべてを満たし、資格の喪失日から2年以内である必要があります。

確実に請求が行われなければ、支払われません。

脱退一時金受け取りの詳しい解説についてはこちらの記事をご覧ください。

確定拠出年金の解約と税金

しつこいようですが、確定拠出年金の途中解約をして、資産がある銀行から貯蓄分の資産を引き出すようなことはできません。


企業型であるならば個人型への移行、すでに個人型で掛け金が支払えなくなったのなら、1年ごとに変えられる掛け金を少なく設定しなおすか、「利用者」から「運用指図者」に変更し、資格を喪失させる必要があります。


脱退一時金の条件をクリアした場合、受け取る一時金は一時所得として扱われ、控除額の上限である50万円以下であれば非課税となります。

会社を退職したら加入していた企業型DCはどうなる?

会社を退職する場合、当然ながら加入していた企業型確定拠出年金の資格を喪失することになり、基本的には個人型へ移行することとなります。

手続きがなされないと、国民年金基金へと移行することになりますが、この国民年金基金への自動移換にはいくつかのデメリットがあります。
  • 現金化され運用の指示ができない。
  • 運用の指示は不可能だが管理手数料がかかる。
  • 自動移換中は加入者期間に算入されず、老齢給付を受けとる時期が遅れる可能性がある。
  • 60歳以降に受け取る場合、iDeCoへ移換する必要がある。
  • 移換に5,000円程の手数料がかかり月々50円の手数料が徴収される

確定拠出年金の解約、裏技の有無と掛金を払えないときの対処

これは確かにイメージとして「積み立て」のようなものではありますが、あくまで「年金」ですので、銀行にお金を貯めているのとは訳が違います。ですから、確定拠出年金(として積み立てているもの)を解約することはできない、というのが大前提です。

例えばですが、確定拠出年金を完全に解約できるとしても、それは今まで運用を行っていた資産が0になることになります。そこにメリットは何もありません。

掛け金が支払えなくなったら、

  1. 掛け金を下げる 
  2. 資格を喪失し「運用指図者」になる 

以上の点を選択肢として考えましょう。

確定拠出年金の掛金を変更する

確定拠出年金の掛け金は、1年ごとに変更することができます。

ただし最低額が定められており、どうしてもこれから将来の運用は無理ということであれば『運用指図者』になる必要があります。

掛け金の変更は年1回のみ変更可能で、掛け金の最低金額は5,000円でそれ以上は1,000円単位で金額を設定可能です。

確定拠出年金の加入者から運用指図者になる

どうしても掛け金の支払いが難しくなった場合に『運用指図者』になるなら、それ以降の掛け金支払いがなくなります。ただし、どちらにしても中途段階での資産分引き出しはできません。

事情により掛け金の支払いが困難になった場合、資格喪失届を提出して運用指図者になります。この場合原則60歳まで拠出金を引き出すことはできません。

運用指図者から再び加入者として毎月拠出金を積み立てることも可能なので、今余裕が無い場合は運用指図者となり再び余裕ができてたら再び加入者に戻るという選択も可能です。

まとめ:企業型DCとiDeCoの解約方法と掛け金が支払えない場合の対処法


この記事では確定拠出年金について

  • 解約の手続き方法
  • 積み立てた資産は一次解約金として受け取れる
  • 会社を辞める際、加入していた企業型DCの資産はiDeCoへ移管
  • 掛け金を支払えない場合は掛け金を下げるor運用指図者になる
以上の点について解説しました。

近年の公的年金に対する不安の高まりから、私的年金に対する注目度が高まり加入する方も増えていますが、基本的に「年金」なので、途中で解約して積み立てた資産を受け取る事は難しいですが、条件をクリアすれば脱退一時金として資産を受け取る事が可能です。

退職や転職のタイミングで企業型DCの加入資格を喪失した場合は自動的に解約されますが、iDeCoの場合は意図的に解約するにはいくつかの条件をすべてクリアする必要があります。

もし掛け金を払うのが厳しくなったら掛け金を引き下げるか運用指図者になるという方法があります。

以上の点にを踏まえ、自身の場合はどのような手続きを踏むのが適切かをよく考えて必要な手続きを行うようにしましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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