個人年金保険の利率の推移!利率が下降傾向の個人年金は本当に必要?

昔は、利率に大きな魅力のあった個人年金保険。しかし現在では、利率は昔ほど高いものではなくなりました。しかし、利率以上の魅力が、個人年金保険には存在します。各々が、その魅力をしっかり理解し、できるだけ加入する工夫をしましょう。








▼この記事を読んで欲しい人
  • 個人年金保険の必要性を知りたい方
  • 個人年金保険の利率について知りたい方

▼この記事を読んでわかること
  • 個人年金保険の予定利率の推移状況
  • 個人年金保険の必要性
  • 個人年金保険料控除について
  • 利率の高い個人年金保険の特徴とリスク

内容をまとめると

  • 予定利率は下降傾向の推移をしている
  • 金利が低い現代でも個人年金保険が不要なわけではない
  • 一定要件を満たせば控除を受けられる
  • 最適な個人年金保険の選び方や老後資金の作り方に悩んだら、マネーキャリアにプロに相談を
  • マネーキャリアのオンライン無料相談なら、スマホで予約から面談まで簡単!

個人年金保険の予定利率の推移


個人年金保険商品を調べていると、よく目にするのが「予定利率」というワードではないでしょうか。


ここでは、

  • 予定利率とは?
  • 予定利率の推移早見表!昔の利率を比較!
  • 超低金利の現代で個人年金保険の加入はなし?
という観点から、個人年金保険の予定利率について詳しく解説していきます。


「個人年金保険の予定利率について知りたい」、「金利が低い今、個人年金保険の必要性はあるのかな?」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

予定利率とは?

「予定利率」とは、簡単にいえば保険料の割引率のことです。


生命保険会社は、契約者から集めた保険料で株式・債券・不動産などの投資を行い、資産運用に取り組んでいます。


そして、どのくらいの利率(利回り)で運用できるのか予測をたて、契約者が支払う保険料を設定する際は、資産運用による見込みの収益分を差し引いています


その割引率=予定利率となるため、一般的に予定利率が高いほど、契約者にとって有利になるといえます。


たとえば、1年後に100万円受け取るために支払う保険料の金額を例に、利率を変えてシミュレーションしてみます。


  • 利率1%の場合:約99万円
  • 利率5%の場合:約95万円


同じ100万円を受け取るにあたり、利率が高いほど、保険料が安く済むということですね。


見方を変えれば、同じ金額の保険料を支払った場合、利率が高い方が受け取り金額が大きくなる、ということもできます。

予定利率の推移早見表!昔の利率を比較!

予定利率は、保険の契約時期によって異なります。


契約時期ごとの予定利率の推移の目安は、以下のとおりです。


契約時期保険期間
10年未満
保険期間
10~20年
保険期間
20年以上
~S27.33.00%3.00%3.00%
S27.4~S51.34.00%4.00%4.00%
S51.4~S56.35.50%5.50%5.00%
S56.4~S60.36.00%5.50%5.00%
S60.4~ H.2.36.25%6.00%5.00%
H2.4~ H5.35.75%5.50%5.50%
H5.4~ H.6.44.75%4.75%4.75%
H6.4~ H8.33.75%3.75%3.75%
H8.4~ H11.42.75%2.75%2.75%
H11.4~ H.13.32.00%2.00%2.00%
H.13.4~ H.25.31.00~1.50%1.00~1.50%1.00~1.50%
H25.4~1.00%1.00%1.00%


昭和の終わりから平成初頭にかけてのいわゆる「バブル期」は、非常に高い利率だったことがわかります。


一方、近年では1%台が続いています。

超低金利の現代で個人年金保険の加入はなし?

保険会社の主な資産運用の方法は「国債」です。

そのため、個人年金保険の予定利率は、保険の契約時期の金利状況に大きく左右されます。

2016年2月から「マイナス金利政策」が導入されたこともあり、超低金利時代といえる近年では、国債の利回りも下がっています

バブル期には6%を超えることもあった予定利率は、ここ数年は1%台という低い数字が続いています。

予定利率の差は、契約者が支払う保険料にも大きな影響を与えています。

たとえば、将来1,200万円受け取れる個人年金保険商品に、1990年に加入した場合2015年に加入した場合の保険料をそれぞれ比較してみます。

支払い保険料(月)払込保険料総額
2015年加入30,924円約1,113万円
1990年加入14,652円約527万円
差額16,272円約586万円
※契約時30歳女性・60歳払込満了・60歳から年額120万円を10年間受け取るケースの試算

毎月の保険料の差額は16,272円、30年間で払い込む保険料総額の差は、なんと約586万円にもなります。

もちろん、加入商品によって、この数字は変わってきます。

しかし、金利が低い現代における個人年金保険への新規加入は、特にバブル期の加入と比較した場合、不利と言わざるを得ないでしょう。

個人年金保険が完全に不要というわけではない!

ここまで、個人年金保険の予定利率について解説してきました。


超低金利時代における個人年金保険への新規加入は不利であると言わざるを得ない、ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。


しかし、個人年金保険が完全に不要というわけではありません


その理由は、次のとおりです。


  • 定期預金にお金があるなら個人年金保険の方がおすすめ
  • 個人年金の利率は加入時の利率で固定される!昔の個人年金の解約は避けるべき!
  • 利率が変動する個人年金保険もある!「利率変動型個人年金保険」


順番に解説していきます。

定期預金にお金があるなら個人年金保険の方がおすすめ

すでに定期預金にお金がある場合、そのまま定期預金を継続するよりも、個人年金保険の方が多くのリターンを期待できるでしょう。


2020年時点におけるメガバンクの定期預金の金利は、0.002%です。


この場合、100万円の預金に対する1年間の利息は、約20円ということになります。


定期預金には中途解約したとしても元本割れしないというメリットがある一方、「お金を増やす」という面においては、なかなか難しいのが現状です。


個人年金保険においても、金利の低さが不利になる点は定期預金と同様です。


ただし、返戻率(払った保険料に対して、受け取れる年金総額の割合)の高い商品を選ぶことで、将来的に払い込んだ保険料以上の年金を受け取れます。


この先数十年継続する場合、定期預金よりも個人年金保険の方がリターンは大きくなりやすいでしょう。

個人年金の利率は加入時の利率で固定される!昔の個人年金の解約は避けるべき!

個人年金保険の利率は、原則として加入時の数字が保険終了時まで固定されます。


もし、利率の高い時期に個人年金保険に加入していた場合、今でも高金利で運用されていることになります。


そのため、に加入した個人年金保険の中途解約は、できる限り避けた方がよいでしょう。


前述にお示しした予定利率の推移早見表のとおり、バブル期には利率が6%を超えるケースもあるほか、平成7年頃までは3%前後の保険商品があることがわかります。


現在と比較すれば、かなり魅力的な数字です。


こうしたいわゆる「お宝保険」から、現在販売されている保険商品に切り替えた場合、損をしてしまう可能性が高くなります。


過去に加入した個人年金保険を見直す際は、今よりも不利な状況になってしまわないかどうか、解約前に必ず確認することをおすすめします。

利率が変動する個人年金保険もある!「利率変動型個人年金保険」

個人年金保険は、加入時の利率が変わらず引き継がれるタイプのものが一般的です。


ただし、「利率変動型」個人年金保険の場合、契約後一定期間(5年など)が経過するごとに、市中金利に連動して予定利率が見直されます


その際、支払い保険料の金額に変更はなく、将来受け取る年金の額が変わることになります。


また、予定利率には「最低保証」が設けられています。


最低保証の数字より高い利率が設定された場合、受け取り年金額や解約返戻金などが増加します。


個人年金保険には、剰余金が生じた際に配当金が得られる「配当金付き」の商品が多くみられますが、利率変動型の場合は無配当となる点も特徴のひとつです。

個人年金保険は控除によって実質利回りは予定利回りを上回る!

個人年金保険は、一定要件を満たしたうえで「個人年金保険料税制適格特約」をつけることで、個人年金保険料控除を受けられます


年間で支払った保険料の一部または全部を所得から差し引くことで、所得税や住民税が安くなるものです


この控除は、一般の生命保険料控除や介護医療保険控除とは別枠で利用できるというメリットがあります。


税金ごとの個人年金保険料控除の上限は、次のとおりです。


税種保険料(年間)控除上限額
所得税(新制度)80,000円超~40,000円
所得税(旧制度)100,000円超~50,000円
住民税(新制度)56,000円超~28,000円
住民税(旧制度)70,000円超~35,000円

※新制度とは平成24年以後・旧制度とは平成23年以前の契約のことをいいます。


控除により節税効果を得られるメリットを考慮すれば、実質利回りは予定利回りを上回ることになります。

最も最適な老後資金の備え方ならまずはマネーキャリアの無料相談!

老後資金を計画的に備える方法のひとつとして、個人年金保険を検討する方も多いのではないでしょうか。


個人年金保険は、住友生命・日本生命・第一生命・明治安田生命など、さまざまな大手保険会社が販売しています。 


たくさんの商品や口コミを調べるうちに、目移りしてしまうこともあるかと思います。


また、時代やそれぞれの家計状況・ライフプランなどにより、最適な資金形成の方法も異なります


プロの目を通さず独断で判断してしまった場合、気がつかないうちに損をしてしまうリスクもあります。


自分に合った老後資金の貯め方を知りたい方は、ぜひマネーキャリアにご相談ください。


お金のプロが、無料オンライン相談を行っています。


LINEで簡単に予約できますので、お気軽にご活用ください。

2種類の利率の高い個人年金保険を紹介!リスクに注意!

せっかく個人年金保険に加入するのであれば、できるだけ利率の高い商品を選択したい、と考える方は多いのではないでしょうか。


ここでは、比較的利率の高い、下記の2種類の個人年金保険について詳しく紹介します。


  • 外貨建て個人年金保険
  • 変額年金保険


それぞれの保険の特徴はもちろん、注意しておきたいリスクもあわせて解説していきます。


ご自身に合った商品選びの参考にしてください。

①外貨建て個人年金保険

積立金を、日本円ではなく外貨で運用するのが「外貨建て個人年金保険」です。


一般的に、保険料の支払いのほか、年金の受け取りなどを外貨で行います。


外貨建ての個人年金保険には、次のようなメリットがあります。


  • 円より比較的金利の高い外貨で運用できる
  • 分散投資により、資産のリスク分散が期待できる


外貨建ての場合、米ドルや豪ドル、ユーロなどを用いる商品が多くみられます。


円に比べて比較的高い海外の金利で長期的な運用ができるため、将来の受け取り額の増加が期待できます。


また、資産の一部に外貨を取り入れることで、円安時に円の価値が下がってしまうリスクを分散させることができます。


ただし、外貨建て個人年金保険には、次のようなデメリットもあります。


  • 為替によるリスクがある
  • さまざまな費用がかかる


為替レートによっては、外貨を円に換算する際に不利になるリスクがあります。


また、保険に関する諸費用のほか、通貨交換のための費用や年金の支払い管理費用、解約した場合に発生する解約控除など、さまざまな費用がかかる点もデメリットといえるでしょう。

②変額年金保険

変額年金保険とは、保険会社が保険料を運用した実績により、将来的に受け取る年金などの金額が変わる商品のことです。


契約時にまとめて保険料を支払う「一時払い」の商品が多くみられます。


変額年金保険の主なメリットは、次のとおりです。


  • インフレに対応できる可能性がある
  • 運用実績がよい場合、受け取り金額が増える
  • 相続時、生命保険の非課税枠を利用できる


定額年金保険の場合、将来的にモノの値段が上がりお金の価値が下がったとしても、受け取り年金額は変わりません。


変額年金保険は、こうしたインフレリスクに対応できる可能性があります。


 保険会社による運用成果によっては、将来受け取れる年金が増加するというメリットもあります。


一方、次のようなデメリットもあります。


  • 運用実績によっては元本割れするリスクがある
  • 定額個人年金保険と比べ、節税効果が低くなる可能性がある

代表的なデメリットとして、運用実績が不調な場合、支払った保険料よりも受け取り金額が低くなってしまうというリスクがあげられます。


最低保証が設定されている商品を選ぶこともひとつの手段といえます。

個人年金の利率推移に関するまとめ

個人年金保険は、契約時期によって予定利率が推移しています


特にバブル期前後の金利は高いため、当時加入した個人年金保険がある場合、安易な解約はおすすめできません。


ここ数年の金利はとても低い水準が続いているものの、個人年金保険は定期預金と比較すれば資産の増加が期待できるほか、所得控除が受けられるメリットもあります。


定額個人年金保険だけでなく、外貨を運用する外貨建て個人年金保険や変額年金保険など、さまざまなタイプの商品があります。


ご自身の状況に合わせた最適な保険商品を選ぶためには、プロの手を借りることがおすすめです。


マネーキャリアであれば、無料でプロにオンライン相談が可能ですので、この機会にぜひご活用ください。

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