個人年金保険の世帯加入率は21.9%、20代30代40代は何%?独身女性は何%?

個人年金保険の加入率のデータを生命保険文化センターが公表しています。将来もらえる年金は減っていく中、個人年金の必要性が高まり。個人年金保険の加入率が上がっています。今回は、年代別(20代/30代/40代/50代/60代)、男性女性別、独身既婚別で日本の個人年金保険の加入率をまとめます。

個人年金保険の加入率は全体の21.9%


個人年金保険は、将来の公的年金の上乗せの個人年金の役割を担う保険ですが、その必要性は常に議論されています。

外貨建ての個人年金保険なら1.5%の利率を保証してくれていて(為替変動リスクはあります。)、個人年金保険料控除もあるだけに魅力的な商品ですが、実際の日本人の加入率はどのくらいなのでしょうか?

日本を対象にした生命保険協会の調査(平成30年度生命保険に関する
全国実態調査
)では、個人年金保険の加入率は、全世帯の23%という統計が発表されています。

低所得層を加味すると意外と高い率という印象を受けますが、例えば「独身女性」や「20代男性女性」に限るとどのような結果なのでしょうか?

まずは、簡単に個人年金保険の全体の加入率の推移を確認したのち、加入者の年齢別の加入率を見ていきたいと思います。

個人年金保険の加入率は年々増加傾向にある

老後に最低限の生活水準を保つためには毎月22万円程度のお金が必要だとされています。夫婦の国民年金だけではこの金額をカバーすることができず、企業の厚生年金を合わせても足りないことがあるので、公的年金への不安の増加に伴って、個人年金保険の加入率年々上昇傾向にあります。


生命保険協会の同統計の年推移を表にしてみました。

加入率
(全体)
平成18年16.8%
平成21年18.6%
平成24年19.9%
平成27年18.7%
平成30年19.6%

個人年金保険の加入率が22%近くある理由は、保険会社への信頼と、老後も今までの生活を維持するだけではなくもっとゆとりのある暮らしをしたいという願いも含まれています。


せっかく時間ができたので夫婦で海外旅行に行ったり美味しい物を食べたりするための資金も個人年金保険で積立をすることができます。

年齢層(20代/30代/40代)別のの個人年金保険の加入率

個人年金保険の加入率は若者層(20代/30代)と中高年層(40代以上)ではずいぶん違いがあります。

年齢加入率
(27年)
加入率
(30年)
29歳以下8.8%15.3%
30~34歳13.9%18.6%
35~39歳16.6%20.0%
40~44歳21.2%23.1%
45~49歳26.3%27.9%
50~54歳25.8%31.9%
55~59歳28.8%28.5%
60~64歳28.8%26.5%

参照:個人年金保険の加入率調査


一般的に20代や30代の若い層は個人年金保険にそれほど関心をもっておらず、年齢をかさねるごとに個人年金保険の必要性を感じるようになって加入を検討する人が増えていきます。



最も加入率が高いのは50代のグループで、30%以上が加入しています。


ただ、20代・30代・40代の現役世代の個人年金保険の加入率はグンと伸びています。20代に関しては27年から30年の3年間で2倍ほどまで伸びています。

お金に余裕がない若い世代と余裕がで始める40代以降

個人年金保険の加入率は20代だと50代と比べると半分にも満たず、30代でも19%程度です。これは、当然ながら毎月の保険料が生活費を圧迫してしまうことが原因です。


若い世代は給料も低くて、家庭を築いたり家のローンや教育費などさまざまな出費があるため、公的年金やその他の保険料を払うだけで精一杯なのが現実です。


また仮にお金に余裕があっても、若い世代の方は税制優遇を受けられ、リターンの大きい個人型の確定拠出年金iDeCo(イデコ)もあります。また、少額から始められ、流動性も担保されているつみたてNISAもあります。


40代の個人年金保険の加入率は26%で、30代に比べて一気に上昇しているのがわかります。50代になると30%が加入していて、世代別には最も加入率が大きくなります。


60代の個人年金保険の加入率は22%程度ですが、日本では60歳から公的年金の受け取りが可能になるので妥当な加入率だと言えます。

個人年金保険料は月1万円が相場

生命保険文化センターの同資料によれば、個人年金保険の1世帯あたりの年間平均支払額は約18万円、1ヶ月なら約15,000円支払っていることになります。同じく年間保険料(個人年金保険を含む)は約38万円、1ヶ月なら約32,000円です。


ここからどんなことが読み取れるでしょう。

 「自分が死んだら家族にお金を残せる生命保険」「年金以外に老後の生活費とする個人年金保険」とイメージはしても、すべて「保険」とひとくくりで払っているのが現実だと思います。個人年金は明日、あるいは来年すぐに使えるお金ではない、という点で生命保険と同じです。遠い未来のために今払えるのは「使ったつもりで」「多くも少なくもない」1万円台が相場だと言えると思います。

自営業の家庭は既婚夫婦世帯よりも加入率が高い

サラリーマンは国民年金のほかに厚生年金も受け取ることができますが、自営業の家庭やフリーランスで働いている人は国民年金だけに頼るのは不安です。


個人年金保険に加入することで将来の最低生活水準を維持するプランは、年齢を問わず自営業者に人気があって加入率も増加傾向にあります。


上記で引用した個人年金保険料支払額を職業別に見ると、自営業者は年間約17万6千円に対し常雇被用者(サラリーマンのこと)は16万9千円になっています。


平均は約18万円ですが、これはその他の人(非正規社員、無職その他)が多く支払っているからです。 大過なく勤めていれば原則的には収入の保証があるサラリーマンより、将来の不安を抱えている職種の人が保険料を多く支払っていることが見えてきます。

独身女性の個人年金保険の加入率は?

独身女性の個人年金保険の加入率を示す単独の調査結果は残念ながらありませんが、生命保険(個人年金も含む)に関する調査レポートに関連する記載がありますので、これをもとにお話ししていきます。


調査結果のポイントは以下のようになります。

  1. 男性はお金を増やす投資に興味を持つのに対し、女性は将来に不安を抱えがちな傾向にある。
  2. 未婚の独身女性が増えて、個人年金保険への加入が急増している。
    その理由は、独身女性は一般的な生命保険など遺族保障目的より、医療保険など「自分自身のため」に加入する傾向が強く、次に年齢を重ねてくると老後に備えた貯蓄性の保険、つまり個人年金への加入率が上昇するという意識が働くから。
  3. 女性の社会進出に伴い、裕福な独身女性が増えている。
  4. また女性の老後貧乏も問題になっている。


引用したデータで生命保険商品別加入率を見ると「定額個人年金保険の加入率」は独身女性20代で全体の4.2%が30代になると20.7%、40代で22.7%となり30代以上になると一気に急増しています。

これは変額個人年金保険も同様で20代0.0%(数値なし)が30代で3.4%、40代で9.1%とこちらも急増していることがわかります。

20代/30代/40代の独身女性の加入率が急増

20代より30代、40代と年齢を重ねるほど独身女性の個人年金保険加入率が急増していると上記しましたが、これも上記した③女性の社会進出に伴い、裕福な女性が増えている、④また女性の老後貧乏も問題になっている、という点が要因になっていると思われます。


女性の社会進出と裕福な独身女性

「男性は外で働き女性は家を守る」従来型の家庭像では働き手であるお父さんに万一のことがあった時に備えて、残された家族のために死亡保障を厚くした生命保険をかけるのが一般的でした。


これが女性の社会進出の障壁になってきたのは歴史のとおりですが、これは同時に女性が保険に加入しない要因にもなっていました。


時代は変わり女性が社会進出し「男女平等」という言葉すらあまり聞かれなくなった現在では裕福な女性も増えて生命保険、個人年金の加入率も増加してきたと考えられます。


女性の老後貧乏問題

社会進出が進むと同時に結婚に対する価値観、考えも変化して独身未婚を貫く女性も増えています。


結婚できないのではなく結婚する必要が無い、というより今では独身妙齢(言い方が古いかも知れませんが)の女性はどこにでも普通にいる時代です。


その反面高齢になり貧乏になる女性も増えているようです。独身なので頼るべき身内がいないという点は、女性だからということではなく男女共通の問題です。


こうした将来への不安から、若いうちから長期で個人年金に加入し「自分の年金を自分で作る」女性が増えてきたのだと考えられます。

経済不安(低金利)と個人年金保険の加入率の関係


日本ではマイナス金利になるくらい低金利で経済不安がありますが、経済不安が高まれば高まるほど、個人年金保険への加入率が高くなります。


当然ながら、投資のリターンが小さくなり、リスクが大きくなるため、元本保証などの商品がるけるわけです。超低金利の時代なので銀行にお金を預けておくよりも有利だという考え方もあり、投資家の個人年金保険加入率も増加傾向です。

個人年金保険に加入する方が銀行よりも利率が高い

マイナス金利も登場するくらい超低金利な状態が続いている今日では、銀行の貯蓄口座にお金を入れているだけでは資産が全く増えず、振込手数料や引き落とし手数料を支払っていることから、実質減っている状況と変わりません。


円建ての個人年金保険では、金利は1%程度であり、ゆうちょ銀行なら定期預金でも0.01%(ゆうちょ銀行の定期預金の金利)しかありません。


外貨建ての個人年金保険にすると、為替リスクはあるものの、1.5%から2%程度を保証してくれます。外貨建ての個人年金保険はインフレリスク(日本円の価値が下がること)にも対応しているので、将来の老後資金の積立の1つの手段として保有していた方が良いと考えます。また、投資実績に応じて利率が変動する、変額個人年金保険も注目されています。


そのため、個人年金保険を利用して長期的な投資をすることをフィナンシャルプランナーも推奨しています。

貯金ができない人にも個人年金保険はおすすめ

個人年金保険の加入率は収入が少ない層でも増えています。


普通口座に貯金をしていると簡単に引き出せるのですぐ使ってしまい、いつまでも貯金ができませんが個人年金保険なら受給開始まで引き出せないので必然的に将来のための貯蓄ができて、経済不安や将来の生活不安を取り除くのに役立ちます。

まとめ:日本の個人年金保険の加入率から見る私的年金

この記事では日本の個人年金保険の加入率について

  • 全体の加入率は21.9%で加入率が最も高いのは50代
  • 20代30代40代の加入率が伸びている
  • 独身女性の加入率が既婚と比較しても伸びている
  • 経済や公的年金に対する不安から加入率は増加傾向
以上の点について解説してきました。

近年の公的年金に対する不安から個人年金保険への加入を検討している人は増加しています。

個人年金保険は老後資金の為の資産運用としての側面だけでなく、税金対策などのメリットもあり、老後のための資金作りを検討している方は一度加入を検討してみると良いでしょう。

老後資金の貯蓄、運用方法としては個人年金保険の他にもiDeCoつみたてNISAなどの方法も加入率が伸びています。それぞれについてメリットやデメリットなどをよく理解し比較して、ご自身の生活に最も適した資金作りを是非検討してみてください。

iDeCoについてはこちらの記事で、つみたてNISAについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

個人年金保険の必要性が知りたい方はこちらの記事もご覧ください
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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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