確定申告書の書き間違い・記入ミスは訂正印で訂正する必要はある?

確定申告書の書き間違い・記入ミスの訂正に訂正印は必要ありません。間違えた場合の訂正方法は、間違えた個所を二重線で消すだけで良いです。訂正印を使っても問題はないですが、シャチハタでの訂正は認められていません。確定申告書を誤記入した場合の正しいの訂正方法を解説します。

確定申告での書き間違い・誤記入の訂正・修正に訂正印は必要?

確定申告などの重要な書類はできるだけきれいに仕上げたいものですよね。


とはいえ、どれだけ慎重に書いていても記入ミスしてしまう事はありますから、訂正の仕方や訂正印の使い方が気になるところです。


実は確定申告書の正しい訂正の仕方は一つではなく、いくつかのやり方が認められています。


ここでは、確定申告での書き間違いの訂正の仕方について、以下の様に解説しています。

  • 確定申告書に押す訂正印や訂正の仕方について
  • 手書き以外の申告書の訂正方法
  • 確定申告書の訂正についてのまとめ
この記事を読んでいただければ、確定申告書を書き間違ってしまった時の正しい訂正の仕方について理解が深まり、毎年の申告書の作成の時に迷わなくなるでしょう。


どうぞ最後までお読みください。

確定申告書の記入ミス・書き間違えの訂正に訂正印は不要

確定申告書を毎年手書きで作成する人も多いかと思いますが、記入欄がたくさんあるので気を付けていてもどこか書き間違えてしまう事は多いものです。


書き始めならば新しい用紙に書き直すこともできますが、ある程度書き込んでしまっていたら書き間違いのある箇所だけを直した方が効率が良いですよね。


書類の文字や数字を訂正するときは印鑑による訂正が必要と考えるかもしれませんが、確定申告書に関しては訂正印は必須ではありません


以下で詳しく解説していきます。


特別な理由で確定申告書を再発行したいという方は別の記事で詳しくまとめていますので、そちらを参考にしてみてください。

確定申告書の訂正方法①間違えた個所を二重線で消すだけで良い

手書きの申告書は2枚複写の様式になっていて、記入する時はボールペンで強く書き込みます。


鉛筆消せるボールペンなどの筆記用具は、申告書や重要な書類の記入には相応しくありません


間違ってしまったらその箇所にボールペンで二重線を引き、正しい内容を上や横の余白に書き、矢印などを書いて訂正箇所との対応が分かるようにしておきます


特に赤ペンなどを使う必要はなく、記入に使っていたボールペンをそのまま使用して訂正すれば問題ありません。

申告書の記入例

確定申告書の訂正方法②訂正印を使っても問題はない(シャチハタはNG)

記入ミスをした箇所に二重線を引いて線の上に訂正印を押す方法は昔から使われており、今でも契約に関する書類などにはよく使われる手法です。


確定申告書の訂正の時には訂正印を押す必要はないのですが、押しても特に問題はありません。


訂正印には、「印鑑を押した人が確認した」という意味も込められています。


確定申告書には第1表に申告者の印鑑を押すところがあり、訂正印を押すときはなるべく同じ印を押した方がよいでしょう。


会社などで書類にはシャチハタを使っているという人は、訂正印にも使えるのか気になるかも知れませんね。


普段便利に使っているシャチハタですが、正式な書類には使うべきではなく、申告書にも使えないので、訂正印としても使用は控えるべきです。同様に名前のゴム印も使用できません。

参考:扶養控除等申告書の記入間違いの訂正方法とは?訂正印は必要?

国税庁にて各種申告書の記載ルールは統一されいるため、扶養控除申告書も確定申告書と訂正方法は同じです。


書き損じなどにより訂正する場合は以下のようにしましょう。

  • 訂正箇所に二重線を引く
  • 上の欄など空白に正しい記載をする
  • 訂正印は不要

間違えた箇所から訂正した箇所へ、矢印(→)を記載しておくとさらにわかりやすいですね。


誰が見ても分かるように訂正されていれば大丈夫です。 


なお、あまりに訂正箇所が多く見づらくなる場合には、内容が確認しにくくなるため、改めて新しい用紙をもらい、書き直したほうがよいでしょう。

注意:確定申告書の提出日の訂正は必要ない

確定申告書には提出日を記入する欄があり、前もって記入しておくことも多いでしょう。


提出する日を決めていても何かの理由で都合がつかなくなると、提出日が変わってしまいます。


二重線で提出日を訂正してもよいですが、実は提出日はそれほど気にする必要はありません


申告書を郵送する時は郵便局で日付印が押されますし、税務署で受け付けた後には受領印が押されます。これらの印は提出日とは異なることがほとんどです。


どうしても気になる時は訂正しても良いですが、あくまで予定日として記入し、異なる日に提出したとしても特に問題にはなりません。

【要注意】確定申告書の訂正に修正液や修正テープの使用はNG

確定申告書は個人が作成する私文書にあたり、1年の収入と支出を確定し、納める税金を決定し、次の年の納税にも関わる重要な文書です。


そのため、訂正も最小限にしてきれいに提出したいところですよね。


記入間違いを訂正する時に、二重線よりも修正液や修正テープで消して書き直した方がきれいにみえると思うかも知れません。


しかし、これらは誰でも何度でも修正ができてしまうので、私文書としての証拠能力が失われてしまうこと、文書の偽造が疑われることなどの理由から使うべきではありません。

参考:手書き以外の方法で作成された確定申告書の修正方法

最近はパソコンやインターネットの普及から、手書き以外の方法で確定申告書を作成する人が増えています。

手書きしているわけではないので、訂正は手書きでも良いのか、それとも新しい用紙で作成し直す必要があるのか、気になりますね。

基本的には新しく作成して出し直しても良いですし、間違えたところだけ二重線で直しても良いでしょう。

手書き以外の作成方法は、訂正して正しく直すのも簡単ですし、綺麗に作り直すのも簡単であるという利点があります。

以下では手書き以外の申告書の訂正法について詳しく見ていきましょう。

会計ソフトやスマホ用e-Taxソフトなどで作成した場合

確定申告用の会計ソフトe-Taxソフトを利用している人は多いでしょう。手書きでは面倒な仕訳を簡単に行えるうえ、申告書の作成にも素早く対応させることができます。


申告書を作成して提出するのも簡単で、できたらすぐにデータ送信するだけで申告が終了します。


もしデータを送信する前に間違いに気付いたならば、普通にデータを修正します。


データを送信してしまった後に気が付いたときでも、正しく修正した後のデータを改めて再送信すれば、後のデータを有効としてくれますので心配はいりません。

国税庁「確定申告書作成コーナー」で作成した場合

国税庁のホームページらも確定申告書の作成をする事ができ、データを入力した後プリントアウトして提出するか、そのままデータを送信して申告する事ができます。


提出前に間違いに気が付いたときは再入力するか、手書きで直して訂正印を使っても問題ありません。


もし作成してそのまま送信してしまった後に気が付いたときは、正しいデータを再度入力し、修正したデータを再送信すれば、新しい方のデータが有効となります。


慌てずに正しく入力して送り直しましょう。

確定申告書作成コーナー

確定申告書の提出後に記入ミス・書き間違いに気づいた場合

確定申告書を提出した後に、記入ミスに気がついた場合は以下のように対応しましょう。

  • 提出期限内の場合は「訂正申告」

提出書類は、最後の申告書が有効となりますので、正しい申告書を再提出します。
 

上部余白に赤で「訂正申告」と記しておくとなお良いでしょう。 

  • 提出期限後、税金を払いすぎた場合「更生の請求」

税金を納めすぎた、還付金が少なかったときは「更生の請求書」と証明書類を提出します。 

 申告期限から5年間であればいつでも可能です。 

  • 提出期限後、払った税金が少なかった場合「修正申告」

必要な税金を納めていなかったり、還付金を多く受け取っていたときは、すぐに「確定申告書B第一表」と「修正申告書」を提出します。


提出する日に延滞税とあわせて支払います。

もし指摘を受けた場合は過少申告加算税も支払う義務があります。

参考:確定申告とはそもそも何?

収入を得る人には所得税を収める義務があります。


1年に1度、1月1日~12月31日までの所得に応じて所得税額を確定し、国へ申告することを確定申告とよびます。


確定申告には以下の手続きがあります。

  • 1年間の所得や経費から、所得税額を自身で計算・確定し、申告をする作業
  • 既に収めた税金に対し軽減措置がある場合、控除を申請し還付手続きをする作業

この2つの手続きにて、課税所得に対し適切な所得税を納付することになります。


また確定申告を行うことで、自治体へ申告内容が届き、住民税額も決まります。  

確定申告期間とは

確定申告期間は、毎年2月16日~3月15日までの、年1回です。

(2月16日、3月15日が土日の場合それぞれ翌月曜日)


e-taxであれば上記期間中は土日含む24時間送信可能となっています。


申告も納税も申告期間内に行います。


また確定申告で、税金の還付を受ける場合は、翌年1月1日から5年間受付可能です。


なお、国税庁は新型コロナウイルスの対策として、2019年度分の確定申告に限り、申し出があれば4月17日以降も申告可能としました。

その際は申告書の余白欄に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記入する必要があります。

確定申告が必要な人

確定申告は、収入が給与のみの場合、会社が年末調整で税金の過不足を調整しているので基本的に確定申告は不要です。

ただ、主に以下に該当する方は確定申告をする必要があります。

  • 個人事業主・フリーランス
  • 不動産収入、投資による収入がある
  • 公的年金を受け取っている

個人事業主、フリーランス

1年間に売上があり、経費と控除額を引いた後、課税所得がある場合

不動産収入・投資による収入がある
家賃収入や、株取引・投資信託等で利益を得た場合

公的年金を受け取っている方

公的年金等控除額よりも年金額が上回る場合

ただし、確定申告不要制度に該当する場合は不要


また、2ヶ所以上で給与がある、副業がある、収入が2000万円以上ある、退職金を受け取ったが源泉徴収されていないなどの場合も確定申告が必要とされています。


また還付作業を行うとよい方は

  • 年間10万円以上の医療費を払った:医療費控除
  • ふるさと納税などの寄付をした:寄付金控除
  • 住宅ローンを組んだ1年目:住宅ローン控除

など、各控除により税の軽減措置が受けられます。


該当する方は、忘れずに確定申告を行うようにしましょう。

まとめ:確定申告書の記入ミス・書き間違いの訂正に訂正印は不要

ここまで確定申告書の書き間違いと訂正印の使い方について説明してきましたが、いかがでしたか。


この記事のポイントをまとめると以下の様になります。

  • 確定申告書を訂正する時は間違えた場所に二重線を引いて、近くに正しいものを記入する
  • 訂正印は押しても押さなくても良いが、シャチハタやゴム印は避ける。
  • 提出日が違ってしまっても訂正印などでの修正は特に必要ない。
  • 修正液や修正テープは使用しない。
  • 手書き以外の申告書のときは、再入力しても良いし、訂正印などを使って訂正をしても良い。
医療費控除などで会社員の人でも確定申告書を作る機会があるでしょう。


基本的に申告書には訂正印は不要で、申告内容を間違えたら再度正しい内容に修正したものを提出し直せばOKです。


もし訂正印を押すときは申告書内で統一した印鑑を使った方がよいでしょう。


申告の時の参考にしてくださいね。


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