更新日:2022/03/09
保険で資産運用はおすすめできない4つの理由をプロが徹底解決!
保険で資産運用をしようとしている人はいませんか?保険は本来リスクヘッジのための商品で、資産運用をするための商品ではありません。保険で資産運用をおすすめできない理由や、資産運用目的の保険が売られる背景も含めてわかりやすく解説します!
- 保険で資産運用を考えている人
- 保険会社などから資産運用目的の保険を勧誘された人
- 現在加入している保険について悩んでいる人
内容をまとめると
- 資産運用目的の保険は、手数料が高い上に利回りも低いのでおすすめできない
- 特に外貨建て保険は金融庁も問題視しており、リスクが高い
- 資産運用目的の保険に加入している人は、極力解約を検討すべき
- 資産運用や保険についての相談は、満足度93%のマネーキャリアへ!
目次を使って気になるところから読みましょう!
保険で資産運用はおすすめできない4つの理由
保険で資産運用、という話は保険会社などから聞いたことがあるでしょう。どうしても保険会社や提案者とのお付き合いをしていきたいなら契約するのは構いませんが、基本的にはおすすめできません。
保険で資産運用がおすすめできない理由は4つです。
- 利回りが低い
- 手数料が高い
- 保険と投資を一つの商品にまとめるべきではない
- 途中解約すると元本割れになる
理由①利回りが低い
保険は利回りが低いです。
予定利率と実際の利回りは異なる上に、日本の10年国債利回りは0.1%台と低迷しています。これでは、保険で1%以上の利回りを出すことすら困難でしょう。
外貨建て保険ならもう少し利回りは上がりますが、為替変動リスクがあります。実質的には元本確保ですらありません。
投資なら、自由に始められ、簡単に換金できます。運用利回りも3%~7%程度は現実的な数値なので、明らかに保険の利回りは低いと言えます。
理由②手数料が高い
近年、金融庁が問題視し始めている手数料。既に投資信託では手数料の高さが問題になり、情報開示が進んでいます。
一方、保険は未だに手数料が不透明で、公表していない保険会社が残っています。公表されていないのをいいことに、保険会社は代理店や営業担当者へ報酬を出す代わりに、手数料として契約者へ押し付けるのです。
投資信託は、基本的に手数料の低いインデックス投信が優良商品となり、信託報酬が0.1%前後取られるだけになっています。
理由③保険と投資は分けて考えるべき
保険と投資は、全く別のものです。
保険は自分を守るもの、投資は自分の資産を増やすもの。これらを混ぜて1つの商品にした保険が、いかに変な商品か想像に難くないと思います。
保険は、リスクに対する備えでしかありません。保険で資産運用などという言葉には、違和感を持つべきです。
理由④途中解約したら元本割れする
資産運用としての保険は、元本確保型の商品という説明をよく受けます。元本確保というと、元本保証と誤認する人がいますが、実際は全く違います。
保険の元本確保は、あくまで満期まで保険を持ち続けた場合です。途中解約時には元本割れしますし、万が一保険会社が倒産すれば元本割れします。
つまり、資産の流動性が極めて低くなるのです。
投資なら、元本保証ではない代わりに自由に解約できます。解約時の手数料も投資信託なら無料ですし、株式でも少額なら手数料を無料にしているネット証券が複数存在します。
資産運用のために利用される主な保険の種類
そもそも資産運用として利用される保険には、どのようなものがあるのでしょうか。商品名だけでも知っておくことで、余計な保険に入らずに済みます。
- 外貨建て保険
- 個人年金保険
- 変額保険
①外貨建て保険
資産運用として代表的なものは、外貨建て保険です。
近年、金融庁が特に問題視している保険でもあり、ホームページでも各保険会社に商品内容やリターンの状況などを報告するよう求めています。
(参照:外貨建保険の販売会社における比較可能な共通KPIについて|金融庁)
外貨建て保険の問題点は、手数料にとどまりません。
受け取る保険金や年金、解約返戻金が全て外貨となるため、為替相場の動向によってリターンが大きく変動してしまいます。
例えば、比較的安定的に推移しているドル円でも1ドル=80円~120円前後の幅があります。現在は比較的円安に進んでいるため外貨建て保険で持っていても問題ないと考えがちですが、一度リーマンショック級の経済恐慌や大震災が起きれば、急激な円高が進んでもおかしくありません。
実際に、2011年3月11日には東日本大震災が発生し、1ドル76円台まで円高が進んでいます。もしこのときに外貨建て保険が満期となり、保険金が外貨で給付されれば大損です。
②個人年金保険
個人年金保険は、払い込んだ保険料から運用利率を上乗せした額を年金として支給する保険です。
マイナス金利以前は決して悪い保険ではなく、50代でそこそこお金持ちの個人が500万、1000万円単位で一括で払い込めば、10%~15%上乗せされて年金として支給されました。
50代にとって老後は目前で資金の拘束期間も短いため、円建てである程度のリターンがある年金保険は、安定的な運用の選択肢としては悪くなかったと思います。
ただ、マイナス金利でかなり旨味は薄れています。また、個人年金保険はインフレに極端に弱く、特に20代~30代で個人年金保険に入るのはインフレリスクが高すぎるのでおすすめできません。
なお、個人年金保険には外貨建てもありますが、①で説明した通り、おすすめできる保険ではないです。
③変額保険
変額保険とは、資産を株式や債券を中心に運用し、その実績によって保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。
iDeCoで運用する投資信託と似ていますが、全体的な手数料はiDeCoより高めです。保険の機能が付加されている変額保険が多く、商品内容も複雑になります。
運用をしたいなら、純粋にiDeCoやつみたてNISAにした方がよいでしょう。変額保険でも投資でも、最終的に利益になるか損失になるか分からない点では、何も変わりません。
すでに資産運用のために保険に契約している場合はどうする?
「そんなことを言われても、もう資産運用のために保険入ってるよ」という人もいるでしょう。
どうすべきかは、あなたの年齢やどんな保険かにもよります。以下のような場合は、あまり解約を急がない方がいいです。
- 満期が近い(数年後~5年以内)
- 外貨建て保険ではなく、元本確保型の保険である
- 解約すると大幅に元本割れし、損失額が大きすぎる
- 満期までかなり先(数十年以上)
- 外貨建て保険に加入している
- 払込保険料が少なく、損失額が小さい
資産形成のために生命保険加入は必要性が高い!
資産運用のための保険はダメですが、純粋な生命保険・医療保険への加入は、万が一のリスクヘッジとして有効です。
特に、資産形成初期段階の20代~30代は、病気やケガの確率は低いとはいえ、万が一のリスクには備えなければいけません。民間保険は不要という意見もありますが、金融資産の乏しい人が鵜呑みにすると、医療費が払えなくなるリスクもあります。
保険のメインは保障であり、リスクヘッジのための商品です。生命保険や医療保険の加入は、自分や家族を守るための保険として、積極的に検討すべきでしょう。
ただし、過剰な保険をかけて日々の生活が苦しくならないように注意してください。
【コラム】貯蓄型保険や運用目的の保険は営業マンの手数料率が高い!
実は、貯蓄型保険や運用目的の保険が売られるのは保険会社側の理由があります。営業担当者の手数料が高く、会社の収益にもつながるからです。
手数料が高ければ高いほど、営業担当者の給料も増えます。そのため、保険会社に所属する営業担当者が積極的にこれらの保険を売るのは、仕方のないことです。
大手の保険会社では、公平性を担保するためにFP2級、1級(国家資格)やAFP、CFP(民間資格)をちらつかせますが、結局会社に雇われている以上何の意味もありません。
会社に属さない独立系のFPでも、貯蓄型保険や運用目的の保険を押し売りするような人は、信用しないほうがいいでしょう。
まとめ:正しい保険の活用方法を知りたいならマネーキャリアで無料相談!
ここまで、運用目的の保険について解説しました。
- 運用目的の保険に経済合理性は全くなく、入る必要はない
- 運用したいなら保険と一緒にしない方がいい
- もし加入してしまっているなら、状況に応じて解約する方向で考える
- 貯蓄型保険や運用目的の保険を売るのは会社と営業担当者が儲かるから