平均出産年齢は30歳!妊娠率やリスクからみる出産年齢のベストとリミット

厚生労働省によると、出産(初産)平均年齢は約30歳とされています。しかし、妊娠率や出産のリスクから考えるとこの平均年齢は理想的なのでしょうか。ここでは出産平均年齢を初産から第二子・第三子まで解説し、ベストな出産年齢・リミット、高齢出産のリスクまで徹底解説します。

平均出産年齢は何歳?ベストな出産年齢は?

内容をまとめると

日本の平均出産年齢は以下の通り

・第一子(初産)出産時の平均年齢(2018年) 

男性:32.8 

女性:30.7 

・第二子(初産)出産時の平均年齢(2018年) 

男性:34.6 

女性:32.7 

・第三子(初産)出産時の平均年齢(2018年) 

男性:35.6 

女性:33.7 

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近年では晩婚化が進んだため、結婚年齢や出産年齢が年々増加傾向にあります。


しかしいくら医療体制が整い高齢出産する人が増えたとしても、年齢が上がるにつれ当然出産のリスクは増加していきます。


これから結婚や子供を作ることを考えている方には「いつまでに結婚すればよいのか?」、「何歳くらいがベストな妊娠の年齢なのか?」、「高齢出産のリスクやリミット年齢はいつ?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?


そこで今回の記事では、

  • 日本人の男女別平均出産年齢
  • 先進国の出産年齢平均
  • 妊娠・出産のベストな年齢
  • 出産年齢のリミット(参考)
をそれぞれ説明します。

これから結婚・出産を考えている方は是非最後までご一読いただき、今後のライフプランを考える上での一助になればと思います。

日本の平均出産年齢を男性・女性別で紹介!

現代の日本では女性の社会進出や価値観の多様化により初婚の年齢が男性・女性ともに年々増加傾向にあります。

現代に産まれた子どもの親の世代の出生時期である30年程前は、初婚の妻の平均年齢は25.5歳でした。(2018年は29.4歳)

また結婚年齢の増加に伴い平均出産年齢も増加しています。

以下では第一子から第三子出産時における、男女の平均年齢を説明します。

第一子(初産)出産時の平均年齢

第一子(初産)出産時の男女別平均年齢を以下に示します。


【第一子出産時の平均年齢推移】

年度男性
(歳)
女性
(歳)
1985
29.626.7
199430.0
27.4
200030.228.0
2005
31.129.1
201032.029.9
201132.130.1
201232.330.3
201332.530.4
201432.630.6
2015
32.7
30.7
201632.830.7
201732.830.7
2018
32.8
30.7

(厚生労働省:人口動態調査を参照)


第一子出産時の平均年齢が30.0歳を超えたのは男性が1994女性が2011年でその後も2018年まで増加し続けています。


ただ最近の10年程は男女ともに劇的な年齢の増加は見られないため、今後も同程度の水準で推移するでしょう。

第二子(二人目)出産時の平均年齢


第二子(二人目)出産時の男女別の平均年齢を以下に示します。


【第二子出産時の平均年齢推移】

年度男性
(歳)
女性
(歳)
198532.029.1
199432.429.7
200032.630.4
200532.931.0
201033.731.8
201133.832.0
2012
34.032.1
201334.232.3
201434.332.4
201534.432.5
201634.532.6
201734.632.6
2018
34.6
32.7

(厚生労働省:人口動態調査を参照)


第二子出産時の平均年齢は第一子出産時の平均年齢と違い、ここ数年でも微小ながら増加し続けています。


従って今後も微増を続けるでしょう。

第三子(三人目)の出産時の平均年齢


第三子(三人目)出産時の男女別の平均年齢を以下に示します。


【第三子出産時の平均年齢推移】

年度男性
(歳)
女性
(歳)
198534.231.4
199434.932.0
200034.732.3
200534.632.6
201035.033.2
201135.033.2
201235.233.3
201335.233.4
201435.333.4
201535.433.5
201635.533.6
201735.533.7
2018
35.6
33.7

(厚生労働省:人口動態調査を参照)


第三子の男女の平均年齢では、第一子・第二子で見られなかった年齢の減少がみられます(1994年~2005年)。


しかし第三子の出生数をみると平成30年は第 1 子426,407人、第 2 子338,094人、第 3 子以上は153,899人であり、第三子の数が少ないため第一子や第二子と平均年齢の傾向が異なっているからです。

世界(先進国)の出産年齢平均データ|日本は世界で三番目に高齢出産


先進国における第一子出産時の女性の平均年齢のデータを以下に示します。



【先進国における第一子出産時の女性の平均年齢】

平均初産年齢
(歳)
アメリカ26.4
ハンガリー27.9
カナダ
28.5
フランス
28.5
イギリス
28.7
オーストリア29.2
デンマーク29.2
ドイツ29.5
ポルトガル29.5
アイルランド29.6
ギリシャ30.2
日本
30.7
スペイン30.7
イタリア30.8
韓国31.4

(アメリカのシンクタンク:ビュー研究所の分析結果から引用)


シンクタンクの調査結果から、日本は先進国の中では世界で3番目の高齢出産国であることが分かります。


世界的に晩婚化が進んでいるとはいえ、日本のように第一子出産時の女性の年齢が30.0歳を超えている国はまだまだ少数です。


日本における少子高齢化の要因には、仕事や子育てが両立できる環境が未整備であるといった日本社会の構造的な問題考えられます。

ベストな妊娠・出産年齢は?平均とされる30歳前後は遅い?


妊娠・出産のベストな年齢は20歳代、遅くても35歳までと考えられます。


何故なら、

  1. 自然妊娠の可能性が急激に下がる
  2. 流産やダウン症などの胎児異常が増える
  3. 30代後半から卵胞の数が急減する
などの理由からです。

従って現代の平均出産年齢である30歳前後の妊娠・出産は決して遅すぎるというわけではありません

しかし子宮内膜症子宮筋腫等がある場合は卵巣機能が低下するため、より早い妊娠・出産をする方が無難です。

これらの症状が分かっている人は主治医の先生と妊娠時期についてよく相談するようにしましょう。

参考:年齢別妊娠率から考える、出産年齢のリミットとは


年齢別にみる妊娠率の推移を以下に示します。


【年齢別の妊娠率の推移】

女性の年齢男性と女性が同年齢
の妊娠率(%)
男性が女性よりも五歳上
の妊娠率(%)
19~26歳5545
27~34歳4039
35~39歳2918

(内閣府:妊娠適齢期を意識したライフプランニングより引用)


妊娠率は35歳を過ぎると男性と女性が同年齢であっても30%程度、男性が女性よりも五歳上の場合は20%程度に低下します。


これは女性だけでなく、男性も40歳以上になると相手を妊娠させる能力が低下するためです。


年齢別の妊娠率を見る限りでは27~34歳と35~39歳の間では10%の差しかありませんが、35歳以上になると流産の頻度が急激に上昇していきます。


また35歳以上になると流産以外のリスクが高くなります。

高齢出産は35歳から|高齢出産によるリスクを知っておこう


日本産科婦人科学会では35歳以上で初めて出産する人を「高年初産婦」としています。


高齢出産のリスクには、

  1. 流産のリスクの増加
  2. ダウン症などの先天異常のリスクの増加
  3. 妊婦特有の病気の発症リスクの増加
  4. 難産のリスクの増加
等があります。

流産のリスクの増加

【年齢別に見る自然流産率】

年齢区分流産率(%)
24歳以下16.7
25~29歳11.0
30~34歳
10.0
35~39歳20.7
40~44歳41.3

35歳から急激に流産率が上昇します。

先天異常のリスクの増加

【年齢別に見る染色体異常を持つ子供が産まれる頻度】
母の年齢
染色体以上児の発症率
(%)
252.1
302.6
355.2
40
15.2
4547.6

35歳から染色体異常児が徐々に増えていきます。

妊婦特有の病気の発症リスクの増加

妊婦特有の病気には「妊娠⾼⾎圧症候群」や「妊娠糖尿病」等があります。

妊娠高血圧症候群は妊娠中に高血圧となり、それが原因で母体に血管や臓器の障害が発生するものです。発症頻度は母親が40歳以上で約8%とされ、35歳未満の妊婦のほぼ2倍になります。

妊娠糖尿病は妊娠中に起こる糖の代謝異常で、35歳以上では30~34歳のほぼ2倍になります。

難産のリスクの増加

高齢出産では産道が広がりにくい、陣痛が弱すぎる、膣の入り口が柔らかくなりにくいなどが原因となる難産になりやすいです。

日本・世界の出産年齢平均データまとめ

これまで日本・世界の出産年齢平均を説明しましたが、いかがだったでしょうか?


今回の記事のポイントは、

  • 日本人の第一子出産時の平均年齢は、男性:32.8歳・女性:30.7歳
  • 世界の先進国の中では日本は三番目の高齢出産国
  • 妊娠・出産のベストな年齢は20歳代、遅くても35歳まで
  • 第一子出産年齢(初産)のリミットは35歳
でした。

本記事では第一子出産年齢のリミットを統計等の結果から35歳としていますが、当然ながら個人差があるため一概には言えません

子宮内膜症や子宮筋腫などがある場合はリミットがもっと低い年齢になりますので、不安な方は必ず主治医の指示を受けるようにしましょう。

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