更新日:2022/09/18
人工授精の費用は?医院による値段の違いや手順による料金の違い
人工授精(aih)の一回の費用ってどのくらいなの?と不妊治療のトータルの平均料金にお困りだと思います。実際に、妊娠率を上げるために人工授精をお考えだと思いますが、医院や流れにより費用は違います。今回、医院や手順での金額の違いから費用が安くなる保険まで紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
人工授精(aih)の一回当たりの平均費用ってどのくらい?流れに応じた料金プラン
不妊治療の一つに人工授精(aih)があります。人工授精と聞くと、「費用がかかりそう」「保険はきかないだろう」というイメージを持つ人も多いでしょう。
そこで今回は、人工授精(aih)について、
- 人工授精の流れや平均的な料金プラン
- 人工授精を含めた不妊治療にかかる費用
- 人工授精にかかる費用のクリニックごとの違い
- 人工授精でかかる費用負担が増える場合
- 人工授精でかかる費用負担を抑える方法
妊娠の確率を上げるための人工授精を、お金のために諦めたくないですよね。
人工授精を考えているけれど費用負担が心配、という人はぜひ参考にしてみてくださいね。
人工授精の一般的な流れとは?
不妊治療にも様々な治療方法があります。人工授精(aih)は精子がうまく子宮に入れないケースで行われる不妊治療です。
そのため、治療内容を簡単に説明すれば精子を女性の子宮へ直接注入することになります。
人工授精の一般的な手順
人工授精の一般的な手順は以下の通りです。
- 精子を採取する
- 精子を洗浄・濃縮する
- 精子を子宮内に直接注入する
これらを女性の排卵前日または当日に行います。
人工授精で行われる治療は、精子を子宮内に注入するところまでになるので、子宮内に注入された後の過程は自然妊娠と同じです。
人工授精で注入された精子が卵子に受精し、子宮へ着床すれば妊娠が成立します。
人工授精で妊娠できる確率
人工授精で妊娠できる確率は1回あたり5%〜10%ほどです。
人工授精で妊娠する人の9割ほどは、4回〜6回までのうちに成功すると言われています。
そのため、4回〜6回を目安に人工授精を行い、その後体外受精に切り替えると有効です。
人工授精の内容による料金プラン
人工授精は自費診療が基本となります。
人工授精の初診費用
人工授精の初診費用は検査内容等によっても料金が変わります。
項目 | 詳細 | 料金 |
---|---|---|
初診料 | エコーなし | 4,000円 |
エコーあり | 6,000円 | |
感染症検査 | 18,000円 | |
風疹抗体 | 2,000円 | |
精液検査 | 5,000円 |
人工授精の診療費用
実際に人工授精をする場合には、人工授精費用だけではなく、様々な検査費用がかかる場合があります。
なかには保険が適用される検査などもありますので、わからないことはクリニックに相談すると良いでしょう。
人工授精費用・検査費用 | 料金 |
---|---|
人工授精 | 20,000円 |
ホルモン検査 | 2,000円 |
着床期検査 | 3,000円 |
子宮卵管造影 | 7,000円 |
精液検査 | 5,000円 |
フーナーテスト | 4,500円 |
人工授精を含めた不妊治療全体でかかる費用
もちろん不妊治療は人工授精(aih)だけではありません。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、15.6%のカップルが不妊検査・不妊治療を経験したことがあると答えていることからも、不妊治療がますます身近なものになっていると言えるでしょう。
そこで気になるのが、不妊治療にかかる金額の平均です。
まず妊活全体にかかる費用は平均して約35万円と言われています。
ただし、妊活というのは、
- 基本的な検査
- 一般不妊治療:タイミング法・人工授精
- 高度不妊治療:体外受精・顕微授精
そして、
- 一般不妊治療にかかる平均金額は約134万円
- 高度不妊治療にかかる平均金額は約193万円
人工授精を受けるにあたってクリニックでの費用や料値段の違い
人工授精にかかる費用はクリックによって異なります。実際に、2つのクリニックの費用を比べてみましょう。
Aクリニック | Bクリニック | |
---|---|---|
人工授精 | 21,000円 薬代含まず | 20,000円 薬代含む |
子宮卵管造影 | 7,500円 | 7,000円 |
風疹抗体 | 2,190円 | 2,000円 |
精液検査 | 1,500円 | 5,000円 |
人工授精は5〜6回ほどかかることもあるので、人工授精にかかる費用はもちろん、その他の検査にかかる費用などについてもあらかじめ医師から聞いておくと良いでしょう。
また現在では、不妊治療を専門としている医師の在籍するクリニックもあります。
不妊治療のクリニック選びに悩む人も少なくありませんが、不妊治療のプロともいえる専門医に診てもらうことをお勧めします。
人工授精を受けるにあたって不妊治療の専門医のいるクリニックの費用例
では不妊治療の専門医のいるクリニックで人工授精をする場合にかかる費用を具体的に説明します。
ここでは不妊専門クリニックでの費用を参考に説明していきます。
まず、不妊治療を始めるにあたり、初診として様々な検査があります。
- 初診料(エコーあり):6,000円
- 感染症検査:18,000円
- 風疹抗体:2,000円
- 精液検査:5,000円
- ホルモン検査:2,000円
- 着床期検査:3,000円
- 子宮卵管造影:7,000円
- フーナーテスト:4,500円
人工授精を受けるにあたって安全で安いクリニックの費用例
もちろんクリニックによって人工授精にかかる費用は変わります。
ここでは先ほどのクリニックよりも安く人工授精ができる例をご紹介します。
このクリニックでは人工受精1回あたりの治療内容は
- 排卵日・人工受精実施日を特定する診療
- 人工受精
排卵日・人工受精実施日を特定する診療では、
- 診察料:220円
- 検査料:1,590円
そして実際に人工受精をするときには
- 人工受精費:18,100円
- hCG注射:1,060円
- 薬代:7,582円(12日分)
この他に検査などを受ければさらに費用はかかりますが、このクリニックで人工授精を1回するのには28,552円ほどかかることになります。
不妊治療にはなにかとお金がかかります。そのため、少しでも経済的な負担を抑えるために、このような安全で安いクリニックを探すことも大切です。
しかし、「どうしてもこのクリニック・先生で不妊治療をしたい」という思いをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこで、不妊治療の助成制度を利用することも一つの手段として挙げられます。
残念ながら、人工授精の場合は国からの助成制度はありませんが、住んでいる地方自治体によっては人工授精の段階から助成金を受け取ることができることもあります。
例えば神奈川県大和市では、
- 法律上婚姻している夫婦
- 治療日・申請日において夫婦が大和市に住民登録をしている
- 公的健康保険に加入している
- 神奈川県不妊に悩む方への特定治療支援事業要綱の助成決定を受けている
- 大和市の市税などに滞納がない
【注意】人工授精を受けて疾病やケガにより費用が上がることも!
ここまで人工授精にかかる費用について具体的なシミュレーションをお伝えしてきました。
ここで注意しなければならないのが、人工授精を行うのにあたって疾病が発覚することがあり、それに伴ってその治療費がかかることがあるという点です。
人工授精を行う際には、妊娠がより成功しやすくなるように、排卵や子宮の状態を確認する検査を受けることがあります。
その際、
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
不妊治療中の医療保険:子宝エール
現在、不妊治療を受けている人が増えていることもあり、不妊治療のための保険も登場しています。
その一つが、不妊治療中の医療保険「子宝エール」です。
子宝エールは、アイアル少額短期保険株式会社の保険商品で、
- 不妊治療中で保険に加入できなかった
- 不妊治療中だと保障されないものもある
人工授精は医療費控除の対象
高額になりやすい人工授精ですが、実は人工授精にかかる費用は医療費控除の対象になります。
医療費控除とは、治療に払った医療費が1年間で一定額を越える時、手続きをすれば税金が安くなって税金還付として受け取ることができる制度です。
医療費と聞くと、病気やケガによる通院・入院での治療がイメージされるかと思いますが、人工授精にかかる費用も医療費として、医療費控除の対象になります。
ただし、医療費控除の対象となる医療費は細かく決まっているため、必ず確認が必要です。
簡単に説明すれば、
- 人工授精費用は医療費控除の対象
- クリニックで処方された薬代は医療費控除の対象
- 妊娠検査薬は医療費控除の対象外
また、これ以外にも、
- 不妊治療の一環としてのマッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師の施術費用
- 不妊治療を受けるための通院等にかかった交通費(公共交通機関に限る)
- 医師紹介の紹介状手数料
まとめ:人工授精は自分の状態と費用を確認してから決めて、妊娠の確立を上げる
今回は、人工授精にかかる費用や不妊治療にかかる費用を安くするサポートについて詳しく解説してきました。
この記事のポイントは、
- 人工授精は精子を子宮に直接注入して自然妊娠の確率を高める不妊治療の一つ
- 人工授精費用だけではなく、検査費用や投薬費用などもかかる
- 人工授精にかかる費用はクリニックによって異なるが5回〜6回程度受けることになることを考慮しておく
- 地方自治体の助成金や医療保険・医療費控除を活用して経済的負担を軽くすると良い