pet検査に医療保険は適用されるのか?意外と知らないpet検査の条件

最近になって広がりを見せているpet検査ですが、この検査が医療保険の対象となるのはあるルールがあります。またpet検査自体にも受ける過程があり、医療保険を適用する際には医師の判断を仰がねばなりません。今回はpet検査の流れとその条件に付いてご紹介します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

PET検査とは何か

PET検査というのは「陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography)検査」というモノです。


これでは一体何なのか分かりませんが、簡単に言うとガン細胞を早く見つけようという検査のことです。


具体的に言うと検査薬を点滴として使い身体に送り込んだのち専門の機械で撮影することでがん細胞を見つける検査となります。


この検査薬はがん細胞しか反応を示さないことからpet検査はガンに印をつける検査ということが分かるでしょう。

では、このPET検査というモノは公的医療保険(健康保険)の対象医療なのでしょうか。


いくらPETが優れているからと言ってもその医療費を全額負担しながら受診するのは些か厳しいものがあります。



PET検査の医療保険の適用は”一部”:そのケースは

昔のPET検査では、健康保険の適用は一部を除き対象になりませんでした。

しかし、平成22年4月より早期の胃がんを除く全ての悪性腫瘍に健康保険の適用が認められるよう変化しました。


しかし、注意したいのがレントゲン検査やMRIなどの画像検査に加え、血液・超音波などその他の検査によって診断・転移・再発の診断が確定できない方やすでに診断されている方の限定とされています。


では、PET検査の医療保険の適用の一部のケースを1つずつご紹介していきます。


悪性腫瘍※(早期胃がんを除く)

悪性腫瘍については早期の胃がんは除き、一定の医療保険適用範囲が決められています。


この場合では、他の検査や画像診断では病気の診断が困難と認められており、再発や転移の診断が難しいとされる方が対象となります。


この判断は担当医師がすることになっています。


つまり、pet検査を医療保険適用で受けるのならば医師への相談が不可欠となります。

よって、いきなりpet検査を受けるということは少ないかと思われ、pet検査の説明もそこで受けることになる方もいます。


てんかん

てんかんの治療は通常薬の服用で徐々に治していくものですが、最近になっては外科手術による治療方法が盛んになっています。


このときの外科手術においててんかんの難治性部分の把握が必要となってきます。


この難治性部分の治療のため外科手術が必要とされる方も公的医療保険の対象となります。 


虚血性心疾患

虚血性心疾患とは心臓の周りを覆っている冠動脈の動脈硬化などで血液を心臓に送れなくなる病気のことです。


この虚血性心疾患には狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全、虚血性心疾患の致死性不整脈が含まれます。


この中の心不全に対して心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされる方の場合は公的医療保険の対象となります。


ただし、医療保険の対象となるのは通常の心筋シンチグラフィで判定困難と判断された方のみです。

PET検査において医療保険が”適用されない”2つのケース

PET検査は医学的な確実性、病名を診断するためにPET検査が必要と判断された場合に対し、医療保険の対象となりますが、医療保険が適用されない2つのケースが存在します。

では、どのようなケースでは医療保険が適用されないのか解説していきます。

同じ月にガリウムシンチグラフィ検査を受けている人

ガリウムシンチグラフィ検査を受けることで悪性リンパ腫、悪性黒色腫の進展範囲や病期の決定、治療後の経過がわかるとされていますが、こちらのガリウムシンチグラフィ検査を受けた同月にPET検査を受けると医療保険が適用されません

PET検査も受ける場合は翌月以降が良いでしょう。


同じ月に検査を勧めることは病院側でも避けてくれると思います。


病院を変えたときは、必ず検査方法を先にお伝えしましょう!


同じ月に”同じ病名”で複数回のPET検査

医療保険が適用されるのは、同月に1回のみ

もちろん予防で自ら受けた場合も医療保険が適用されません。


同じ月に2回も3回もPET検査を受ける可能性はほとんどありませんが、病院を変更したことで同月に2回検査することもあるかもしれないため、検査をする前には必ず、お医者様にお伝えしましょう。


検査結果を持っていれば、それに基づき診断や治療方法を提示してくれる可能性や、他の検査方法を提案してくれる可能性もあります。


PET検査と医療保険の2つの注意点

現代では知名度も上がり受ける方が増えてきたPET検査。

PET検査を知り、自ら予約して検査をする人までいらっしゃるほどです。


決して安くない検査費用。

簡単にポンっと出せる金額では無いだけあって、医療保険が使えないと経済負担がかさみます。


そのため、PET検査を受ける上で注意しておきたいことが2つあります。


PET検査において、2つの注意点を1つずつご紹介していきます!

予防の為のPET検査は全額自己負担

残念ながらPET検査の診療費は公的医療保険の対象外となり全額自己負担となります。

ただし、ここで全額自己負担となる方は予防を目的としたPET検査の受診者の方だけです。 


予防を目的としたPET検査とは悪性腫瘍か良性腫瘍かの判断をするときのみならず、自分の健康状態についての一情報として知りたい場合のことを指します。


つまり医療行為ではなく一つのサービスとして行う場合は公的医療保険の対象外となります。


 

PET検査と医療保険:大事な費用は”公的制度で”

公的医療保険が適用されるPET検査の場合では、3割負担となります。


このPET検査というものは「自由診療」となっており健康センターや施設のよって費用が設定できます。そのため各施設や地域によって費用は異なってきます。


また検査にはいくつかの種類があります。


スタンダードな検査であれば単純 PET-CTというモノがあり、診療総額は10万円ほどです。


公的医療保険の適用は3割ですので、一回の診療に3万円ほどかかることになります。

まとめ

pet検査は欧米ではいたって一般的な検査です。


日本の場合は医療保険の適用外であったこともあってまだ十分には広まっていません。


医療保険の適用に関してはこれからの広がりに期待するとして、検査内容やその特徴に関して興味を持っていただければ幸いです。

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