更新日:2018/11/07
高額な薬代を医療保険でカバーできる?知っておきたい医療制度を解説
一般的な医療保険には薬代がほとんど含まれていません。しかし何故、今になってこれほど薬代が話題になるかというと、入院治療が短く、通院を中心とする在宅治療に切り替わり、治療期間は長期間に及ぶようになったからです。医療保険と薬代の関係とはどのようなものでしょうか。
目次を使って気になるところから読みましょう!
医療保険で高額な薬代をカバーすることはできるか?
病気やケガなどで入院したとき、入院にかかる費用を保険金でカバーしてくれる医療保険。
がん治療などで薬代が高額になってしまった場合は、特に頼りたい存在ですよね。
しかし、医療保険によっては薬代がカバーできない場合も多いのです。
そこで、この記事では「医療保険と薬代」について、
- 薬代として医療保険の保険金が下りる条件
- 医療保険で薬代を全額カバーする方法
- 医療保険でカバーできる治療薬
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、高額な薬代をどのようにカバーすればよいのか、医療保険で薬代をカバーするにはどうしたらよいのか分かり、いざというときの備えにつながります。
是非最後までご覧ください。
薬代として医療保険で保険金が支払われる条件とは
医療保険のがん特約やがん保険で薬代として保険金が支払われるには、各保険会社の保険商品ごとの契約条件を満たす必要があります。
がん治療で使用されている治療薬は点滴タイプ、経口タイプなどさまざまですが、
- 厚生労働省から抗がん剤として認定を受けているか
- 別の病気治療薬として開発されたものを転用した場合、保険金支払いの条件に合致するか
などの支払い条件は、各保険会社に委ねられているからです。
がん治療以外で薬代をカバーする方法
現在、日本で契約できる医療保険は数多くありますが、治療にかかった薬代を明確にカバーすることができる保険は限られています。
多くの場合、1日あたりの入院に対して支払われる保険金を増額することで薬代を捻出する方法をとることができます。
元々は差額ベッド代という認識がある保険金ですが、差額ベッド代が発生しない部屋で、入院・治療にかかる薬代を一般的な医療保険のみでカバーする方法です。
医療保険を請求するとき薬代を明確に分類できない場合は?
近年の医療保険は、2年ほどで
- 新しいタイプの保険
- 既存の医療保険を手直しして特約として申し込むタイプ
などが数多く発売されています。
それでもなお、がん保険以外で薬代を保険金によりカバーすることができる契約は限られており、それなりの工夫が必要になります。
入院保険金だけではなく、通院保険金でも薬代をカバーすることは可能ですが、抗がん剤治療として支払われる保険金には上限が設けられています。
がん以外で薬代がかかる治療とは
最近の医療保険では、成人の三大疾病に備えるための特約が充実しています。
そのなかで、急性期の危機状態から脱出して長期間治療が必要になるのが、脳梗塞などの脳の血管や心筋梗塞の治療などで、投薬治療が中心となります。
病状が落ち着くと、退院し薬を飲みながら定期的に通院する場合、入院保険金は支払い対象からはずれるので、通院保険金で薬代をカバーする必要があります。
医療保険で薬代全額をカバーするには
医療保険にはさまざまなタイプがあります。
薬代をカバーするためには、1日当たりの入院保険金を増額することを基本として、
- 通院治療に対する保険にも申し込む
- 三大疾病に対する特約がある場合は、保険金支払いの条件を確認して申し込む
などで、ある程度の金額をカバーすることができるでしょう。
医療保険で薬代の全額をカバーできなくても、日本の高額療養費制度で、手続きによりある程度は還付されます。
すると、自己負担額は少なくなります。
医療保険の薬代はがん治療などを前提として設計されている
現在、契約することができる医療保険などで薬代を特約などで申し込む場合、その目的は抗がん剤治療を前提としています。
薬代としてピックアップされているのは、抗がん剤が高額で、治療が長期に及ぶことが多いからです。
現在、抗がん剤として普及しているのは、錠剤やカプセルなどの経口タイプです。
見た目は胃薬のような錠剤ですが、薬代は高額です。
薬代に含まれる治療薬と含まれない治療薬
医療保険やがん保険の薬代として支払われる保険金では、対象となる薬が保険会社ごと、あるいは保険会社が販売していた時期によって保険商品の内容が異なります。
同じ治療をして、同じ保険会社の医療保険を契約していても、
- 契約した年代
- 医療保険の商品名
- 特約の有無
により、薬代として保険金が支払われる人と支払われない人がいるのはそのためです。
がん治療に用いられる薬とは
抗がん剤治療を受けたとき、一緒に副作用を緩和するための薬やホルモン剤などが処方されることがあります。
医療保険によっては、ホルモン剤が薬代の対象になる場合とならない場合があります。
保険会社や保険商品によって対象が変わるので、契約時、あるいは見直し時に自分の保険を改めて確認する必要があります。
薬代だけではなく治療費として医療保険を捉える
医療保険を申し込むとき、多くの人が「入院したらいくら保険金が出るのか?」ということを検討します。
しかしながら現代では、病気、突発的なケガも含めて、入院治療をできる限り短くすることを目標にして治療が行われています。
薬代としてではなく、入院、通院、薬代を含めて、治療費全体として医療保険を検討することが求められているのです。
国民皆保険だからこその医療保険
日本では、公的補助である健康保険があります。
国民1人1人が何らかの健康保険に加入しており、医療機関で受診すると、治療費の1割~3割を負担し、残額は加入している健康保険から医療機関に支払われます。
純粋な治療費は3割ほどですが、治療に付随する交通費などは自己負担となり、それなりに出費が必要になります。
その出費をカバーするものとして医療保険が設計されています。
医療保険は入院治療が前提
医療機関を受診する理由は主に2つです。
ただし、病院で治療する病気やケガの捉え方には個人差があり、発熱や咳などの症状があっても、病気の程度によって病院に行く人と行かない人に分かれます。
ちょっとした発熱などで病院に行く人は、治療費負担が大きくなり、病院に行くまでの交通費などの出費も多くなります。
そのため、入院治療を前提とした医療保険ではカバーできないこともあります。
まとめ:医療保険で薬代をカバーする方法
医療保険と薬代について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回のこの記事のポイントは、
- 薬代として医療保険の保険金が下りる条件
- 医療保険で薬代を全額カバーする方法
- 医療保険でカバーできる治療薬
です。
一般的な医療保険では、薬代として保険金が下りるケースはそれほど多くなく、薬代がカバーされる条件も保険会社や商品によってさまざまです。
高額な薬代は、入院給付金など、基本的な医療保険に付属されているサービスや特約で下りる金額を増額することでカバーするという方法もあります。
ただし、医療保険は元々通院治療にかかる交通費などの費用のカバーを前提に設計されているため、通院回数が多い場合は、医療保険だけでまかないきれない可能性もあります。
医療保険で薬代を全額補えない場合は、公的保障である高額療養費制度などを利用するのも1つの手です。
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