がん保険の通院保障・通院給付金はいらない?

がん保険の加入を検討する時、通院保障を重視するのか、それとも診断給付金(一時金)の方を重視すればいいのか迷いますよね。この記事では、通院保障はいらないのか必要なのかについて、医療保険の通院特約の話もまぜつつ徹底解説します。

がん保険の通院保障は必要?

現代では、日本人の2人に1人ががんと診断される時代といわれており(国立がん研究センター:最新がん統計)、がん保険についてもそのニーズが高いことが伺われます。


そんながん保険ですが、「最近のがん治療は、手術よりも通院での抗がん剤治療がメインって本当?」「新しいがん保険を検討しているけれど、通院についての保障は必要?」といった疑問をお持ちの方も多いはず。


そこで、この記事では

  • がん保険の通院保障ってどんなものか
  • がん保険に通院保障は必要なのか
といった内容について解説していきます。

この記事を最後まで読んでいただくと、「がん保険の通院保障の必要性」や「通院保障を選ぶ際のポイント」についてご理解いただけると思います。

ぜひ、最後までお付き合いください。

がん保険の通院保障には2パターンあるので注意

がんの治療について、現在は通院で済むケースが増えていることはご存じの方も多いとは思います。


ただ、がん保険の「通院保障」には2パターンあるので、注意する必要があります。契約してしまって、いざ使うとなったときに使えないと困りますよね。


2パターンとは大きく分けると

  1. 入院後の通院でないと保障対象でない
  2. 入院がなくても保障される
になります。以下に詳しく解説します。

パターン①:入院後の通院でないと保障対象でないもの

まず1つ目のパターンは、通院給付金として退院後の通院に対しての保障があるものです。(通院特約とよばれるものも同様です。)


このパターンでは、退院後のサポートとして通院保障がついています。中には、入院前の通院も保障対象となるものもあります。


そのため、退院後1年以内の通院等の保障する期間の制限があることがほとんどです。また、給付日数にも条件が付けられる場合もあります。


具体例

  1. がん治療のために入院し、退院後1年以内の通院で日数には制限なし
  2. がん治療のために入院し、退院後1年以内の通院60日以内


金額としては契約内容によりますが1日3,000円から20,000円程度保障される場合が多いです。


このような保障パターンでは、通院のみの治療で保険金を受け取ることが出来ません。先に説明したように、最近では放射線治療や抗がん剤治療も通院で行うことも多く、必ずしも治療の中で手術や入院を伴わないことも増えています。


また、日数制限にも注意が必要です。がん治療の場合は、長期戦になることが多いので条件の日数を超えてしまえば自己負担が増えるため注意が必要です。

パターン②:入院していなくてももらえるタイプもある

2つ目の通院保障のパターンは、治療給付金と呼ばれる入院に関係なくがん治療のための通院に保障があるタイプです。


このタイプの保障では、治療を受けた時に1ヶ月または2ヶ月ごとにまとまった給付金を受け取ることが出来ます。金額としては契約内容によりますが、治療月ごとに5万円から30万円程度の保障がつく場合が多いです。


近年の治療スタイルを考えると、入院関係なく保険金を受け取ることが出来るため安心です。

抗がん剤治療は、1回の治療で数万円ずつかかることもあるのでまとまった金額を受け取ることが出来るのは大きなメリットと言えます。


このような保障タイプでは対象となる治療が限られていることもありますが、長期間に渡る治療や再発に対しても有効です。

【結論】がん保険の通院保障は本当にいらないのか


がん保険の通院保障に2つのタイプがあることがわかったと思いますが、ここで本題に戻ります。がん保険の通院保障は必要なのでしょうか。


これは、パターン1の場合はいらないがパターン2の場合は必要か考える必要がある、と言えると思います。


以下で詳しく解説します!

通院保障がいらない理由①:給付条件が厳しい

通院保障がいらない理由は、「給付条件が厳しい」ということです。


通院保障の場合の給付金は、まず大前提として治療の中で「入院」があるかどうかが条件となりますがその他にも

  • 給付期限、日数
  • 治療内容やがんの種類
などの条件が多く見られます。


給付日数については先ほど説明済みの通り、退院後1年以内なおかつ60日以内等の制限があることが多いです。


そのため、長期的な治療や再発の場合には自己負担となってしまいます。


また、治療内容についても経口での抗がん剤投与の場合は保障対象外であったり、上皮内新生物とよばれる比較的軽度で転移や浸潤のリスクが低いと判断される癌の場合には保障の対象外、もしくは給付金額が少ないといった場合も多いです。


このように給付条件が厳しいことが多いため、がん保険で入院が必要な通院保障はつけていても実際には条件が合わず保障を受けられないといったことも多くあるため不必要であると言えます。

通院保障がいらない理由②:他の特約の方がいい

最近では、抗がん剤治療特約という特約がつけられるがん保険もあります。

一般的に、入院後に給付されるタイプの通院給付金では通院日数に合わせ、各社が定めている通院保障の費用が定額で支払われます。

これに対して、抗がん剤治療特約は、治療を受けた月に一定金額が受け取ることができるという保障であるということが大きな違いです。

例えば保障内容として、「通院給付金1万円/日」のものと、「抗がん療特約最大10万円/治療を受けた月」の保障のいずれかに加入してる場合を考えてみます。


1ヶ月に1日だけの通院をして抗がん剤治療を継続して数か月続ける場合、前者であれば、通院給付金として受け取ることができるのは毎月1万円ということになります。


これに対し、抗がん剤医療特約が付いている保険の場合には最大で月額10万円受け取ることができます。


1日だけの通院にはなりますが、抗がん剤治療は実費支払として高額な負担になることが予想されるため、通院日数での支払いに比べると、抗がん剤医療特約での支払金額に安心される方も多いのではないでしょうか。

治療に対して支払われるタイプの通院給付金(治療給付金)は必要か

通院保障でもパターン2のような治療給付金については検討してみる必要があります。


その場合、診断給付金(一時金)と迷う人も多いと思いますのでここでは、この2つの保障のメリットとデメリットを比較してみたいと思います。


診断給付金は、癌と診断された時に保険金を受け取ることができる保障です。そしてこの給付金は治療費以外であっても自由に使って構いません。


このことを踏まえて、2つを比較していきます。



治療給付金

メリット…通院期間が長くなる場合やがんの再発へも対応できる
デメリット…治療内容やがんの種類に条件があることが多い

診断給付金(一時金)

メリット…治療前に給付金を受け取ることが出来、使い道が自由
デメリット…治療が長くなると自己負担が多くなる可能性がある



両者の大きな違いは、お金を貰うことの出来るタイミングです。


診断給付金は、治療前に受け取りますが治療給付金は治療後になりますので一時的な自己負担が出ます。


また、治療が長引き通院も長くなると一時金だけでは治療費全ては賄えないという事態も出てきます。


この点も含めて、自分にとっては「診断給付金」と「治療給付金」どちらがよいのか考えてみてもよいのではないでしょうか。

まとめ:がん保険の通院保障は必要なのか

以上のように、がん保険の通院保障について詳しく説明してきましたがいかがだったでしょうか。


この記事のポイントをまとめると

  • がん保険の通院保障には、入院が必要なもの(通院保障)と入院が必要でないもの(治療給付金)がある
  • がん保険で入院が必要な通院保障は、通院期間や給付日数などの制限が厳しいことや通院のみの治療では保障されないためあまり必要ない
  • がん保険で入院が必要でない治療給付金タイプの保障は、長期治療や再発への備えともなるため検討の価値あり
  • ただし、治療給付金は治療後に給付金が出るため自分の貯蓄状況も加味したうえで診断給付金とどちらがよいのか検討してみるとよい
  • 通院治療に対する保障は通院保障のみではなく特約でカバーできる場合もある

がん治療は、通院のみで行う場合も増えているため入院が必要な通院保障は近年の治療スタイルにはあまり意味がなくなってきています。また、長期治療や再発に備えて給付日数の上限や治療期間の条件も確認すべき重要な項目です。


このような点から、通院保障をつけるのであれば入院という条件が必要ない治療給付金タイプのものをつけるべきといえます。


また、通院に対する備えは通院保障のみではなく特約でカバーできる場合や、診断給付金という選択肢もあります。


がん保険においてどの保障がよいかは、資産状況など人それぞれ違いますので是非この記事を参考に検討してみて下さい。



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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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