皮膚がん(基底細胞がん、メラノーマ)だとがん保険は保障対象でないって本当?

基底細胞がんやメラノーマ(悪性黒色腫)は皮膚がんの一種ですが、がん保険に入っていたも支払い対象になっていないことが多いのをご存知でしょうか。今回は、皮膚がんとがん保険の関係について、モラルリスクや手術費用、上皮内新生物についても考えながら徹底解説します。

皮膚がんはがん保険の保障対象外となることも

がん保険は多くのがんを保障対象としてカバーしていますが、皮膚がんについて対象外担っているケースが多いことをご存知でしょうか。

もしかすると、この記事をご覧の方の中には小さな皮膚がんが見つかった方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、がん保険に関わる『皮膚がん』の扱いについて、
  • 上皮内新生物(上皮がん)ががん保険で保険の対象外となる理由
  • 皮膚がんの主な種類とがん保険
これらの点について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

なぜ上皮内新生物はがん保険で保障されないのか


ひと昔は「悪性新生物=死」が付いて回り、不治の病であるイメージが強買ったもしれませんが、今では「悪性新生物=早期発見で治る」へ変化しつつあります。


健康診断で早期発見されるケースが増え、完治している人の方が増えています。その早期発見で見つかる一部が上皮内新生物です。 まだ浸潤していない悪性新生物の赤ちゃんのようなイメージです。


完治が容易ながんはがんで無いとみなされます。


また、上皮内新生物で給付を行った場合、給付回数が増えてしまい、保険料が高くなってしまうからと言うのもあると考えられます。上皮内新生物程度であれば、家計へのリスクも大きくないので、給付する必要性はないと判断しているのでしょう。


保険契約時に受け取る保険商品の約款と言う分厚い本に「上皮内新生物は給付対象外」と記載されている保険では、早期発見をしても保険が給付されない可能性があるため確認しておくことをおすすめします。

かかりやすい3つの皮膚がんとは



一口に『がん』と言っても多くの種類がありますが、今回メインとして取り上げている皮膚がんは、主に以下の3種類が、発症しやすいとされています。
  1. 基底細胞がん
  2. 有棘細胞がん
  3. 悪性黒色腫(メラノーマ)
この『基底』や『有棘』というのは、皮膚の層を指す言葉です。基底細胞がんは『基底層』から、有棘細胞がんは『有棘層』から発症します。

実際皮膚がんは、本人がなんとなく症状を気にしていても、そのまま放置してしまう危険性があります。

紫外線が大きな原因となり得ますが、いわゆる『やけどの痕』のような状態から、細胞が上記のようながんへ、がん化してしまうこともあります。

悪性黒色腫以外の皮膚がんはがん保険の対象外である事がある

がん保険の中には「悪性黒色腫以外の皮膚がんはがん保険の対象外となります」と見積書に小さく記載されていることがあります。

それはなぜかと言うと、軽度の皮膚がん(上皮内新生物)は紫外線を浴び続けることで意図的に罹患できてしまうこともあり、給付金目当てでそのような事をする人がでてくる可能性があるからです。(モラルリスクと呼びます。)

上皮内新生物がそもそも保障対象でないがん保険は、上記に示した皮膚がんがまだ上皮内新生物のうちは保障対象にはもちろんなりません。

また、上皮内新生物が対象のがん保険の場合も、先程の理由からメラノーマなどの皮膚がんは対象外になることも多いので注意してください。

皮膚がんの治療費は相対的に安い


「意図的に皮膚がんを装っても、結局治療費にお金がかかるじゃない?」と思われますが、皮膚がんはがんの中でも治療費が安いと言われています。


皮膚がんの治療方法は、外科手術によって切除されることがほとんどです。


腫瘍が小さければ小さい程安く、健康保険が対象となり3割負担で治療を受けることができます。日帰り手術の場合は数千円です。


広範囲の場合は入院を伴うこともあり、数十万円かかるケースもありますが、ほとんどの方が数万で完治しています。


そのため、がん保険の保障対象外でも困らないことが多いでしょう。

重粒子線治療を使う場合もあるので先進医療特約をつけておこう

皮膚がんの治療で高額になるのは重粒子線治療を使った治療です。重粒子線治療とは外科手術と違い、より精密にがんを治療する方法です。


通常の放射線は他の臓器を傷つけるリスクがあり副作用も生じますが、重粒子線治療はがん細胞に対し他の臓器を傷つけることなくピンポイントに治療することが可能になります。


遠隔転移した皮膚がんには重粒子線治療が必要とされています。


重粒子線治療には術後の社会復帰の速さに加え、副作用の少なさなどメリットがたくさんあります。


しかし、この重粒子線治療の機器が設置されている病院が限られていることや、健康保険適用外であることが最大のネック。


健康保険適用外ということは高額療養費制度も対象外であるため、数十万~数百万と治療方法によっては多額の費用がかかります。


この費用を賄うために、がん保険に加入する際は「先進医療特約」を付与しておくことをおすすめします。


月額にして100円程度の追加で済むことが多いので、つけておいて損はないでしょう。

皮膚がんが保障外でないがん保険

医療の進化に合わせ、保険会社から新しく登場するがん保険ももちろん進化を続けています。

ひと昔前ではがんと診断されたら一時金で給付金を受け取り、受け取ったお金をやりくりしながら病気と闘うスタイルでした。


しかし、今では一時金では無く治療にかかった分のお支払いスタイルに移行しつつあります。


ここでも注意したいのが、皮膚がんや上皮内心生物の対応か非対応なのかと言った点になります。


上皮内新生物も対象になりつつありますが「上皮内がんは給付金の10%の給付」など、まだまだ全額支給までには至らないがん保険もあります。


がん保険の細かい文字まで比較していくと、皮膚がんや上皮内新生物まで全額保障するがん保険や、上皮内心新生物と診断されたら以後の保険料を免除と言った特約を販売している保険まで登場しています。

まとめ:皮膚がんはがん保険の対象外なのか


ここまで、がん保険における皮膚がんの扱いについて取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回ポイントとなる点は、
  • 上皮がんが補償の対象外となるのは、補償回数が増えることや、モラルリスクが少なからず関係している
  • 皮膚がんは主に、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫の種類に分けられる
  • 全額ではなくても、悪性黒色腫が補償対象となるがん保険がある
これらの点です。

皮膚がんは、正しい治療を行えば高い確率で完治させることができます。早期発見、早期治療を心がけるとともに、保険における皮膚がんの扱いについて、万が一のときにも慌てないよう、正しい知識を身につけておきましょう。

ほけんROOMでは、他にも呼んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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