膀胱癌(ぼうこうがん)は保険加入できない?主な保障内容をがん保険のプロが解説

がん保険とはがん治療の費用や入院などの経済的負担を補うために加入する保険です。近年、医療技術が発展してきており、通院保証のあるがん保険を選ぶのが良いです。また悪性度が高い膀胱がんは痛みを伴わないので要注意です。それでは、今回は膀胱がんについて見ていきましょう。

内容をまとめると

  • 膀胱癌でも保険の加入ができる保険商品が多い!
  • 膀胱癌で保険加入がしづらいケースは既往症として扱われた場合
  • 既往症として扱われた場合は保険料が高く設定されるか加入できない
  • がん保険にはがん治療費用の補償やがん診断給付金、がん検診費用の補償などが含まれている場合があるので生活費の保障ができる可能性がある
  • 膀胱癌の保険でお悩みの方は病気保険専門のマネーキャリアの保険相談を有効活用しましょう【加入診断あり!】


▼この記事を読んで欲しい人

  • 膀胱癌にかかった場合、がん保険の加入が可能かどうか知りたい。
  • 膀胱癌にかかった場合、がん保険の保障内容や保険料がどのようになるのか知りたい。
  • 膀胱癌にかかっているが、がん保険に加入したい場合、どのような手続きが必要か知りたい。
  • 膀胱癌にかかっているが、がん保険に加入できない場合、どのような保険商品を選ぶべきか知りたい。
  • 膀胱癌にかかった場合、がん保険以外に、どのような保険商品があるのか知りたい。
膀胱癌の保険加入については病状や保険会社の審査基準によって変わるためマネーキャリアの無料保険相談で加入診断してもらうことがおすすめ!

膀胱癌の保険加入についてがん保険のプロが徹底解説します!

がん保険にはどのような保障があるのかご存知でしょうか。


加入するがん保険の商品によって保障内容に違いがありますが、がん保険の大きな特徴ともいえる保障にはポイントがあり、加入しようとする際は3つの保障について保障内容を確認する必要があります。


  • がんと診断されたときの一時金
  • がん治療に対する保障
  • がんと診断されてからの検診に対する保障


ただし保障内容は充実しているのに、病状によっては肝心なときに保障の対象外として保障されず、愕然としてしまうことは意外と多くあるケースなので注意しておかなければなりません。


膀胱癌と診断されても病状によっては上皮内がんに分類されることがあり、加入するがん保険によっては保障されない場合もあります


上皮内がんは腫瘍が臓器の表面となる粘膜層にとどまっている状態であるため完治する可能性が高く、逆にいえば膀胱癌と診断されてもがん保険に加入できる可能性は残されているということにも繋がるのです。


とはいえ上皮内に分類される膀胱癌もであることに違いはなく、加入時の健康状態に関する告知では癌と診断されたことがあることを記入する必要があります。


告知をすることでがん加入に加入できるかどうかは、保険会社の査定結果を待たなければ判断することはできないため、がん保険選びに迷ったり悩んだりしたときは適切な保険を厳選するためにもマネーキャリアへの相談がおすすめです。

  • 膀胱癌と診断されても加入できるがん保険はあるのか?
  • 膀胱癌ががん保険の保障対象外となるケースは?
  • 膀胱癌の特徴とは?
  • 上皮内新生物と悪性新生物のちがい
  • がん保険を選ぶ際のポイント

膀胱癌に罹患したことを告知することで「がん保険に加入できないのではないか」、膀胱癌の疑いがあるけれど「加入しているがん保険では保障されないのではないか」という不安や悩みについて、がん保険のプロが詳しく解説します。

膀胱癌でも保険に加入できる?がん保険の概要も解説

膀胱癌と診断されてからは、がん保険に入ることはできないと考えて諦めてしまっているひとは多くいます。


実は膀胱癌を患った経験があっても完治してから一定期間を経過していれば、がん保険に加入することができる可能性があるのです。


完治してからの期間は保険会社によって異なり、非公開のため加入しようとしているひとは知ることができず、保険会社の健康状態に関する告知の査定で決まる加入可否の判断を待つしかありません。


加入を断られてしまうんじゃないか

本当にこのがん保険で安心なんだろうか


一度がんを患った経験があると、がん保険の大切さを実感していることで保険会社からの結果が出るまではとても不安な気持ちになってしまうことだと思います。


場合によっては保険料の割増や一定期間は指定する臓器に対して保障をしないなど、不利な特別条件が付加された状態で加入しなければならないケースも考えられるのです。


がん保険の申し込みをする前に少しでも詳しい情報があれば、もっと良い保障内容のがん保険や不利な条件が付加されにくいがん保険を選ぶことができますよね。


そんなときは保険のプロに無料相談ができるマネーキャリアがおすすめです。


保障内容の比較や、膀胱癌という既往症があっても加入できる可能性が高いがん保険を紹介してもらうことができます。

保険料が高くなるまたは加入がしづらいケース

膀胱癌の既往症があっても、加入時に提出する告知内容によってはがん保険に加入できる場合がありますが、保険種類によっては加入できないケースや条件が付加されてしまうケースがあることを忘れてはいけません。


がん保険は、がんに特化した保障内容を持つ特徴があることから、一般的な生命保険や医療保険と比べると保険料が安く設定されています。


しかし膀胱癌を患った経験を告知したことによって、特別条件として保険料が割増で設定されてしまうことがあり、必ずしも安い保険料でがん保険には加入することができないのです。


膀胱癌を完治してから経過年数が、加入しようとしている保険会社の査定基準を満たしていなければ、がん保険に加入できないこともあるということも覚えておいてください。


もちろん膀胱癌の治療で入院中だったり手術の予定があったりすると、がん保険に加入することはできません。


もしもがん保険に申し込み保険会社から加入を断られてしまった場合には、引受基準緩和型無告知型の保険を選択することで、膀胱癌と診断されたことがあっても加入できる可能性は高くなります


ただしこれらの保険は持病があっても加入できる保険となっているため、最初から保険料が高く設定されていることや保障内容が充実していないというデメリットが存在するのです。


告知で既往症として膀胱癌を記入しなければならない場合は、自分自身の健康状態ではどのようながん保険なら加入できるのかを知ることが、必要以上に不利ながん保険に加入することを避けることができるポイントとなります。


保険選びに悩んだときは、マネーキャリアのFPに無料相談をして、かしこく適切な保険選びを心掛けてくださいね。

膀胱癌の告知内容について【告知義務違反に注意】

膀胱癌と診断されたことがあることを告知するとがん保険に加入できない可能性があるなら、告知しなければがん保険に加入できるのではないか・・・


そのように考えることだけは、絶対に避けてください


なぜならがん保険だけでなく生命保険や医療保険など、健康状態に関する告知を必要とする保険に加入する際は、告知について事実を告げる義務があります。


この義務を故意または過失によって怠った場合には、告知義務違反としてペナルティが課せられることになるのです。


告知義務違反が発覚した保険では、給付金請求をおこなう原因となった傷病名と告知義務違反となる健康状態に因果関係が認められれば、保険会社は保険金や給付金を支払う必要はありません


悪質な告知義務違反だと判断された場合には、保険の契約は解除され支払った保険料は払い戻しされず払い損ということになってしまうのです。


がん保険の場合、将来がんを罹患するリスクについて審査をおこない加入可否を決定しているため、がんを患った経験があると加入できない可能性が出てきてしまいますが、告知義務違反となるためがんを患った経験を隠すことはできません


しかし加入する際の告知で事実を記入するつもりでも、どのように記入すれば良いのか悩んでしまうことも多々あります。


そんなときは保険の無料相談サービスを利用することで、健康状態を確認しながらどのように告知すれば良いのかアドバイスをしてもらうことが可能です。


保険のことで困ったときには、ぜひマネーキャリアのFPに相談して告知義務違反と判断されないように加入することが大切なのです。

膀胱癌の保険加入はプロに加入診断してもらった方がいい理由

保険の無料相談は本当に信用できるのかと不安に感じたことはないですか?


納得できるまで何度でも保険のプロに相談できると有名ですが、本当にすべて無料なのかと思ってしまうこともあると思います。


しかし本当にすべてお金のプロといわれるFPに相談することができるので、一度は利用してみないと損だといっても過言ではないのです。


膀胱癌と診断されたことがあると、どんながん保険にでも加入できるわけではなく、健康状態や膀胱癌を完治してからどれくらいの期間が経過しているかなど、がん保険に加入できるポイントを抑えて保険を選ぶ必要があります。


そんなときは、FPが多数在籍しているマネーキャリアに相談することで、最適な保険選びを保険のプロに手伝ってもらうことが可能です。


  • 顧客満足度が93%
  • 相談申込件数は累計4万件以上
  • LINEを含めオンラインによる相談も可能
  • 取り扱う保険会社は40社以上


マネーキャリアは国内最大級の無料保険相談となっており、女性FPも多数在籍しているので女性にも利用しやすい環境が整えられていることが特徴です。


FPは保険を含めお金にまつわることすべてにおいてプロであるため、様々な考え方をもとに本当に必要な保障内容を一緒に考えてくれるので、保険加入に不安がある方はマネーキャリアを利用してみることをおすすめします。

膀胱がんはがん保険の保障外のケースが多い!

膀胱がんの場合、がん保険の保障外となってしまうケースがあります。


その理由は、がんの種類の中でも、腫瘍が臓器の表面の粘膜層にとどまっている状態とされる「上皮内新生物」に分類される割合が比較的高いがんであるためです。


膀胱がんの診断時、全体の44.2%は上皮内新生物という診断を受けている、というデータもあります(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「全国がん罹患モニタリング集計 2015年罹患数・率報告)。


上皮内新生物は「上皮内がん」とも呼ばれ、いわゆる「がん(悪性新生物)」とは分けて考えられるため、がん保険では保障の対象外になりやすいのです。


そのため、膀胱がんにがん保険で備えるには上皮内がんが保障されるかどうか、といったポイントが重要になります。

膀胱がんの特徴とは?【基礎知識】

膀胱がんは膀胱にできるがんの総称で、その9割以上は、膀胱の内側をおおう尿路上皮ががん化した「尿路上皮がん」という種類です。


ここでは、膀胱がんに関する基礎知識について以下の5つのポイントに分けて解説します。

  • 症状・治療法・病期
  • 生存率・再発
  • 遺伝的なリスク
  • 表在性膀胱がんの特徴
  • 浸潤性膀胱がんの特徴

膀胱がんの症状・治療法・病期

膀胱がんの症状

主な症状は、以下のとおりです。

  • 血尿
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み
  • 残尿感
  • 切迫した尿意
  • 尿が出にくい
  • わき腹・腰・背中の痛み
  • 足のむくみ

上記の症状のうち、最も多いのが「血尿」です。


痛みを伴わない場合が多いことが特徴的で、ほかに症状がなく放置して進行してしまうケースもあるため、気になることがあれば速やかに泌尿器科を受診することが大切です。


膀胱がんの病期・治療法


病期(ステージ)は、0期~Ⅳ期に分けられます。


次の3つの指標をもとに、病期が決められます。

  • がんの深達度:T
  • 骨盤内のリンパ節への転移の有無や程度:N
  • ほかの臓器やリンパ節への遠隔転移の有無:M


深達度や転移による病期の分類は、次のとおりです。

深達度
(T)
転移がない骨盤内のリンパ節に転移あり(N1-3)または遠隔転移あり(M1)
Ta0a
Tis0is
T1
T2a,b
T3a,b
T4a
T4b

(日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会編 腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 第1版 2011年 金原出版より)


上記の表のうち、薄いオレンジ色で網かけしてある深達度の

  • Ta:粘膜上皮のみにとどまっている
  • Tis:筋層には浸潤していないが粘膜下層まで達している
  • T1:上皮の表面を横に広がっている
は、筋層浸潤性膀胱がん表在性膀胱がん)」と呼ばれ、病期では0期・Ⅰ期に該当します。


膀胱内再発や浸潤・転移のリスクに合わせ、低リスク群中リスク群高リスク群の3つに分けれられます。


主な治療法は、以下のとおりです。

リスク群治療法治療の詳細
低リスク膀胱内注入療法
細胞障害性抗がん薬を手術直後に単回注入
中リスク膀胱内注入療法
・細胞障害性抗がん薬を複数回注入

・BCGを複数回注入
・細胞障害性抗がん薬を手術直後に単回注入(※患者の状況によって選択)
高リスク
(上皮内がん以外)
・ 膀胱内注入療法
・TURBT
・BCGを複数回注入
・経尿道的膀胱切除術 2回目
高リスク
(上皮内がん以外)
超高リスク
・TURBT
・膀胱全摘除術・臨床試験
・経尿道的膀胱切除術 2回目
・膀胱全摘除術・臨床試験
高リスク
(上皮内がん)
膀胱内注入療法・BCGを複数回注入

(日本泌尿器科学会編 膀胱癌診療ガイドライン2019年版 2019年 医学図書出版より)


一方、次に示す深達度(深達度や転移による病期分類表のグレー網掛け部分)

  • T2a,b:浅筋層または深筋層に浸潤している
  • T3a,b:顕微鏡的または肉眼的に膀胱周囲組織に浸潤している
  • T4a:前立腺間質・精嚢・子宮・膣のいずれかに浸潤している
  • T4b:骨盤壁・腹壁に浸潤している
は、「筋層浸潤性膀胱がん浸潤性膀胱がん)」と呼ばれ、病期ではⅡ期・Ⅲ期・Ⅳ期に該当します。


病期ごとの一般的な治療は、次のとおりです。

病期治療法治療の詳細
Ⅱ期
Ⅲ期
膀胱全摘除術手術の前または後に、細胞障害性抗がん薬による補助薬物療法を行うことがある
Ⅳ期 薬物療法細胞障害性抗がん薬で効果がない、または再発した場合は、免疫チェックポイント阻害薬

(日本泌尿器科学会編 膀胱癌診療ガイドライン2019年版 2019年 医学図書出版より)

膀胱がんの生存率・再発

膀胱がんの生存率

がんという診断を受けてから一定期間後に生存している確率を、生存率と呼びます。

病期ごとの膀胱がんにおける5年生存率の目安は、次のとおりです。


病期5年生存率(%)
0a期90%
0is期83%
Ⅰ期87%
Ⅱ期77%
Ⅲ期50%
Ⅳ期28%

(大垣市民病院HP「膀胱がん」より引用)


なお、選択した治療のタイプなどによっても予後は異なるため、数字はあくまでも目安となります。


膀胱がんの再発率

がんの再発リスクを割合で表したものを、再発率と呼びます。


一般的に、膀胱がんの再発リスクは下記のとおりとされています。


  • 表在性膀胱がん:経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)後の再発率は約60~70%
  • 浸潤性膀胱がん:膀胱全摘除術後2~3年以内の再発率は約86% 


深達度ごとの手術や再発率を以下にまとめました。


深達度手術再発率
表在性膀胱がん経尿道的膀胱腫瘍切除術
(TURBT)
約60~70%
浸潤性膀胱がん膀胱全摘除術約86%



膀胱がんの遺伝的可能性

人間のDNA構造には、わずかな個人差が存在します。 


 遺伝子配列のうち、一カ所だけが他の核酸塩基で置き換えられている現象のことを、SNPと呼びます。


 父親・母親からそれぞれ1個ずつの配列を受け継ぐ関係上、ひとつのSNPに対して複数の組み合わせ(遺伝子多型)が存在します。 


 たとえば、一塩基にSNPがあり、TまたはCの塩基を持つ場合は

  • TT
  • TC
  • CC
という3種類の組み合わせが考えられます。 この組み合わせの違いが、疾患の発症や症状の発現などに関連すると考えられています。


膀胱がんにおける解析遺伝子情報としては、以下が挙げられます。

関連遺伝子遺伝子の特徴遺伝リスクが高い遺伝子多型
TACC3細胞分裂の安定化に寄与するタンパク質を産生TT型TC型
CASC11タンパク質を産生しないRNA遺伝子の一種TT型TG型
PSCA膜糖タンパクの一種を産生する遺伝子TT型TC型
CLK3, CYP1A2セリンスレオニンキナーゼの一種を産生TC型CC型
LOC105372093, SLC14A1膜タンパク質の一種を産生TT型TC型
APOBEC3A免疫に関与するタンパク質を産生AA型AG型


表在性膀胱がんは完治可能

がんの根の深さが、粘膜からその下の粘膜組織までに留まり、筋層までは入り込んでいない膀胱がんのことを、「表在性膀胱がん」といいます。


最近では「筋層非浸潤性膀胱がん」とも呼ばれるもので、初発膀胱がんの約70~80%を占めています。


基本的には、内視鏡で腫瘍を切除(内視鏡治療:経尿道的膀胱腫瘍切除術TURBT)する治療方法により、十分に取り去ることが可能ながんといわれています。


進行度は比較的ゆるやかで、おとなしいがんが多いとされていますが、中にはハイリスク筋層非浸潤性膀胱がんと呼ばれる、放置しておくと進行してしまう危険性のあるタイプも存在します。


また、膀胱内に再発しやすいという特徴もあります。


再発リスクが高いとみなされた場合は、再発を予防するため、手術後に膀胱内に抗がん剤を注入する治療方法を併用することもあります。

浸潤性膀胱がんは進行が早く完治が困難

がんの根が深く、筋層まで達している膀胱がんのことを「浸潤性膀胱がん」といいます。


最近では、「筋層浸潤性膀胱がん」とも呼ばれるものです。


このがんは、膀胱壁の外の組織まで湿潤したり、リンパ節・肺・骨・などに転移したりする危険性があります。


転移がない場合は、膀胱全体を摘出する「膀胱全摘除術」が標準治療となりますが、TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)・薬物療法・放射線治療などを組み合わせる膀胱温存療法をおこなうケースもあります。


転移があったり進行したりしているケースでは、薬物療法などを検討することになります。


また、事前に抗がん剤治療などにより腫瘍を小さくした後に手術をおこなうこともあります。


最初の診断の際に、すでにがんが転移を起こしている場合、残念ながら一般的に完治は難しい、といわれています。

上皮内新生物・悪性新生物の違いについて

がんには、大きく分けて

  • 上皮内新生物
  • 悪性新生物

という2種類があります。


「上皮内新生物」とは、がんが上皮内に留まっており、基底膜以降の組織に浸潤していない状態のがんのことで病期(ステージ)でいえば「0期」にあたります。


その罹患率はがんの種類によって異なります。最も罹患率が高いのは子宮がんで、割合は44%程度、膀胱がんでは約33%といわれています。


きちんと治療をおこなえば、転移・再発のリスクをほとんど抑えられるため、完治に近づけることが可能です。


一方、がん化した細胞が基底膜をさらに超えて他の組織まで広がってくると「悪性新生物」となります。


リンパ液や血液にのってがん細胞が運ばれ、多臓器へ転移している恐れもあります。


ここからは、上皮内新生物・悪性新生物について

  • 保障内容の違い
  • 上皮内がんは保険の保障外となるケースが多い
  • 部位別の上皮内がんの診断割合
という観点から、さらに詳しく見ていきます。

保障内容の違い

上皮内新生物という診断されたケースでも、医師からは「悪性の細胞」であるという説明を受けることが一般的です。


そのため、診断を受けた方は「自分はがんである」と認識することがほとんどであると考えられます。


しかし、がん保険において、0期のがんである上皮内新生物は「悪性新生物」とは区別して考えるケースが多く見られます。


治療にかかる費用負担が大きくなりがちな悪性新生物については、保険による手厚いサポートが求められます。


一方、上皮内新生物は転移のリスクが低く一度治療をおこなえば完治を望めるがんであることに加え、上皮内新生物に比べて治療費も安く抑えられる傾向にあります。


そのため、たとえばがんと医師から診断確定したときに受け取れる「診断給付金」の金額が悪性新生物よりも低く設定されている商品は多く、そもそも上皮内新生物を保障の対象外としている商品も珍しくありません。

膀胱がんを含む上皮内がんは多くの場合でがん保険の保障外

がん保険は「がん」への保障に特化しているという特徴があるため、がん以外の病気やケガもサポートする医療保険に比べ、保険料を抑えられるというメリットがあります。


しかし、がん保険の中には上皮内がんが保障の対象外の保険もある、という点には注意が必要です。最近では、上皮内新生物も保障の対象とするがん保険は増加傾向にあります。


ただし、

  • 昔に加入したがん保険
  • 保険料が極端に安いがん保険
などの商品においては、上皮内新生物は保障の対象外となっているケースも多く見られます。


すでに加入済のがん保険がある場合は、一度約款などを見直し、上皮内新生物への対応を確認してみましょう。


また、これからがん保険を選ぶという方は、検討材料のひとつに上皮内新生物への保障範囲も加えることをおすすめします。

部位別の上皮内がんの診断割合

次の表は、2015年の集計調査結果を参考に、上皮内がんの診断割合をまとめたものです。


部位上皮内がんの診断割合
全部位10.1%
子宮頚部65.1%
膀胱
44.2%
子宮44.0%
結腸24.3%
大腸22.4%
皮膚20.3%
直腸18.6%
乳房10.1%
食道9.3%
0.3%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「全国がん罹患モニタリング集計 2015年罹患数・率報告
表37 集計対象地域 進展度分布(%); 部位別 (上皮内がんを含む) 2015年


上記の表によると、膀胱がんにおける上皮内がんの診断割合は44.2%という結果となっています。


全部位の平均が10.1%なので、ほかの部位のがんと比べても、非常に高い数字であることがわかりますね。


部位別でみれば、子宮頚部に次いで2番目に高い診断割合となっています。


そのため、がん保険で膀胱がんのリスクに備えたい方は、上皮内がんに対するサポートも受けられる保険商品を選んでおくと安心といえるでしょう。

がん保険を選ぶ際の着目すべき5つのポイント

がん保険に加入するのであれば、もしものときにじゅうぶんな保障を受けられる保険商品を選びたいですよね。


ただ、いざがん保険のことを調べてみたら、「商品の種類が多すぎて、どう選ぶべきか分からない」と悩んでしまう方も多いのではないかと思います。


ここでは、後悔しないがん保険を選ぶためのポイントとして、以下の4つをご紹介いたします。


  • 上皮内新生物と悪性新生物が同等の保障内容にする
  • 免責期間・遺伝リスクに備えてがん診断前に加入する
  • 病歴がある・再発に備えたい場合は注意して選ぶ
  • 通院保障の手厚いものを選ぶ

ポイント1:上皮内新生物と悪性新生物が同等の保障内容にする

がん保険では、上皮内新生物と悪性新生物を区別して考えることが一般的です。


また、次のように商品タイプを分けることができます。


  • 同等保障タイプ
  • 一部保障タイプ
  • 保障外タイプ

「同等保障タイプ」とは、上皮内新生物・悪性新生物どちらであっても同じレベルのサポートを受けられる保険のことをいいます。


「一部保障タイプ」は、悪性新生物への保障の一部を上皮内新生物にも適用するものを指します。


たとえば、がんと診断されたときに申請できる診断給付金

  • 悪性新生物の場合:100万円
  • 上皮内新生物の場合:悪性新生物の50%(50万円)
などのように設定されている商品は、一部保障タイプに挙げられます。


一方、「保障外タイプ」は、上皮内新生物を保障の対象外とする商品を指します。


こちらの保険の場合は、上皮内新生物の診断・治療を受けたとしても、給付金を受け取ることはできません。


膀胱がんは再発リスクが高いことから、上皮内がんにも手厚く備えられる同等保障タイプの商品を選ぶことがおすすめです。

ポイント2:免責期間・遺伝リスクに備えてがん診断前に加入する

免責期間遺伝リスクを考慮して、がん診断前に保険に加入しておくことも大切です。


免責期間

がん保険には、「免責期間」と呼ばれる期間があります。

これは、保険に入った後、「保険金や給付金が支払われない」と定められている一定の期間のことをいいます。

たとえば、免責期間が90日の保険に入った場合、加入から90日の間にがんと診断を受けたとしても、原則として保険金や給付金を受け取ることはできません

このような期間が設けられている理由には、がんという病気の特徴が挙げられます。

自覚症状がないままに症状が進行してしまうこともあるがんにおいては、本人が病気に気づかないまま、保険に申し込むケースもあります。

そのようなケースでは、契約してすぐにがんと診断される事態も考えられるため、契約の公平性を保つために免責期間が設定されているのです。

このように、がん保険では免責期間も考慮する必要があることから、がんの診断を受けたり、症状を自覚したりする前に保険に加入しておくことが大切となります。

遺伝リスク

がんの発症の2割弱は、遺伝的なリスクによるものといわれています。

  • 遺伝子検査をおこなった結果、発症リスクが懸念される方
  • がん家系の方
については、前もって保険で備えておくと安心でしょう。

ポイント3:病歴がある・再発に備えたい場合は注意して選ぶ

病歴については、その病気が

  • 「がん」か「がんと因果関係の薄い病気」か
  • がんの罹患歴がある場合、治療が終了してからの経過年数
などによって、がん保険への入りやすさは異なります。


過去にがんにかかったことのある方や、がんの治療を終えてからまだ日が浅い方などは、一般的ながん保険への加入は難しくなります。


ただし、以下の種類の保険を選べば、がんの罹患歴があっても加入がしやすくなります。


  • 引受基準緩和型保険:告知項目が少なく、持病や入院歴などがあっても入りやすい保険
  • 無選択型保険:引受基準緩和型よりもさらに審査条件が緩和されている保険


これらは通常の保険と比べて保険料が割高で、保障内容も限定されがち、といったデメリットも存在しますが、病歴があっても検討しやすいという魅力があります。保険料が家計の負担にならないのかしっかりと計算した上でどうしても保障が欲しいという方は検討しましょう。

ポイント4:通院保障の手厚いものを選ぶ

近年の医療技術の進歩は目ざましく、病気の治療は入院ではなく通院でおこなわれるケースが増えてきています。


厚生労働省「平成29年(2017年)患者調査」によると、平成29年における年齢階級別の入院・外来の推計患者数は、それぞれ以下のとおりです。


年齢階級入院外来
0~14歳27.5千人707.2千人
15~34歳52.0千人640.4千人
35~64歳270.7千人2,180.5千人
65歳以上960.9千人3,644.8千人


どの年齢階級においても、圧倒的に外来患者数が多いことがわかります。


また、同調査によれば、平成29年の悪性新生物(腫瘍)における入院・外来それぞれの推計患者数は、次の結果となっています。


傷病分類入院外来
悪性新生物(腫瘍)126.1千人183.6千人

このように、がん治療においても、通院による治療がおこなわれるケースが多いことがわかります。


通院治療が増えている傾向に合わせ、がん保険においても通院保障が充実した商品が数多く登場しています。


ただし、比較的古いタイプや、極端に保険料が安いがん保険などには、通院保障がない場合もあります。


これからがん保険を選ぶ際は、通院に対するサポートの手厚さにも注目するとよいでしょう。

がん保険選びで知っておくべき3つの公的制度

もし、がんになってしまったとき、がん保険以外にも受けられるサポートがあれば、がん保険選びの参考になりますよね。


ここでは、ぜひ覚えておきたい公的な制度として、

  • 高額療養費制度
  • 傷病手当金
  • 医療費控除
の3つをご紹介いたします。


それぞれの制度について詳しく解説していきます。


がん保険を検討する際の参考にしてみてください。

①高額療養費制度

がんの治療にあたって心配なことのひとつに、治療にかかる費用の高さを挙げる方は多いのではないでしょうか。


しっかりと治療を受けたい気持ちはありつつも、高額な費用を請求されたとしたら、困ってしまいますよね。


医療機関などで支払った費用が、ひと月で上限額を超えたとき、超えた金額を支給する制度を「高額療養費制度」といいます。


たとえば、

  • 70歳以上で年収およそ370~770万円の方
  • 医療費は100万円で、窓口で支払うのは30万円(※3割負担)

というケースでは、21万2,750円が高額療養費として支給され、実際の自己負担額は8万7,430円となります。


なお、上限額は、年齢や所得によって変動します。


ケースごとの基準は、以下のとおりです。


70歳以上の場合の上限額

年収ひと月の上限額(世帯ごと)外来(個人ごと)
約1,160万円~252,600円+(医療費-842,000)×1% 
約770~約1,160万円167,400円+(医療費-558,000)×1%
約370~約770万円80,100円+(医療費-267,000)×1% 
156~約370万円57,600円18,000円
(年14万4千円)
住民税非課税世帯24,600円または15,000円 8,000円 


69歳以下の場合の上限額

年収ひと月の上限額(世帯ごと)
約1,160万円~252,600円+(医療費-842,000)×1%
約770~約1,160万円167,400円+(医療費-558,000)×1%
約370~約770万円80,100円+(医療費-267,000)×1%
~約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円

(引用:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」)


ただし、この制度では入院中の食事代や差額ベッド代などは対象外となる点には、注意が必要です。


そのため、「プライベート空間で治療に専念したい」という方などは、がん保険でしっかり備えておきたいところです。

②傷病手当金

病気やケガによって仕事を休んだとき、休業中の生活を保障するのが「傷病手当金」です。


次のすべての条件を満たした場合、最長で1年6カ月にわたって受け取ることができます。


  • 業務外の病気やケガによる休業
  • 医療機関などで「就業不可」という判定を受けている
  • 休業している期間中に給与の支払いがない
  • 公休日を含めた連続した3日間の休み(待期)を経て、4日目以降の休業日に対して支給

対象者は給与収入者に限られるため、フリーランス・事業主については制度の対象外となります。


また、出産手当金・労災保険といった、傷病手当金以外の保障を受けている場合も、支給対象から外れます。


なお、1日あたりの支給額

支給開始日前の12カ月間の標準報酬月額の平均÷30日×(2/3)

という計算式で求められます。

③医療費控除

1月1日〜12月31日までの医療費が一定額を超えたときは、確定申告にて医療費控除を受けることができます。


控除を受けることで、所得税・住民税が安くなるという制度です。


控除額は、

実際にかかった医療費-保険金等で補填される金額-10万円(総所得200万円未満の場合は総所得の5%)

という式で計算します。


控除の上限は、200万円となっています。


控除を受けるためには、「医療費控除の明細書」を所得税の確定申告書に添付して、管轄の税務署に提出する必要があります。


控除対象となる医療費は細かく設定されているため、気になる費用がある場合は、国税庁の公式ホームページなどで確認してみましょう。

まとめ:がん保険の悩みならまずはマネーキャリアで無料相談!

今回は、膀胱がんがん保険についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。


身内に膀胱がんの罹患歴がある方がいらっしゃる場合などは特に、がんや保険に関する知識は気になるところですよね。


また、近年ではがんの治療においても入院ではなく通院となる割合が高まっているため、通院に対する保障が充実したがん保険を検討することがおすすめです。


とはいえ、がん保険の種類は大変豊富であるため、自分に合う商品はどれなのか、選択に悩んでしまうこともありますよね。


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