更新日:2021/11/01
がん保険の通院保障は必要?選ぶポイントやがん治療の実態も解説
がん保険は入院保障や手術保障がメインだと考えられがちですが、入院日数が減少し通院治療が増加している現代においては、「通院保障」の重要性がさらに高まっています。そこで今回は、がん保険において通院保障が必要だと言える理由と、重視すべきポイントについて解説します。
内容をまとめると
- がん保険の通院保障には主に2つのタイプがある
- 通院治療の割合が増加しているので、がん保険の通院治療の必要性も高いといえる
- 通院保障を決める際は、保障される治療方法や通院限度日数に注意するべき
- がん保険の通院保障は、あくまでがん治療のための通院が保障対象である
- 通院保障の決め方などがん保険選びに悩んでいる方は、「マネーキャリア」の利用がおすすめ!優秀なFPに何度でも無料でオンライン相談が可能です!
目次を使って気になるところから読みましょう!
がん保険の通院保障は2種類にわかれてきている
がん保険における「通院保障」は、がん治療のための通院した場合に保険金がおりる基本的な保障ですが、現在では通院保障が2つの種類に分かれてきています。
- 通院給付金の対象範囲を拡大したもの
- 診断給付金や治療給付金をその都度受け取れるもの
種類①:通院給付金の対象範囲を拡大したもの
1種類目の通院保障は、放射線療法・化学療法・手術療法の「3大療法」にまで、保障対象範囲が拡大されているタイプです。
この場合、入院による治療か、通院による治療かにかかわらず、3大療法に含まれる治療を受けたのであれば保障されます。
たとえば、
- 退院後180日以内であれば日数無制限で保障、3大療法の場合は入院の有無を問わない
- 退院後日数無制限で、最大1,000万円までの通院治療費を保障、3大療法の場合は入院の有無を問わない
保険によっては、痛みの緩和ケアによる通院や、公的医療保険が適用されないセカンドオピニオンに関しても保障される場合があります。
選択される治療法によっては、通院1回あたりの通院給付金の給付額を上回る場合があるため、通院給付金の金額設定は慎重であるべきです。
種類②:診断給付金や治療給付金をその都度受け取れるもの
2種類目の通院保障は、通院保障とは別に「診断給付金」や「治療給付金」を受け取れるタイプです。
たとえば「1日あたり10,000円」の通院保障がある場合に、それとは別に
- がん・上皮内新生物の治療で放射線治療を受けた場合、1回あたり20万円
- がん・上皮内新生物の治療で抗がん剤治療を受けた場合、1回あたり10万円(通算600万円まで)
がん保険の通院保障は必要性を増している
これからがん保険への加入を考えている方の中には、診断時の保障や入院・手術時の保障が充実していればいいので、通院保障の内容についてはそこまで重視しなくても良い、と考えている方もおられるでしょう。
ではここで、厚生労働省の「患者調査の概況(2017年)」を見て、がん治療においてどれだけの人が通院治療となっているかを見てみましょう。
まずは、がん治療における在院日数の推移表をご覧ください。
年度 | 新生物 (全体) | 悪性新生物 |
---|---|---|
平成8年 | 35.8 | 46.0 |
平成11年 | 31.4 | 40.1 |
平成14年 | 28.9 | 35.7 |
平成17年 | 24.6 | 29.6 |
平成20年 | 22.4 | 23.9 |
平成23年 | 19.5 | 20.6 |
平成26年 | 18.7 | 19.9 |
平成29年 | 16.1 | 17.1 |
このように年々在院日数は減少しており、平成8年から平均で約30日も短縮しています。
がん治療の入院・外来推計患者数についても、次の表をご覧ください。
年度 | 入院患者数 (単位:千人) | 外来患者数 (単位:千人) |
---|---|---|
平成8年 | 134.4 | 127.0 |
平成11年 | 136.8 | 119.9 |
平成14年 | 139.4 | 119.7 |
平成17年 | 144.9 | 140.1 |
平成20年 | 141.4 | 156.4 |
平成23年 | 134.8 | 163.5 |
平成26年 | 129.4 | 171.4 |
平成29年 | 126.1 | 183.6 |
このように、平成20年以降の統計からは入院患者数よりも外来(通院)患者数の方が、患者数が増加しています。
がんが医療技術の発達により「治せる病気」となっていることに合わせて、入院を必要としない治療によって完治も可能となっていることから、がん保険を選ぶ際にも通院保障を重視するのは理にかなっています。
がん保険の通院保障を選ぶときの3つのポイント
がん保険はいくつもの保険会社が販売していますが、どのがん保険を選ぶかを「通院保障」で比較する際には、いくつかのポイントを考える必要があります。
そこで次からは、がん保険の通院保障を選ぶときのポイントについて、
- どの治療内容が保険対象になるか
- 保障を受けられる通院限度日数は何日か
- 三大療法には対応しているか
ポイント①:どの治療内容が保険対象になるか
がん保険の通院保障は、保険会社によって保障対象となる治療の種類が異なるため、具体的にどこまでの治療法が保障対象になるかを必ずチェックしておく必要があります。
注意すべき点として、がん細胞が上皮内に留まっており軽度のがんとされる「上皮内新生物」の治療に関しては保険によって保障の有無が異なり、保障されるとしても通常のがん(悪性新生物)治療よりは保険金額が安くなる場合が多いです。
このように保険によって保障対象となる治療方法が異なるため、契約前に必ずチェックしておきましょう。
ポイント②:保障を受けられる通院限度日数は何日か
がん保険の場合、必ず「何日(何回)までの通院を保障してくれるか」をチェックしましょう。
保障上限が定められている医療保険とは異なり、一般的にがん保険は入院・通院保障ともに無制限で保障されることがほとんどです。
これは医療保険に「がん特約」を付帯する場合も同様ですが、保険によっては「上限120日まで」のように上限がある決められている場合があります。
ポイント③:三大療法には対応しているか
一般的にがん保険の治療は、
- 放射線療法
- 手術療法
- 化学療法
以上4つの種類(人によっては「免疫療法」が用いられる場合もあり)に分類されます。
がん保険では基本的に上記の3種類すべてが通院保障の対象となりますが、当然ながらこれらの治療が「がん治療」のために行うものでなければなりません。
たとえば前立腺がんと糖尿病の両方に罹患している患者が、前立腺がんの治療のために入院・通院するなら保障されますが、がん患者が糖尿病の治療のために入院・通院しても、がん保険では保障されません。
がん保険の選び方に迷ったら保険のプロに相談しよう
保険の選び方はいわゆる「将来設計」にもつながってくるものだからこそ、人によっては生涯にわたって付き合うこととなる保険というパートナー選びは、適当に決めたくはありません。
しかし、初めてがん保険に加入する方であればなおさら、自分自身の場合はどのような保障を重視するべきなのか、現在の家計状況ではどれだけの保険料支払いが負担とならないのか、といった点を判断するのは難しいでしょう。
そこで利用できるのが、がん保険の選び方について「保険のプロ」に直接相談できる「マネーキャリア」というサービスです。
マネーキャリアはFP(ファイナンシャルプランナー)に相談できるることで、基盤となるライフプランを設計し、複数の保険会社の中からそれぞれの相談者にとってベストながん保険を提案してくれます。
そのため、保険の初心者が失敗しがちな「無駄な保障を付帯したことで、無駄に高い保険料を支払う」ことや「いざ保険が必要になったときに必要な保障が受けられない」といったリスクを回避できます。
相談はスマートフォンやパソコンなどを用いて行うため、インターネットを利用できるオンライン環境があれば誰でも相談が可能であり、納得行くまで何度相談しても無料です。
がん保険の選び方で悩んでいる方は、ぜひ一度「マネーキャリア」を利用してみてはいかがでしょうか。
がん保険の加入前に確認したいがん治療の実態
がん保険は、将来的にがんに罹患したときの費用に備えるためのものですが、実際にがん治療に伴ってどれだけの治療費がかかるのかを把握することは、保障内容と保険料のバランスを保つことに役立ちます。
そこで最後は現代におけるがん治療の実態に関して、
- がん治療の主流は入院から通院にシフト
- がんの通院治療で行われる主な治療法
がん治療の主流は入院から通院にシフト
すでに解説したように、現在メインのがん治療方法は入院治療から通院治療にシフトしています。
薬を用いた化学療法、放射線を照射する放射線療法のどちらも通院での治療が可能であり、患者として病院内で過ごすのではなく、仕事など通常の日常生活を送りながら完治を目指すことができます。
もちろん抗がん剤治療には副作用も伴うため、すべてのことを普段どおりに行えるわけではない場合が多いですが、それでも精神的負担は入院治療より少ないとされています。
ちなみに、通院治療のやり方は人によって様々であり、すべての治療を通院で行うのではなく、初期段階は入院し、退院後に長期にわたって化学療法による通院治療を行っていくケースもあります。
がんの通院治療で行われる主な治療法
通院で抗がん剤などの化学療法を実施する場合は、一般的に
- アルキル化剤
- 代謝拮抗剤
- 抗腫瘍性抗生物質製剤
- 抗腫瘍性植物成分製剤
- その他主要製剤
これら「8742腫瘍用薬」に分類される薬を用いた化学療法が用いられ、がん保険の保障対象となります。
逆にいえば、これらに当てはまらない化学療法を行った場合はがん保険で保障されず、給付金も受け取れません。
どのような通院治療が保障対象となるか、各保険会社の規約を必ず確認しておきましょう。
がん保険の通院保障の必要性に関するまとめ
今回はがん保険の通院治療の必要性に関して解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
もはや通院治療ががん治療の主体となった現代においては、がん保険選びも「通院保障」なくしては語れません。
これからがん保険への加入を考えている方も、入院保障だけでなく通院による治療がどれだけカバーされるかを、保険会社ごとに比較考慮してから決めることをおすすめします。
ほけんROOMではこの記事以外にも役立つ記事を多数掲載していますので、ぜひご覧ください。
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