更新日:2023/10/06
法人名義の自動車で1day保険(ちょいのり保険)に加入できる?
法人名義の自動車に1日だけ乗りたい時に、1day保険は適応されるのでしょうか?基本的には、法人名義の自動車に1day保険は適応できませんが、一定の条件を満たした場合は使用可能です。また、1day保険では乗ることができない場合の代替案に関してもご説明します。
内容をまとめると
- 原則的に法人名義の自動車は1day保険に加入できない
- 例外的に、車検証の所有者欄が個人名義であれば加入できることもある
- 他車運転特約で法人名義の自動車の保険をカバーできる場合がある
- 新たにドライバー保険に加入するという選択肢もある
- 任意保険の保険料を安くしたいからといって、本人名義の自動車では1day保険に加入することはできない
- 法人保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ
目次を使って気になるところから読みましょう!
法人名義の自動車に1day保険は適応されるの?
兄弟や友人などから1日だけ車を借りる時に便利なのが、1日だけでも保険に加入することができる1day保険です。
1day保険はあくまでも他人名義の車に乗る場合に加入できるものなので、本人や配偶者名義の車では加入することはできません。
では会社で使っている法人名義の自動車を1日だけ借りたい場合は1day保険に加入することはできるのでしょうか?
実は、原則として法人名義の車では1dayは適応することはできないのですが、一定の条件を満たすと1day保険に適応することができるのです。
そこで今回は、法人名義の自動車で1day保険が適応できるのかどうかについて
- 原則的には1day保険は適応できないが、一定の条件を満たせば可能
- 法人名義の車に1day保険が適応されない場合の代替案
- 本人名義の車は1day保険に加入できない
以上を中心に解説します。
この記事を読んでいただければ、法人名義の社用車を有効活用する上で必要な保険の知識を身につけるのに役立つと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
法人名義の自動車に1day保険は適応されない!
1day保険とは、車を持っていない人が、他人の車を借りて運転する時に1日単位で加入することができる保険のことです。
1day保険が必要になる場面は様々かと思いますが、例えば車を修理に出して使えない時などに、友人や同僚の車を1日だけ借りてどこかへ出かける場合が考えられます。
個人名義だけでなく、法人名義の社用車などを1日だけ借りたい時にも1day保険に加入することができれば大変便利です。
しかし、残念ながら現在ではどの保険会社でも法人名義の自動車には1day保険は適応されないのです。
ただし、法人名義の自動車でも一定の条件を満たせば1day保険が適応されることがあります。
一定の条件を満たせば1day保険で法人名義の自動車を使用可能
原則的に、法人名義の自動車は1day保険に加入することはできません。
しかし、例外的に以下の2つの場合は、法人名義の自動車でも1day保険に加入することができます。
- 使用者欄が個人名である場合
- リース契約で個人が借りている場合
ここからは、これら2つの場合について具体的に解説していきます。
使用者欄が個人名の場合は使用可能
自動車車検証の所有者欄が法人であっても、使用者欄が個人名であれば1day保険を使用することができます。
例えば、所有権留保条項付売買契約で自動車を購入した場合などは、車検証の所有者欄が法人で使用者欄が個人名となっています。
所有権留保条項付売買契約とは、車をローンで購入した時に車の代金を全額支払い終わるまでは所有者を自動車販売会社やローン会社のままにしておくというものです。
そのため、中古車を購入したため一括で代金を支払ってしまっていたり、ローンを全額払い終わっている場合などは1day保険を使用することはできません。
リース契約で個人が借りている自動車は使用可能
個人が自動車をリース契約で借りている場合にも1day保険を使用することができます。
リース契約とは、業務で必要な設備などを自分で購入するのではなく、リース業者から借りるということです。
リース契約では自動車車検証の所有者欄がリース業者名義となっていますが、使用者欄が個人名義であれば1day保険に加入することができます。
ただし、この場合はリース契約は1年以上の期間であることが条件なので注意してください。
1day保険が適応されない法人名義の自動車に乗る時の代替案
自動車車検証の所有者欄が法人名義でも、使用者欄が個人名義であれば1day保険を使用することができる場合があると解説してきました。
しかし、自動車が法人名義でも1day保険を使用できるのは例外的な場合であり、これに当てはまらないという場合も多いかと思います。
では、自動車が法人名義なので1day保険が適応されないけれど、それでも法人名義の車を借りて乗りたいという場合はどうすればいいのでしょうか?
そこで、ここからは1day保険が適応されない法人名義の自動車を借りるため選択可能な、1day保険以外の代替案として以下の3つを解説します。
- 他車運転特約でカバーできるか確認する
- ドライバー保険に加入する
- 法人名義の自動車の任意保険を適応して使用する
他車運転特約でカバーできるか確認
法人名義の車を借りて万が一事故が起きてしまった場合、他車運転特約で保険金をカバーできる可能性があります。
他車運転特約とは、他人の車を借りて運転している時に事故が起きた場合、借りた車にかけられた保険ではなく、運転者が契約している保険を使って保険金を支払うというものです。
ただし、このとき確認しなければならないのは、他車運転特約に法人名義の車が含まれているかどうかということです。
なぜなら、他車運転特約で想定されているのは配偶者や同居の親族など、血縁関係にある個人の車を借りた場合なので、法人名義の車には適応できない場合もあるからです。
そのため、他車運転特約で法人名義の自動車事故もカバーできるかどうかについて、あらかじめ契約している保険会社に問い合わせて確認しておく必要があります。
ドライバー保険に加入して使用する
1day保険以外を使って法人名義の自動車を運転する場合、新たにドライバー保険に加入するという方法もあります。
ドライバー保険とは、車を所有していない人が、他人の車を借りて運転する時に加入できる保険のことです。
1day保険が1日単位で加入できるのに対して、ドライバー保険では加入期間が1年以上となっています。
そのため、法人名義の車を借りて運転したいけど、運転する期間が短かったり、それほど頻繁には運転することはないといった場合、ドライバー保険だと割高になってしまう可能性があります。
他にも、ドライバー保険と1day保険の違いとして、ドライバー保険では等級制度や年齢によって保険料が変わることも挙げられます。
ドライバー保険では等級制度があるのに対して、1day保険では等級制度はありません。
また、ドライバー保険では21歳以上か21歳未満かで保険料が変わりますが、1day保険には年齢によって保険料は変わりません。
一方、1day保険には等級制度はなく、年齢による保険料の変化もありません。
法人名義の自動車の任意保険を適応して使用する
1day保険に加入できない場合、法人名義の自動車の任意保険を適応して使用するという方法があります。
もちろん、この代替案が何の解決にもなっていないのは事実です。
なぜなら、法人名義の自動車の任意保険を使用しても問題ないのであれば、最初からそうしているはずだからです。
しかし、これまでご紹介してきたような様々な方法を検討した結果、なにも良い方法が見つからなかった場合であれば、最後の選択肢として残るのはこの方法です。
他車特約などの適応されるかどうか不確実な方法を選択するなら、法人名義の自動車の任意保険を使った方が確実だと言えるのも事実です。
【参考】本人名義の自動車は1day保険に加入できない
1day保険は1日あたり500円程度なので、ほとんど車に乗らないという方であれば、任意保険よりも1day保険の方がお得だと思えるかもしれません。
しかし、1day保険はあくまでも他人の自動車を借りた時に加入できるものなので、保険料を安くしたいからといって本人名義の自動車で加入することはできません。
また、本人名義でなかったとしても、実態上所有している自動車の場合は1day保険に加入することはできません。
実態上所有している自動車とは「車検証の名義は本人ではないが、実際には本人が所有している自動車」のことで、例えば以下のような場合を指します。
- 自動車を購入したがまだ車検証の名義を変更していない場合
- 他人から自動車を譲り受けたがまだ車検証の名義を変更していない場合
まとめ:法人名義の自動車の使用時には条件の確認をしよう
法人名義の自動車が1day保険に加入できるかどうかについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回のこの記事にポイントは
- 原則的に法人名義の自動車は1day保険に加入できない。
- 例外的に、車検証の所有者欄が個人名義であれば加入できることもある。
- 他車運転特約で法人名義の自動車の保険をカバーできる場合がある。
- 新たにドライバー保険に加入するという選択肢もある。
- 任意保険の保険料を安くしたいからといって、本人名義の自動車では1day保険に加入することはできない。
でした。
原則的に法人名義で1day保険に加入することはできませんが、例外的に一定の条件を満たせば加入することができます。
ただし、例外的に一定の条件を満たしている場合とは所有権留保条項付売買契約やリース契約の場合なので、基本的は稀です。
例外的な場合にはあまり頼らないようにして、もしどうしても法人名義の自動車で保険に加入したい場合は代替案を考えるようにしましょう。
ほけんROOMでは他にも読んでみたい記事をたくさん掲載していますので、ぜひご覧ください。
また、「マネーキャリア」では、法人保険や事業のリスク対策について専門家に相談できるサービスを提供しているので、些細なことでもご相談ください。