ロストバゲージに遭った!海外旅行保険で補償されるの?詳細に解説!

ロストバゲージとは、航空会社に預けた荷物が何らかの理由で紛失・延着したことを指します。海外旅行保険では航空機寄託手荷物遅延特約を付帯している場合にロストバゲージが補償されます。ただし、保険会社の海外旅行保険のみならず、航空会社でも補償してくれる場合があります。

目次を使って気になるところから読みましょう!

ロストバゲージのケースにおける海外旅行保険の補償を解説!

ロストバゲージとは、航空会社に預けた荷物が、何らかのアクシデントや人為ミスにより紛失したり、または延着したりすることを指します。


日本では考えにくいことですが、海外では実際に起こり得るリスクと言えます。海外に渡航した矢先にこの様な事態になった時や、旅行から帰国してホッと一安心している最中にロストバゲージに遭ったことが判明すれば、誰でもパニックになってしまうものです。


そこで、今回はロストバゲージに遭った場合に海外旅行保険で補償されるかどうかを解説します。




海外旅行保険に付帯されている航空機寄託手荷物遅延特約があれば補償可能である

手荷物が無くなる喪失感は大きなものとなります。しかし、海外旅行保険に付帯されている航空機寄託手荷物遅延特約があれば補償の対象となります。


海外旅行保険に付帯される航空機寄託手荷物遅延特約とは、預けた荷物が到着しない場合、渡航先で必要なものを購入する費用を補償してくれる特約です。

以下では、ロストバゲージに遭った場合の補償内容と注意点を取り上げます。

航空機寄託手荷物遅延特約とは、6時間以内に届かない場合に遅延として認められ、10万円前後の補償がされる

この特約があれば、航空機搭乗時に航空会社に預けた手荷物が旅行先に6時間を超えて遅れて到着した場合、ご自分が目的地への到着後、96時間以内に購入した衣類・生活必需品の費用等を、1回の遅延につき概ね10万円前後を限度として補償されることになります。

ただし、ご自分で管理していた手荷物を不注意で紛失した場合は補償されません。

身の回りの生活衣類などに保険適用となるため、高価なものは保険適用外になってしまう

当該特約付きの海外旅行保険で補償の対象になるのは、あくまでご自分が目的地への到着後、96時間以内に購入した衣類・生活必需品の費用等の身の回り品となります。

そのため、身の回り品とはいえない貴金属や宝石、絵画等の高価な品物等は海外旅行保険の適用外となります。

海外旅行保険に航空機寄託手荷物遅延特約を付帯させる場合、数百円で付帯できる!

航空機寄託手荷物遅延特約は、ロストバゲージに遭った際は非常に頼りになる特約ですが、主契約で海外旅行保険に付帯する場合は数百円程度となります。


海外旅行保険に加入する場合は、ロストバゲージのリスクも考えてこちらの特約も付加しておきましょう。

万が一、ロストバゲージが起きたときの対処方法を確認しよう

いかに海外旅行保険へ航空機寄託手荷物遅延特約を付帯させているからと言って、ロストバゲージに遭うと非常に厄介な事態になることにかわりありません。


また、ロストバゲージは非常に稀なアクシデントではなく、全世界の空港で報告されているロストバゲージ数は1年間で3,000万個以上という膨大な数に上ります。

こちらでは、ロストバゲージに遭った時の対策を説明します。

荷物につけられているタグの控えはなくさないようにしよう

ご自分がいくら探しても荷物が出てこない場合は、利用した航空会社のスタッフに伝えましょう。そのスタッフが探してもなかなか見つからない場合は、荷物引取所エリアにある対応カウンターを利用します。


その際、荷物を預けた時に渡航先などを示したバーコード付きシール(タグ)の存在が重要となります。


バーコード付きシール(タグ)は、空港でスーツケースを預ける時にスーツケースに貼られます。それと同時にその控えが渡されます。


この控えが、このロストバゲージの手続きをする際に必要です。対応カウンターには航空券と、このバーコード付きシール(タグ)の控えを提示することになります。


バーコード付きシール(タグ)の控えは失くさないようにしましょう。

スーツケースの色、サイズ、滞在先は英語のメモを用意しておいて荷物の詳細をスタッフに伝える

渡航先でロストバゲージに遭ったときには、日本語が堪能なスタッフがいれば直接言葉で相談できますが、日本語が通じなかったり、ご自分も外国語が苦手であったりした場合、なかなか話が進まないことが想定されます。


そのため、事前にご自分の手荷物(スーツケース)の色、サイズ、滞在先を英語(できれば現地の言葉)でメモ書きしたものを用意し、荷物の詳細についてスタッフに伝えておきましょう。

ロストバゲージで損害を受けた場合の海外旅行の保険金請求方法とは

航空機寄託手荷物遅延特約付きの海外旅行保険があれば、ロストバゲージによる損害が補償されます。この補償を受けたい場合には、ご自分で保険会社に請求することが必要です。

必要な書類は次の通りです。

  • 手荷物紛失(事故)証明書(原本)
  • 渡航先で購入した身の回り品の領収書(原本)
  • 旅行行程表、航空券半券等の旅行行程が確認できる資料
  • (手荷物が手元に届いた場合)宅配便控え等の日時がわかる書類

海外旅行保険の保険金請求をする際には、一般的に目的地に到着してから96時間以内に購入した証明となるレシートや領収証が必要

渡航先で購入した身の回り品の領収書は、ロストバゲージに遭った際、身の回り品を購入した場合の証拠として提出する必要があります。


その場合に注意すべき点は、当該特約付き海外旅行保険の補償条件が①手荷物が旅行先に6時間を超えて遅れて到着した上に、②ご自分が目的地へ到着後、96時間以内に購入した身の回り品に限られることです。


6時間を超えない範囲で旅行先に手荷物が到着した場合や、身の回り品とはいえない高級品の購入、手荷物到着後に購入した品物は補償の対象外となります。

ロストバゲージを証明する書類として手荷物紛失証明書を受け取ること

「手荷物紛失(事故)報告書」とは、ご自分や空港のスタッフでいくら探しても荷物が発見できなかった時に、ロストバゲージに遭ったということで空港職員が発行する書類です。


なお、この手荷物紛失(事故)報告書を申請する場合には、ロストバゲージに遭った際に、自分の荷物(スーツケース等)のメーカーや色・形・大きさ・内容物等と共に、発見されたらすぐに送ってもらうため、滞在先の宿泊施設名・住所・電話番号などを記載することになります。

ロストバゲージの補償におけるクレジットカード付帯の海外旅行保険の注意点

クレジットカード付帯の海外旅行保険とは、告知義務なしで加入でき、傷害死亡・後遺障害、傷害・疾病利用費、救援費用、損害賠償責任、携行品の損害等のオーソドックスなケースが補償対象になります。


補償範囲も販売型の通常の海外旅行保険と同様です。年会費無料で海外旅行保険が付帯しているカードもありますので、ご自分のカードに海外旅行保険が付帯されていないかまず確認してみましょう。

クレジットカードによっては付帯されていないカードもある

クレジットカード付帯の海外旅行保険で注意すべき点は、年会費が無料のクレジットカードの場合、そのほとんどはロストバゲージに対応する航空機寄託手荷物遅延特約はついていません。


年会費が有料のクレジットカードの場合でも、航空機寄託手荷物遅延特約に対応しているものは、ほとんどゴールドカード以上になります。


ご自分のカードにこの特約が付帯されていなければ、改めてこの特約を付けた海外旅行保険に加入したい場合、販売型の海外旅行保険に加入契約することも考えておきましょう。

6時間以内に荷物が戻ってきた場合はカードの延着保険は適用外になる

6時間以内に荷物が戻ってきた場合は、販売型の海外保険と同様に補償の対象外です。6時間以内とはいっても、ロストバゲージに遭った手荷物に身の回り品全てを入れておいた場合は、手荷物がご自分の滞在先へ到着するまでにとても不便なおもいをするかもしれません。


そのため、事前にロストバゲージのリスクを分散し、ご自分で管理しているカバン等に貴重品はもちろん、1日分の生活用品を入れておくことも大切な備えと言えます。

帰国便でのロストバゲージについては、補償がおりないこともある

帰国便でロストバゲージに遭った場合は、お財布等を不注意でロストバゲージした手荷物の中に入れておかない限り、ご自分の自宅に戻るだけとなり、生活が不便になってしまうことは考え難くなります。


そのため、ロストバゲージした手荷物の下着やパジャマ、生活用品等はご自宅にあるだろうと保険会社に判断され、仮にご自宅に替えがなく購入した費用でも補償されない可能性があります。


こちらのケースは、各保険会社によって対応が異なる場合もあります。まずは、保険会社へ電話連絡し対応を相談しましょう。

参考:航空会社によってはロストバゲージの補償をある程度してくれる場合もある

航空会社は基本的にロストバゲージに対して補償する必要はありません。そのため、ロストバゲージした荷物が発見されたら指定した住所まで無料で発送するものの、見つからなかった場合は何らの補償も行わないことになります。


ただし、航空会社によっては、金銭的な補償サービスを行っている場合があります。それはロストバゲージした荷物を発見する間に、身の回り品の購入金額についての補償や、見舞金という形で補償を受ける場合等いろいろなサービスがあります。


なお、補償金額はワルソー条約で1kgあたり約3,000円が限度とされ、モントリオール条約では、荷物1つにつき15万円前後となります。


まずは、ロストバゲージの補償の有無を航空会社窓口等で確認してみることをおすすめします。

まとめ

ロストバゲージの原因に関しては、乗客が他人の手荷物(スーツケース等)を自分の手荷物と勘違いして持ち去ったり、盗難されたりするケースもあります。


特に盗難に遭った場合には、ご自分の手荷物が戻ってくる可能性は非常に低くなります。海外旅行保険で最終的に補償されることになっても、ロストバゲージに遭った当人の喪失感はそう簡単に解消されるものではありません。


預けた手荷物の中には、貴重品は絶対にいれないこと、荷物を預けた時に受け取るバーコード付きシール(タグ)の控えは失くさないようにする、という心構えが大切です。

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