学資保険の一括払いで発生する3つのデメリット!支払方法を解説

学資保険の一括払いは利率が高くてお得と保険の営業マンに勧められたことはないでしょうか。しかし、「何か裏やデメリットを隠しているんじゃ…」と考えるのは当然です。実際に学資保険の一括払いには月払いとは異なる一括払い特有のデメリットが存在します。

学資保険を一括払い(一時払い・全期前納)にするデメリットとは

学資保険を検討する際、やはり気になるのが返戻率の高さですよね。

そこでよく保険の営業マンが勧めるのが「学資保険の一括払い」です。月払いや年払いよりも返戻率が高くお得ですよとおすすめしてくることが多いです。

そんな時、「何かデメリットを隠しているのでは?」「絶対に裏がある」と勘繰ってしまうのは当然です。

実際に学資保険の一括払いには月払いなどとは異なる注意すべきデメリットが存在します。

そこでこの記事では、学資保険の一括払いのデメリットを知りたい方に向けて
  • デメリットを知る前に!学資保険の一括払いとは?
  • 学資保険の一括払いのデメリットを解説
  • それでもやっぱり返戻率は高い!一括払いのメリット
  • 結局学資保険の支払方法は「月払い」「一括払い」どちらがいいのか
について解説します。

この記事を最後まで読んでいただければ、一括払いのデメリットだけでなく学資保険をどのように選べばいいのかわかるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類がある

子どもの教育資金にと学資保険をかける際、その支払方法は、月払いや年払いのほかに一括払いがあります。

一括払いとは、文字通り保険料を一括で支払うことです。支払方法によって返戻率には差があり、一括払いでは返戻率がもっとも高くなるという大きなメリットがあります。

しかし、一括払いには
  • 一時払い
  • 全期前納払い

の2種類があることはご存じでしょうか。どちらも一括払いと呼ばれるものでありながら異なる部分も多く、支払方法を検討する際には注意が必要です。


まず一時払いとは、契約者が全期間分の保険料を一度に支払うことです。保険会社が保険料を受け取り、支払いは終了となります。一般的に「一括払い」と言ってイメージされるのはこのあり方かもしれませんね。


一方で全期前納払いとは、契約者が全期間分の保険料を払うところまでは同じなのですが、一旦保険会社が保険料を預かり、毎月、その中から保険料として充当されていくという仕組みです。


契約者側から見ればどちらも一度にお金を用意するわけですから、この違いは少し不思議ですよね。

一括払いには返戻率が高いという特長がありますが、この2つの支払方法の仕組みとデメリットをしっかりと理解しておくことが、お得な支払いのためにはより大切です。

それでは次に、一時払いと全期前納払い、それぞれのデメリットを紹介します。

【学資保険の一時払い】3つのデメリットを解説

学資保険の一時払いで何よりのメリットとなるのは、あらゆる支払方法の中で返戻率が最高となることです。

これはなぜかというと、全期間分の保険料が契約時にすべて保険会社に渡るため、保険会社は受け取った保険料を長期に運用することができるためです。
 

教育資金を貯めていく上で、また貯蓄といった意味でも、一時払いは現代採用されている支払方法の中で一番の効率の良さといえます。 

しかし同時に、一時払いにすることで発生するデメリットもあります。


デメリットは大きく分けて下記の3つです。これから詳しく見ていきましょう。

  • 払込免除特約が適用されない
  • 生命保険料控除の適用が、支払った年のみとなる
  • 中途解約した場合の損が大きい

デメリット1:払込免除特約が適用されない

払込免除特約という名前を聞いたことがあるでしょうか。

学資保険を月払いや年払いで契約する場合には、通常必ず付加されるもので、契約者に万が一のことがあった時、その後の保険料支払いが免除されるという内容です。

学資保険の支払いは長期にわたるものなので、その間に契約者である親に万が一のことがあったらという不安は多くの方が感じるでしょう。払込免除特約では、学資保険の種類にもよりますが、死亡時に限らず高度障害や三大疾病なども適用範囲に含まれます。 

このように、万が一の場合に保険料の支払いは免除されながら保険金は満額受け取ることができるという学資保険ならではの大きな恩恵を、一時払いでは受けることができません。 

保険料の支払いが完了しているため、それ以上免除されるものがないと考えられるためです。

ただし、もちろん学資保険そのものは継続されており、通常通りの満期金を受け取ることができます。 

デメリット2:生命保険料控除が支払った年しか適用されない

見落としがちながら、デメリットとなりうるのが税金面です。

生命保険料控除とは、生命保険を支払っている人がその額に応じて所得税などの控除を受けられるという優遇制度です。契約者が、保険料を支払った本人だけでなく家族の場合にも適用されます。

学資保険もこの生命保険料控除の対象になりますが、契約した年にすべての保険料を支払っているため、その年しか控除が受けられないのです。
 

支払方法に月払いや年払い、全期前納払いを選択していれば、控除を毎年受けることができますので、一時払いではデメリットとなります。  

では、控除額は具体的にいくらになるのでしょうか。所得税・個人住民税について見てみましょう。

実は、2012年1月より前に加入した保険は「旧制度」、それ以降に加入した保険は「新制度」と別々の計算方法が用いられますが、ここでは、子どもが現在0歳とし、新制度のみで計算します。

また控除額には上限があり、年間の支払額が所得税の計算においては80,000円を超えると、住民税の計算においては56,000円を超えると一律額となります。

【シュミレーション】

  • 子ども:2019年生まれ
  • 学資保険料:月5,000円
※他に、一般生命保険料の対象となる保険には入っていないものとする

月払いの場合、年間の支払額は60,000円となり
  • 所得税の生命保険料控除額:35,000円
  • 住民税の生命保険料控除額:28,000円(一律額)
一時払いの場合、10数年分の保険料をまとめて支払うわけですから、当然上限額が適用され、
  • 所得税の生命保険料控除額:40,000円(一律額)
  • 住民税の生命保険料控除額:28,000円(一律額)
となります。

いかがでしょうか。保険料支払い年数を考えると、差は歴然としています。

デメリット3:途中解約した場合大きく損をする

もうひとつのデメリットとして、中途解約した場合の問題があります。

学資保険の支払いは長期間にわたるので、途中で支払いが困難になる可能性も考えられます。

これは一時払いに限らず月払いや年払いであっても同じことですが、学資保険は中途解約するとかなり高い確率で元本割れします。元本割れとは、支払い済みの保険料よりも受け取る解約金の方が少ないことを意味します。 

全期間の支払いが前提となっている代わりに、払込免除特約を含む安定的に受け取りができるというのが、学資保険の特徴だからです。 

中でも一時払いは返戻率が高い分、中途解約時の元本割れの額も大きくなります。

解約金の額は契約年数によって異なりますが、最低でも契約後5年は経過していなければ、必ず元本割れすると言えるでしょう。

【学資保険の全期前納払い】一時払いと比較した際のデメリット

ここからは、一括払いのもう一つの方法である全期前納払いについて解説します。

一時払いを選択することでは3つのデメリットがありましたが、全期前納払いにはこれらのデメリットは発生しません。

あえてデメリットというのなら「一時払いよりも少し返戻率が低い」ということくらいです。

逆に、月払いや年払いと同様の、学資保険のメリットは有効です。 

まず生命保険料控除は毎年適用されます。一括で払った保険料はあくまでも保険会社の預かりであり、支払いは月々という考え方になるためです。

そして中途解約の場合、保険料が充当されていない部分については返金が受けられます。 

さらに、一時払いとの大きな違いは契約者に万が一のことがあった場合です。全期前納払いでは保険料払込免除が付加されるため、保険料が充当されていない部分は返金、残りの支払いは免除となり、かつ保険金は満額受け取ることができるのです。 

このように考えると、支払方法の中では全期前納払いにもっともメリットがあるように感じます。 

学資保険を一括払い(一時払い・全期前納払い)にするメリット

学資保険を一括払いにするデメリットを見てきましたが、では、支払方法として一括払いは選ばない方が良いのでしょうか。 


そんなことはありません。一括払いには「返戻率が高くなる」という大きなメリットがあります。


学資保険はそもそもが決して返戻率の高くない保険です。


大幅には増えない代わりに、子どもの教育資金という大きなお金を着実に積み立てることができ、また生命保険の簡易版ともいえる払込免除特約が付いているというところに価値があります。


その学資保険において、高い返戻率までも取ることができるというのであれば、デメリットに見合うだけのメリットであると言えるでしょう。 

学資保険の一括払いはやっぱり高い返戻率が魅力的

では、具体的にどれくらいお得になるのかシュミレーションしてみましょう。


かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」は、大学入学時に備えた18歳満期の商品です。

医療特約を付けることができ、入院などの際に保証が受けられるという特徴があります。この保険を用いて下記の条件で比較してみます。


【シュミレーション】

  • 契約者:30歳男性
  • 子ども:0歳(2019年生まれ)
  • 基準保険金額:200万円
  • 1日あたりの入院保険額:1500円

この場合、月払いですと保険料は月額10,110円です。


一方、この月額を基準に全期前納払いを選択すると、保険料は2,136,100円となり、前納による割引額は47,660円ということなります。

学資保険は結局「月払い」と「一括払い」はどっちがいいの?

ここまで、一括払いのメリットとデメリットを中心によりよい支払方法を考えてきました。


まとめると、一括払いと月払いの比較要素としては

  • 払込免除特約
  • 返戻率
  • 解約時の元本割れのリスク
  • 生命保険料控除

の4つです。


しかし、考えるところは「払込免除特約」と「返戻率」だけで良いでしょう。 


払込免除特約は学資保険の最大のメリットです。親に万が一のことがあった場合にも子どもの教育資金を確保するという「安心」を積み立てていけるのです。預貯金などと比べた時の学資保険の強みもここにあります。


返戻率については、当たり前ですが高いに越したことはありません。特に預貯金の利息がほぼ無いに等しい現代、保険には少しでも高い返戻率を期待したいものです。学資保険は確実性が高い代わりに全体的に返戻率が高くないものですが、支払方法で差があるのですから賢く見極めたいところですね。


下2つの項目をあまり重要でないとした理由は、中途解約に関しては、どの支払い方法を選んでも元本が割れることがほとんどだからです。  


ただ、一括払いは契約期間が5年~7年を超えれば、少しはプラスになって解約金が入る可能性が高いので、マイナス期間は一番短いと言えます。 


また生命保険料控除も、多くのご家庭では他の生命保険で控除額いっぱいまで適用されていて、学資保険で補っている人はあまりいません。

コラム①:学資保険の一括払いで生じる誤解

ここでありがちな勘違いの例をご紹介します。


Aさんは5年前に子どもの学資保険を契約し、支払方法に一括払いを選びました。もちろん、保険料は契約した年に全額支払い済みです。


しかし、毎年保険会社から送られてくる生命保険料控除用の通知には年払いとして記載されています。支払い済みの額も、あたかも年払いしたかのように1年分ずつ加算されているのです。


これは手続き上のミス?と、Aさんは不安になっています。


ここまでお読みいただいたのなら、もうお分かりですね。Aさんが選択したのは全期前納払いだったのです。


保険料を一括で支払ってはいますが、一旦保険会社が預かり年単位で支払いを充当しています。


充当したそれぞれの年に生命保険料控除が受けられるため、通知にはそのように記載されていたのです。

コラム②:一括払いした保険会社が倒産したらどうなる?

一括払いにまつわる事例をもうひとつご紹介します。


Bさんは学資保険の加入を検討中です。支払方法は返戻率のお得な一括払いにしようと考えています。


しかしふと、加入した保険会社がもしも倒産した場合どうなるのかと不安になりました。支払った保険料はまったく返ってこないのでしょうか。


結論から申し上げると、全額ではありませんが保護されます。


実は、生命保険と損害保険には、それぞれ保険契約者保護機構が設置されています。保険会社が経営破綻した場合に、保険に加入している人を保護することが目的です。


この保護機構によって用意される積立金を責任準備金といいます。正確には保険金とイコールではないのですが、この責任準備金によって、受け取る予定だった保険金のうち最低でも90%は保護される仕組みとなっています。

まとめ:学資保険の一括払いは「払込免除」「返戻率」を意識すべし

学資保険の一括払いについて、デメリットにも注目しながら解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • 一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類がある
  • 一時払いはすべての支払方法の中で返戻率が最高となるが、払込免除特約が適用されないことがデメリット
  • 全期前納払いは、一時払いに比べ返戻率が少し下がるものの、大きなデメリットがなくバランスの良い支払方法
  • 一括払いと月払い・年払いを比較する時、重要なのは払込免除特約と返戻率
でした。

結論として、どの支払方法にも一長一短ありますので、これがベストという解があるわけではありません。

ただ、学資保険をかける以上、最大の魅力である払込免除特約はやはり生かすべきでしょう。親に万が一のことがあった時にも子どもの教育資金を残せるという、安心の積み立てです。

そして返戻率も確実に押さえておきたいところです。学資保険は全般的に返戻率が高くありませんが、教育資金あるいは純粋な貯蓄としても、増やすことを意識するのは重要です。

そういった意味では、払込免除特約の受けられる全期前納払いが可能な中で、返戻率のより高い学資保険を探すのも一つの方法かもしれません。

また税金面で、学資保険が生命保険料控除の対象になるという事実も併せて覚えておきたいですね。

保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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