学資保険に頭金は必要?メリットとデメリットも含めて解説!

長い間こどもの教育資金のためにコツコツと貯めていく学資保険ですが、その支払い方法の一つに頭金があります。頭金で保険料を一定額払うことにはメリットがあるのですが、反対にデメリットもいくつかありますので、この記事では学資保険の頭金について詳しく解説していきます。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険の支払いに頭金は必要か?

お子さんの教育費用についてあらかじめ準備しておくものに「学資保険」があります。 


将来、お子さんが選ぶ進路によっては家計に大きな負担がかかってきますので、早い段階から準備をしておくのは大切なことです。 


学資保険の保険料の支払いにはいくつかの方法がありますが、その中に「頭金を支払う」という支払い方法があります。 


学資保険を契約した際にある程度のまとまった金額を一度に支払うというものですが、この支払方法にはメリットやデメリットがあります。 


ここでは、学資保険で頭金を支払うとどのようなメリットやデメリットがあるのか詳しくご説明していきますので、頭金を支払うかどうかで悩んでいる方にぜひ最後まで読んでいただければと思います。 

学資保険で頭金を払うメリット2つ

学資保険に加入する際にある程度まとまった資金がある場合は、頭金を支払うことを検討している方もいらっしゃることでしょう。 

 

学資保険で頭金を支払うと「返戻率が上がる」こと「払込期間が短くなる」などのメリットがあります。 


 では、それぞれのメリットについて具体的な内容について見ていきましょう。 

メリット①返戻率(利率)が上がる

学資保険で頭金を支払うメリットとして、「返戻率が上がる」ということが挙げられます。 


学資保険の商品にもよりますが、学資保険での返戻率は銀行に預金しておくよりも返戻率が高くなるケースが多くみられます。 


また、保険料の払い込みが早ければ早いほど返戻率が上がるので、頭金を支払うとより返戻率を高くすることができます。 


例えば、毎月2万円ずつを18年間支払続ける契約の場合、契約時に頭金を100万円支払っておくと、残りの保険料の支払期間がぐっと短くなり、返戻率が高くなります。 


もし手元に、保険料を一括払いするほどではないけれどもまとまった資金があるのであれば、銀行に預金しておくよりも、学資保険の頭金として支払った方が貯蓄性という面から見てお得になります。 

メリット②払込期間が短くなる

学資保険の頭金を支払うメリットとして「払込期間が短くなる」ということも挙げられます。 


払込期間が短い方が返戻率が高くなるので、受け取れる保険金額が増えることになり、少しでも高い保険金を受け取りたい方におすすめの支払い方法です。 


また、長期間にわたって保険料を支払い続けることに抵抗のある方にも向いています。 


さらに、払込期間が短くなるということは、お子さんがある程度成長してから加入することも出来るということになります。 


一般的に、学資保険はお子さんが生まれた時に加入し、長期間保険料を払っていくケースが多いですが、頭金を払う支払方法を選べば、お子さんがある程度の年齢になってからでも充分加入することができます。 

学資保険で頭金を払うデメリット3つ

一方で、学資保険で頭金を支払うことのデメリットもあります。  


途中解約すると頭金が戻ってこなかったり、死亡給付金額が通常と変わらなかったり、生命保険料控除の扱いが一時払いと同じであることなど、気を付けていただきたいデメリットがあります。 


では、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。  

デメリット①途中解約時に頭金は戻ってこない

学資保険で頭金を支払った場合のデメリットとして「途中解約した場合に頭金が戻ってこない」ということが挙げられます。  


学資保険を途中解約した場合では、頭金などすでに支払った保険料が全額戻ってくるわけではありません。 


頭金でまとまった金額を支払っている程、戻ってこない金額が多額になるというデメリットがあります。 


学資保険に限ったことではありませんが、保険は中途解約すると基本的に損してしまうということを頭に入れておくことが大切です。 

デメリット②万が一の時に貰える死亡給付金額は基本と変わらない

学資保険で頭金を支払った場合のデメリットには、他にも「万が一の時に給付される死亡給付金額が基本と変わらない」ということもあります。  


学資保険は、契約者(親)が亡くなった場合、それ以降の保険料の支払いが免除されるのが一般的ですが、その場合に受け取れる死亡保険金は頭金を支払っても支払っていなくても同じ金額になってしまいます。 


保険金受取時に少しでも高く受け取れるように頭金を支払っていたとしても、死亡給付金額では頭金の支払いに関係なく同じ金額になるというデメリットがあります。 

デメリット③毎年の生命保険料控除の扱いが一時払いと同じ

学資保険で頭金を支払った場合のデメリットは税金面にも影響を与えます。 


頭金で支払った場合も、年末調整で生命保険料控除の対象となりますが、扱いは「一時払い」と同じになるため、支払った年に限り生命保険料控除を受けることができます(まとめて支払った金額を年数で除したりすることはありません)。 


そして、次年度からは残りの保険料を支払っていくことになりますが、支払った保険料は毎年年末調整で生命保険料控除を受けることができます。 


しかし、短期間で保険料の支払いを済ませてしまうと、それ以降は控除を受けることができなくなってしまうため、節税できなくなってしまうというデメリットがあります。  

頭金が利用できる学資保険は多くない



学資保険を頭金で支払うことのメリットやデメリットについてご説明してきましたが、実は頭金が利用できる学資保険はあまり多くないというのが現状です。  


他にも、頭金のように一度にまとめて保険料を支払う方法には「一時払い」や「全期前納払い」という支払い方がありますので、簡単にご説明いたします。


【一時払い】 

保険期間全部の保険料を1回で支払う方法で、保険料の総支払額が安いのが特徴です。 

しかし、被保険者が死亡した場合や中途解約した場合に、保険料が返還されることはありません。 

また、生命保険料控除は、支払った最初の年だけしか受けることができません。 


【全期前納払い】 

保険期間全部の保険料を、保険会社に「預ける」形で1回で支払う方法で、支払期日が来ると預けてあるお金から保険料が支払われるという仕組みになっています。 

被保険者が死亡した場合や中途解約時に、未経過分の保険料は返還されます。 

生命保険料控除は、払込期間中毎年受けることができます。 


学資保険では、一時払いや全期前納払いであれば基本的に対応しており、その旨が明記されていることが多いですが、頭金についてははっきりと明記されていないことが多くみられます。 


もし検討中の学資保険で頭金払いを希望している場合は、保険会社に問い合わせて確認することをおすすめします。 

まとめ

学資保険を頭金で支払う方法には、返戻率が上がったり払込期間が短くなるなどのメリットがある一方で、途中解約すると頭金が戻ってこなかったり生命保険料控除の扱いが一時払いと同じであるというようなデメリットがあることがお分かりいただけたと思います。 


学資保険を頭金で支払う場合は、ご説明したようなメリットやデメリットを踏まえて支払方法などを検討することが大切です。 


なお、「返戻率が上がる」「払込期間が短くなる」などのメリットは、プランの内容次第で頭金がなくても同じようなメリットを享受することができるので、頭金が用意できない場合でもそれほど困ることはないといえます。


頭金で支払うことのメリットやデメリットをきちんと理解して、お子さんの将来のためにしっかりと準備していきましょう。

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