更新日:2024/08/07
学資保険の5年払込はどのくらいお得なの?支払方法を徹底比較
学資保険の5年払いは通常の支払方法と比較し、どの程度お得でしょうか。有名保険会社(ニッセイ・明治安田生命等)で有名な学資保険ですが、5年払済にすると返戻率は高くなります。この記事では5年払込はどの程度お得なのか具体的な金額を例に出して解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
学資保険の5年払込はどのくらいお得なの?
早速ですが、ある学資保険を例に取り、シミュレーションしてみたいと思います。
- 契約者:男性30歳
- 被保険者:子ども0歳
- 満期返戻金:300万円
支払い期間 | 月々の保険料 | 支払い総額保険料 | 返戻率 |
---|---|---|---|
5年払い | 46,060円 | 2,763,600円 | 108.5% |
10年払い | 23,320円 | 2,798,400円 | 107.2% |
18年払い | 13,350円 | 2,883,600円 | 104.0% |
以上のような結果になりました。
5年払いにすると、支払い総額保険料は18年払いと比較すると120,000円も安くなりお得ですね。しかし、支払う期間が短い分月額保険料は30,000円以上高くなっています。
10年払いはちょうどその中間といえます。月額の保険料はそれなりに抑えられており、総額で支払う保険料も5年払いよりは高いものの18年払いよりは90,000円近く安くなっています。
具体的な金額は保険会社によって異なっています。
だからと言って保険会社の窓口に相談しに行くと「保険のいいところだけしか教えてくれないのでは」と思う方も多いと思います。
そのような方にはファイナンシャルプランナー(FP)と一度相談してみることをおすすめします。
FPは保険会社の営業マンのように保険を売ることを目的にしていませんので、親身に現在の家庭の状況からお金のやりくりなどの相談に乗ってくれます。
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損得だけではない?学資保険を5年払いにする2つのメリット
- 資金に余裕があるうちに学資保険の払込みを終えることができる
- 払込み期間の制限年齢が18年払いよりも上限が高い
資金に余裕があるうちに学資保険の払込みを終えることができる
子どもが小学校に入ると、習い事や少年団のスポーツなど、年を重ねるごとに様々な費用が発生します。
5年払いの学資保険に加入しておけば、そのように費用がかさむ前に学資保険を払い終えることができ、その後は余裕が生まれます。
5年払いの学資保険を選択すると、子どもが小さうちに払込を終わらせることができ、その後経済的に余裕のある生活を送ることができるでしょう。
払込み期間の制限年齢が18年払いよりも上限が高い
学資保険の契約の際、契約者の年齢に上限が設けてあることもありますが、5年払い保険を選択すると、契約者の年齢が高くても比較的加入しやすくなっています。
年齢の上限は保険会社によって様々ですが、18歳払いや10年払いの学資保険だと契約者の年齢は上限45歳と制限されてしまいます。
一方、5年払いの学資保険だと、契約者の年齢は65歳前後まで加入することができます。
ただ、契約者の健康状態の告知が必要であったり、健康状態によっては加入できないこともあるので注意しましょう。
また、祖父母が孫に教育資金を残す方法として、5年払込の学資保険を選択することもできます。
その場合、「保険料払込免除」の特約が付かない場合がありますが、5年払いであれば祖父母の年齢でも加入可能です。
学資保険を5年払いにするデメリット
- 月々の支払う保険料が大きいため支払いが滞るリスクがある
- 資産を固定させてしまうためインフレに弱い
月々の支払う保険料が大きいため支払いが滞るリスクがある
10年払込では23,320円、18年払込の13,350円と比べると、月々の負担が大きく、後々家計を圧迫することが予想されます。
支払い期間を短くすると、月々の負担が上がることは仕方がないですが、それによって保険料の支払いが困難になることは避けなければなりません。
学資保険は貯蓄性の高い保険ですから、途中解約が一番損をしてしまいます。学資保険の途中での解約は避けたいものです。
これまでの生活から支払うことができると確信しても、子どもができれば入院や治療など、予期せぬ出費があるかもしれませんから、安易に決められません。
学資保険の保険料の支払いが困難になった場合は、支払方法を変更したり、減額ん手続きも可能ですが、当初の契約内容と変わってしまう可能性があります。
5年払いの学資保険を選ぶときは、予期せぬ出費があっても、5年間払込続けられる経済的余裕があるのか、よく考慮するべきでしょう。
資産を固定させてしまうためインフレに弱い
また、長期に資産を固定してしまうため、インフレが進んだ場合、資産価値が目減りしてしまうリスクもあります。
インフレとは、「インフレーション」の略語で、時間とともに物価が上がり、相対的にお金の価値が下がることです。
インフレになると、以前は100円で買えた物が、数年後には110円でしか買えなくなります。つまり、物の価値が下がってしまいます。
学資保険のような貯蓄性の高い保険は、契約時の予定利率によって支払われる保険料が決められます。
現在の生命保険の予定利率はどんどん下がってきており、保険の貯蓄性が低くなってきていると言えます。
学資保険に加入している20年の間にインフレが進んだら、当初預け入れた資産の価値は目減りしてしまうことになります。
インフレが加速した場合、他の銀行の預貯金や株式ならば、簡単に預け替えができるものの、保険に加入していると、そのように簡単に預け替えはできません。
学資保険に加入してインフレになった場合、解約すると元本割れしてしまう可能性があるので、5年払済保険にしてそれ以上保険料を増やさないようにして対策をするしかありません。
こんな人が向いている!5年払いの学資保険 おすすめの人の特徴
- 共働きで収入に余裕がある
- 出費がかさんだ時期にも保険料を支払えるだけの貯蓄がある
共働きで収入に余裕がある
そのように、正社員として女性も仕事に復帰することができれば、共働きになり経済的に余裕ができ、5年払込の学資保険を選んでも支払いに困ることもないでしょう。
また、正社員で復帰できれば、給料に併せてボーナスも支給されるので、子どもが生まれる前の収入と変わらず、余裕がある生活ができるでしょう。
共働きで収入に余裕があれば、子どもの教育資金として学資保険を5年払いにして効率よく運用していくことがおすすめです。
出費がかさんだ時期にも保険料を支払えるだけの貯蓄がある
保険料は一括払いも可能ですが、一括で支払ってしまうと、手元にある多くの現金がなくなってしまうため、貯蓄が豊富にある場合以外はおすすめできません。
保険料を一括で支払うと、保険料も安くなり返戻率が高くなります。明治安田生命のつみたて学資のように、一括で支払うことで返戻率109%台を維持している保険もあります。
しかし、5年払いの学資保険を選択する場合、保険料は毎月か半年・年払いで支払い、無理のない範囲で支払い続けていくことが大切です。
将来も学資保険は有効な貯蓄手段になりうるか
先ほどインフレのお話もしましたが、そもそも学資保険は有効な貯蓄方法と言えるのでしょうか。
5年払いの保険に加入すると、保険料の支払いは5年で完了しますが、支払い完了後も、10年以上保険会社に預けておかなければなりません。
安倍政権はアベノミクスと呼ばれる政策を打ち出し、その中で2%の物価上昇(インフレ誘導)を目標としています。
もし、アベノミクスが成功しインフレが進み、もしそれ以上の超インフレが起きたらどうなるでしょうか。
学資保険の受け取り時には、満期金もインフレの影響を受けて資産価値が下がっている可能性もゼロではありません。
また、他に金利の高い金融商品が発売されたらどうなるでしょうか。
学資保険は長期の保険ですから、すぐに解約して預け替えるわけにはいきません。5年払済保険にして、保険料を増やさないことくらいしかできません。
ですから、金利の高い商品で運用するチャンスを逃してしまう可能性もあります。
このように、将来のことは誰にもわかりません。
学資保険に入っておけば安心というわけではなく、契約者自身がこのようなリスクを考えた上で加入する必要があります。
まとめ:学資保険の5年払いはお得だが無理は禁物
学資保険を5年払いにする場合の、メリット・デメリットをまとめてみました。
- メリット1:早期に学資保険の払込が終えることができる
- メリット2:契約者の年齢が高くても加入しやすい
- デメリット1:月々の支払い保険料が高いため、支払いを続けなれない可能性がある
- デメリット2:資産を固定させてしまうため、インフレのリスクに対応しにくい
このように、メリットも高いのですが、デメリットもあります。
5年払込の支払方法を選択した場合、契約者の年齢が高くても加入しやすく、早期に学資保険の払込が終えることができるメリットもある一方、保険料が高く、支払いを続けられないデメリットもあります。
夫婦共働きであったり貯蓄がたくさんあったり、経済的に余裕があるならば、5年払いの学資保険への加入がおすすめです。
また、資産を長期に固定させてしまうため、インフレのリスクに対応しにくいというデメリットもあります。万が一インフレが進んだら、5年払済保険にして保険料を増やさないようにしましょう。
学資保険の5年払いは、メリット・デメリット両方ともよく理解して、選択することができれば、5年払いの恩恵を受けることができるでしょう。
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