外貨建て保険の相続税の評価について!変換レートには相場がある?

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監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

外貨建て保険の相続税評価とは?変換レートについて解説

投資活動の1つとして保険に加入するという手段がありますが、保険に関わる仕事をしている人でない限り、その詳細について知っている人は少ないでしょう。

貯蓄の為に終身保険に加入しようとした時、あなたはどうやって保険の種類を選びますか?おそらくプロに相談に乗ってもらうという方が多いでしょう。

しかし、相談をするだけでも、保険についての知識を少量でも持っておくことで、たくさんのメリットがあります。

知らずに損をするというリスクも削減できますし、よりご自身のニーズに合った保険を選ぶことができるようになります。

終身保険の中でもおすすめなのが、外貨建て終身保険です。

保険料の安さと、貯蓄率の高さが魅力的な終身保険です。

円建ての終身保険と比較すると、支払う保険料が半分近く安いこともあります。

外貨建て保険で運用されたお金は、円もしくは外貨で、保険金や解約返戻金として返ってきます。

したがって、外貨建て保険では保険料の支払い時は円を外貨に、保険金の受け取り時には外貨を円に換える必要があります。

その際に重要視するようになるのが、変換レートです。

これは、円を外貨に変換する時の変換率のことを指しています。

外貨建て保険を利用する時に、この変換レートが非常に重要になってきます。

また、外貨建て保険利用時に知っておきたいことの1つとして相続税評価があります。

この記事では、外貨建て保険に関して以下の2つの点について説明していきます。
  • 外貨建て保険の相続税評価に用いるTTB 、TTSについて
  • 外貨建て保険の受け取り方

外貨建て保険の相続税の評価はTTBで行う

外貨預金や外貨建て保険などの海外資産を相続税評価する場合、円貨に換算する必要があります。

その際は、課税時期において、納税者の取引金融機関が公表する為替レートによって評価をします。

TTBは、金融機関が顧客から外貨を買い取る際のレートで、顧客から見た場合、外貨を円貨に交換する際のレートになります。

そのため外貨建て資産を相続税評価する場合は、TTBを用いて計算します。 

外貨建て保険では保険料の支払いが外国の通貨で行われている為、死亡保険金も解約返戻金も支払った国の通貨で決定します。

両替した国の通貨の値動きによって受け取る金額が変わってくるのが特徴です。

しかし、外貨の保険金・解約返戻金を日本円で受け取る場合には所定の為替手数料がかかってしまいます。

この為替手数料は金融機関によって異なるので、その点の注意が必要でしょう。

TTB(対顧客直物電信買相場)は資産がある場合に適用

TTBとは、顧客が外貨を円に替える為替レート、つまり外貨を売る時の為替レートのことを指しています。

TTBはTelegraphic Transfer Buying (rate)の略で、対顧客電信買レートのことです。

銀行などの金融機関側から見て、顧客から外貨を買う場合の為替レートのことをいいます。

外貨建て保険の相続税評価で通常用いるのが、このTTBです。ちなみに相続税評価額とは、相続税や贈与税を計算するときの基準となる課税価格のことです。

相続税は相続財産、贈与税は贈与財産の価額に応じて計算されるのですが、相続財産や贈与財産の価額がいくらなのかが分からなければ、相続税額や贈与税額を計算することはできません。

そのため、一つ一つの財産について評価する必要があるのです。基本的には相続税評価はTTBで行う、と覚えておきましょう。

参考:TTS(対顧客直物電信売相場)は債務がある場合に適用

一方、TTSとは顧客が円を外貨に替える為替レート、つまり外貨を買う時の為替レートのことを言います。

TTSはTelegraphic Transfer Selling (rate)の略で、対顧客電信売レートのことを指していて、銀行などの金融機関側から見て顧客に外貨を売る場合の為替レートのことです。


外貨建ての債務がある場合は円換算の額が債務控除の対象となりますが、その際はTTBで相続税評価を行うのはなく、TTSで相続税評価を行います。

債権・債務によって相続財産を評価する為替レートが異なるのですね。

外貨建て保険の受け取り方には注意しよう

外貨建て保険で重要なのは、受け取り時、つまり出口です。

外貨の為替レートを把握し受け取り方法を考えることで、損をするリスクを避けることができます。

これを出口戦略と言います。

円安なら円貨、円高なら外貨で受けとる

「円安」に動いた場合、円ベースでの資産が増えているので、そのまま円建てで受け取ります。

一方、「円高」に動いた場合には、円ベースでの資産が減っているので、為替損を表面化させないために、「米ドル建て」で受け取ります。

米ドル建てで受け取った死亡保険金については、為替が円安傾向になったところで円転します。

こうすることで、為替損益についてはリスクを回避し、相続税評価だけを圧縮できる形にできます。  

取引金融機関や課税時期に注意しよう

為替レートの基準となる真ん中のレートのことを、TTMと言います。

TTBはTTMから為替手数料を差し引いたレートのことであり、TTSはTTM に為替手数料を加えたレートのことです。

為替レートと為替手数料は金融機関ごとに異なるので、注意が必要です。

他の保険商品で資産形成!FPさんと出口戦略について相談しよう

外貨建て保険では、外貨ベースで資産を維持しつつ、円の動向を見て円転するか外貨預金を継続するかを選択しなければいけません。

外貨の受け取り時の戦略の1つとして、他の保険商品で運用するという方法があります。

しかしその具体的な方法が分からない人もいらっしゃるでしょう。

相続税評価なんかも自分だけで考えることは難しいです。

そんな方の場合は、ぜひ「ほけんROOM相談」をご利用ください。 

マネーキャリア相談では、保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に、無料で保険についての相談をすることができます。

マネーキャリア相談で正しい相続税評価をしてもらいましょう。

まとめ:外貨建て保険の相続税評価はTTBで行う

外貨建て保険には為替リスクが付いてきます。しかしそのリスクをしっかりと把握してさえいれば、大きく得することもできる保険です。


今回の記事で見ていったことをまとめると、

  • 外貨建て保険の相続税評価はTTB
  • 円安なら円で、円高なら外貨で受け取る
  • 為替手数料は金融機関によって異なる
以上の3つがポイントと言えます。

外貨建て保険を利用する時には、どうしても為替リスクや相続税評価が付いてきます。

外貨建て保険に興味が出てきた方は、ご自身でも少し勉強してみた後に、プロに相談してみることをおすすめします。


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