外貨建て保険の為替差益には税金がかかる!通貨の変換と税務について

外貨建て保険の受取り時には為替差益の増減が気になるところですが、為替差益にかかる税金、税務も気がかりでしょう。外貨建て保険の為替差益にかかる税金は円換算で行われますが、受取り方法(一時金か年金形式)により課税種類が変化するので、確定申告の際は注意しましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

外貨建て保険の為替差益にかかる税金について

皆さんは、外貨建て保険は高金利で資産形成に適した商品だと思いますか?


「保険金を外貨で運用することにより、積立利率は年3%で運用します」


もし、このようなパンフレットを目にすれば、この低金利時代に、銀行に預けておくよりずっと得だと思うのは当然ですよね。


しかし、そこには大きな落とし穴があります。


それは為替差益が生じたとしても、その差益に税金がかかってしまうことです。


この記事では

  • 為替差益にかかりうる税金の種類
  • 外貨の課税計算方法
  • 外貨の受取り戦略と税務の関係

について解説していきます。


実際にどのような税金がかかるのかを、以下詳しく見ていきましょう。

外貨建て保険の為替差益にかかる税金は3種類

外貨建て保険では円建ての生命保険同様、保険金受取時に保険金額に乗じた税金が課せられます。


誰がどの様に保険金を受け取るかによって課せられる税金は3種類に分けられます。


それぞれ非課税金額の計算式が異なりますので注意が必要です。

  • 所得税…契約者本人が満期一時金(一時所得)あるいは年金(雑所得)として受け取る場合
  • 贈与税…契約者以外の受取人が満期一時金あるいは年金として受け取る場合
  • 相続税…契約者が死亡し、死亡保険金として相続人が一時金として受け取る場合
外貨建て保険では保険加入時より円安が進み為替差益が生じた場合、その差益も含み総合課税されます。

為替差益にかかる税金は円換算で行う

外貨建ての保険の場合、運用は全て外貨で行われますが、為替の変動によって生じる為替差益の計算は、受取時の為替レートであるTTS(円を外貨に交換する時のレート)とTTB(外貨を円に交換する時のレート)を元に円換算で行われます。


例えば、1ドル100円時に3万ドルのドル建て保険に加入、満期金受取時には円安により1ドル120円になっていた場合、その為替差益は(120-100)×3万ドル=60万円となり、この60万円が為替差益として課税対象となります。


また、この為替差益が年間20万円以上の場合、確定申告必要となります。


もし外貨建て保険の他にFXや外貨貯金がある場合、それぞれの差益は合算しての申告になるので注意が必要です。

源泉分離課税となる場合に注意

外貨建て保険は10年、15年払込満了の商品が多く、一般的に受取時の為替差益は受取金と合算され総合課税されます。


ただし以下の3条件に全てに当てはまった場合には源泉分離課税となり、受取金額(為替差益を含む)と払込保険料との差益に対して20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税金がかかります。

  1. 保険期間…払込満了期間が5年、あるいは5年以内に解約したもの
  2. 払込方法…契約日から1年以内に保険料総額の50%を支払う。あるいは契約日から2年以内に保険料総の75%を支払う。
  3. 保障倍率…普通死亡保険金が満期保険金の1倍以下、かつ次の金額が満期保険金の5倍未満(災害死亡保険金。入院、通院給付日額に支払限度日を乗じて計算した金額。 
生命保険文化センター参照

外貨建て保険の出口戦略と税金の関係

外貨建ての保険に加入している人の中には、商品の特徴、契約内容をよく把握せず契約をしているケースが多く見られます。


もし加入している外貨建て保険の受取時が円高で、受取金額が元本割れになってしまう場合、あなたならどうしますか?


多くの人が、泣く泣く受取金を円に換金し元本割れを受け入れてしまいます。


しかし、あなたが外貨建て保険の特徴を詳しく知っていれば、この元本割れを防ぐことも可能です。


実際に保険金を受け取る際には為替差益にかかる税金の事まで考えてから円に換金することをお勧めします。

外貨建て保険を外貨のまま保持する

もし加入している外貨建て保険の受取時に為替が円高に傾いており、為替差損生まれてしまいそうなら、無理に円に換金せず為替差益が出るまで以下のような方法で資産を守りましょう。

  • 保険金を受け取らずそのまま据え置き円安になるタイミングで円に換金する。
  • 保険金を外貨で受け取りそのまま同じ通貨の外貨貯金または投資信託口座に入金し運用する
またお子様がいらっしゃる場合、外貨建て保険で得たお金を留学資金にあてるという方法や、受取金額が少額の場合、受け取った外貨を海外旅行費用に回すというのも一つの手かもしれません。
(外貨で受け取り、外貨で使えば為替差益にかかる税金や手数料を払わずに済みます)


他の外貨に通貨を変換したときの為替差益には課税される

「外貨建て保険の保険金を受け取った際、その一時金を円ではなく別の通貨で運用したい」そんなニーズもあるかもしれません。


その場合、外貨から外貨に変換した際に生じる為替差益に対して税金が課税されますのでご注意下さい。


例えば、ドル建てで運用していた外貨建て保険の満期金をユーロに変えて運用した場合、ドルからユーロに換金した時点で生じる為替差益に対しての税金が課税されます。

他の保険商品で資産形成!FPさんと出口戦略について相談しよう

「なぜ、外貨建て保険に加入されるのですか?」と聞かれたときに、「掛け捨ての保険が嫌だから」「銀行に貯金するよりもお金が増えそうだったから」という理由であれば、一度立ち止まり他の保険商品を調べてみてはいかがでしょうか?


積立保険の商品には、元本を保証する商品もあれば、円建てでも返戻率が高い商品もあります。


資産形成においては、加入年齢や積立金額、一時払いや月払いなど、条件に応じて適した保険商品が異なります。


沢山の商品がありすぎて自分では選びきれないと思ったら是非一度プロの視点でのアドバイスを受けてみるのはいがかでしょうか?


マネーキャリアでは経験豊富なファイナンシャルプランナーに無料で相談が可能です。

まとめ:外貨建て保険の為替差益の税金に注意

今回は、外貨建て保険の為替差益にかかる税金の注意点について、ご紹介させて頂きました。


この記事のポイントは

  • 外貨建て保険は受取時に為替差益も含めて総合課税され、受取人、受取方法によって税金の非課税枠の計算が異なる。
  • 為替差益にかかる税金は、受取時に、その時の為替レートを元に円換算で計算され、差益が20万円以上の場合、確定申告が必要となる。
  • 払込満了時期によっては、総合課税ではなく、源泉分離課税のとなる場合がある。
  • 為替差益の減少により元本割れしそうであれば、無理に円に換金せず、外貨のまま保有するのも一つの手。
  • 別の通貨に換金した場合、換金時の為替差益には税金がかかる。

外貨建て保険の注意点として、為替差益の増減リスクは示されていても、税金のことまでは殆どふれられません。


円安により為替差益が大きくなれば、その分税金も増えるわけですから、自分の大切な資産を減らさぬよう、加入の際には十分な注意が必要です。

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