外貨建て保険の手数料は開示される?代理店手数料の問題について解説

自分が支払っている保険料から手数料がいくら引かれているか把握していますか?外貨建て保険の手数料は、その妥当性・合理性を問題視されていましたが、今後は開示されていく方針のようです。外貨建て保険の手数料の開示について、ニュースをわかりやすく解説します。

外貨建て保険の手数料は開示される?

外貨建て保険に手数料がいくらかかっているのか、知る方は少ないでしょう。


銀行や郵便局などで発生するATMや振り込みにかかる手数料は、当然のように開示されていますよね。


しかし「保険代理店が外貨建て保険を販売するときに受け取る手数料」には開示義務がないことをご存じでしたか?


私たちが払う保険料から引かれているお金を開示しないのには、ちょっと不信感を抱いてしまいますよね。


そこで、この記事では外貨建保険にかかる手数料の開示について、

  • 今後、外貨建て保険の手数料は開示されていく?
  • 外貨建て保険への苦情増加の背景にあるもの
  • 手数料だけではない外貨建て保険加入時に知っておくべきリスク

以上のことを中心にお伝えしていきます。


この記事を読めば、今後の外貨建て保険の手数料開示の方向性が理解でき、加入前や加入後に注意することも判断できるようになるはずです。


ぜひ最後までご覧ください。

外貨建て保険の手数料は開示の方針

実は今後、外貨建て保険の手数料は開示の方向に向かう予定です。


まず2016年10月、金融庁の要請により銀行は銀行窓販(銀行の保険販売窓口)での外貨建て保険の代理店手数料を自主的に開示するようになりました。


さらに2017年2月、金融庁が各保険会社に「乗合代理店(複数社の保険を扱う保険ショップ)」に支払う販売手数料を開示するよう求めたことを共同通信が報じました。


生命保険の業界団体である生命保険協会は「代理店手数料は顧客にもきちんと説明可能な合理的な額であるべき」という指摘もしています。


しかし、どういった流れで外貨建て保険の手数料は開示する方向になったのでしょうか。


ここからは、その経緯を知るため

  • 外貨建て保険への苦情が多発
  • 生命保険協会が募集資料のガイドラインを改訂

これらのことについて述べていきたいと思います。

外貨建て保険の苦情が増加している背景とは?

最近、外貨建て保険への苦情の増加が話題となっています。


特に高齢者からの「保険を販売する銀行員が、外貨建て保険のリスクについてきちんと説明してくれなかった」という苦情が多いようです。


預金するつもりで銀行に行ったのに、いつの間にか外貨建て保険に加入させられていたというケースも多発しています。


このような、銀行による外貨建て保険販売への苦情が増加している背景には、長年にわたる銀行の収入減があります。


低金利による銀行の減収を補ってきたのは、数年前まで投資信託の販売でした。


しかし最近は投資信託が売れなくなったことから、高額な手数料が見込める外貨建て保険の販売に力を入れています。


特に高齢者は「銀行」に絶対の信頼を置いているため、銀行窓販で商品内容ををよく理解しないまま判を押してしまうことがあるのです。


こういった外貨建て保険への悪印象を払拭するため、保険業界は「顧客本位」を掲げて手数料の開示に踏み切ろうとしているのです。

生命保険協会は募集資料のガイドラインを改定

2018年12月、生命保険の業界団体である生命保険協会は、金融庁の要請を受けて保険販売募集に関するガイドラインを改定しました。


今後は代理店手数料のほかに、為替リスクなどについても明示する方向となっています。


さらに協会は、金融庁が「手数料の適正化」を指示したことを受け、その後に生命保険各社へのモニタリングも実施しています。


結果として、生保各社に以下のような動向が見られました。

  • 「代理店手数料の支払いに関する考え方」や「手数料見直しの方向性」について、わかりやすい内容で公表する
  • 代理店手数料開示に向けた検討を行う

しかしこういった方針を示した会社でも、他社より先に代理店手数料を適正化することには躊躇しているのが実情です。


協会は各社に「横並びではなく、独自に代理店手数料の見直しや開示の取組みを進めていくこと」を推奨しています。


金融庁も、各社が前向きにこれらの取組みを進めていけるよう、優良な取り組みについては他社にフィードバックしてゆく予定です。

外貨建て保険の説明不足問題とは?リスクについて解説

ここまでは、外貨建て保険の手数料開示の流れについてお伝えしてきました。


外貨建て保険は「リスクへの説明不足」が指摘されているとお伝えしましたが、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。


ここからは、外貨建保険の加入前に知っておくべきリスクとして、

  • 初期手数料
  • 為替リスク

この2点について解説していきます。

初期手数料に注意!積立利率との関係性とは?

生命保険には初期手数料があるため、保険料のすべてが運用に回るわけではありません。


いくら積立利率が良くても、それが適用される金額が少なければ意味がありませんよね。


特に外貨建て保険の初期手数料は、4%~10%と高額です。


契約した後にも運用関係や年金管理など、多くの手数料が引かれ続けます。


さらに保険料を支払う度に、また保険金受取時に、円と外貨を両替するための為替手数料が1ドルあたり1銭~1円発生します。


保険料すべてが運用されるように誤解していると「増えていかないどころか減っている」と裏切られた気持ちになってしまうのも無理はありません。

為替リスクは保険料、金利、返戻金などに影響!

外貨建保険最大のリスクは、為替相場の変動によるリスクです。


外貨建て保険の保険料は外貨で支払いますので、月払や年払など分割で払う場合、当初より円安になっていれば想定より保険料が高くなる可能性があります。


また満期保険金や解約返戻金も外貨の形で受け取りますので、外貨ベースでは増えていても、円高になっていれば円換算で元本割れする可能性もあります。


そして、為替の変動は国内の金利にも影響を与えます。


もし円安になれば海外から輸入するものの値段が高くなることから、国内の物価全体が上昇します。


インフレになれば日本銀行は「金利を引き上げること」で貯蓄を促してお金の動きを抑制し、物価を落ち着かせようとします。


逆に円高になれば物価が下がるため、日本銀行は「金利を下げること」で消費行動を促します。


今後もし円高になれば、国内外の金利が逆転し「外貨建てでなく円建ての保険に加入するべきだった」と後悔する事態にならないとも言い切れません。

外貨建て保険の出口戦略について!FPさんに相談しませんか?

外貨建て保険は、各種手数料や為替相場が絡み合う複雑な構造になっています。


たとえ手数料やリスクを開示されても、どの保険に加入するべきか、現在加入している保険をどうすれば良いのか、ということに不安を覚える方もいることでしょう。


外貨建て保険は「出口戦略」つまり止めどきこそが重要です。


しかし止めるのに適したタイミングや具体的な方法は、その人の置かれた状況や人生設計によって異なります


もし外貨建て保険の出口戦略について悩んだときには、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)に相談しましょう。


FPは保険や投資などの「人生に関わるお金」についてのプロフェッショナルです。


あなたの疑問や悩みを解決するための、的確なアドバイスを与えてくれることでしょう。


マネーキャリアではFPの無料相談を実施していますので、ぜひご活用ください。

外貨建て保険の手数料は開示される方針へ

外貨建保険にかかる手数料の開示についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 銀行は多額の手数料が得られる外貨建て保険の販売に力を入れている
  • 手数料や為替変動などのリスクを理解しないままの加入が苦情に繋がっている
  • 多発する苦情への対策として外貨建て保険の販売手数料は開示される方針

以上のことでした。


メリットとデメリットをしっかり把握し、加入の目的を明確にしておくことに気をつければ、外貨建て保険はそこまで危険な商品ではありません。


なんとなく儲かりそうだから加入するのではなく、これからの人生を想定した上で、自分にもっとも合った外貨建て保険を選んでいただきたいと思います。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。

ぜひご覧になってください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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