歯列矯正の治療に生命保険の給付はある?保険適用・医療費控除は?

「歯の矯正の費用って、生命保険(医療保険)おりる?また健康保険で保険適用されるの?」と疑問な方も多いはず。顎変形症にならないためにも歯列矯正(歯の矯正)はやっておきたいだけに、この記事で歯列矯正の費用と生命保険の給付対象か否か、保険適用となる条件を徹底解説!

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

歯列矯正で生命保険は保障される?

歯並び、他人の歯並びも自分の歯並びも気になりますよね。


「出っ歯が顕著で気になってしまう」

「前歯がガタガタで笑う時に気になる」

「噛み合わせが悪く、発音が悪い」


日常生活の動作や、見た目の問題で気になるなど、悩みはそれぞれだと思います。


大人になってから歯列矯正をしたいと思った方でも、「歯列矯正は保険がきかない」「高いからできない」という理由で、踏み切れない方も多いのではないでしょうか。


歯列矯正は基本的に生命保険・健康保険適用外で自由診療ですが、高額のため思いきれないことも事実です。


そこでこの記事では、「歯列矯正の生命保険」について

  • 歯列矯正を保障してくれる生命保険(医療保険)はあるのか
  • 生命保険で保障される場合とは
  • 生命保険・健康保険適用となる場合の条件とは
  • 医療費控除について
以上をくわしく説明していきたいと思います。

この記事を読めば、歯列矯正を考える上で是非最後まで読んで参考にしてみてください。

ほけんROOMでは他にも保険に関する記事や、どの保険相談窓口を選べば良いかと言った記事を公開しておりますので、お悩みの方はそちらも合わせてご覧ください。 

 また、生命保険についての記事はこちらをご覧ください。

顎変形症や顎関節症などの病気の場合は生命保険で保障される

「歯列矯正を保証してくれる保険はあるのか?」ということですが、歯列矯正は生命保険(医療保険)で保障はされません


理由は、歯列矯正は病気に対する治療ではないからです。


そのため、歯列矯正は基本的に自由診療の対象です。


ただし、舌がんや口腔がんをはじめ、顎変形症などの病気発展した場合には生命保険給付金が下ります。


また、その際の費用は、健康保険が適用され個人の負担額が3割(年齢等により割合の変動あり)になります。 


外科手術・入院費用合わせてだいたい25~50万円辺りが相場として多いようです。


しかし、この歯列の異常が原因となって顎変形症や顎関節症などの病気が発症している場合です。


治療に際して、外科手術に加えて歯列矯正が必要となった場合には、歯列矯正が生命保険・健康保険適用となる場合もあります


そのためには、必要な条件がいくつかありますので、次の項目でくわしく説明していきます。

歯列矯正は保険適用の場合も?主な条件とは?

先述したとおり、歯列矯正は生命保険・健康保険の適用とはなりません。


一般的にインプラント等と同じ扱いになり、歯列矯正は基本的に自由診療の対象です。


その際の費用としては、歯列矯正の種類や歯科医院によって差はありますが、

  1. 【外科処置が不要な歯列矯正の場合】
    70~150万円ほど
  2. 【外科処置が必要な歯列矯正の場合】
    外科手術・入院費用・・・100~200万円ほど/
    歯科矯正費用・・・85~200万円ほど
が、相場として多いようです。

歯列矯正は医療機関に定期的に検診に行かなくてはなりません。

そのため、初期の予算が安いところがあったとしても、総額としてやはりこのくらいはかかってしまうところが多いようです。

一方、先述した通り、歯列矯正が生命保険・健康保険適用となる場合もあります。

生命保険・健康保険が適用となると、個人の負担額が3割(年齢等により負担割合の変動あり)となり、さらに給付金もおりるので費用が抑えられるという大きなメリットも生まれます。

「大人になった今、歯の矯正をしたい」
「子供のうちに歯の矯正をしておいてあげたい」
という方たちには、ぜひ抑えておきたい条件があるので、次の項目で見ていきましょう。

歯列矯正が保険適用となる条件

歯列矯正が保険適用になる条件として、

  1. 顎変形症であること
  2. 上記に加えて、厚生労働大臣が定めた先天性疾患であること
とされています。


まず、顎変形症とは、上顎、下顎が変形している状態をさします。上下、左右、前後の変形といった様々な症状があります。


その症例の一部として

  • 一部の歯が列の外に飛び出している
  • 出っ歯
  • うけ口(下の顎や歯が、上の歯より出ている)
  • すきっ歯(歯間に隙間がある)
  • 極端に上顎と下顎がずれたり変形している
等が挙げられますが、この他にも該当する症例は多くあります。

それらの症例が原因で、よく噛めない・うまく発音できない、といった支障をきたす病気」として扱われる場合に歯列矯正が生命保険・健康保険適用となります。

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なぜ歯列矯正の治療で保険適用となる?

顎変形症は日常生活に著しく支障をきたす場合があります。


  • 「顎がずれているため、かみ合わせがうまくいかずに一部の歯に負担がかかり健康な歯が失われようとしている」
  • 「食事をするだけで顎が疲れる」
  • 「かみ合わせの異常により頭痛や肩こりが耐えない」
  • 「きちんと発音できない言葉がある」


このように顎変形症が原因で生活に支障をきたすほど歯並びが悪い・かみ合わせが悪いとなるので、歯列矯正を生命保険・健康保険適用で行うことができるようになるのです。


生命保険・健康保険適用となるのは嬉しいことですが、このレベルの顎変形症だと、とても大変です。


自分が生命保険・健康保険適用となる症例なのか、どの程度のレベルで日常生活に影響が出ているのか、という点を確認してから医療機関で相談してみてはいかがでしょうか。

歯列矯正を保険適用で安く受ける場合のデメリット

歯列矯正を生命保険・健康保険適用で安く受ける場合には、一見「安くなって良かった」と思いがちです。


しかし、自由診療として保険適用外で歯列矯正を受ける場合と比べてデメリットがあります。


外科手術を受けなければならない」ということ以外にも、以下のことをきちんと確認しておきましょう。


1.指定の医療機関で治療を受けること

「健康保険適用の矯正治療ができる施設」と厚生労働省より認定を受けた医療機関(指定自立支援医療機関)でなければいけません。

必ずしも家の近くで通院できるわけではなく、指定の医療機関にに通うことがデメリットの1つとなります。

2.矯正装置が限定されること

歯の裏側に装置をつける、透明なワイヤーを使用する、などの一般的に言われる「目立たない矯正装置」の使用はできません。

しかし、医療機関によっては「装置は金属のみ」のところもあれば、「プラスチックなら可能」というところもあるようなので、事前に確認が必要です。

保険適用外の場合の歯列矯正の費用は確定申告時に医療費控除

年間に支払った医療費が多かった場合、確定申告をすることで還付金が戻ってきます。

その仕組みを、医療費控除といいます。


基本的に審美目的の場合の歯列矯正は、生命保険・健康保険適用の対象には入りません。


しかし、専門の矯正医が診断し、矯正治療が必要と判断した場合には、医療費控除の対象になります


医療費控除の対象となるケースは、

  • 子供の顎の成長を阻害しないために行う場合
  • 咬み合わせが悪いことにより虫歯や歯周病になったり、顎の関節に障害が出て健康を害する原因になる(顎関節症の原因となる)場合
です。

こちらもしっかり医療機関に症例を相談し、判断を仰いでから、歯列矯正を行うかどうかの目安としていった方が良いでしょう。

また、医療費控除は、確定申告をする年の1月1日~12月31日までに支払った医療費が対象です。

自分以外にも生計を同一にする家族の分もまとめて申告が可能です。

医療費控除の申請をする場合には、治療を受けたことが分かる医院で出された領収書と医師の診断書が必要になります。

また、通院にかかった交通費と治療に必要な医薬品の費用も医療費控除の対象となりますので、領収書をとっておきましょう。

まとめ:歯列矯正の費用と生命保険・健康保険適用の条件

以上、歯列矯正の生命保険について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事の内容は、

  • 歯列矯正はその条件を満たした場合のみ生命保険・健康保険適用となる場合がある
  • 生命保険適用となる場合は、顎変形症や国指定の疾患等「病気」と診断された場合
  • 生命保険・健康保険適用となる場合の条件は、日常生活に支障をきたすほど著しい顎変形症であること
  • 生命保険・健康保険適用となったとしても、デメリットもあるので注意が必要
  • 生命保険・健康保険適用外となったとしても、医療費控除を受けられるケースもあるので要チェック
についてご紹介しました。

やはりどのような治療を受けるにしても、事前に情報を確認して自分で理解しておくことが大切です。

歯列矯正を考えている大人の方も、子供のために早い段階で対応しておきたいという親御さん方も、様々な事前の確認を忘れないようにしましょう。

歯並びは、審美的な面だけでなく日常生活や健康面にも影響を与えます。

審美的な面から「あまり笑いたくない」と容姿を気にして心身面に発展することもあります。

健康的に元気に明るい生活を送っていきましょう。

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