【徹底解説】終身保険を貯金代わりに使うメリットとデメリット

万が一の死亡保障に加え、貯蓄機能もある終身保険。貯金代わりに終身保険を利用する方も多いのではないでしょうか?ここでは、終身保険を貯金代わりに使うことのメリット・デメリットを徹底解説するとともに、新しい形の終身保険についてもご紹介します。

終身保険を貯金代わりに使うことのメリット・デメリットを全て解説

終身保険は、万が一の死亡保障に加え、解約すると解約返戻金を受け取ることができるという貯蓄の機能も兼ね備えた保険です。

貯金代わりに終身保険に加入している人も少なくありません。今回は終身保険を貯金代わりにすることのメリットとデメリットを解説します。

貯金代わりに終身保険に加入するメリット

貯金と言えばまず一番に銀行などでの貯金を思い浮かべますが、そのほかに、終身保険を貯金代わりに使う理由はなんなのでしょうか?


まずは、貯金代わりに終身保険に加入するメリットを4つご紹介します。

銀行に預けるよりも利率が良い

終身保険を貯金代わりに使うメリットの一つが「銀行に預けるよりも利率が良い」ことです。

終身保険には、解約時に解約返戻金があります。終身保険の解約返戻金は、契約後の経過年数とともに増加していきます。この解約返戻金の金額は、保険料払込期間満了後に、支払った保険料の総額よりも多くなる場合がほとんどです。


払い込んだ保険料よりも解約時の解約返戻金が多くなること、これが「終身保険が貯金代わりになる」といわれる理由です。


払い込んだ保険料に対して解約返戻金をいくら受け取ることができるのかを「解約返戻率」といいますが、この解約返戻率が銀行に預ける利率よりも高い場合があります。その場合、資金を銀行に預けるよりも、貯金代わりに終身保険に加入する方がお得といえるでしょう。

ほぼ強制的に貯金ができる

2番目のメリットが、終身保険に加入するとほぼ強制的に貯金ができることです。

月末に余ったお金を貯金する方法では貯金ができないことが多いでしょう。しかし保険なら毎月決まった保険料が口座から自動的に引き落とされますので、強制的に貯金ができます。

生命保険料控除の対象となるので、実質利回りが良い

3番目のメリットは、生命保険に適用される「生命保険料控除」という税の優遇制度です。

生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合、一定の金額の所得控除を受けることができるというものです。


もちろん終身保険の保険料も「生命保険料控除」の対象となります。


【平成24年1月1日以後に締結した保険契約などの控除額】  

年間の支払保険料等控除額
20,000円以下支払保険料等の全額
20,000円超40,000円以下支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

平成23年12月31日以前に締結した保険契約等などは、控除額が違いますのでそれぞれご確認ください。(参考:国税庁

高額な死亡保障もついてくる

最後のメリットは「死亡保障」です。貯金代わりに使えるとはいえ、貯金とはちがい終身保険は死亡保険です。万が一の時に死亡保険金が支払われます。

銀行などの貯金には死亡保障がありませんので、万が一の場合にはその時までに積み立てた金額しか受け取る事ができません。しかし終身保険には死亡保障がありますので、保険期間中に万が一のことがあった場合は死亡保険金を受け取ることができます。 


たとえば10年間で100万円の貯金をする場合、貯金の場合は毎年8,333円を積み立てていきます。1年後に万が一の事があった場合は約10万円しか貯まっていません。


しかし終身保険なら、たとえ1年後に亡くなったとしても、100万円の保険金が支払われます。



貯金代わりに終身保険に加入するデメリット

なにごとも、メリットがあればデメリットも存在します。

ここからは、貯金代わりに終身保険に加入するデメリットについて説明します。

現在は金利が低く、昔ほど貯蓄性に優れていない

終身保険を貯金代わりに使うことのデメリットのひとつが「予定利率の低さ」です。


生命保険会社は、契約者から預かった保険料を運用し、運用によちって得られる利益を予想して、予め保険料を割り引いています。その利率を「予定利率」といいます。 

この予定利率が、現在大きく下がってしまっているのです。 


現在は過去に比べて保険料が高くなってしまったため、受け取る解約返戻金に対して保険料総額のほうが高くなってしまう(元本割れする)可能性もあります。


現在のように低い予定利率では、終身保険は貯蓄性に優れているとはいえません。

自由にお金を引き出せない

終身保険を貯金代わりに使うもうひとつのデメリットが「自由にお金を引き出せない」ことです。銀行などの貯金なら、お金が必要な時はいつでも引き出すことができますが、保険はそうはいきません。

窓口に足を運ぶ、営業職員に来てもらう、書類のやりとりをする……など、保険会社や商品によって違いますが、何らかの手順を踏んでから、数日後に銀行口座にお金が振り込まれるという流れが基本になります。


※保険会社によっては、契約者貸付、配当金引出など一部の手続きを、電話やインターネットの自動取引などでできるサービスが用意されていて、当日にお金を引き出すことができることもあります。

返戻率が100%を超えるまでは途中解約すると損をする

3つめにデメリットが「終身保険を短期間で途中解約する(解約返戻率が100%以下で解約する)と、払込保険料総額よりも解約返戻金が少なくなり、損をしてしまう」ということです。

終身保険を貯金代わりに使うのであれば、できるだけ返戻率が100%を超えるまでは解約をしないようにしましょう。

インフレリスクや保険会社の破綻リスクがある

「インフレリスクや保険会社破たんのリスクがある」ということもデメリットです。


インフレ(インフレーション)になると物価が上がります。 物価が上がると、同じ物を買うにもより多くのお金が必要となり、お金の価値は下がります。


ですので、インフレが起こると、将来もらう保険金や解約返戻金の価値が下がります。たとえば、払い込み満了後(30年後)に200万円の解約返戻金を受け取れる終身保険に加入したとします。しかし30年後にインフレで200万円が100万円程度の価値しか無くなってしまったとしたらどうでしょう? 


老後の生活資金、子どもに残すお金とする予定だった解約返戻金の価値が小さくなり、意味が薄れてしまいます。 これが終身保険のインフレリスクです。


貯金代わりの終身保険なら、低解約返戻金型終身保険や一時払いドル建て終身保険がおすすめ

今は予定利率が低く、終身保険を貯金代わりに使うメリットはそれほど大きくありません。しかしデメリットをある程度カバーできる終身保険もありますので、ふたつご紹介します。


【低解約返戻金型終身保険】

低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間中の解約返戻率を、通常の終身保険より低く設定することで、保険料が安くなるよう作られた保険です。


保険料払込期間中の解約返戻率は通常の終身保険より低くなりますが、払込満了後は通常の終身死亡保険に加入していた場合と同額の解約返戻金が約束されます。


  1. 通常の終身保険と比べて保険料が安い
  2. 保険料払い込み満了後に大幅に解約返戻率があがる

【一時払いドル建て終身】

ドル建て終身保険とは、保険金、解約金等の支払いが外貨建てで行われる終身保険です。資産運用として利用する方が多いため、毎月保険料を払うタイプよりも、一時払いタイプの方に人気があります。


  1. 通常の終身保険と比べて高い利率が魅力的
  2. 他国の通貨による資産分散効果が期待できる
  3. 中途解約時、契約時より円安になっていれば、為替差益がプラスされる

まとめ

保険の本来の目的は「死亡保障」ですが、終身保険は掛け捨てでないため「貯金代わり」にも使えます。


終身保険を貯金として使うことのメリット・デメリットを知り、後悔のないよう保険に加入しましょう。



生命保険は必要なの?と疑問をお持ちの方はぜひこちらをお読みください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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