リビングニーズ特約ってなに?無料の特約は本当にメリットがあるの?

生命保険を検討したり加入している場合は、リビングニーズ特約という言葉を聞いたことがあると思います。中には存在を知らずに保険に加入していたり、付加されていてもリビングニーズ特約を利用しなかったりする場合もあります。ここでは、リビングニーズ特約を詳しく解説します。

リビングニーズ特約の特徴・仕組みを全て解説!

多くの人が助けられているけれど、意外と知らない人が多いのが、このリビングニーズです。

生命保険に加入している場合、特約保険料がなく、無料で特約を付加できるものです。
無料と聞くと、何かデメリットがあるのではと考えてしまうかもしれまんせんが、リビングニーズは、万が一のことを考えると、とてもメリットの多い特約です。

生命保険に加入する際には、必ず付加しておきたい特約です。
どの生命保険会社でも付加できますので、リビングニーズを取り扱っている保険会社を探す必要はありません。

今ではたくさん生命保険会社が存在しますが、生命保険が初めて誕生したのは、明治14年に明治生命(現在は明治安田生命)でした。

138年も続いてきた生命保険の歴史の中でも、実はリビングニーズ特約が誕生したのは、最近になってからのことなのです。

こうした背景から、昔に加入した生命保険契約などには、リビングニーズが付加されていない場合もあるのです。

リビングニーズの特徴や仕組みを知って、ご自身が加入する生命保険には、リビングニーズが付加されているのかを、改めて見直してください。

被保険者が余命6カ月以内と告知された場合、生存中に死亡保険金を受け取れる特約

保険契約の対象となる被保険者が、もし余命6カ月と宣告された場合に、死亡保険金を前倒しで受け取ることができるのが、このリビングニーズです。

死亡保険を前倒しで受け取ることによって、金銭面での心配がなくなったり、余命宣告を受けてしまった人が悔いのないように過ごすことができます。


また、生前に死亡保険金を受け取ることで、十分な治療を受けることも可能となります。

では、リビングニーズ特約で、死亡保険金を受け取り、治療に専念した結果、余命が伸びたりもしくは完治した場合には、受け取った金額は返さなければならないのかというと、そうではありません。

死亡保険金すべてを受け取った場合には、その時点で生命保険の契約は終了となります。
主契約の生命保険を受け取ることになるので、それは仕方のないことかもしれません。

しかし、死亡保険金の一部だけを受け取り、まだ死亡保険が残っている場合は、生命保険契約は継続されていきます。

ただし、医師の診断書で余命6カ月と記載されていても、自分から治療を拒否しての余命宣告の場合は、保険会社がリビングニーズ特約の適用とみなさない場合もあります。

リビングニーズ特約の特徴

生前に死亡保険金を受け取ることができるリビングニーズ特約は、保険料が無料にもかかわらず大変メリットのある特約です。
  • 余命半年と宣告されたら、生前に保険金を受け取ることができる
  • 受け取った保険金は、生命保険であるため非課税となる
  • 保険金の使い道は指定されない
  • 宣告された余命より長く生きても問題はない
  • 余命宣告された傷病名は、問われない
  • 特約保険料が無料
せっかくリビングニーズが付加されている生命保険に加入していても、この特約の存在をしらなければ、後に後悔することにもなりかねません。

リビングニーズ特約には、大きな特徴としては、生前に死亡保険金を受け取ることができることですが、万が一、該当してしまっても、保険金の受け取り以外にもメリットがたくさんあります。

リビングニーズ特約の特徴を1つ1つ、順に整理しながらご説明していきます。

最大3000万円まで受け取れる

どこの生命保険会社で加入していても、死亡保険金がある生命保険契約には、リビングニーズ特約を付加することができます。

この特約によって受け取れるのは、死亡保険金の一部、もしく全額ですが、上限は3,000万円となっています。

5,000万円の死亡保障を持っていても、リビングニーズ特約で受け取ることができるのは、3,000万円までで、残りの2,000万円は、保険契約を継続すれば、死亡した場合の保障として残ることになります。

逆に、3,000万円の死亡保障に加入していた場合、リビングニーズで3,000万円を受け取った場合には、その時点で生命保険の契約は終了します。

また、複数の生命保険に加入していた場合
  • 一社で複数の死亡保障がある場合は、合計して3,000万円が限度
  • 複数の保険会社で死亡保障がある場合は、各社で3,000万円が限度
このように、一社で加入しているのか、複数社で加入しているのかによって、リビングニーズで受け取ることができる金額が変わります。

複数社の場合、A社で3,000万円、B社で3,000万円、合計して6,000万円の死亡保険金を、生前に受け取ることができるのです。

受け取ったお金は非課税

医療保険などで、入院給付金や手術給付金を受け取った場合、その給付金に対しては非課税となりますが、これと同じようにリビングニーズで受け取った保険金も、全額非課税となります。

これは、死亡保険金の前払いシステムから支払われる性質であるので、余命6カ月という宣告と受けた場合には、通常の医療では治療は困難と判断され、重度の疾病に起因する保険金として扱われるからです。

国税庁のページから、リビングニーズ特約の概要を抜粋しました。

《リビング・ニーズ特約の概要》
1 被保険者の余命が6か月以内と診断された場合に、主契約の死亡保険金の一部又は全部(上限3,000万円)を生前給付金として支払う。
2 生前給付金を支払ったときは、これと同額の死亡保険金が減額されたものとされる(死亡保険金の全部を生前給付金として支払った場合には、主契約は消滅する。)。  
3 生前給付金の受取人は被保険者とし、配偶者等について指定代理請求を認める。 
4 特約の保険料は不要である(主契約の保険料に吸収されている。)。

出典: http://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/01/03.htm


補足となりますが、給付金や保険金が非課税となるのは、以下のようなものがあります。

  • 高度障害給付金
  • 特定疾病給付金
  • リビングニーズ特約による保険金
  • 入院や手術に対する給付金
  • 介護年金や介護保険一時金
リビングニーズの保険金による非課税については、1つ注意するべき点があります。
非課税となるのは、リビングニーズで保険金を受け取ったときのみです。


もし、受け取った金額が余っている状態で、死亡してしまった場合には、税金がかかります。
これについては、のちほど詳しくご説明します。

受け取ったお金の使い道は指定されていない

余命6カ月と宣告されるということは、一般的な治療では延命は期待できないと判断された場合です。
一般的な治療が困難でも、もしかすると生存中に最新の治療方法が見つかったり、先進治療などの自由診療を受ければ、延命や根治の期待が持てるかもしれません。

自由診療の場合は、病院側が自由に診療金額を設定できるため、とても高額となります。
自由診療でも治療を受けたいといった場合、高額な費用を工面することができず諦めてしまうケースも少なくありません。

このような治療を可能にすることを目的としたリビングニーズですが、特に保険金の使い道を指定されているわけではありません。

身体の自由がきく間に、家族旅行や思い出作りに、保険金を利用しても問題はないのです。

リビングニーズで受け取った保険金を、どのように使うかは、余命宣告を受けた本人や、その家族などの気持ち次第ということになります。

余命宣告よりも長生きしても問題ない

余命6カ月という宣告を受けても、宣告期間以上に延命できたり、場合によっては病状が寛解することもあります。

リビングニーズで保険金を請求していても、余命宣告以上に長生きしても、保険金を返す必要はありません。

ただし、ここで気をつけなければいけないのは、リビングニーズで死亡保険金を前払いで受け取っているので、たとえ長く生きれたとしても、万が一のときには、生命保険は消滅もしくは残りの保険金のみとなっています。

余命宣告を受けて、リビングニーズを請求したけれど、治療方法が見つかり病状が安定したからといって、保険金を返して保険契約を元に戻すという方法はできません。

しかしながら、リビングニーズによって先進医療などを受けることで、より延命できることに越したことはありません。

もし、余命宣告を受けたのであれば、長生きした場合のリスクは考えず、治療に専念したり思い出作りをしたりするために、安心してリビングニーズを請求することができます。

病気や怪我の全種類が対象

がん保険や特定疾病保険などは、その事由に該当しなければ、保険金は支払われません。

たとえば、がん保険に加入していても、怪我で入院した場合には入院給付金は対象外となるのです。がんに対する保障に特化しているのが、がん保険となるので、がん以外の理由では保険の対象外となるのです。

しかし、リビングニーズ特約による保険金請求では、余命宣告の理由が何であっても該当するのです。

日本で一番の死亡原因とされているがんであっても、不慮の事故によるけがが原因であっても、リビングニーズ特約による保険金請求は可能です。

リビングニーズ特約が請求できる条件は、ただ1つ「医師による6カ月の余命宣告」なのです。

では、仮に「臓器移植を行わなければ余命は6カ月」という条件のある余命宣告の場合はどうなるのか気になりませんか。

この場合、臓器移植を受けるという治療目的になるので、リビングニーズの条件に該当することになります。

ただし、臓器移植の場合は、リビングニーズ特約の支払いについて裁判が行われたケースがいくつかあり、裁判の結果、保険金は未払いとなったという事例もあります。
このようなことから、臓器移植の場合にはどうなるのか、加入保険会社に確認をしておいた方が良いでしょう。

別途で保険料がかかることもない

リビングニーズ特約の最大の利点は、特約に対して保険料がかからないということです。
特約は無料で付加できるのです。

しかし、なぜリビングニーズ特約は無料なのでしょうか。

それは、死亡保険金を先に支払うのか、それとも死亡後に支払うのかという理由からです。
生存給付が主流となっている現代ならではの、生命保険会社のサービスといえます。

中には、保険会社のセールスでだまされたことがあるから、本当に無料なのか、本当に該当したときに保険金を受け取れることができるのかと、不安になられる方もいらっしゃいます。

しかし、実際にリビングニーズ特約に対しては、どこの保険会社も保険料を設定せず、無料で付加できるようになっています。

医師の診断書などで余命6カ月と判断されれば、手続きを行えば生前給付として受け取ることができるサービスの特約ですので、付加することでデメリットが発生するわけではありません。

自分自身やご家族のためにも、特約に費用がかからないのであれば、付加していて損はありません。

リビングニーズ特約によってもたらされるメリット

余命が残り6カ月と知った場合、あなたなら何を望みますか。

  • 家族との思い出をたくさん残しておきたい
  • やりたかったことをしておきたい
  • 最後まで諦めずに治療を続けたい
人によって、様々な意見があると思いますが、自分が望む方法を選択したいと思うのは、誰もが同じ気持ちだと思います。

そのような自分自身が、最後まで生きるための選択をすることが可能となるのが、リビングニーズ特約です。

思い出作りに家族と旅行に出かけたり、やりたかったことを叶えるためには、やはり現実問題として経済的な不安が出てきてしまいます。

また、最後の最後まで治療を受けて希望を見つけたいと思っても、治療を受ける費用を工面できなければ、高額な治療費を捻出することは困難です。

こういった余命宣告を受けた人が、最後まで本人の希望に沿った生き方ができることが、リビングニーズ特約によってもたらされるメリットとなるのです。

家族との最期の思い出を作れるなど、尊厳のある死を迎えられる

余命宣告された場合、宣告を受けた人は今までの一生を振り返ることになります。
  • やり残したことはなかったか
  • 行きたい場所があったが、今まで行けなかった
  • 忙しくて家族との時間をあまり持てなかった
日本人は、昔から働きすぎだと海外でもささやかれるながらも、細かく繊細な仕事ができると絶賛されていました。

しかし、その反面、仕事に対する時間が長くなり、家族との思い出作りや、自分自身の時間を有意義に過ごすことができず、最後のときになって悔やむことは少なくありません。

万が一、余命宣告を受けたなら、あなたは何を考えるでしょうか。

もちろん、病を克服し最後まで懸命に闘病する方法もありますが、悲しい事実ですが、今の医療技術では残された時間は、あと少しとなってしまったとき、受け入れざるをえなくなることもあります。

しかし、何もせずにただ最後の日を迎えるのではなく、何かしら家族に思い出を残しておきたいという思いが湧き出てくるかもしれません。

今では医療技術の発達により、呼吸や栄養補給、痛みを和らげることができるので、本人の希望に沿った最後を迎える尊厳死も可能となりました。

高額な治療費に回すことができ、最期まで治療に励むことができる

通常の医療技術では、病を克服することが困難と判断された場合に、余命宣告を受けることになります。

しかし、先進医療治術など、自由診療をうけることによって、最後まで治療に専念することが可能です。
そして、延命治療の間に、新しい治療方法が開発される可能性も、絶対にないとは言い切れません。医療技術は日進月歩で、日々進化しています。

ただ、先進医療技術を受けようとすると、自由診療つまり健康保険が使えないため、全額実費負担となってしまいます。
自由診療による金額は、医師の判断により自由に治療金額を決めれることになっているので、場合によっては、金額面で医療を受けることができないケースも実際にあります。

そんなときに、リビングニーズ特約を利用して、保険金を受け取ることにより、自由診療を受けることができ、経済的な心配をすることなく、治療に専念することもできます。

リビングニーズ特約の本来の利用目的は、このように最後まで治療を行い、高額な治療費に充てることができるということなのです。

6ヶ月の余命宣告を本人に伝えたくない場合は?

場合によっては、治療中にご家族が闘病中の本人に代わり、余命宣告を受ける場合もあります。

その際、闘病中である本人に対する告知の方法が医師から相談を受けることになります。
  • 医師から直接本人に余命宣告をする
  • 家族から本人に余命宣告をする
  • 本人には、最後まで余命宣告をしない
今ではインターネットの普及によって、簡単に自分の症状から考えられる病名を調べることができます。

しかし、医師や家族からの余命宣告の告知によって、闘病中の本人が絶望的になってしまったり、予測していた病名が決定的になることで、精神的にも苦痛を強いられることにもつながります。

そうした中で、本人への余命宣告をしないという方法をとるケースも選択肢の1つとなるのです。

本人への告知を行わないということは、違う病名を告げて治療を続けるのか、それとも家族と一緒に過ごして、本人に悔いが残らないようにする手段をとることもできます。

本人への告知を行わず、さらに経済的な心配を取り除くためには、それなりの費用が発生することは間違いありません。

こうした場合に、リビングニーズを利用すれば、経済的な不安は免れるのですが、本来リビングニーズとは、本人が請求をするものですが、指定代理人をあらかじめ指定しておくことで、本人に代わってリビングニーズの請求を行うことができるのです。

指定代理請求ができる

闘病生活を送る被保険者に代わり、保険金を請求することができる人を「指定代理人」といいます。

指定代理人は、被保険者がなんらかの理由によって、生命保険の給付金や保険金請求の手続きができない場合に、被保険者の代わりに請求を行うことができます。

  • 本人が病名を知らされていない場合
  • 本人に意識がない場合
  • 本人に請求能力がない場合
認知症であったり、本人が意識不明の場合、治療を続けるにあたり、医療費の負担は家族にとって経済的な負担は測りしません。

このような場合に、被保険者に代わって指定代理人が指定されていれば、代わりに請求手続きを行うことが可能となっているのです。

また、本人が病名を知らされていない場合なども、指定代理人が請求することも可能です。

たとえば、胃がんを発症しているけれど、本人には胃潰瘍だと告知してがん治療を行う場合、がん保険の請求をしなければ、治療に対する費用はとても大きな負担となってしまいます。

こうしたケースの場合、あらかじめ指定代理人を指定しておくことで、本人に告知をせず、経済的な不安をやわらげ、安心して治療の選択をすることが可能となるのです。

指定代理請求人には条件があることも知っておこう

生命保険や医療保険などに加入する際、指定代理人を指定するかどうかを選択することができます。もちろん、指定代理人を指定しないという選択も可能です。

しかし、万が一のことを考えると、念のため指定代理人はあらかじめ指定しておいた方が、家族にとっても安心できることに違いはありません。

ただし、指定代理人を指定する際には、誰でも指名することはできない制度になっています。
指定代理人になれるのは
  • 被保険者の配偶者
  • 被保険者の子や孫、父母、祖父母など、直系親族にあたる人
  • 被保険者の兄弟、叔父や叔母、甥や姪など3親等内にあたる人
このように、限られた親族が基本となっています。
配偶者とは、戸籍上の配偶者であり、内縁関係にあたる場合には、指定できないケースもあります。

そのような場合には、保険会社に確認し、内縁の配偶者であると認められれば、指定代理人として指名することが可能となります。

保険会社によって、指定代理人の範囲が異なる場合があり、同性パートナーであっても指定代理人になることも可能となっている場合もあります。

急に金銭的に潤ったりすることで本人に気づかれる可能性に注意

本人に病状を告げず、家族だけが余命宣告をされた場合、リビングニーズ特約を利用するかどうかは、家族だけで判断することになります。

ここで気になるのが、リビングニーズを利用したことによって、6カ月の余命しか残されていないということを、知ってしまうのではないかということです。

結論から言うと、保険会社も細心の注意を払ってくれるので、ただちに本人が気づいてしまうということは避けられます。

しかし、時の流れとともに、本人が気づいてしまうケースも少なくありません。
  • 通帳を見ることで、保険料が安くなっていることに気づく
  • 周りの雰囲気に気づき、保険会社に直接確認をとる
リビングニーズ特約を利用すると、死亡保険金が先に支払われるので、死亡保障に対する保険料を支払うことがなくなります。
ということは、毎月の保険料が安くなってしまうのです。

また、リビングニーズ特約によって、保険金を得たことにより、周りの雰囲気が変わってしまい、治療に専念するように伝えたり、金銭面は気にしなくて大丈夫などの言葉をかけることによって、本人に感づかれてしまう場合もあります。

契約者から問い合わせがあった場合、保険会社は虚偽の報告はできないので、リビングニーズ特約を利用した旨を回答せざるをえず、本人が知ってしまうケースも考えられます。

リビングニーズ特約について知っておくべきこと

リビングニーズ特約に続いて、指定人代理人を指定するということは、比較的新しい特約となっています。

どんどん保険内容が進化していく中で、保険の見直しなどをせず、昔に加入している保険のままであった場合には、付加されていない可能性が非常に高いといえます。

万が一のときの生命保険や医療保険ですが、今では、リビングニーズ特約も万が一のときには、大変役に立ってくれる特約となっています。

長寿大国と言われる日本では、長生きによって認知症を発症するケースも多くなってしまい、家族のためにも指定代理人を指定しておくことは、やはり大切なことだと言えます。

しかし、このような必要とされているリビングニーズ特約ですが、注意しておかなければならないこともあります。

メリットの多い特約ですが、きちんと内容を確認した上で、特約を付加するようにしてください。

昔の生命保険などついていない場合も、中途付加することが可能

バブル崩壊前に加入した生命保険「お宝保険」ともいわれており、今の利率とは比べものにならないほど、利率が良い保険となっています。

そのようなお宝保険は、見直しや解約はせずに持っておくことが必要ですが、新しい特約であるリビングニーズ特約が付加できないのではと心配になるかもしれません。

しかし、この特約は中途付加がすることができるので、お宝保険を継続したままリビングニーズ特約を付加することができます。

また、指定代理人についても、同じく中途付加が可能となっています。

手続方法は、特約中途付加の書類だけですので、保険の加入時や見直しの手続きをするときのような煩わしく感じる手続きではありません。

リビングニーズ特約は、死亡保険を生存中に受け取ることができる特約ですので、死亡保障のついた生命保険に加入している場合は、ぜひ今一度、保険証券を確認して、付加されているのかを確認することをおすすめします。

使わずに残った保険金には税金がかかることに注意

リビングニーズ特約を利用して、治療費に充てたり家族との思い出作りをすることが可能となっていますが、受け取った保険金が残ったままで死亡してしまった場合には、税金面での注意が必要です。

生命保険による死亡保険金は、遺族の生活を守るためのものとされているので、一般の相続税の基礎控除に上乗せした生命保険の控除枠が存在します。

しかし、リビングニーズ特約を利用して受け取った保険金は、死亡保険金の扱いではなく、生存給付金としての扱いとなります。

したがって、もしリビングニーズ特約で受け取った保険金を使いきらずに、現金として遺族に残ってしまった場合には、一般の相続税の基礎控除しか使うことはできません。

リビングニーズ特約により、逆に税金を払いすぎる可能性があるデメリットも?

リビングニーズ特約で受け取った保険金は、非課税となりますが、場合によっては相続税としての税金が高くなってしまうケースもあるので、注意が必要です。

リビングニーズ特約にかかわる税金として考えられるのは、下記の内容です。
  • リビングニーズで受け取ったときの保険金は非課税
  • 受け取った保険金があまり、現金として相続税の対象となる
  • 非課税枠を超えてしまい、相続税が高くなる
利用の仕方によっては、節税につながるメリットもありますが、相続税が高くなってしまうというデメリットも存在するのです。

リビングニーズを適用する際には、このようなメリットとデメリットも踏まえ、きちんと考えておかなければ、後々、相続税で大変なことになってしまうので、注意しておくことが必要となります。

受け取った分は非課税となるので、節税になるケースが多い

生命保険や医療保険など、生前に医療のために受け取った給付金や保険金は、すべて非課税となります。

そのため、リビングニーズ特約で生前に受け取った保険金は、死亡保険としての相続税ではなく非課税として扱われることになります。

保険金は3,000万円を限度として受け取ることができ、高額な保険金を受け取ったとしても、受け取った時点では、保険金に対して税金がかかることはありません。

したがって、保険金を受け取ったことを確定申告なので申告する必要はなく、逆に医療費控除を使うことができることから、節税対策となります。

ただし、ここで気をつけておかなければならないのが、万が一のときの相続税に対する意識をしておくことです。

リビングニーズ特約で受け取った保険金は、使い方によって現金として残ってしまった場合には、相続税の対象となることになります。

非課税限度額が使えなくなり、相続税が増えるケースもある

一般の相続税に対する基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」です。

しかし、生命保険の死亡保険を受け取った場合には、上記の基礎控除額に加えて「500万円×法定相続人の人数」が加算されて控除を受けることができます。

しかし、リビングニーズ特約で受け取った保険金を全額使わずに、現金として遺してしまった場合には、生命保険による追加の控除は受けることができなくなるのです。

たとえば、法定相続人が3人で、5,000万円の資産があり、生命保険の死亡保障が3,000万円だった場合
5,000万円-(3,000万円+600万円×3人)=200万円
3,000万円-(500万円×3人)=1,500万円
合計すると、1,700万円が相続税の対象となります。

しかし、リビングニーズ特約により、3,000万円を受け取り1,000万円が現金として遺った場合は
6,000万円-(3,000万円+600万円×3人)=4800万円
5,000万円の資産に加え、現金として遺った保険金も資産となり、4,800万円が相続税の対象となります。

参考:リビングニーズ特約は、プルデンシャル生命が日本で初めて提供を開始した

リビングニーズ特約の誕生は、1989年、米国プレデンシャル元社長のロバルト・バーバロが、エイズ患者のいるホスピスを訪問したことがきっかけでした。

何かできることはないかと尋ねたところ、「尊厳のある死を迎えたい」」という言葉を聞き、保険会社として何かできることはないかと考えたところから始まりました。

いずれ支払われる死亡保険ならば、余命が限られた人に対して前払いをできないかと、社内や行政当局を通して実現したのが、リビングニーズ特約なのです。

この特約が実現化され、エイズ患者は故郷に戻り、余った保険金は協会に寄付したそうです。
そして、ここからリビングニーズ特約は世界中に広まり、1992年10月プレデンシャル生命が、初めて日本でリビングニーズ特約を導入しました。

まとめ

自分の余命があと僅かとなった場合、人は誰しもが尊厳のある死を望むようになります。

  • 思い残すことなく、家族との思い出を残したい
  • 最後まで諦めずに、病と闘っていきたい
  • やり残していたことを叶えておきたい
「尊厳のある死」とは、人によってイメージすることは違うと思います。
しかし、それを叶えるためには、経済的な不安を持ったままでは、叶えることなく死を迎えることになってしまいます。

リビングニーズ特約は、そのような願いを叶えるために存在している特約です。
利用の仕方によっては、相続税の負担が大きくなってしまうデメリットもありますが、メリットはデメリット以上に存在します。

もし、まだリビングニーズ特約を付加していないのであれば、ぜひ特約の追加をおすすめします。
生命保険の選び方が気になるという方はぜひこちらを読んでみてください。
この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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