外貨建て個人年金保険まるわかり。メリット・デメリット徹底解説

外貨建て個人年金保険が人気です。円建て金融商品の利回りが軒並み低空飛行であるのに対し、外貨建ての利回りが魅力的であると言うのが主な理由です。外貨建て個人年金保険のメリットとデメリットが簡単に理解出来て、上手に利用することができるよう、わかりやすく解説します。

外貨建て個人年金保険の特徴

外貨建て個人年金保険にはどのような特徴があるのでしょうか。

とくに円建ての個人年金保険と比べて、どのようなメリットやデメリットがあるのか、見ていきましょう。

外貨建て個人年金保険の2つのメリット

外貨建て個人年金保険には、2つのメリットがあります。

ひとつは、円建てよりも利回りが良いこと、もうひとつは、分散投資できることです。


早速それぞれのメリットについて、詳細に見ていくことにしましょう。

メリット1:円建てと比較して利率が良い

個人年金保険を含む生命保険の運用利回りは、ほぼ市場金利に連動します。


保険会社が契約者に約束する運用利回りである「予定利率」も、市場金利に連動してきました。


高度成長期で金利が上がっていた時代では予定利率は5%になり、バブル期には最高6.25%にもなりました。


その後、だんだん予定利率は下降していき、1994年には3.75%、2001年~2013年には1.5%、そして、2017年にはついに、終身保険等が0.4%、個人年金保険等が0.85%まで下がりました


ここまで下がると、さすがに積み立てや資産運用という意味では、円建ての金融商品はほとんど魅力がなく、消費者の目も、円建てよりも利回りが高い外貨建てに向くようになりました。


そこで、個人年金保険についても、それまで円建てが当たり前だったところが、利回りの良さを前面に打ち出した外貨建て個人年金保険に人気が集まってきたわけです。 


利回りの違いは大きい


円建ての個人年金保険の予定利率が0.85%であるのに対して、たとえばオーストラリアドル建て個人年金保険では、保険会社によりますが2.5%程度もあります。


パーセントでは実感がわかないと思いますので、預金を例にとって、受け取れる金額の差を簡単に計算してみましょう。


たとえば、単純に100万円を10年間運用した場合、10年後の受取額を利回り(複利)で計算した場合、


0.85% 1,088,326円

2.5%     1,280,085円


というように、同じ100万円を預けても、10年後の受取額では約20万円という大きな差が出ます。


円建てと外貨建ての利回りの差はこれだけ大きいので、外貨建て個人年金保険に人気がシフトするのも、ご理解いただけると思います。

メリット2:利率の良い複数の外貨に分散投資ができる

複数の外貨に分散投資できることにより、為替リスクを抑えることができます。


円建ての資産しか持っていない場合は、将来円安になれば、実質上資産が目減りしますが、外貨建ての資産を持つことで、為替のリスクヘッジができます。

外貨建て個人年金保険の2つのデメリット

外貨建て個人年金保険にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

とくにこのデメリットを理解しないまま外貨建て個人年金保険に加入すると、思わぬ損をする可能性も高いので、しっかり把握しておきましょう。

デメリット1:為替リスクがあり、元本割れをする可能性もある


外貨建て個人年金保険では、保険料を払う際と、年金を受け取る際に、外貨と円を交換する必要があります。

たとえば100万円を一時払保険料としてドル建て個人年金に加入する場合を考えてみましょう。


保険料を支払う際には、100万円をドルに換える必要があります。


その際の円ドル換算レートが1ドル100円だったとすると、100万円は1万ドルに相当します。


この1万ドルを保険会社が年金の受け取り開始前まで運用し続けることになります(ここでは諸経費は考慮していません)。


かりに、運用の結果、年金原資が12,000ドルにまで増えたとしましょう。


今度はこの12,000ドルを年金として受け取ることになるわけですが、話をわかりやすくするために、年金方式ではなく一括で受け取るとしましょう。


その場合、保険料を払った当時と同じ換算レートの1ドル100円なら、120万円受け取ることができます。


保険料を払った当時よりも円安になって換算レートが1ドル110円になっていたとしたら、132万円受け取ることができます。


いっぽう、円高になって換算レートが1ドル90円になっていたとしたら、90万円の受取となり、払った保険料100万円と比べると10万円下回り、元本割れすることになります。


つまり、いくら円建てよりも利回りが良いとは言っても、その利回りの良さを吹き飛ばすほどの円高になってしまえば、元本割れしてしまうと言うことです。

デメリット2:両替手数料がかかる

外貨建て個人年金保険は、保険料を払う時に円から外貨に両替し、年金を受け取るときにも外貨から円に両替することになります。

その際に、両替手数料がかかります


手数料は会社によって異なりますが、おおよそ1ドルにつき50銭から1円程度です。


仮に1ドル1円とすると、100万円を円⇒外貨、外貨⇒円に換えるだけで両替手数料は2円となり、2%もの手数料がかかることになります。


けっして無視できるほど安くはありません。


目に見えない費用


実は、外貨建て個人年金に支払う保険料は、そっくりそのまま積み立てにまわるわけではありません


保険会社は、預かった保険料から、保険契約の事務管理などの経費や利益を差し引いたものを積み立てます。この割合を積立利率といいます。


保険会社の経費や利益は公表されていませんが、目に見えない費用と言えます。

外貨建て個人年金保険の場合、税金はどうなる?


外貨建て個人年金保険にかかわる税金についてですが、保険料を支払う時と、年金を受け取るときに税金が絡みます。


【保険料を支払う時】

円を外貨に換えますが、保険料控除の対象となるのは実際に円で支払った金額をもとに計算します。個人年金保険料控除は年間保険料4万円を上限として、課税所得から控除されます。


【年金を受け取るとき】

受け取った年金は雑所得に分類され、所得税の対象となります。


円換算支払特約が付いている場合は、実際に受け取った円貨額が課税対象額となります。

外貨で受け取る場合は、年金の支払いを受けた日の為替レートで計算をします。


年金を受け取った場合の雑所得の課税対象額は、


(受け取った年金額 -必要経費)で計算します。


必要経費は、受け取った年金年額 x 払込保険料総額/年金の総支給見込み額で計算します。

外貨建て個人年金保険に向いている人の特徴

外貨建て個人年金保険に向いているのはどのような人か、列挙してみます。


  • 円建ての低い利回りに耐えられない人
  • 余裕資金のある人
  • 為替に関する知識のある人
  • 海外生活などで外貨を持っていてそれを運用したい人
  • 海外移住などの計画があり、外貨を使える予定のある人
  • リスクをとってでも積極的な資産運用をしたい人
  • 複数の外貨に分散投資をして為替リスクを低減させたい人


こういった人には、外貨建て個人年金保険は向いています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。


外貨建て個人年金保険は、何といってもその利回りの高さで人気が高い保険商品です。

従来の円建て個人年金保険が、あまりにも低利回りで魅力がなくなったため、個人年金保険加入を検討している人が、外貨建てに流れています。


また、複数の外貨に分散投資ができるところから、為替のリスクヘッジを期待することもできます。


いっぽう、最大のデメリットが為替リスクによる元本割れです。


せっかく利回りが高くても、それを上回るほどの為替差損が出る可能性もあります。


こういったリスクをとってでも積極的に運用したい人や、為替に知識がある人、外貨を使う予定がある人であれば、魅力的な保険であると言えます。

個人年金保険の選び方が知りたい方はこちらの記事もご覧ください
この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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