更新日:2021/09/18
個人年金保険は一括受取と分割受取どちらがお得?税金に関する疑問も解決!
個人年金保険の受け取りにかかる税金は、一括受取と年金形式で分割受取と、どっちがお得なの?と悩んでいる方も多いはず。個人年金保険の満期金にかかる税金の多くは所得税(雑所得・一時所得)ですが、「一括受取か年金受取」の税金計算・控除・メリットデメリットを解説します。
- 個人年金保険の受け取り方に迷っている人
- 個人年金の税金について詳しく知りたい人
- 個人年金保険のお得な受け取り方
- 一括受け取りのメリットとデメリット
- 一括受け取りをした場合の税金の計算方法
- 分割受け取りをした場合の税金の計算方法
内容をまとめると
- 個人年金保険は分割受け取りの方がお得!
- 一括受け取りと分割受け取りのシミュレーション
- 一括受け取りは「一時所得」となる
- 分割受け取りは「雑所得」となる
- 所得に応じて課税金額が変わる
- どちらがお得か迷ったらプロに相談するのも賢い方法
- 保険の受取方で相談したければマネーキャリアがおすすめ!
目次を使って気になるところから読みましょう!
個人年金保険は一括受取より分割受取の方がお得!
結論から言うと、個人年金保険は分割受け取りの方がお得です。
分割で受け取った場合、受け取り期間が長くなりその分受け取っていない分が運用されて増えていくからです。
また、受け取り時における税金の面などからしても、一括で受け取るよりも分割で受け取る方が受け取り総額が大きくなります。
個人年金保険をできるだけお得に受け取りたいという人は、一括受け取りを選ぶよりも分割受け取りを選んだ方が賢い選択と言えるでしょう。
個人年金保険の一括受取のメリットとデメリット
個人年金保険を一括で受け取る場合、メリットとしてまとまったお金が手に入ることがあげられます。
退職を機に夫婦で海外旅行に出かけたい、家の大々的なリフォームがしたいなどの理由で生活費とは別にまとまったお金がほしい人は個人年金保険の一括受け取りを検討してもいいでしょう。
デメリットとして、年金形式で受け取るよりも総額が少ない点があげられます。
年金を受け取ってしまってはその時点で運用はされなくなり、増えなくなるためです。
また、税金の面から考えても、一括で受け取る方が多くの税金がかかり結果的に分割で受け取るよりも手取りが少なくなってしまいます。
個人年金保険の一括受取と分割受取を実際にシミュレーションして比較!
個人年金保険の受取方の違いについて詳しくシミュレーションしてみていきましょう。
条件は以下の通りです。
- 契約時年齢:40歳
- 払込満了年齢:60歳
- 年金受取開始年齢:65歳
- 年金受取年数:10年
- 払込保険料総額:360万円
- 年金受取人が契約者本人
個人年金保険の一括受取には所得税が課税される
個人年金保険の受取は、受取人と契約者が同じである場合に所得税が課税されます。
さらに、一括受け取りの場合は「一時所得」、分割受け取りの場合は「雑所得」と分類され、それぞれ課税方法が異なります。
ちなみに受取人と契約者が異なる場合には贈与税が課税されることになります。
所得税はどれだけ課税されるのでしょうか。
以下に詳しく解説いたしますので、参考にしてください。
一括受取の場合は一時所得扱いで計算される
個人年金保険を一括受け取りした場合、一時所得がかかるとお伝えいたしました。
一時所得には50万円の特別控除が適応されます。
具体的な計算方法は以下の通りです。
{受取保険料総額-支払った保険料-50万円(特別控除)}÷2
この式に当てはめた時、保険の運用で多少利益が出ていたとしても、それが50万円以下なら課税対象にはならないということがわかります。
つまり、50万円以下の利益は実質非課税ということです。
支払った保険料に対して受け取る年金が高く、課税されてしまうのではないかと心配の方も、もしそれが50万円以下の利益だとしたら税金はかかりません。
一括受け取りを検討している場合は、受け取る保険金と支払った保険料の差額を確かめてみるのもいいかもしれませんね。
個人年金に課税される所得税の具体的な計算例
個人年金保険に課税される税金はどのように計算すればいいのでしょうか。
具体的にご紹介します。
【一括受け取り(一時所得)の場合】
{受取保険料総額-支払った保険料-50万円(特別控除)}÷2
【分割受け取り(雑所得)の場合】
受取保険料総額-(年間の受取額×払込保険料総額割÷年金の総支給見込額)
一括受け取りの計算例シミュレーションはこちらです。
- 受取保険料総額:360万円
- 支払った保険料:370万円
- 360万円-370万円-50万円=0円
- このケースでは課税されることはありません。
- 年間受取額:50万円
- 10年間確定年金
- 保険料払込期間:30年
- 年間払込保険料:10万円
- 必要経費:30万円
- 50万円-30万円=20万円
- この場合は20万円が課税対象になります。
- ただし、所得税の基礎控除48万円があるので、他に所得がなければ課税されることはありません。
今回の例はあくまでもモデルケースのため、自分の保険に当てはまるか不安な方はプロに相談することをおすすめします。
注意:保証期間付終身年金の場合は雑所得の対象!
条件次第では一括受取の方が有利になる場合もある
個人年金保険は基本的には分割受け取りの方がお得とお伝えしました。
しかし、条件次第では一括受け取りの方がお得になる可能性もあることを覚えておきましょう。
税金は自分の所得額によって課税金額が異なります。
モデルケースのようにはいかないことが多く、一人一人の収入などを加味して税金の計算をする必要があります。
自分の所得では一括受け取りと分割受け取りのどちらがお得なのかわからない場合などは、税金の相談窓口などを活用してみるのもいいかもしれませんね。
一括受取で確定申告は基本的に不要
個人年金保険を一括で受け取った場合の確定申告は基本的に不要です。
ただし、他の所得と合わせて課税対象が20万円を超える場合には確定申告が必要となりますので注意してください。
自分の所得の課税対象額がわからない場合や、確定申告が必要か判断が難しい場合などは税理士や街の税金相談窓口などを活用してみてもいいですね。
個人年金を一括受取するための手続き方法
個人年金保険の年金を一括受け取りするために、まず本当に一括受け取りがお得なのかどうかをしっかりと確認する必要があります。
まとまったお金がほしいなど明確な理由がない限り、分割で受け取った方がお得になるならお得に受け取る方法を選びたいものです。
一括受け取りと分割受け取り、どちらが手取金額が多いのかを一度保険の担当者に相談してみてもいいですね。
そのうえで、自分の所得額を確認し、税金面でも本当にお得なのかをしっかりと確認しましょう。
きちんと納得した受取方法を選択できるように、しっかりと下調べをしたうえで自分にとって最適な方法を選択してください。
個人年金保険の一括受取と税金に関するまとめ
個人年金保険は基本的に一括受け取りを選択するより、分割受け取りを選択する方がお得です。
ただ、一括受け取りの場合は一時所得となり特別控除の50万円分は実質非課税となるので、支払った保険料と受け取る保険料の差額が50万円以下の方は一括受け取りを選択するのもひとつの方法といえるでしょう。
分割受け取りの場合は受け取りの期間に運用される保険料があるので受け取り総額は一括受け取りよりも増える可能性があります。
税金面では、一時所得と雑所得となり、所得税のかかり方が異なるので、自分の所得総額を確かめてどちらで受け取った方がお得なのかをしっかりと確認する必要があります。
分割受け取りか、一括受け取りか、どちらを選んでも後悔しないようにしっかりと下調べをしたうえで選択してくださいね。
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