配当金が付いている個人年金保険を選ぶメリットやデメリット

個人年金保険の商品を調べていると、配当金付きという言葉をよく耳にします。個人年金保険の配当金とは何を意味しているのか、実際にどんな利益が得られるのかなど、メリットやデメリットについて知っていれば自分に合った商品を探しやすくなります。



▼この記事を読んで欲しい人

  • 配当金付きの個人年金保険への加入を検討している方
  • 配当金付きの個人年金保険のメリット・デメリットを知りたい方

▼この記事を読んでわかること

  • 個人年金保険の配当金とはなにか
  • 個人年金保険の配当金を受け取るタイミング
  • 配当金付きの個人年金保険のメリット・デメリット

内容をまとめると

  • 配当金は、保険会社の運営利益を契約者に還元するもの
  • 配当金は積み立てられ、増額年金・増加年金として基本年金に追加して支払われる
  • 配当金付きの個人年金保険は運営が良好な保険会社で長期的に運用するほど得をしやすい
  • 運用実績によっては配当金が得られない・保険料が割高というデメリットもある
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個人年金保険の配当金とは?


セカンドライフをより充実させるため、個人年金保険への加入を検討する方も多いのではないでしょうか。


個人年金保険の商品を探していると、よく目にするのが「配当金」という言葉です。


その詳しい意味についてはよくわからない、というケースも多いのではないかと思います。


  • 配当金とは保険会社の運営利益を還元するためのお金
  • 配当金には費差配当死差配当利差配当などが含まれる

ここでは、上記2つの観点から、配当金とはなにか詳しく解説していきます。

配当金とは保険会社の運営利益を還元するためのお金

配当金と聞くと、株式の配当金をイメージする方も多いかもしれません。


生命保険の「配当金」とは、保険会社の運営利益を契約者に還元するお金のことで、事後精算としての意味合いをもちます。


まず、契約者が支払う保険料は、次の3つの予定率をもとに算出されています。


  • 予定利率:保険料の資産運用による収益率(運用利回り)の見積もり率
  • 予定死亡率:死亡者数の割合の推定
  • 予定事業費率:事業に必要な費用割合の推定


ただし、上記は予定であるため、実際の数字とは異なることが多くあります。


予定していた費用よりも実際にかかった費用の方が少なかった場合、余ったお金のことを「剰余金」といいます。


生命保険は、配当金の分配がある「有配当」の保険と、配当金の分配のない「無配当」の保険があります。


有配当(配当金付き)の保険では、剰余金が一定の額を超えた場合、そのお金が契約者に分配されます。


それが「配当金」です。

配当金には費差配当・死差配当・利差配当などが含まれる

保険料は、「予定利率」・「予定死亡率」・「予定事業費率」によって計算されます。


しかし、保険会社は安全性を見込んで費用を見積もっているケースも多いため、実際にかかった費用の数字とズレが生じることがあります。


有配当(配当金付き)の保険で剰余金が発生した場合、配当金にはそれぞれの予定率に応じて、次のような配当が含まれています。


  • 利差配当:予定利率に比べて実績利回りが高い場合
  • 死差配当:予定死亡率に比べて実際の死亡率の方が低い場合
  • 費差配当:予定事業費に比べて実際の事業費の方が少ない場合


また、有配当の保険は、以下の2種類に分けられます。


  • 3利源配当タイプ:「利差」「死差」「費差」すべてを集計して分配する
  • 利差配当タイプ:利差のみを使用して分配する

個人年金保険の配当金がもらえるタイミングはいつ?

ここまで配当金について解説してきましたが、有配当の個人年金保険に加入した場合、いつ配当金を受け取ることができるのでしょうか?


  • 払い戻しタイプの場合:5年ごと
  • 積み立てタイプの場合:支給される年金に含まれる


ここでは、配当金を受け取れるタイミングについて、上記の保険タイプごとにそれぞれ詳しく解説します。


配当金付きの保険商品を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

払い戻しタイプの場合:5年ごと

個人年金保険のなかには、保険会社の運用成果による剰余金が発生した場合、5年ごとに配当金が支払われるタイプの保険商品があります。


ただし、5年ごとに自動的に配当金を直接払い戻されるようなことはなく、積み立てされるのが一般的です。


つまり、配当金が払い戻しされるタイプの個人年金はないという認識で問題ないです。


商品にもよりますが、年金開始前に配当金を受け取りたい場合、契約者が保険会社に配当金の受け取りを申請する必要があります。

  

ただし、その場合は受け取り金額が減ってしまう可能性が高いため、注意が必要です。

積み立てタイプの場合:支給される年金に含まれる

積み立てタイプの場合、配当金は支給される年金として一緒に受け取ることになります。  


配当金付きの個人年金保険は、こちらのタイプが基本です。


個人年金保険で受け取る年金のことを基本年金といいます。


有配当の保険では、この基本年金に上乗せするかたちで下記の年金が支払われることがあります。


  • 増額年金:年金開始までの保険料払い込み期間に積み立てられた配当金によって買い増しされるもの
  • 増加年金年金受け取り後の配当金によって買い増しされるもの


増額年金増加年金は、ともに配当金の金額によって決まります。


そのため、契約により支払いが保証されている基本年金とは異なり、はじめから具体的にいくら、という金額が決まっているわけではありません


また、増額年金や増加年金は配当金を原資としている性質上、運用実績により配当金が支払われなかった場合は受け取ることはできません。

配当金が付いている個人年金保険の2つのメリット


個人年金保険には、配当金の分配がある「有配当」、いわゆる配当金付きの保険と、配当金の分配のない「無配当」の保険があります。


配当金付きの個人年金保険を選ぶメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。


主なメリットは、次の2点です。


  • 運営が良好な保険会社なら得
  • 加入期間が長ければ利益もアップ


ここでは、配当金付きの個人年金保険の2つのメリットについて解説していきます。

メリット①運営が良好な保険会社なら得

配当金付きの個人年金保険は、保険会社の支出が見込みより少なく剰余金が生じた場合、支払われた保険料を配当として契約者に還元するものです。


そのため、運営が良好な保険会社であれば得をしやすい、というメリットがあります。


保険会社は、契約者から集めた保険料を


  • 保険金の支払いの支払い
  • 商品の販売や事務にかかる経費の支払い
  • 資産運用
などに使用します。


このなかでも配当金への影響が大きいのは、資産運用といわれています。


今後も含め、保険会社の資産運用の状況が良好であれば、配当金付きの保険は有利になりやすい、といえます。


資産運用の方法は、各社さまざまです。


気になる商品を扱う保険会社が、どのような資産で運用をしているのか、確認してみることもおすすめです。

メリット②加入期間が長ければ利益もアップ

長期間に渡って運用するほど、運用益がさらに運用されることになるため、利益が大きくなりやすくなるというメリットがあります。


加入期間が長い場合、長期的な運用によって一時的なマイナスが解消されるケースもあります。


また、長期間個人年金保険を契約している契約者に対し、通常の配当とは別に「特別配当」が支払われる可能性がある保険商品もあります。


豊かなセカンドライフを目指し、長期的に資産を蓄えていきたい、と考えている方にとって、メリットのひとつになりそうですね。

配当金なしの個人年金保険との違い


個人年金保険には、配当金なし(無配当)の商品もあります。


どちらの個人年金保険商品を選ぶべきか、迷ってしまうこともありますよね。


配当金付きの個人年金保険」と「配当金なしの個人年金保険」には、どのような違いがあるのでしょうか。


「配当金付きの個人年金保険」の場合、「配当金なしの個人年金保険」と比較して、主に次のような違いがあります。


  • 運営状態が悪いとメリットがない
  • 保険料が高くなる場合もある

それぞれの違いについて、詳しく解説していきます。

①運営状態が悪いとメリットがない

配当金付き(有配当)の保険であっても、配当金は絶対に支払われるものではありません


その点には、注意が必要となります。


配当金は、保険会社の運用によって生じた剰余金を契約者に還元するものです。


そのため、運用が低調で剰余金が得られない場合、配当金を受け取れないこともあります


期待したような金額の配当金を得られないケースもあるでしょう。


保険会社の運営状態がよくない場合、有配当のメリットを得ることは難しい、といえます。


配当金付きの保険は、配当金の支払いを約束するものではなく、支払いの有無や金額は保険会社の運営状態に左右される、ということを覚えておく必要があるでしょう。

②保険料が高くなる場合もある

配当金付きの個人年金保険商品は、無配当の保険商品に比べ、保険料が割高になりがちです。


具体的には、いくらの差が生じるのでしょうか。


下記の条件で、有配当・無配当の個人年金保険にそれぞれ加入した場合の月額保険料をシミュレーションしてみました。


  • 払込期間:60歳まで
  • 受取方法:10年確定年金
  • 保険金額:(S社・無配当)1,000万円、(M社・有配当 )1,016万円


30歳男性
月額保険料
40歳男性
月額保険料
S社・無配当
26,660円40,290円
M社・有配当28,000円42,000円
月額保険料差額1,340円1,710円


上記シミュレーションで無配当・有配当の個人年金保険の月額保険料を比較した結果、契約時30歳男性の場合1,340円、契約時40歳男性の場合1,710円の差がありました。


2つの保険商品の保険金額の差を考慮しても、有配当の保険商品の方が割高な保険料となっています。


ただし、保険料は各種条件や契約時の年齢などによっても異なります。


配当金付きの個人年金保険を検討している場合、複数商品を比較してみることをおすすめします。

参考:ニッセイの配当金の取り扱いをわかりやすく解説

人気の個人年金保険商品のひとつに、日本生命の「みらいのカタチ 年金保険」があります。


運用実績により配当金が受け取れる保険で、受け取り方法を

  • 5年確定年金
  • 10年確定年金
  • 15年確定年金
  • 10年保証期間付終身年金

から選択可能な商品です。


ここでは、こちらの商品を例に、配当金の取り扱いについてみていきます。


配当金の取り扱いは、以下のケースごとに異なります。

※決算状況や契約収支状況によっては、配当金の支払いがない場合があります。

※「個人年金保険料税制適格特約」を付加している場合は、取り扱いが異なります。


  • 年金開始日前
  • 年金開始日
  • 年金開始後

まず、年金開始日の場合、積み立てられた配当金は、契約者からの請求があったときに加え、契約が消滅したときに支払われます。

年金開始日においては、
  • 年金開始日が到来した際に積み立てられている配当金
  • 年金開始日となる契約応当日の到来により割り当てられた配当金
年金の支払額の増額にあてられます。

年金開始日に割り当てられた配当金については、年金とともに支払われます

個人年金保険の配当に関するまとめ

個人年金保険は、日本生命・住友生命・明治安田生命・第一生命など、さまざまな保険会社が取り扱っています。


リタイア後の資産を計画的に貯蓄できるほか、個人年金保険料税制適格特約を付加すれば、年末調整や確定申告の際、一般生命保険料控除とは別枠で個人年金保険料控除を受けられるという税金面の利点もあります。


また、配当金付きの個人年金保険には、保険会社の運用実績によっては配当金を得られるというメリットがあります。


反面、無配当の保険商品と比べ保険料が高くなりやすく、保険会社の運営状態によっては配当金を得られない可能性もあります。


配当金付きの個人年金保険を検討する際は、保険会社がどのような資産で運用をしているのか、という点についても目を向ける必要がありそうです。


個人年金保険の選び方やリタイア後の資産形成にお悩みの場合は、マネーキャリア無料相談をご利用ください。


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